よく数学等の問題でサイコロの目の出る確立があり、六つの目の出る確立は等しいと仮定されます(この条件を満たすサイコロをここでは”真のサイコロ”と呼ばせていただきます)。しかし、実際問題として、今自分が使おうとしているサイコロがその”真のサイコロ”であるか否かの証明はどうやってしたら良いのでしょうか。例えば、十回二十回と続けて「一の目」が出ても”真のサイコロ”であれば、次に出る「一の目」の確立は「1/6」のままでしょうが、逆にこの時、このサイコロは”真のサイコロ”であると言えるのかということです。実際問題としましたが、簡単の為に、サイコロを振る条件は毎回同一であるとします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
「六つの目の出る確立が等しいサイコロ」を厳密に証明することは不可能です。
まず次の例を考えてください。
---------------------------------------------------------
物差しの0~10cmの間のどこか一点を「鋭い刃物もしくは針」などで選んで-ください。その場所が「1cm」ちょうどである確率はいくつですか?
---------------------------------------------------------
答えは0です。
これはどこが選ばれるか平均している(確率分布が均一である)場合の話ですが、
・「0~1cm」の間のどこかである確率は、0.1
・「1~3cm」の 〃 0.2
という様に、ある区間に入る確率ならば理論上求めることができます。(これは実際上も一致します。)
同様に、
・「1.0~1.1cm」の間のどこかである確率は、0.01
・「1.00~1.01cm」の間のどこかである確率は、0.001
となっていきますが、「1cm」という唯一点である確率は、上記の極限を考えれば容易に0であることがわかります。
---------------------------------------------------------
では話をサイコロに戻して、
「6回振って、全ての目が1度づつでた」としたら真のサイコロでしょうか?
違いますね。
例えば、1の目だけ他の目よりも2倍出安いサイコロでも「6回振って、全ての目が1度づつでる」ことがありますよね。
だけど、「真のサイコロ」を「6回振って、全ての目が1度づつでる」確率と「1の目だけ他の目よりも2倍出安いサイコロ」を「6回振って、全ての目が1度づつでる」確率は違います。(計算はしませんが...)
そのことから、「6回振って、全ての目が1度づつでた」場合、そのサイコロが「真のサイコロ」である確率が求まります。
本当かな?
---------------------------------------------------------
うそです。
実は、「真のサイコロ」と「1の目だけ他の目よりも2倍出安いサイコロ」のほかにも「1の目だけ他の目よりも1.5倍出安いサイコロ」もあり、「1の目だけ他の目よりも1.1倍出安いサイコロ」も....という様に無限のバリエーションが存在するからです。
「真のサイコロ」である確率は0です。
では、どうしたらよいでしょう。
そこで、先ほどの物差しの話に逆戻りして、実は「六つの目の出る確立が等しい」と定義したからいけなかったのです。
例えば、「どの目が出る確率も0.16~0.17であるサイコロ」といった誤差を含めた定義をすれば、「6回振って、全ての目が1度づつでる」という試行結果から定義通りのサイコロである確率が決まります。
この試行回数を増やせば確率が高くなり、誤差の範囲を狭めれば確率が低くなります。
#3の方の説明を詳しくすると、こんな感じになりますが、理解できますか?
以上。
No.6
- 回答日時:
この問題は、数学的に「証明」することは不可能ですが、統計学的に「検定」することはある程度可能です。
例えば、このサイコロを12万回振ってみて、「1」が20,003回出たとしましょう。
「1」が出る真の確率が1/6-1/100と仮定した場合、12万回振って「1」が20,003回以上出る確率を計算します。この確率が3%以下だったとしましょう。その場合、「真の確率が1/6-1/100」という仮説がおかしかったと結論づけます(仮説が正しかったらほとんどありえないことが起こったので)。このことを「「1」が出る真の確率が1/6-1/100以下である」という仮説は、棄却水準3%で棄却された、と言います。
同様に、「「1」が出る真の確率が1/6+1/100以上である」という仮説が、棄却水準3%で棄却されたとします。
その場合、棄却水準3%で、真の確率は1/6-1/100と1/6+1/100の間の幅の中にあると考えるのが妥当、ということになります。
実験回数を増やすことにより、確率の幅や棄却水準をどんどん小さくすることはできますが、0にすることは不可能です。
ただ、以上の議論は、毎回の試行が独立であるという仮定に基づいています。No.5 のranxさんがおっしゃるような、規則性があるかどうかという検証はしていません。なんらかの特定の規則性、たとえば「「1」の目が出る確率は前回の目に依存する」というような仮説を検証することは統計的に可能ですが、「あらゆる規則性が無い」ということを統計的に検証するのは不可能です。
No.5
- 回答日時:
「真のサイコロ」というのは理論的に構成された概念ですので、
現実の世界にそのようなサイコロは存在しないし、一つのサイコロを
取ってそれが「真のサイコロ」であることを証明できるようなものでも
ないと思いますが、ただ、あるサイコロがどれだけ「真のサイコロ」に
近いかということは、ある程度計測可能だと思います。
サイコロを60回振った時に、各目が10回ずつ連続して出たとしたら、
各目の出た割合は1/6ですけれども、それは真のサイコロとは言えません
よね。目の出方は「ランダム」でなけれななりません。いかなる規則性も
ない出方をして初めて真のサイコロとみなすことができます。一見何の
規則性もないようだけど、よく調べたら1万回に1度必ず1の目が出ていた
などというのもダメです。(コンピュータで使われるランダム関数などは
実はこのケースに近いです。)あらゆるパターンを考えて検証し、
全く規則性を見つけることが出来なければ、そのサイコロはその検証の
範囲内で「真のサイコロ」と言い得ると思います。
No.3
- 回答日時:
これは言葉の定義の問題だと思います。
「真のサイコロ」を「6つの目が出る確率が等しいもの」と定義されていますが、それだけでは不十分で、さらに踏み込んで、「6つの目が出る確率が等しい」ということをどのように定義されますか?
もし、純粋に理論的に「無限回振った場合に、それぞれの目が出る確率が1/6に収束する」と定義したとすれば、『実際問題』という観点からは、不可能ということになります。
でも、「120回振った場合に、それぞれの目が20回出る」と定義したとすれば、『実際問題』という観点からは振れるでしょうが、そのように各目がきっちり20回ずつ出るとは思いにくいですね(敢えて感覚的な表現にしました)。
さらに、「120回振った場合に、それぞれの目が15回以上25回以下出る」と定義すれば、実際に振れるし、きっと多くのサイコロが真のサイコロということになりそうな気がします(敢えて感覚的な表現にしました)。
繰り返しますが、「6つの目が出る確率が等しい」ということをどのように定義するか、ということでしょう。
回答ありがとうございます。おっしゃるように定義の問題ですね。私の質問の内容を言い換えると、”一般的(数学的、工学的)には「6つの目が出る確率が等しい」ということをどのように定義していますか?”になるのかもしれません。
No.2
- 回答日時:
模範解答は「試行回数が多くなるにつれ、確率1/6に収束すること」だと思いますが、
実際問題として、これは不可能だと思います。
10回で収束するか、1億回で収束するかわかりませんし、第一、どんなに精巧なサイコロだって、
斜めに立ったまま静止する可能性を、完全に否定できません。
だから確率論を考える際、「同様に確からしいとき」という前提条件がつくのだと思います。
回答ありがとうございます。確率1/6になったところで、試行を終了し証明が出来たというのは、「初めに”真のサイコロ”在りき」になってしまっていると思うのですが、、、。
No.1
- 回答日時:
「真のサイコロ」の条件を明らかにすることです。
例えば、
・6万回振った時にそれぞれの目が1万回ずつ出たものだけをそう呼ぶ。
とか。
「真のサイコロ」とは任意の概念ですから、他にもどんな条件だってかまいません。
・誤差1ミクロン未満の立方体をそう呼ぶ。
・最初に3が出たサイコロをそう呼ぶ。
・真田さんが振るサイコロをそう呼ぶ。
などです。
・・・と、ここまで書いてきておかしなことに気づきました。
・このサイコロはそれぞれの目が出る確率を完全に6等分にされたものである。
・それぞれの目が出る確率を完全に6等分にされたものを「真のサイコロ」と呼ぶ。
となれば、すでにそのサイコロは「真のサイコロ」であると証明されているわけですね。
確率・統計は文字通り、あいまいな予測論と結果論の学問ですから、「真のサイコロ」が100回連続で1を出してもかまわないわけです。6つのうちの1つしか結果が出ないと言うサイコロの持つ性質がおかしく感じさせるのですね。
これを深く掘り下げるなら、量子力学だとかイデアとか、そういうややこしい話になると思います。
ご存知かもしれませんが、量子力学には「シュレーディンガーの猫」という、古典物理学的にはいずれか一つの結果しか持たないのに、理論上では複数の結果が同時に表れてもよい、という面白いパラドックスがあります。
検索すればたくさんサイトがでてくると思いますよ。
ご興味があればどうぞ。
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