
現在、日本文学と中国文学のさわりを勉強しているのですが、なにしろ無知なもので、どんな文献を見ればよいのかも分かりません。
そこで、質問です。
日本文学史上の人で中国文学(文人)の影響を受けた人はとても多いと思います。
その中で、影響を受けたことで有名な人がいましたら教えてください。
中世から近現代(昭和初期くらいまで)でお願いします。
日本のどの作品が、中国のどの作品の影響を受けたというのも知りたいです。
また、現代の日本の文化の中で、中国の影響を色濃く受けているもの(漢字など一般的なものより、えっこれが?というもの)
などありましたら是非教えてください。
参考になる文献やH.P.なども提示していただけると幸いです。
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
日本の文学は、近代以前には中国文学(通常「漢文学」といって、史書、経書、詩文を指します)の影響をことのほか大きく受けています。
>中世から近現代(昭和初期くらいまで)
というご質問は、日本文学史を概観することにほかならないものです。
もちろんここで加藤周一の『日本文学史序説(上・下)』(ちくま学芸文庫)やドナルド・キーン『日本文学の歴史』(全13巻 中央公論社)などを参考文献としてあげてもいいのですが、まずは手はじめに、高校生向けの参考書『日本文学史』をなんでもいいので、一冊通読なさってください。
そうすれば、日本と中国文学が上代から近代前期まで、「影響を受けた人がいる」「どの作品が何の影響を受けている」といったレベルではなく、どれほど密接な関連を持っていたか、わかるかと思います。
明治初期まで、寺子屋や、藩の学校、あるいは私塾で、日本人の多くは素読を通して、いまの私たちには想像もつかないくらい、漢学の素養を身につけていました。
たとえば「朝野新聞」(1857・8・17付)で成島柳北が、讒謗律に抗議して「辟易賦」というパロディ詩を載せたのですが、これは宋の詩人蘇東坡の「前赤壁賦」が元になっています。
このことは、当時の一万五千部の発行部数を誇る新聞の読者(一般大衆)の多くが、蘇東坡の詩を知っていた/暗唱できた、ということを意味するのです(『日本文学史序説』による)。
1859年生まれの坪内逍遙も1862年生まれの森鴎外も、1867年生まれの夏目漱石や幸田露伴も、数年後に生まれた田山花袋、島崎藤村も、幼少期から素読を中心として漢学を徹底して身につけ、そののち英語を学び、それから大学へ入るというルートをたどっています。
初等教育期、必須の教養としての漢学の伝統は、明治政府の作った小学校や中学校の制度が整えられるにしたがって、次第に失われていきます。
夏目漱石や森鴎外は漢詩を作りましたが、その次の世代にあたる芥川龍之介は、漢詩こそ作らなかったけれど、読むことにまったくの苦労はありませんでした。けれども、大正期以降生まれた作家にとって、漢文はもはや幼少期から慣れ親しんだものではなくなっていました。
けれども、江戸末期から明治中期に生まれた作家たちは、漢学の素養を身につけた最後の世代として、漢学を文学の土台としていきます。
鴎外は、オランダ語、ドイツ語、英語を学ぶことで、論理的で正確な言語の構築法を学び、あわせて漢文の語彙と文章法を基礎にして、後期の史伝に見られるような、新しい「文体」を完成しました。
漱石は晩年に自らの哲学を要約したような漢詩を多数作ります。
露伴は日本と中国の博学な知識をもとに、日本や中国の歴史人物の評伝を書きます。
この時期の作家の中では、#1の方があげておられる芥川が有名かと思いますが、一人芥川のみならず、作家の誰もが漢文学の深い素養を土台としていました。
この時代の一連の作家を見ると、個々の作品を超えて、明治初期まで日本と中国文学に密接な関連があったこと、それが明治後期以降、急速に失われてしまったことがよくわかるかと思います。
No.1
- 回答日時:
芥川龍之介の「鼻」「蜘蛛の糸」は、中国の「聊斎志異」の影響を強く受けています。
この回答への補足
この質問のあとに「中国文学と日本文学」というタイトルでこれと同じ質問が載ってしまいました。
そちらの方に多くの方に御回答頂いていたのですが、削除されてしまったので、私が見る事が出来ません。
御回答を頂いた方どうもありがとうございました。
そして、もし良ければもう一度こちらに書き込んで頂けないでしょうか。
宜しくお願いします。
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