No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
俗にはボーズと呼ばれているものです。少しばかりお話させていただきます。>>親鸞は、称名念仏と観想念仏のどっちですか?
親鸞聖人が書かれたものに「和讃」というものがございます。この御和讃は日本語の和歌にのせて浄土真宗の教えをお示しいただいたものです。その冒頭の御和讃を浄土真宗では古来より「巻頭の御和讃」と読んで、数多くある御和讃のテーマが示されているといわれています。その御和讃には、
弥陀の名号となへつつ
信心まことにうるひとは
憶念の心つねにして
仏恩報ずるおもひあり
とあります。冒頭には「弥陀の名号となへつつ」とあるように、称名念仏が説かれています。
>>それとも、絶対他力だから念仏すら唱えないんですか?
また、この「念仏不要論」の考え方ですが、これは絶対他力ということを間違って解釈されていると思います。
まず「唱える」という書き方ですが、浄土真宗においてはこの字は基本的には使いません。親鸞聖人自身も慎重に避けておられたようです。浄土真宗では「となえる」というときは「称える」という漢字を使います。この「称」という字は「称する」としたとき「名乗る」という意味のある漢字ですから、「称名」は「名を名乗る」という意味になります。では、「南無阿弥陀佛」は誰が名乗ったかといえば、それは阿弥陀佛です。
これはどういうことかといえば、親が生まれたばかりの子に「お父さんだよ」「お母さんだよ」と声をかけたりしますが、これはいわば名乗りです。この名乗りとはどのような意味があるかといえば、「親である」と名乗ることで、「お前を命に代えても守る者がここにいます」という宣言に他なりません。そして、その思いが子供に届くからこそ安心して、その人を「お父さん」「お母さん」と呼ぶことが出来るのです。
これは、阿弥陀佛も同じです。法蔵菩薩が四十八の誓願を成就して成仏し阿弥陀佛と名乗ってくださった。この、救いの心が私達の胸にいたり届いたときに、私達は安心して「南無阿弥陀佛」と称えることができるのです。ですから、「念仏したから救われる」のではなく「救われているから念仏ができる」というのが浄土真宗の基本的な考え方です。この考えは御和讃の中にも、
本願力にあいぬれば
むなしくすぐるひとぞなき
功徳の宝海みちみちて
煩悩の濁水へだてなし
と示されております。この最初の「本願力にあいぬれば」という言葉を私達は「本願力にあったとしたら」と訳してしまいがちですが、ここの「ぬ」は完了形の助動詞なので「本願力に会っているからには」と訳さなければなりません。ですから、親鸞聖人は念仏したから救われたのではなく、もっと以前から阿弥陀仏の救いの中に抱かれていたと頂戴していました。
そして、救いを頂戴しているからこそお念仏を「称えずにはおれない」のです。親鸞聖人は『教行信証』の中で、
真実の信心はかならず名号を具す。名号はかならずしも願力の信心を具せざるなり。
とお示しになり、自分の意思で称えるのではなく、仏様のお救いをいただいて称えずにはおれないというのがお念仏であり、だからこそ絶対他力です。念仏の称え心さえない泥凡夫が、称えさせにゃおかんという阿弥陀佛の心を頂戴することを、『大無量寿経』では
聞其名号 信心歓喜
と説かれています。つまり、念仏の称え心でさえ阿弥陀佛からの御廻向であるというのが、絶対他力という事で、念仏を称える必要ないというのは親鸞聖人のいう絶対他力とは大きくかけ離れたものと考えます。
読み返してみると、回答になっているのかは分かりませんが、掻い摘んでご説明させていただきました。誤字脱字乱文どうぞご容赦ください。
合掌 南無阿弥陀佛
この回答へのお礼
お礼日時:2011/12/17 21:24
回答ありがとうございました。
とても詳しい解説で分かりやすかったです。
センター試験で倫理を使うんで、理解できてスッキリしました。
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