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アジア経済危機の時にタイのバーツが過大評価され経常収支赤字が悪化したあと、タイはなぜ変動相場制に移行する必要があったのですか?

為替レートが過大評価されているとき、必ず変動相場制に切り替える必要があるのですか?タイに限らず他の国でもそういう流れだったようですが、なぜそうする必要があるのですか?

A 回答 (2件)

タイは、ドルペック制により米ドルにリンクさせ為替管理してました。


ドルとバーツの交換レートを一定に保っていたわけです。
基軸通貨ドルと一定に保っていると貿易上は安定しタイは80年代後半から海外からの投資で大いに成長しNIEsの仲間入りしました。
日本企業も多く進出していきました。
この成長を支える政策は高金利政策です。貴方が何処かに投資しようとすると金利が高い方が良いですよね、それだけ投資の利回りが大きくなります。米ドルと一定に保たれたバーツは、米ドルを売ってタイバーツの高金利に投資或いは預金していた方がお得です。
タイ政府は国内発展の為に海外投資を向かい入れて国内投資を行ったわけです。そこで大量に国債を発行して資金を集めて社会資本整備(インフラ)や企業の設備投資をやったわけです。

ここまでは順調でしたが、蓋を開けてみたらバーツの価値はドルに対して価値がない、経常収支の赤字が顕著になり、ヘッジファンドがバーツ売りを仕掛けたのです。資本が逃げないように金利を更に高めたのです。もし、私が米ドルを持っていたらバーツに交換して高金利で寝かせてバーツを売ります。バーツとドルとの交換が一定ですので為替差損しませんので丸々儲けになりますよね、
もし、為替が自由化変動相場制ならバーツを売ってドルに交換すればバーツ安でドルを少量しか受け取れませんので為替差損します。

ヘッジファンドは大いに儲かったのです。これを防ぐ為にタイ政府はバーツ買いドル売りをしました。ドル売りをするにも外貨準備となるドルが無ければドル売りは出来ません。とうとう外貨準備は底をつきヘッジファンドの勝利となったわけです。韓国も同様になりました。ウォン売りで外貨が減ったのです。

今は教訓からかなり外貨を積んでます。日中韓で基金を創設してます。

為替は国のファンダメンタルズを見ます。一定レートで固定することはペックされた国の通貨と同等の実力を維持しなければならないのです。
通常変動相場制は、通貨安になると輸出競争力が強くなり輸入は減りますので貿易収支に貢献します。資本も下落する通貨に交換することはなく下落しないように競争力維持に国が政策を取るのです。
諸外国には高金利通貨がありますが、資本を引き付ける要素がありますがそれだけリスクがあるってことです。高金利で固定相場為替ならば、ヘッジファンドにとって美味しいものに見えるでしょうね、
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この回答へのお礼

ややこしいカラクリを分かりやすく解説してくださって大変ありがとうございます!大体なんとか分かったと思います。

お礼日時:2009/05/09 17:34

そうする必要があると言うよりも、そうするしか他にないといったほうが良いでしょうね。


過大評価をされているからと言って、固定相場を変動相場制に変える必要はないんです。
というより、できれば変動相場制にはしたくないんです。
なぜなら、固定相場制(多くはドルペッグ)にしていた際に発生している債権はドル建てになっていることがほとんどです。
これが変動相場になると多くの場合、自国の通貨価値が下落します。
ということは、債権額が膨れ上がるため、ビジネスが成り立たなくなり、経済が崩壊します。
こういうシナリオはどんな国も当然嫌がります。
しかし、固定相場制の場合は、ペッグしている通貨にいつでも引き換えが可能というのが大前提になります。
ということは、相当の外貨準備をしていると言うことなんですが、タイやその他の国におこったのは、信用不安により外国からの投資の減少と、さらには引き上げです。
外国からの投資がなければ当然外貨が増えません。これにヘッジファンドが輪をかけて売り浴びせたため、高金利を維持して投資意欲を挙げようとした政府の目論みもはずれ、
準備されていた外貨も底を付き、相場を切り下げるしかなくなりました。
相場を切り下げると言うことは、信用不安を助長し、投資意欲をそぐ結果となりますので、結局は経済が破綻しました。

変動相場にせずに固定相場の価格を下げるという対応のみでも事足りますが、一度こういった経験をすると変動相場に移行せざるを得なくなります。

ちなみに中国は未だに元をドルペッグしています。
切り上げなどで価値自体は変化させていますが、まだ変動相場制に移行するつもりは内容です。
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この回答へのお礼

勉強になりました!そうせざるを得ないということなんですね・・・ありがとうございます!

お礼日時:2009/05/09 17:35

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