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「タクシードライバー」という映画の中で、ロバート・デ・ニーロ演じる主人公がブーツの手入れをするシーンがあります。
その時、デ・ニーロは
缶(KIWIみたいな感じ)を開けて
↓
缶の中の物体に火をつけ
↓
缶の蓋で火を消し
↓
溶けた液体をブーツに塗る
・・・という事をしていたのですが、これは一体何をしていたんでしょう?
KIWIなら別に火をつける必要も無いですし、そもそも火はつかないと思います。
火がつくってことは、何かしらの油分だとは思うのですが、その油は何の油なのか、何のためにわざわざ火をつけて溶かして塗っていたのか、よく分りません。
ひょっとしたら、私の手持ちのブーツもあのようにして手入れしなければいけないんでしょうか。
ご存知の方はよろしくお願いします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
ニューヨークから失礼します。
これはズバリ”Kiwi"か、もしくは他社製の缶入りワックスです。 あなたはおそらく年代的に、東京の都心の駅で靴磨きをしている方がたについて、あまり知らない世代なのだろうと推測します。 20年以上前には、東京駅や、新宿、池袋駅の界隈には結構な数の靴磨きの方がたがおられたものでした。今でもニューヨークには、特にミッドタウンエリアには、ワンブロック内に数件の靴の修理屋があり、靴磨きもやってくれ、いついっても盛況です。現在、磨き賃が$3で、チップが$2、計$5を支払うのが相場です。もちろんチップには決まった金額はありませんので、がんばってくれたな、と思ったら、$3上げても$4上げても、もちろん構わないのですが。欧米では、髪の毛に櫛がきちんと通っているかよりも、靴がきちんと磨かれているか、そしてパンツにプレスきちんとプレスがかかっているかの方が、はるかに大事と考えられています。
東京へ行く度に、日本人の靴の汚さ、手入れの悪さにはいつもびっくりさせられます。 ニューヨークの日本企業の日本人駐在員の靴も似たりよったりで、私はことあるごとに靴磨き屋で磨いてもらうことを薦めるのですが、なかなかどうも。 農耕民族の血なのか、着る物、履く物などどうでもいいという人がまだまだ多いようです。日本においても、ようやく”人は見た目が9割”とかいう本がベストセラーとなっているように、欧米では ある程度以上の階級にある人は、まず服装で判断されてしまいます。
ニューヨークスタイルの靴磨きは、とにかくピカピカになることで、きれいなのですが、ただしこの輝きはあまり長くは持ちません。
短期的な、数日限りのものです。 対して日本で最高に有名な靴磨きの職人さんは、今は工事中の赤坂キャピタル東急におられた井上源さんだと個人的に信じていますが、彼に磨いてもらうと、ピカピカではなく、底光りという感じで、からぶきだけで、一ヶ月は光っていたように思います。 彼はとにかく忙しい方で、ベルルッティに見込まれて パティーヌの担当をされたり、皇居でのパーティの直前などには、キャピタル東急の地下にあった彼の小さな部屋が女性用の超高級パンプスだらけになっていたりとか、色々なことが思い出されます。 実は今 井上さんは、ホテルオークラに移られています。オークラで長いこと松本シューシャインを営まれていた松本さんが(この方も大変有名な方です。)引退されたそうで、どうも”井上さんに後をまかせた”、ということのようです。
さて、実は、靴磨きには、半固形状のKiwiの他に、メルトニアンMeltonianなどのねっとりしたクリーム状のものとの二種類があります。どちらも主成分は、ワックス、乳成分、それに水分などですが、
二つの種類における大きな違いは、成分の構成比にあり、Kiwiはワックス分がほとんどであり、Meltonian(または最近の日本市場ではMowbrayなどか?)についてはクリームが多い、そのためにねっとりしているということになります。それぞれの目的については、同じ靴の手入れでも、光らせる、傷を付きにくくする、耐水性を高めるなどという点においては、Kiwiなどのワックスの役目であって、クリームには、そのベターな皮への浸透性から、皮に栄養を与えるのが主たる目的ということになります。要は、この2種類をうまく使い分けるのが、靴の手入れと、愛用の靴を長持ちさせるコツと言えるでしょうか。
さて、デニーロに一件ですが、もし仮にクリームがない場合、しかも
手入れの必要な靴が、なかなかにヘビーデューティーな、つまり厚くて丈夫な皮で、しばらく手入れをしていなかったため、かなり皮が乾燥して栄養補給が必要な状態であったとしたら、あなたならどうしますか? ここで東京の靴磨きのおっさんに話しを戻しましょう。この2月の寒く乾燥した時期、見てくれのひどい、どうしようもない手入れの靴を履いた、しょぼくれたサラリーマンのおっさんがお客で現われました。
さあ、おっさんは、どうする... 断っておくと、当時の日本には、缶入りのワックスはあっても、靴クリームはまだほとんどありませんでした。靴クリームは、日本ではアルミタイプのチューブに入っていますが、欧米では(あまりひつこく言うとタカアンドトシみたいですね)ガラス瓶に入っています。
おっさんは、やおらジッポーを取り出して火をつけ、Kiwiのふたをあけて、その表面をさーと火であぶるのでした。 見る間にオイルの青い炎が上がり、ワックスは、とんこつラーメンに落としたラードのように
溶けていくのでした。頃合をみて、おっさんは缶のふたを締めて、火を消します。ほぼ液体化したKiwiの表面を乾ききったお客の靴にたっぷりつけて、手早くワックスをスリ込んでいったのでした。
というわけで、デニーロのとった行為は、これと基本的には同じもので、本来 光らせることが目的のワックスですが、クリームをもっていなかったためもあって、また皮自体がヘビーデューティーな、おそらくオイルタンドレザーであるというような条件も加わって、いささか現在の繊細な日本人の目で見れば、荒療治かと思いますが、ワックスを火で溶かすことによって、乾いて栄養を欲しがっているブーツの皮に強引に栄養をぶちこんでやった、ということなのです。
これは伝統的に欧米の軍隊でよく行われている方法だということも付け加えておきましょう。自衛隊と同じように、アメリカの軍隊では、その気になれば、大型車両の運転免許、車両整備など、実に様々な職能を身につけられることだ出来るのですが、確か、デニーロの役柄もベトナムからの復員兵という設定ではなかったですか。
最後に、とにかく日本人の靴の手入れは悪すぎ。文化国家としては失格です。 服飾評論家として、東京の靴磨き事情を数年前に書きましたが、池袋駅には東口においさんが二人だけ、交代でやっており、あまり繁盛もしていなさそうでした。東京駅も周辺を入れてたった二人だけ。
自分で磨かないと気がすまない日本人も多いのかもしれませんが、
みんなが忙しいニューヨークでは、ウォールストリートジャーナルをみながら、ブルームバーグのマーケット速報をチェックしながら、みな自分の靴をプロの靴磨きにピカピカになるのをまかせているのです。それが忙しいビジネスマンの正しい姿なのです。 オールデンもアレンエドモンドも彼らにとってはしょせん作業靴。同じ靴を何速ももっているのです。 そして私はデイリーニュースのゴシップ欄をみながら磨いてもらう。何度も言いますが、ニューヨークの日本人、もっと靴磨きを利用した方がよい。それだけでもう少し高級レストランでましな扱いを受けるぞ。(ちなみに昨日の、デイリーニュースは、ブリトニースピアーズのリハビリ坊主頭盗撮が一面でした。Fairy Taleではなく、Mad Hairy taleですと。現在 アメリカ版おやじギャグ研究中)
いつも話がそれてしまうますが、西洋文化を日本独自の概念で勝手に解釈をして疑うことをしないのは我々日本人の悪いくせ、というか島国根性のひとつでもあります。
試しに一度Kiwiに火をつけてみてごらんなさい。
ありがとうございます。
KIWIでも栄養分は補給できるのですか。初めて聞きました。
栄養補給はクリームの役目で、KIWIは表面コーティング専門だとばっかり思っていたので、靴の手入れにはKIWIを使ったことはありません(ステインリムーバーと靴クリームがあれば十分ですし)。
軍隊方式ですか。
そう言えば、確かにあのデ・ニーロの役は元海兵隊員(おそらくはベトナム経験のある)でしたね。
完璧主義者のデ・ニーロとスコセッシ監督(アカデミー賞受賞おめでとう!)の事だから、多分その辺の取材もきちんとした上でやってるんでしょうね。
No.4
- 回答日時:
ズバリ
ミンクオイルです。同じものを、この映画を見て買いました。
冬場、やはり硬くなるので火をつけて溶かして使います。夏場は問題ないですけど・・・
特に同じものを使う必要は感じませんが、革用のオイルを塗って手入れしないと皮が非常に痛んでしまいますから、手入れはしたほうがいいですよ。
靴の革も生きてますから。
ありがとうございます。
ミンクオイルですか。
ワックスとはまた別みたいですね。
KIWIはワックスとミンクオイルも出してたみたいなんで、そのあたりの油分を靴に塗ってたんでしょうね。
靴の手入れはまめにしてます。
ただ、火をつけて使うような油分を使ったことが無いもので、ちょっと戸惑ってしまいました。
No.2
- 回答日時:
確かに火をつけていますね
二つ、缶がありましたが、一方には
KIWI BROWN の文字が蓋側面にありました
(どちらも「KIWI」の文字は見えます)
溶かして使うなんて、ワックスみたいですが
色付のワックスがあるんでしょうかね
(KIWIの缶入りの油性ワックスがあるようですが、現物は知りません)
手入れの手順としては、クリーナーで汚れを落とし、
乳化性クリームなどで磨き
(普段の手入れはここまでO.K)、最後に固形ワックスで
艶出し仕上げをして光らせれば完璧といったところでしょうか
どう見ても、あれは靴クリームではないでしょう
ありがとうございます。
KIWIの缶にも、色つきはありますね。
デ・ニーロが使ってたのはそれなんでしょう。
確かに、あの場面見る限りは靴クリームではない事は確実ですね。
そもそも靴クリームに火はつきませんから。
No.1
- 回答日時:
その映画はみたことないのですが、普通に売られている革用オイルなら
そんなことしなくてもいいですよ。
カンに入っている固形の物ならご自身の体温(指先の温度)を利用しながら塗ればいいですし、液体の物ならそのまま塗ればいいし。
どちらにしても、付けすぎないよう、薄く塗ってしっかり拭きあげることが革製品のメンテナンスのコツですね。
ありがとうございます。
私がいつも使ってるモゥブレィのクリームには火なんかつけなくてもOKなんで、ちょっと戸惑ってしまいました。
缶入りの固形油も、別に火をつける必要なんかないんじゃないかとも思いますし。
クリームは薄く塗る・・・というのは基本ですね。
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