
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
歌舞伎の場合、初期の娘歌舞伎、若衆歌舞伎が売春と不可分ということで禁止されたわけですが、その結果許された野郎歌舞伎では、女方の演技が非常に進歩することとなりました。
これは生身の女性の真似から、「女性より女性らしく」見えるような演技術の進歩でもあり、同時にこの技術が立役の演技に戻ってきて、立役も、単なる生身の男性を表したものから、シンボリックな男性を表現するようになってきたのです。その結果、明治の演劇改良運動や戦後の男女平等という動きの中でも、歌舞伎は女優ではなく女形を選択したわけです。
今は品切れ扱いになっていて(八重洲ブックセンターでは今でも平積みのようですが)、普通は入手しにくい本になってしまいましたが、図書館で以下の本を探してみて下さい。
永竹良幸『オペラと歌舞伎』(丸善ライブラリー)
初期のオペラでも女性歌手が禁制でした。それぞれ女優を禁じられた演劇が、どういう形でそのハンデを演技上の美点へと昇華させたか、非常に解りやすい解説になっています。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
私の高校も、日本で一、二を争う性教育の盛んな学校でしたので、ジェンダー教育についてはいろいろ考えさせられました。
私は演劇ファンになったのは日が浅いので専門的な回答はできませんが、私なりの見解をどうぞ参考までにf^^;
歌舞伎のような古典はもちろん、宝塚も歴史と伝統ある歌劇団ですから、今日の姿が形作られたのは昨日今日ではない、それこそジェンダーフリーなんてもなかった時代でしょうね。
ジェンダー教育や男女共同参画社会などは、今までの歴史の誤りを見直し、住みよい社会を作っていくためのもので、いわば歴史や伝統とは表裏一体ながら正反対に位置するものです。これは演劇界に限らず、スポーツでもなんでも枚挙に暇はございません。
しかし、男女平等を掲げながら男子校女子校がいまだに人気が根強かったり、歌舞伎や宝塚の伝統ある姿が大切に守られているのは、単に保守派の人々があーだこーだいうわけではなく、その歴史と伝統が人々に愛されているからではないでしょうか。新しいものには、時代のニーズに合った新しいもののよさ、古いものには、長年大切にされ続けてきた古いもののよさがそれぞれあるものです(もちろん全ての過去に当てはまるとはいえません。それを正しい方向に導けるものが新しいものだと願います)
いまだ多くの女性がシンデレラコンプレックスに陥っているであろう現状の是非を私は問いません。古典的な囚われのお姫様と白馬の王子様のストーリーも、男に頼らず懸命に強く生きるフェミニストなヒロインも、どちらも魅力的なキャラクターだと私は思うのです。
そして、男女平等を掲げながら、もしも歌舞伎に女性役者が入り、宝塚に男性役者が入った場合を考えてみてください。
当然男役を男性が演じ、女役を女性が演じることになるのではないでしょうか。
そうすると、いままで舞台の上ではたとえ男性でも女性になることができた女形、女性でありながら男性になることができた男役たちが、今度はジェンダーに縛られるのではないですか?
伝統の舞台の上には、もうひとつのジェンダーフリー、長年の歴史のなかできっと誰もが抱いていた欲望(決してトランスセクシャル的意味でなく。舞台の上では誰にでもなれる魔法のようなもの)があったのかもしれませんね。
長文駄文失礼仕りました
No.2
- 回答日時:
学生の頃から、小林一三氏のファンで、ご本人の著作や周辺図書をかなり読みました。
男役は歌劇創設から暫くしてからできたものだったと思います。小林氏は、「女性だからこそ、女性が男性のどこに惹かれるかを本当に知っている」との理由で敢えて、女性が男性を演じる男役をつくったと記憶しています。
あまりに沢山読んだので、出典は定かではありませんが、「逸翁自叙伝」位でしたでしょうか。
今にして思えば、傑出した発想ですね。但し、今のジェンダー論者は批判するかも知れませんが…。
また、同氏は、歌劇に採用する受験生は決して美女であるとかで決めず、舞台映りはどうかという視点で採用を決めていたとも記憶しています。
そういえば、今でもトップスターが美女であるとまでは言えない人が多いと思うのは、私の偏見でしょうか。また、叱られそうですね。
図書館で、小林一三氏の著作や評伝を探されたら、そういった話は必ず出てきますので、一度試して下さい。
歌舞伎のことは、不案内です。
以上、ご参考までに。
No.1
- 回答日時:
歌舞伎の演者が男性だけなのは、江戸幕府によって女性の出演が禁じられたためです。
出雲の阿国が始めた最初期の歌舞伎は、女性が男性の格好をして滑稽な踊りを披露するというものでした。
これが流行り出すと、遊女達がその踊りを真似て「遊女歌舞伎」なるものを始め、中にはそれで客を取る者も現れたため、徳川幕府が「風紀を乱す」いう理由で寛永6年に禁止令を発令しました。
すると今度は美少年の演じる「若衆歌舞伎」が始まりましたが、それも男色の対象となり承応元年に禁止、その後成人男子のみで演じられる「野郎歌舞伎」が成立して現在に至ります。
歌舞伎が最も発達したのがこの野郎歌舞伎の時代だったので、今でもその伝統が続いているというわけです。
ちなみに、歌舞伎は音楽も全て男性が演奏していますが、「助六」の音楽「河東節」では、例外的に女性の唄いが入ります。
また、現在は特に女性の出演を禁止する法律は無いので、一部の劇団では女性が出演する歌舞伎を演じることもあるそうです。
宝塚については詳しいことが分かりませんでしたが、創始者の小林一三氏が宝塚温泉のアトラクションとして始めたときから、既に少女だけの劇団というのは決まっていたようです。
未婚の女性だけで演じるというのは、それだけでも華やかな魅力が生まれるというものです。
実は、1945年以降の数年間、公募により男子研究生が少数ながら入団したこともあるらしいのですが、女子研究生やファンらの反対により、最後まで本公演に出演することなく、1952年をもって解散したとされています。
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