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「烏羽玉(うばたま)のわが黒髪は白川の、みつはくむまで老いにけるかな」(大和物語)という檜垣(ひがき)ノ嫗(おうな)の歌物語
というのがあるそうですが、この「烏羽玉(うばたま)のわが黒髪は白川の、みつはくむまで老いにけるかな」はどのように解釈すればいいでしょうか。

A 回答 (4件)

NO3です。


「みつはくむまで老いにけるかな」について、私の見ている大和物語は小学館刊行の日本文学全集本です。「老い」の部分が「なり」になっているものです。岩波の日本文学大系本等がが見当たらないので、どちらが正しいか(伝本の違いなのか)言えないのですが、ご質問の内容が「老い」のほうなので、基本的にはそれほど変わりませんが訳を。
私の黒髪は白くなり、白川の水を「みずはくむ」(老いかがまって)汲むまでに年老いてしまったことだな。(だから老いさらばえた姿を見せたくないので貴方にお会いする事はできません。)
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>「烏羽玉(うばたま)のわが黒髪は白川の、みつはくむまで老いにけるかな」(大和物語)という檜垣(ひがき)ノ嫗(おうな)の歌物語


というのがあるそうですが、この「烏羽玉(うばたま)のわが黒髪は白川の、みつはくむまで老いにけるかな」はどのように解釈すればいいでしょうか。

檜垣の御の歌については大和物語と後撰集の二つに載っていますが、一部内容が違っています。(大和物語の原本の違いがあるかもしれませんが、私のもっている大和物語は以下のような和歌です)
大和物語の歌は、
ぬばたまのわが黒髪はしらかはのみつはくむまでなりにけるかな
後撰集は、
年経ればわが黒髪も白川のみづはくむまで老いにけるかな
です。見た目は多少の違いですが、大和物語は後程説明しますが、趣旨は昔に変わって落ちぶれた姿(を見せたくないので会えない)を描き、後撰集は老いを嘆げいているが趣旨です。

大和物語の歌を解釈する上のポイントは、
枕詞の「ぬばたまの」=「黒」にかかる枕詞。原則的に意味を持たない。
掛詞(1)「しらかはの」=「白川」=川の名前
  =「白」=白髪・髪が白くなった
(2)「みつはくむ」=「水は汲む」=水を汲む。
          =非常に年をとる・長生きする・年取って腰がかがむの意味の「みつ(づ)はくむ」

*「みつはくむ」の表記は「みづはくむ」となっているものがあります。
「なり」の前の省略 =この和歌の数行前に、「いといみじうなりにけり。」とあり、省略部分は「いといみじう(たいそうひどい・意訳で、たいそうおちぶれている)」と考えられます。その理由は、この「いといみじうなりにけり。」は前の「いとらうありをかしくて、世を経けるものになむありける。」に対応し、以前は知識が深く、風流に世の中を過ごしてきたが、(純友の乱で家を焼け出され)たいそうおちぶれているという話の筋からです。また、そのため小野好古が会いたいと言うのに対し、断りを和歌でしたという話からです。
この文章の読み所は以前と現在の対比、落ちぶれた姿を見せたくない気持ちを和歌に託し、その和歌が縁語などの技巧を使ったものである事などです。
文法の「にける」=過去の助動詞「ぬ」の連用形の「に」に、過去の助動詞「けり」の連体形の「ける」。
終助詞「かな」=感動・詠嘆を表す。~だなあ。~ものだなあ。
さて、掛詞の訳し方を除けば訳はそれほど難しいものではありません。下手な訳ですが。
私の黒髪は白くなり、白川の水を「みずはくむ」(老いかがまって)汲むまでに(落ちぶれた姿に)なってしまったことだな。(だから貴方にお会いする事はできません。)
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ああ懐かしい……ウン十年前に読んだので物語は忘れてしまいましたが、この歌はよく覚えています。


さて、個人の感想はさておき。

「うばたま」は真っ黒なものを形容する枕詞であることはご存知ですね。「ぬばたま」とも言いますが。
ここでは檜垣ノ嫗の髪の毛が真っ黒であること(というより、昔は真っ黒であったこと)を指します。
この真っ黒な髪が、年老いて白髪になってしまったものを、川の流れにたとえて「白川」と表現しているのです。
髪の毛を川にたとえるのですから、長くてふさふさした髪の毛なのかもしれません。
ここまでが上の句。

「みつはくむ」の語にはいくつかの説があります。
その説を紹介するまえに、この語は「水」との掛詞になっていることに注目してください。
なぜ「水」かといえば、直前の「白川」を受けているためです。川には言うまでもなく水が流れているものですから。
さて「みつはくむ」の解釈ですが、ここは先に述べたように複数の説があります。
(1)「みつはくむ」=「三つ輪組む」説
 年をとって背中と腰が曲がってしまった姿を、三つの輪形(頭、背中、腰)になぞらえたとする説。
 ただし、これではかな表記が「みつわくむ」となっていなければならないため、やや難がある説です。
(2)「三つ歯組む」説
 年老いて歯が抜け落ちてしまい、かろうじて抜け残った上下の三枚の歯が互い違いに組み合わさっているさまを表現したもの。
(3)「稚歯萌む」説
 ものすごく年老いると、いったん抜けた歯が再び生えてくるという俗説があったようです。つまり歯が生え変わるほど年老いてしまったということを表しているのです。

「老いにけるかな」はそのまま「年老いてしまったものだなあ」の解釈でOKです。

全体を通すと
「烏羽玉のごとく真っ黒だった私の髪の毛は、いまや白く流れる川のよう。
 その川の水…水といえば『みつはくむ(歯が生え変わる?)』ですわね。そんな体験をするほど年をとってしまったものですわ。」
と、年老いたことを嘆息していることになります。
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 ど素人で語釈だと存じますが。


 “烏”って真っ黒なとりですよね。だから“烏羽玉”って黒髪の枕詞でしょう。
 “その黒髪に、もうみっしりと白い川、つまり白髪が出てきてしまっている老人になりましわぃ”ということではないかと思いますが。
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