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No.1
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飽くまでも参考までに……
情動脳の実験的?臨床的観察
ベンガルザルの辺縁系切除実験──1930年代にシカゴ大学の心理学教授ハインリヒ?クリューバは、ベンガルザルを使って幻覚剤の効果を観察しようとしたところ、動物は唇を噛んだり自分の舌を味わったりする辺縁葉の鈎状回に病変のある患者と同様の口腔機能の異常を示した。彼は同じ症候が辺縁葉の嗅覚皮質の除去によって現れるかどうかを調べるため、友人の神経外科医ブーシに動物実験を依頼した。ブーシは扁桃体と隔膜の大部分を含む辺縁葉の両側の切除を行い、辺縁葉が嗅覚を支配しているというそれまでの考え方を覆した。この切除は動物に次のような著しい行動変化をもたらした。(1)情動変化、(2)口腔機能異常、(3)心理的盲目、(4)視覚対象の無差別な点検、(5)摂食動作異常、(6)性行動変化。
この実験に使われた野生のベンガルザルの性格は手術前は攻撃的だったが、術後は大人しくなり人間に従順になった。顔や音声からは恐れや怒りの表情が消え、自分の舌を食物の一部であるかのように味わう動作を繰り返した。実験の翌朝から動物は全ての視覚刺激──生きた動物、排泄物、硝子の破片、金属片など──に近付き、臭いを嗅いだり、軽く噛んだりした。食物片や釘は何百回も口で点検され、制止しなければ繰り返し火炎にも手や舌で触れた。また果実の常食者だったこのベンガルザルも、術後は生肉や魚も食べた。術後2~3週の間は生殖器を手や口で弄び、雄や雌に関わらずマウンティングをした。
クリューバとブーシは彼等より50年早く行われたサンガー?ブラウンとシェイファーによって再確認される形になった。
「手術前は狂暴でもあり、からかったり手懐けようとした人間に襲いかかった。しかし今では人間に誰かとなく近づいて人間のなすままになり、からかっても避けようとしなかった。サルは視聴覚などの感覚を失っていなかったが、その内容や意味を理解できず、特に印象を受けたようでもなかった。反対に、今まで馴染みだった事物も新しく見え、好奇心の対象になっているようだった。無生物ばかりでなく人間や仲間のサルも好奇心の対象となり、触覚や嗅覚や味覚で点検したあとも数分後に再会するとまた注意深い点検の対象となった。食物は手で口に運ばれる代わりに顔が食物に浸された。皿に干し葡萄を拾い上げる代わりに、皿の上に並べられたものは何でも口に貪り入れた。味覚は失われたわけではなく、キニーネに浸した干し葡萄には明らかな嫌悪の反応を示した。……彼はあらゆる種類の音響に反応を示したが警戒の気配は見えなかった」。
クリューバとブーシの研究では16頭のサルが使われた。彼等の実験では彼等のいう「嗅覚脳」、つまり扁桃体と海馬を含まない両側頭葉の切除はサルの行動に影響を与えなかった。彼等は動物が安全と危険な状況の見分けがつかなくなる状況を「心理的盲目」、事物の過剰点検衝動を「過変成行為(ハイパーメタモルフォシス)」、感情の喪失を「不可知症(アグノシア)」と呼んだ。
ネコの扁桃体の刺激実験──筆者達は、1953年にネコの扁桃体の電気刺激が動物の摂食器官と防衛?攻撃反応と、防衛?攻撃行動を導く恐怖と怒りの表現を引き出すのを観察した。扁桃体が個体維持の働きに関係していることを示している。動物の摂食には常に競争者との争いが伴っているからだろう。
人間のクリューバ?ブーシ症候群──1955年に、自分では抑えられない暴力行為の発作を除くための両側頭葉切除の手術が19歳のイタリアの少年に施され、パドヴァに医師によって報告された。この少年は3歳のとき発熱に続く幻視と無意識行動の発作に襲われ始めた。発作にはしばしば痙攣が伴った。その後数年の間に少年には激発性の狂暴行為を伴う性格行為が現れた。狂暴行為には母親の首を絞めたり弟を足蹴にしたりする行為が含まれる。手術前の入院中の1~2週間の間、彼は正気と明るさを取り戻し、記憶も理性も正常で他人の手助けもした。脳電図は彼の左側頭葉とその反対側の右側頭葉に病変箇所があることを示した。左側病変部分の切除によっては症状の改善が見られなかったので右側の病変箇所も切除した。その結果、クリューバ=ブーシ症候群と呼ぶべき次のような行動変化が現れた。感情喪失と過剰点検行為と摂食と性行動の変化である。あれほど密着していた母親を彼は奥さんと呼んだ。後にお父さん、お母さんと正しく呼べるようになったが、両親に対する正常な親近感の表現はなかった。発話は単調であり感情を伴わなかった。彼は出会った人間の全てに
近づいて立ち止まり、相手の動作を真似した。彼は病院のまわりを散歩することができたが、自分の位置の認識はなかった。彼は時間の感覚を失ってはいなかったが、最近のことも昔のことも覚えていなかった。彼は食欲は異常で、全ての食品を口にし、皿を舐め御代わりを要求し続けた。手術後15日目には彼は「露出的」になり、ホモセクシャルな性向を現した。
この少年の事例は、大脳側頭葉の辺縁系の障害が人間の記憶の働きに及ぼす影響についての最初の報告の一つとして歴史的に興味深い。
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