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粒子束の単位は[個/m^2s]で、単位時間当たり単位面積を通過してくる粒子の個数というようにイメージできます。一方、拡散方程式の拡散係数の単位は[m^2/s]=[m][m/s]=長さx速度 or =面積/時間となっており、具体的なイメージがつかめません。

ある物体の表面積が単位時間当たりどれだけ増えるかというように考えればいいのでしょうか。溶質(あるいは空孔)の流入によるバブルの成長モデルでしばしば、拡散係数Dと溶質濃度Cの積、DCというのを見かけます。単位は[m^2/s][1/m^3]=[1/ms]ですが、物理的には何を表しているのでしょうか。単位時間当たり、単位体積あたりに溶質がQだけ流れ込んだときにバブルの体積が増え、結果バブルの表面積がどれだけ増えるかということをあらわしているのでしょうか。

A 回答 (1件)

私の理解に基づく説明ですので、あなたにとって分かりやすいかどうか分かりませんが、とりあえず書いてみます。


私は、拡散係数単体で見た場合の物理的意味を考えることはありません。
私の理解は、フラックス(流束)と拡散方程式の係数だと考えています。
フラックスΓは-D∂C/∂xと書きます。
Cは濃度(密度nでも同じ)でディメンジョンはm^-3です。
したがって、∂C/∂xのディメンジョンはm^-4となります。
これに拡散係数のディメンジョンm^2/sを掛け合わせると、m^-2/sとなり、フラックスのディメンジョンとなります。
また、単純な拡散方程式はdC/dt=-D∂2C/∂x2です。
∂2C/∂x2のディメンジョンはm^-5ですから、拡散係数のディメンジョンを掛けると、m^-3/sとなり、左辺のディメンジョンと一致します。
私はこういった具合に理解していますが、実際はもう少しDの意味があるようです。
私は詳しくありませんが、グリーン関数等を使って拡散方程式を解くと、L=√(Dτ)などとなるようにおぼろげに記憶しています。
ここで、Lは特性拡散長、τは特性拡散時間で、初期値の1/e(自信がありませんが)だか何かになるまでの時間が特性時間です。
私が答えられるのはこれくらいのようです。

後半のバブルの成長モデルについては詳しくないのであまり答えられませんが、DCというのは、元になっている支配方程式を解くと得られるのではないかと推測します。
というわけで少し支配方程式を考えてみることにしましょう。
濃度Cで時間dtに対して球状の気泡の半径がdrだけ増えるとすると、おそらく、
C 4πr^2 dr = D(∂C/∂r)×4πr^2 dt
と書けるのではないかと思います。
成長速度をR=dr/dtとおくと、
C R = D(∂C/∂r)
となり、
R=D(1/C)(∂C/∂r)
となります。
これを解くと、
R dr = D (1/C) dC
から、
R r = D ln(C)
となります(常数項は省きました)。
ここで、ln(C)をC=1の周りで展開すると(Cはある濃度C0でノーマライズしているとすれば多分これで良い)、
ln(C)~C
より、
R r ~ D C
よって成長速度 R ~ D C / r
といった感じでしょうか。
Cはノーマライズしているとしたので無次元ですので、D C/rのディメンジョンはm/sとなります。
質問では単にDCとなっていましたが、半径が大きくなるほど一定の流束だと直感的に成長速度(というか膨張速度)が遅くなっていくはずなので少し変かなと感じたのが方程式を組んでみた理由です。
もっとも気泡の専門家ではないのであまり自信は無いです。
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この回答へのお礼

詳しいご回答頂きありがとうございます。ご回答を参考にしてより詳しく調べることができそうです。
>よって成長速度 R ~ D C / r
>といった感じでしょうか。
確かに、rが分母についております。速度定数との関係も、なぞが解けました。

お礼日時:2007/04/17 19:39

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