10秒目をつむったら…

物理の問題で、
1.0kgの物体Aを、5mゆっくりと持ち上げる。
(1)加えた力は何Nか
(2)その力がした仕事は何Jか
のような問題があります。

(1)では、
ゆっくりと持ち上げる、つまり加速度ゼロで持ち上げるのだから、
物体Aに鉛直下向きに働く力が、g(=9.8N)であり、これに釣り合う力だから9.8N
みたいな解説が書いてあるのですが、9.8Nの力を加えても釣り合うだけで、どんなにゆっくり持ち上げようとも持ち上がらないと思うのですがどのように考えればいいのでしょうか。

1週間前に物理を始めた初心者です。

A 回答 (7件)

 これは、問題をちゃんと考える人が必ず抱く疑問です。

真剣に悩みましょう(^_^)

 1.0[kg] の物体に働く重力は 9.8[N] …… これは問題なし。

 1.0[kg] の物体を持ち上げるのに必要な力は 9.8[N] …… ここで引っかかりますね。
 重力と等しい力を加えても、つりあいはするが、持ち上がらないはず。持ち上げるためには、9.8[N] より大きな力が必要なはずだ。

 ここで、物体を持ち上げるために 9.8[N] よりいくらか大きな力を加えるとしましょう。すると、合力が上向きになりますから、静止していた物体は上向きに動き始めます。上向きの等加速度運動になりますね。
 で、高さ5[m] に達しました。加速度運動をしてきたので、このとき、ある速度を持っています。ここで急に持ち上げる力を 0 にしても、ある速度になっていますから、投げ上げ運動になってしまい、5[m] より上に行ってしまいます。

 ということで、ちょうど5[m] 持ち上げて、そこで静止したままにするには、「9.8[N] より大きな力」を加え続けるのは具合が悪いですね。
 ではどうすればいいでしょう。

 いくつかの考え方があります。

 その1
 静止状態から持ち上げて、5[m] 持ち上げたところで速度がどれだけになるかは、9.8[N] よりどれだけ大きい力で持ち上げたかによりますから、9.8[N] よりほんのわずかだけ大きい力であれば、5[m] に達したところでの速度もほとんど 0 に近い、という考え。
 「ほんのわずか」とか「ほとんど0」とか、なんだかごまかしているみたいですね。
 ここでは、持ち上げるのに要する時間は問題にしていないので、「ほんのわずか」に大きい力を、9.8[N] にいくらでも近づけることができ、5[m] に達したときの速度をいくらでも 0 に近づけることができますので、ごまかしているわけではありません。

 その2
 静止状態から持ち上げると考えると、持ち上げるための速度になるまで加速しなくてはならない。加速するにはつりあうより大きな力が必要なので具合が悪い。
 そこで、仮に初めから物体がある速度で上向きに動いていると考えます。この物体に上向きに 9.8[N] の力を加え続けると、重力とつりあうので、物体は正確に加速度 0 のままで、上向きに動いていきます。5[m] の高さに達したときでも、速度は初めから同じままです。
 ここで、物体にした仕事を考えるとき、物体の速度は変化していないので、物体を加速させるための仕事はしておらず、純粋に物体を持ち上げるためだけに必要な力は正確に 9.8[N] であったわけです。

 その3
 やっぱり静止状態から持ち上げ、5[m] の高さで静止した状態にしたい、というのが自然でしょう。
 そこで、前半2.5[m] の高さまでは 9.8[N] +α の力で持ち上げ、後半は 9.8[N] -α の力で持ち上げるとします。 2.5[m] の地点ではある速さまで加速されていますが、その後、減速され、5[m] のところで速度がちょうど 0 になります。
 このとき、全体を通じての「平均の力」は正確に 9.8[N] です。


 いずれにせよ、正確に9.8[N] の力で 5[m] 持ち上げると計算して差し支えない、ということで、「1[kg] も物体を持ち上げるための力は 9.8[N] 」という言い方がされます。
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この回答へのお礼

その3が一番しっくりきます。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/09/11 16:04

これは、速度を考えなくてよいように、と「ゆっくり」と表現した問題文にも、どうせ計算しなくてもいいから、と解説しなかった解説に問題がありますね。


確かに加えた力は平均すれば、9.8Nです。何故なら、持ち上げ始める時は、或る速度を出す為に9.8N以上の力が必要になりますが、止める時には逆向きに力が掛けられるので、9.8N以下ですむことになります。結果として、平均は9.8Nになります。
しかし、これでは問題文を書くのが面倒なので、曖昧な言葉で問題を出している訳です。多分、この問題は「仕事」が計算出来るかどうか、を調べる為のものです。
こんな問題なんかで物理を嫌いにならないで下さいね。貴方のように自分で考えることこそ、科学の道なのですから。
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この回答へのお礼

どうも受験対策の参考書は、重要な部分が抜けているようで残念に思います。
僕は細かいところが気になる性格なので、このテキストにある「ある物体に1Nの力を加え続けて1m動いたら1J」という説明にも、その物体の質量は関係ないのか? その物体と接地面の動摩擦係数は関係ないのか? などが気になってつまずきつまずきながら少しずつ自分で考えながら進んでいます。

お礼日時:2008/09/11 16:10

問題の表現が書かれている通りならば,動き出す際の余分な


力はいらず,最初から上向きに動いていると考えることも
できます。動き続けるのに余分な力はいりませんから,
重力とつりあう力で引き続ければ,等速直線運動をして
5m上に達します。慣性の法則ですね。このとき,
「ゆっくりと」の表現は加速しなくてもよいという意味に
なります。

はじめ静止しているという条件ならば,つりあう力に加えて
ほんの一息ふうっと下からふけばわずかな速度で動き出し
ますから,いくらでも小さくすることができる一息の力は
無視するということになります。いったん動き出せばあとは
つりあってさえいればいいのです。

はじめの一息を考えると(2)の仕事は余分に必要になるの
ではないかと考えたくなります。でも,はじめ静止している
のなら,最後は止めるべきでしょう(?)から止めるときには
上からふうっと吹いてマイナスの仕事をつけくわえることに
なります。すると,はじめに動き出させるのに余分に必要な
仕事と相殺して,結局つりあう一定の力×5mで仕事を計算
することの矛盾はなくなります。
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この回答へのお礼

こちらの参考書の解説に少し不備があったようですね。
確かに、yokkun831さんの方法なら、納得できます。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/09/11 16:02

これは実際的な問題ではありません。


位置エネルギーの表現を仕事から求めるための思考実験です。

(A)ゆっくり持ち上げるというのは釣り合いの力からわずかに大きな力を加えるということです。時間がものすごくかかりますが加えた力が位置の変化だけを生じる、速度の変化は無視することが出来るという場面を想定しています。
仕事は力と距離だけで決まります。
仕事=力×距離
  =(mg+f)×H
です。
f≠0であればH持ち上げた時にある速度を持っています。位置の変化だけでない変化が起こっています。fを小さくするとH持ち上げた時の速度が小さくなっていきます。f→0で考えると位置の変化だけに必要な仕事を求めることが出来るのではないかということです。
位置エネルギーの表現 mgHが得られます。f・Hの部分は運動エネルギーに対応します。

(B)実際に行う操作としては有限の時間でHだけ引き上げたいのですからf>0です。
そのときはHだけ持ち上げるのではなく、少し手前で力を加えるのを止めればいいです。物体はその後、勝手に上がっていきます。放物運動の投げ上げの問題になります。高さHのところが頂上になるためにはどこで力を加えるのを止めたらいいのかです。力を加えていた範囲だけで仕事をしていますからした仕事の量を求めることが出来ます。
この値はmgHに等しくなるはずです。計算してみてください。

高さがHのところで速さが0というのを実現するのは(B)の方が実際的なのですがずっと力を加えることでの仕事の表現を使いたいということから思考実験的な操作(A)になってしまったのです。
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この回答へのお礼

「持ち上げたときに速度を持っていてはいけない」から「ゆっくりと」持ち上げるのですね。
確かに非常に思弁的に感じます。ありがとうございました。

お礼日時:2008/09/11 16:01

仕事はN・mで計算はできます。

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これ回答できないのでは有りませんか?


1.0kgの物体Aを、5mゆっくりと持ち上げると言いますが時間が書かれていません。一分で持ち上げるのか100年で持ち上げるのかで力は全く違いますしね。当然加速度も計算できないし第一十分小さな力なんていっても無限に考えられます。

この回答への補足

(2)の問から逆算すれば(1)の答えは明らかになると思うのですが。

操作後、物体Aに与えられた位置エネルギーはmghより9.8×5=49J。
5m移動して与えられたエネルギーが49(N・m)だから、加えられた力は9.8Nだと計算できます。

補足日時:2008/09/08 20:47
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はい


自分も中学の時に理科の先生に食ってかかった問いです
『それだと釣り合うだけだから仕事も何もない』
という事を言いましたが
『釣り合いが崩れるのは極めて僅かな力なので
 その差は考えないモノとして考えてください』
と言われました。
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