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お世話になります。

流麗で、繊細な感性あふれる、どちらかというと古風な香りのする文章をたっぷり読みたいとおもいます。

あなたが、「この人こそは最も美しい日本語を操る人だ!」と思われる作家、詩人、もしくはそれに準ずるモノカキの方と、おすすめの一文およびその出典を教えてください。

個人的に、川端康成、北原白秋、上田敏、夢枕獏、さだまさしあたりの文章が好みです

よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

やや古い時代(大正~昭和あたり?)になりますと、



中勘助

この人ほど端正な文章を書く人はいないでしょう。ただ、川端康成のような流麗というものではありません。どちらかというと森鴎外などに通ずる、やや漢文調な実直な文章ですね。上田敏が好きなら十分おわかりと思います。昔の文語的な文章としてはもっともすばらしいと思います。岩波文庫から「銀の匙」など何冊か出ています。個人的には「提婆達多」がお勧めです。

昭和ですと、

志賀直哉

やはり、この人の名前を出さないわけにはいかないでしょう。個人的には好きな小説家ではないのですが、「暗夜行路」などの言葉遣いの美しさは他に真似できないものがあります。川端康成などの昭和の現代文を基調とした小説ならこの人の文章がもっとも美しいでしょう。

昭和~平成あたりだと、

藤沢周平

個人的にですが、戦後の小説化の中でもっとも美しい文章を書く人だと思っています。歴史小説もですが、時代物のほうが特に美しいですね。昭和文体はこの人とともに終わったという感じがします。「海鳴り」が文章の美しさとしては最高傑作と思いますが、初期の「隠し剣」シリーズなどには市井ものにない凄みがあり、別の意味で圧巻です。

あと、番外的ではありますが、旧字旧仮名遣いの美しさを追求する

丸谷才一

この人も、現代的な文章ばかりの中で異彩を放っていると思います。「裏声で歌へ君が代」が有名ですが個人的には「たった一人の反乱」あたりのほうが好きだったりします。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。


中勘助は盲点でした。
いつか読もうとおもいつつ忘れていたといいますか。
ちょっと文語体のような文章が読みたい気分だったので、その点でもよさそうです。

あと、志賀直哉や藤沢周平はある程度読んだことがありますが、丸谷才一は未読です。

楽しみが増えたきがします。

お礼日時:2006/05/01 02:01

「表現がすごい!」と目を瞠った作家がいます。

山尾悠子です。(以前このサイトで知りました。教えてくださった方ありがとう。)

寡作な人のようで、ほんの数冊しか出版されていません。しかもそのうちのいくつかは絶版だし。わたしが読んだのは「山尾悠子作品集成」「ラピスラズリ」「仮面物語」の3冊でした。

幻想文学の人らしく、非常にきらびやかに世界が展開します。最初に「集成」を読んだのですが、何も知らないまま読むと本当に驚く。イメージの展開の意外性・特異性、素早さに鼻面をひきまわされるような思いをしました。わたしは実は幻想文学がそれほど好きというわけではなく、特に山尾悠子が時に描き出すような「気味悪さ」は苦手だったりもするのですが、あまりに圧倒されてしまい、読後は溜息しか出ませんでした。
……が、「集成」は実は763ページもある大部な本で、しかも内容がぎっしり詰まっていますから、完走するのが実に大変(^_^;)。あの密度は一気読みが出来る類のものではないと思います。(出来る人もいるだろうけど、多分少数)
日々少しずつ少しずつ、正直に言えばノルマを決めて、読み進んで行きました。水ならばごくごく飲めもしますが、強いお酒を同じように飲むことは不可能です。山尾悠子の文章は、非常に濃度が高い。

すごい、と思う部分は2点あって、
1.一般的な言葉を使いつつも、描き出される世界があれほど特異であること。
2.繋ぎ合わされた言葉の確かさ。

1は「集成」を読んで感じたことです。幻想文学といえば、そもそも言葉そのものがきらびやかで特異、それを武器にして世界を構築するというイメージがあります。……詳しくないので実際はどうか知りませんが。でもあまりやりすぎると、それは安易さに結びつくと、個人的には思っています。
しかし山尾悠子が使う言葉の多くはごく普通のものです。その組み合わせを色々工夫するだけで、あんな世界を生み出すことが出来るものかと、……舌を巻きました。

2は「仮面物語」を読んだ時に感じたことです。「集成」はガラスのように輝く、繊細できらびやかな話、それに対して「仮面物語」は、イメージの展開の意外性はそのまま、しかしずっと普通の(人間世界に近い)話になっています。
ただ、異世界は異世界であるので……この異世界の存在を、言葉でここまで確かに作ることが出来るのか、と呆れました。言葉ががっちりと組みあがっている。山尾悠子、只者ではない。

……ただ、ここまで言っておいてなんですが、

>「この人こそは最も美しい日本語を操る人だ!」

というのとはまた違うんですよね(^_^;)。
わたしの中では、美しい日本語は端正でなければなりません。山尾悠子の文章は、硬質で確かで、端正と言って言えないこともないような気がするけれども、端正というには輝きすぎるような気がします。まあここら辺は個人的な感覚の問題ですが。

しかし「表現」といった場合、すごいことは事実だと思うので、これを回答としたくなりました。よろしければ是非どうぞ。ちなみに、「集成」は寝転がって読むと多分手首を痛めます(^_^;)。個人的には「仮面物語」の方に、より愛着を持ちます。近作である「ラピスラズリ」は、前二者に感じたすごさをわたしは感じませんでした。



……あとは、作品と文章を多少混同しているけれども、以下の書き手。


白洲正子
「素」の文の良さ。物事に正対し、正対しているからこそ率直に書きたかった、そういう人ではなかったかと思います。芯の文章。元々の個性は強いので、そぎ落としきれなかったものが味になっている。多分きっと。

三好達治
言葉の確かな繋がり。この人の作品は(部分的にだけれど)「ああ、ここにこの言葉を置いてくれてありがとう」と感じることがある。

辻邦生
うーん、どうだろう。これは「文章」というより「話」なのかな。
しかしタイトルなどを眺めると、非常に詩的に感じますので、やっぱり表現もいいんじゃないかな。わたしの好みよりも、一文がちょっと長すぎるきらいはあるか。ちょっと贅肉がある?
話に繊細な感性があることは間違いないと思うんですけれどねえ。古風だし。とりあえず長編書きなので、条件に合うにしろ合わぬにしろ、「たっぷり」という部分は満たせますよ。「春の戴冠」「背教者ユリアヌス」どうぞ。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
ファンタジー系はあまりよまないので世界が広がりそうでうれしいです。

あと、三好達治!
…忘れてました。
このひとがいましたね。再読ですがまたあの世界にひたってみたいとおもいます。

お礼日時:2006/05/11 12:34

>流麗で、繊細な感性あふれる、どちらかというと古風な香りのする文章



ちょっとはずれてしまう感があるのですが

山本周五郎

まっすぐな日本語という印象です。
あまり回りひねった物言いではなく率直な文章だと思います。
それほど難しい言葉は使わず、でも的確に表現されているので、
その作品の世界に吸い込まれていく感じです。
「さぶ」という長編作品だったと思うのですが
「能ある一人の人間が、その能を生かすためには、能のない幾十人という人間が、眼に見えない力をかしている。」


司馬遼太郎

作家本人の独特な世界観から描かれている匂いが文章のそこここに
漂っていて、いつも自分のいる場所と違うところに連れて行かれて
世の中を見るような気分になります。
小説も、ですが、随筆も面白いです。「街道を行く」



太宰治

私の思うご質問の趣旨に沿う作家は太宰です。
多少厭世観の強いすぎる嫌いがある気がして避けていたのですが
先日「津軽」を読んで、印象を改めました。
やっぱり文章がうまいです。
厭世観が強いと言うよりも、本人の感受性が強すぎたのだろうな、
と考え直されました。


詩人を少し。

吉野弘

「I was born」という作品があります。(既読かもしれないですね)
「ほっそりした母の 胸の方まで 息苦しくふさいでいた
白い僕の肉体」
散文詩ですが、子どもを抱き上げた時のような愛おしさと重みが
ずんと来る作品です。

高村光太郎「智恵子抄」

恋愛を詠った詩ですが、生活苦や智恵子の発病・死、
現実の葛藤や苦しみが詩の中で美しさに昇華されています。
「そんなにもあなたはレモンを待っていた
・・・こういう命の瀬戸際に 智恵子はもとの智恵子になり
生涯の愛を一瞬にかたむけた」(レモン哀歌)


八木重吉

ピアノや弦楽の四重奏を聴いているような響きのある詩です。
「秋の美しさに耐えかねて 琴はしずかに鳴りいだすだろう」(素朴な琴)

若山牧水
歌集ですが「海の聲(こえ)」
「白鳥はかなしからずや空の青 海のあおにも染まずただよう」

こういうのは自分の好きなものを人に無理矢理押し付けている
気持ちになってきてしまいますね。
参考になるものがあればうれしいです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
好きなものを教えていただくのは、
宝物をわけていただくようなことと思います。
逆にこちらが申し訳ないくらいです。


吉野弘、司馬遼太郎はある程度の量をよみましたが、
そのほかに関してはあまりしっかり作品をよんでいなかったり、知らなかったりです。

が、どれもものすごく自分の好みそうなものばかり教えていただきました。
八木重吉などはちょっとドキドキしてしまうほど手にとるのが楽しみです。

お礼日時:2006/05/01 02:08

こんばんは。



元東大名誉教授(退官なさったようです)の小堀桂一郎さんの文章は美しいと思います。評論的な文章しか読んだことはないですが。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

自分ではなかなかたどり着かなさそうな
名前がでてきて嬉しいです。

いろいろ調べてみて、このみの題材に関する評論があれば読んでみようとおもいます。

お礼日時:2006/05/01 01:57

こんにちは。



右大将道綱母

なげきつつ独りぬる夜のあくるまは
いかに久しきものとかはしる

美しすぎて言葉もありません・・・
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

短歌系統もいいですね。

お礼日時:2006/05/01 01:55

三島由紀夫の文章は、とても美しいと思います。


おそらく「流麗で、繊細な感性あふれる」「古風な香り」にかなっているかと。

ただ彼の独特の世界観・美意識は好みがはっきりわかれるし、
少なくとも私には難解で、何度読んでも頭に入ってきません(泣)。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
三島作品は実は過去に読み漁ったことがあります。
個人的に、彼の書く女性キャラはいろんな意味で大変可愛らしい人が多いなあと思っており、大好きです。
(特に「春の雪」のお姑さんは最初は憎たらしげですが考え方がシンプルで素直で、実は結構愛情深くて最高可愛いと…)

もう一度、読み返してみようかとおもいます

お礼日時:2006/05/01 01:54

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