人生最悪の忘れ物

手元の簡便な英和辞典から
1「homo」はラテン語由来で「ヒト」の意
2「homo-」はギリシャ語由来で「『同じ』を意味する結合辞」と理解しました。

Q1 ラテン語とギリシャ語には何がしかの交流があって「homo」と「homo-」の関係は一方が他方を移入したのですか、それとも無関係ですか。

Q2 ラテン語では何故、「ヒト」を「Homo」と呼んだでしょうか。
日本語で「ヒト」を「ひと」、「ヤマ」を「やま」と呼ぶのと同様に、もはや理由付けができないほど根源的な話なのでしょうか。それとも「homo-」に関連していて、ラテン語には人間の本質の何かを単一と見たり、均質と見たり、同質と見るなどの認識があったのでしょうか。つまり漢字の場合、ヒトを「直立二足歩行する動物」として認識し歩行の姿を真横から見たときの象形が「人」の字だそうで、本質を正確に捕捉していることに感服します。「Homo」にも、これに類似した事情があるのだろうか、というのが質問の背景です。

A 回答 (2件)

一問目のみですが。



私のギリシャ語・ラテン語の知識はごく皮相的なものでしかありませんが、手元の辞書で確認した限りでは、恐らく偶然の一致でしょう。

まず、ギリシャ語の「同じ」は“‘ομοs”(homos)と綴り、アクセントは「ホモス」のような発音の「モ」の母音。意味を担う語幹は "hom-" の所まで。

ラテン語の「人」は "homo" で、アクセントは「ホモー」のような発音の「ホ」の母音。意味を担う語幹は "homin-"(辞書の見出し語である単数主格形では現れないが、その他の全ての語形においてこの語幹に各種語尾がつく。例えば複数主格形は "homines")。

意味も、母音の長短も、アクセントも、語幹の形も異なるので、別個の言葉ではないかと。

なお、英語の "homogenous"(均質な)、"homophone"(同音異義語)、"homosexual"(同性愛の)等には確かに一見 "homo-" という形の意味単位(形態素)が入っているように見えますが、これらはいずれもギリシャ語の "homos" の語幹 "hom-" と、後続する意味単位(-genous: 生じる、-phone: 音、-sex: 性)とをつなぎ合わせる音として "-o-" という母音が挿入されるもので、また別の現象です。

 anthrop-「人」 + -o- + log-「言葉」→ anthropology「人類学」
 astr-「星」+ -o- + nom-「名前」→ astronomy「天文学」

のように、ギリシャ語系の複合語にはよく見られます(ときに非ギリシャ語系にも)。
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この回答へのお礼

学問的でない思いつき程度の質問に対して立派すぎる回答を寄せて下さって恐縮しています。
偶然の一致らしいのであれば、人をhomoと呼んだのも最早、理由の付けられない根源の話だということに自動的になりそうですね。
言語の知識がなく会話の弾まない張り合いのないお礼ですみません。
専門知識のある人同士が遣り取り出来る機会を残しておいたほうがよいかなと思い、しばらく締め切らないでおきます。
ありがとうございました。

お礼日時:2006/07/31 21:25

Q2 ラテン語では何故、「ヒト」を「Homo」と呼んだでしょうか。



一つの説ですが、人を表す形容詞に humanus (human) があります。また、humus(土)という名詞があります。これらは homo と同じ語源に遡り、最初の人間(アダム)は土から作られた、という話を連想させますが、出来過ぎのような気がします。

>歩行の姿を真横から見たときの象形が「人」の字

ちょっと気になりまして、こちらの勘違いならいいのですが。TBSのマーク(http://www.bs-i.co.jp/main/sports/show.php?0005)のようなのを想像されたのなら、間違いです。「人」の字は人が直立した姿を横から見たもので、左の棒は腕を、右の棒は胴体から脚を表しています。漢字の成り立ちについてはいかにもな勝手な解釈が氾濫している(それもいわゆる先生が言う)ので余計なこととは知りつつ言ってしまった次第です。お許しください。

この回答への補足

これは補足ではなく、お礼なのですがお礼の欄は締め切るときに誰にともなく書く残したいときが有りがちなので、ここを使ってしまいます。
1 やはりhumus(土)があるのですね。humanus (human)の語源だとするとヘブライ語圏もラテン語圏も共通した感覚でおもしろいですね。しかし、出来過ぎらしいとあっては残念です。

2 人の字について
ご指摘ありがとうございます。質問文を投稿した時点では単純に二本とも脚だと思っていました。危ない、危ない。いまは、お説の通り左が腕、右が胴体から脚(多分二本纏めて)と認識しなおしました。人の字ができた時点で今日の人類学でいうヒトの定義を掴んでいたことに感心していて字の細部に観察が及んでいなかったのが早とちりの原因でした。

ともあれ、ありがとうございました。

補足日時:2006/08/03 21:49
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この回答へのお礼

どちら様も専門の立場を崩さず、しかも平易に応じて下さってありがとうございました。感謝しています。

お礼日時:2006/08/05 21:36

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