No.3
- 回答日時:
重農主義とは具体的にどんな政策でしょうか?
フランスの場合
☆政府支出の抑制:フランス宮廷と政府の浪費を締め付け
☆民間経済事業を奨励:リヨンの絹製造などの成長産業を支援、穀物の国内取引規制を廃止
☆経済規制・枷を緩和:穀物の国内取引規制を廃止、労働移動に関する規制廃止、国営独占企業や交易特権の廃止、ギルド方式を解体、賦役を廃止
☆課税改革:土地単税論(課税は地主の地代だけとし他の税は全廃する。課税負担が可能であるのは地主の地代のみと考える・土地からの収益が唯一の剰余生産物であり、他は再生産に必要なものであるから課税しない。)
参考サイト
http://cruel.org/econthought/profiles/turgot.html
http://cruel.org/econthought/schools/physioc.html
テュルゴーは老朽化したアンシャン・レジームの財政を救おうと一大決心をしていた。政府支出を抑えて、民間経済事業を奨励できれば、税収が増えて国の財政も健全化するだろうと見当をつけた。でもかれは、古くさいコルベール主義戦略で国営企業や保護主義政策を行うのは、産業の競争力を下げて非生産的にしてしまうと考えた。ヴァンサン・ド・グルネーに示唆を受けて、テュルゴーは競争と自由市場の力を解き放とうと考えていた。このためには、コルベール主義的経済政策をひっくり返すだけでなく、フランス経済の足を引っ張っている中世的な制度もつぶす必要があった。
テュルゴーは、最初は慎重に始めて、リヨンの絹製造などの成長産業を支援し、道路や輸送などを改善し、税制を簡略にして徴税を改善、独占を一部廃止して、公的債務を返済等々を行った。それからフランス宮廷と政府の浪費に締め付けをかけ始めた。かれのスローガンは「破産せず、増税せず、借入せず」というものだったので、他のことに割く余地はほとんどなかった。
1775年に、テュルゴーは中でも最も大胆な動きの一つを見せて、穀物の国内取引規制を廃止した。この手法は昔から、エルベール、グルネー、そしてテュルゴー自身によって主張されてきたものだった(e.g.1763,1770)。残念ながら、この政策は即座によい成果をもたらしたのに、その年の不作によって効果が打ち消されてしまった。テュルゴーはその後起こった暴動――通称「小麦粉戦争」――にいささか厳しい対応をしたため、国民の間でかなり不評を買ってしまった。
1776年に、テュルゴーは有名な「6つの勅令」を発表。最初の4つはどうでもいいものだった。5つめは中世以来商業と産業を押さえつけてきたギルド方式を解体した。6番目は、corve'e(賦役、つまり百姓が毎年国に対して行わなくてはいけない労働奉仕)を廃止し、重農主義者お気に入りの政策――l'impo^tunique(単一地租、単一土地税)を導入。こうした手法に対して、貴族と土地所有階級はこぞって反対した。テュルゴーは動じることなく、この政策を勅令として強制した――が、このやりかた自体もあまり人気のないものだった。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
独学の結果の推測で文献の引用による主張ではないのですがまあ参考に自分の見解を述べます。
重農主義は後期重商主義を批判する経済主義です。
後期重商主義とは、国家が計画的に産業を育成する経済政策です。
日本でいえば、明治政府の経済政策をイメージすれば分かりやすいかと思います。
そして具体的にはどのように産業を育成するかというと
1.国自身が産業を始める(殖産興業)。
2.国が産業に対して補助をする。
3.国が安い外国製品を締めだす。
この3つが中心になります。
1.について国が産業を始める元手と事業資金は、どこから集めるかというと税金です。
2.について産業に対しての補助の財源はどこかというと、税金です。
3.についてやすい外国製品を締めだすということは物価の高騰を招きます。安くて高品質な外国製品の購入を禁止し、高くて低品質な国内製品の購入を強制するのです。
これら1.2.3.は少なくとも短期においては、国民生活の悪化を招きます。
また長期においても国の殖産興行が失敗したり、補助された産業が上手く行かなければただの無駄です。
さらにこの当時最も手っ取り早い徴税対象とされていたのは農民でした。
ですので、重農主義者は政府による計画的な産業育成政策を批判し、自由化による農民主導の経済成長を提唱したのです。
苛烈な徴税を緩和し穀物を自由に売り買いできるようになれば農民の収入も増加する、そうすれば農民たちは自分たちの農地の開発を行い農業の生産性を増加させるだろう。
それが国家経済の発展につながるのだというのが重農主義の論調です。
重商主義者が国家統制型の経済政策を提唱しているのに対し、重農主義者は割合自由主義的、市場主義的なんですよね。
自由主義的経済学を打ち立てたアダム・スミスがこれは重農主義の流れを汲んでいたことからも分かるのではないかと思います。
No.1
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