(旧作映画ですがネタバレあります)
よく「芸術映画と娯楽映画」と比較されますが、実は、誰もが両方楽しんでると思います。
それより娯楽映画の中でも「メチャメチャ面白い映画とそんなアホな映画」の境目の方が問題だと思います。
例えば同じ娯楽映画でも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「ターミネーター」は文句なしの「面白ろ映画」ですが、一方、映画館で思わず「そんなアホな!」とイスからずり落ちて、もう、興ざめで、全く楽しめなくなる映画があります。こういうのって他の人はわりかし気にしてないようなんですよね。
どうやったら楽しめるのか知りたい。
その「アホな映画」の特徴のポイントは「力関係の設定が崩壊している」パターンです。前半で敵が圧倒的に凶悪で世界が滅びるくらいの存在なのに最終的にはメチャメチャ弱くて簡単にやられるやつです。最近そういうのがやたら多い。
例えば「ダークナイトライジング」のベインは世界を制服しかけ、バットマンもズタボロにやられますが、最後はなんの工夫もなくバットマンに鼻を殴られたらマスクが壊れてそれでヘナヘナ~となります。世界制服の計画できるのにマスクは簡易か。この映画はついでに原爆をマンハッタンから目視できるくらいの近くで爆発させますがみんな「よかった~」言うてますが放射能は?。
(スタートレックも放射能を無視してました)
「007スカイフォール」は前半はコンピュータ攻撃で世界が制服されかけますが、最後はアストンマーチンとライフルとか素手で敵を倒します。援護射撃はジュディ・デンチの老婆攻撃。
「トランスフォーマー」も巨大ロボットがビルというビルを破壊しつくしますが、最後は少年のアメフト走りで、巨大ロボットの追跡を振り切ります。一歩でおいつくやろ。
「ロード・オブ・ザ・リング」は3時間映画の三部作で映画の時間として9時間かけて山に登り帰りは1分で下山します。どういう山だったんだ。
始めから「バカバカしい映画」は楽しめます。例えば「キャノンボール」とかレースのルールとか勝敗とかどうでも良くて単にオールスターキャストがユルユルでキャラ合戦をしている。それはいいんです。
でも、「ロード・オブ・ザ・リング」とか「007」とかは「マジ」狙いなので困ります。そして特に誰も文句をいってない。みんな文句言ってれば溜飲も下がるのですが。
そしてこういう映画が最近やたら多いので楽しみたい。知的な人も結構楽しんでるみたいだし。
こういうのってどういう心構えで挑めば楽しめるんですか?。
No.1
- 回答日時:
かなり前です。
忘年会の後同僚とオールナイトを見ました。確か「エアポート'80」コンコルドがミサイルの攻撃を回避するシーンがありました。
音速で飛ぶコンコルドが戦闘機のように見事に回避するのです。
飛行機が怖くトイレに閉じこもった乗客が右往左往します。
酔っていたのでしょう。私一人笑い転げていました。
(同僚には申し訳なかったのですが・・・・。)
私の気になるとこと
・宇宙空間の音
・スタートレック エンタープライズの人工重力はかなり危機的な状態になっても作動している。
・ほとんどの映画は原爆の強力な電磁パルス(EMP)による電気機器が使えなくなることを無視している。
私の心構えは「映画はお話と割り切る。」
矛盾点、科学的におかしな点・・・・気付いた点を話せる友人がいるといいですね。
憂さ晴らしに
Yahoo!映画のユーザーレビューに書き込んではいかがでしょう。
「ダークナイト ライジング 」のユーザーレビューにこんな投稿が
http://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%83%80%E3%83% …
ホームページ作り指摘している人や、フェイスブックで語っている人もいるようですよ。
お節介ついでに
MONKEYMONKEYさんにお勧めの1作
「ラスト・アクション・ヒーロー」コメディですから細かなことは気にしないで見られます。
魔法でアクション・ヒーローと悪人が現実世界に現れ・・・・・
アクション・ヒーローが車の窓を割ろうとするシーンは笑えます。
暇があったら見て下さい。
ありがとうございます。ダークナイトライジングのレビューには思わず「やはりそうか」とつぶやいてしまいました。
ところで私とて「映画はお話」とは100も200も了解しております。そして「良い方」の娯楽映画としてあげた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「ターミネーター」どころか、かの「エデンの東」や「アラビアのロレンス」ですらツッコミどころはごまんとあり得るのですが、私が「放射能」の話を「ついでに」したので主題が歪みましたが、今回の質問のテーマは「力関係の設定が最初と最後で変わる」事です。
最初から最後まで「インチキ」の設定が一定ならそれがその映画の「設定(=約束事)」なのですからオッケーなのです。
例えば「ロッキー」のボクシングシーンは総じてガードが緩くてバンバン殴られて「そんなボクシングあるかい」という感じなのですが、でもそれは映画だからよいのですが、それよりダメなのはロッキーが15ラウンド立っていた奇跡がこの映画の肝なのにその後、「ロッキー2」以降で2回も3回も防衛してしまうところです。それじゃあ最初から「奇跡」じゃなくて「実力」じゃんと。最初の感動が全部台無しになるというか。それは「あしたのジョー」で「実は力石は生きてました」というくらいの無茶苦茶。いくらちばてつやが金に困ってもそれだけは出来ない。でも「バットマン」のベインや「スカイフォール」のやつはそれくらい設定わややのハテナ映画と思えます。だって世界制服レベルの話なのに最後はパンチでやっつけるて最初の設定はなんだったんだ。
でまあそういう映画が最近やたら多くて、かつ、みんなスルーしてるところがもどかしいのです。
それどころかみんな評価して「ロード・オブ・ザ・リング」なんてオスカーとっちゃった。こういうのに比べたら「タイタニック」なんて立派な映画なのに「タイタニック」は結構「大した映画じゃない」と批判されたもんですのに。
とにかく世界制服者を素手で倒されてもカタルシスないってことなんですよ。ゴジラ倒すには「禁断のオキシジェン・デストロイヤー」てな具合に「ウソ」とはいえ最低限の「納得の対抗策」で解決してもらいたいのです。「作り物だから」なんて冷静になるために映画館に行くわけではなくやはり「興奮」する為に行くわけでそこが、ウソでも「ターミネーター」ではハラハラ出来るけど「スカイフォール」のジュディ・デンチの攻撃が成功したりすると「シラー」っとしてしまう違いがあると思うのです。とても困ります。
No.2
- 回答日時:
MONKEYMONKEYさん、こんばんは。
御質問のポイントとしては、
>こういうのってどういう心構えで挑めば楽しめるんですか?
ということですね。
回答としては、
悲観的です。
「あきらめてください。心構えのしようがありません」
なぜなら、
「そんなアホな」展開を期待して、
映画を鑑賞しているわけではないですよね。
期待していないのに、
唐突に「そんなアホな」展開がされるわけですよね。
心構えのしようがありません。
身もふたもない回答ですが、
それが「現実」ではなかろうか、と思います。
堂々と「ドン引き」すれば、いいじゃないですか。
たとえ「ドン引き」するのが、少数派だったとしても、
何を悲しむ必要があるでしょうか。
もちろん「同じ意見の他人」の存在がわかることは、
溜飲を下げるに十分すぎる状況かと思います。
が、肝心なのは、
MONKEYMONKEYさんの受け取り方であり、感じ方です。
別に他人がどう思おうが、どうでもいいではないですか。
などと考えますが、如何でしょうか?
ありがとうございます。
僕は、映画に関して、最初から、みんながあまりに「寛容」である事に疑問を持ちます。
レストランで不味い経験をしたら二度とその店には行かないというシビアな世界とくらべて、「映画は面白くなくて当然」「それが現実」とはなんたる仏様ぶりでしょうか。
なぜこうなるのは僕は実は凄く不思議です。
映画の監督や脚本家は超一流中の一流のはずではないですか。さらに世界から才能が集まるハリウッドでは尚の事。野球でいえば大谷くんやイチローの世界。その人たちが大衆から「ああつまんねえ」と言われるような野球はしません。
観客の9割が楽しんで1割がずっこけるなら話はわかります。が、「ダークナイトライジング」や「スカイフォール」は9割がこけるでしょう。大衆が馬鹿だからそれにあわせて映画も馬鹿化している理論も現実的ではないと思います。だって「ゴッドファーザー」や「ローマの休日」と言った作品はハイクォリティでかつ大衆に支持されてるじゃないですか。何もそこまでいかなくても「マトリックス」や「シックスセンス」でもいいと思います。実際この10年洋画より邦画が集客度50%以上なんですよね。それってバジェットや数の論理からするとおかしいのです。レアルマドリードが鹿島アントラーズに負けるようなものです。
感じ方は人それぞれといったら見も蓋もありません。でも、楽しく映画を見て、みんなと共有したいですよ。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
わかるわー。
「大挙して地球を攻めて来た異星人を撃退する映画」は全部笑っちゃうわー。だって「地球を攻めて来た」時点でもう、人類をはるかに上回る文明レベルにあること確定じゃん。勝てたらおかしいじゃん。でも勝つの。「母船にウィルスを送り込んだ」とか「最後は拳と拳で決着付ける」とかいうバカバカしい設定で。徹頭徹尾バカバカしいならいいけど、最初はシリアスな雰囲気で始まって最後がそれだもんなー。さらに困ったことに、最後もシリアスで勇壮な雰囲気で。そういう笑っちゃう映画対策は「見ない」ことに尽きると思いますが、
楽しみたいのであれば、「楽しくバーベキュー」
という心構えがいいんじゃないでしょうか。
「おまえみたいな美食家はフランス料理でも食いに行けばいいんだよ
俺らはここで楽しくバーベキューしてるからよ」
http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/414540 …
ありがとうございます。
そうなんですよ。要するに観客をビビらせる為に前半で「難攻不落」の城作りすぎなんですよね。そんで、自分でそれを攻略できない。仕方ないから城の方で譲歩して勝手に崩れてくれる。
黒澤の「用心棒」なら「ピストル対刀」でピストル絶対優位なところを防弾板で逆転するという納得の奇襲作戦なわけです。でも、最近の映画は「全世界同時爆破装置vs刀」ぐらいの設定から始めてしまうから、広げた風呂敷たたみようがない。
No.4
- 回答日時:
アクション映画とかスペクタクル映画はそもそも馬鹿馬鹿しいものです。
それが映画という興行なんでしょうね。
最初からお馬鹿やっちゃうよというとジャッキー・チェンの映画みたいな感じ。ジャッキーって小さいギャグを長々と繰り返したがりますよね。ああいうくすぐりがすきなんでしょうね。それをシリアスな展開に混ぜたりすると実に後味が悪い。後期のレッドブロンクスや酔拳2はえぐいシーンがかなりあったと思いますよ。
ドニー・イェンの場合はシリアスにアクションを重ねますけれど、過剰なアクションなので馬鹿馬鹿しく思う人もいると思います。ジョン・ウーたちの香港ノワールなんて銃撃が過剰すぎるのに主人公は不死身です。
スティタスのトランポーターシリーズは生身のアクションと華麗な(CG含み)カースタントでとかく派手ですが、車の下につけられた爆弾を空中回転して、敵の銃弾で弾かせるという恐ろしいアクションをしますからね。
007は元々が「そんなのありかよ」というシリーズで、クレイグの人相が悪いのでシリアスな映画と思われがちですが、そこは伝統的な007映画ですから硬いことはいえないのです。一個一個のアクションがそもそも無茶ですから、それが成立する世界観にシリアスを求めるのは野暮というものです。ロード・オブ・ザ・リングはそもそも剣と魔法の世界ですもの馬鹿馬鹿しい展開は諦めるしかないです。私としては2は大いに盛り上がったのですが、3は沈みましたねぇ。
さて力関係が逆転する理不尽さということですが、作劇上、敵は強大であり、クライマックスで主人公がそれを間一髪で交わして華麗に逆転劇を決めることでカタルシスを得るようなストーリーにせざる得ません。最初から主人公が無双状態ではラスボスとの葛藤を描きづらいからです。ケンシロウみたいにとにかく敵をやっつけまくってストーリーを推し進めると、ラオウとの直接の絡みが少なくなってしまうわけです。二人が拳を合わせる機会は意外と少ないはずです。トーナメント表の端と端みたいなもので、直接相対するとそこで決着がついてしまうので。最後まで別々な場所で活躍するしかなくなるのですね。
というわけで、娯楽映画にシリアスを求めちゃいけないと思います。ご都合主義でない娯楽映画なんてないんですから。ブラピのワールド・ウォーZなんて凄かったですよ。
ありがとうございます。
色々と、個々の「ありえない」という「あるある」についてはいちいち「同感」なのですが、私の質問文の整理が悪いのが原因ですが、私が「娯楽にシリアスを求めているわけではない」ことはよーく読めばわかっていただけるはずです。むしろ「マーズアタック」「ジャッキー・チェン」はては「たけちゃんマン」から「アホアホマン」まで大好き派です。問題は「設定」の「お約束」が破られることです。例えばキーがなくて直結で車のエンジンがかかるとか、味方の女性が足手まといになるので腹をなぐって一時気絶させて黙らさせて担いで運ぶなんてのは、「ありえない」のですが、それが一定の「お約束」として共有されているからそういうのはむしろ「アリ」なのです。映画でもなんでもですが、前半で敵の強大さが描かれて、それを踏まえて作戦を練って、相手を上回って勝つからカタルシスがあるのであって、前半の設定を無視して「鼻が弱点」と突然言われても、腹オチせず、カタルシスが得られないというのが問題だと思っております。
トーナメント理論は納得です。遠山の金さんが最初から桜吹雪を披露したり、水戸黄門が最初から印籠を提示しないわけですよね。でもそれらは「お約束」だから誰も文句は言わないと思います。
No.5
- 回答日時:
こういうのは知識があるかないか、どの程度「これは映画だから…フィクションだから…!」というフィルターを強く自分にかけられるか、に左右される気がします。
特定の専門知識を持った人たちにとっては椅子から転げ落ちるようなとんでもないシーンでも、専門知識のない他の一般客はすんなり受け入れられたりします。
悲恋映画など、恋愛感情が非常に乏しいタイプの人は興ざめだが感情移入しやすいタイプの人はハンカチが何枚あっても足りない、そういう違いはあると思います。
その上で、2点。
「ダークナイトライジング」他については同意です。
特にダークナイトライジングを挙げた理由は、私は「ダークナイト」でものすごくこのシリーズに期待したのにその期待を裏切られたからです。
ビギニングのしょぼさを見たときにちょっと悪い予感がしなかったといえばウソになりますが、予算も上がったことだしと目を曇らせちゃったんですよね。
特にライジングの終盤で爆発しているのは原爆ではなくて中性子爆弾ですので、どれだけ威力を低く見積もってもゴッサムシティだけではなくその周辺数十キロが死の街にならないとおかしい。
スタートレックは私は見ていませんが、他の映画複数でもハリウッドの人間は核の性質がまったくわかっていない、火力の大きい爆弾としか思っていないフシがあります。
それ以前にライジングはおかしいところがいっぱいありすぎました。
10年放浪した後に世界的大企業のトップになぜか就任、そもそも真のベインもどうやって大富豪になれたの?
ウェインは40歳ぐらいで背骨が折れて半身不随になったけど謎のヨガとインドのハーブで復活、8年引きずっていた足のケガまで復活、
世界の裏側(あの洞窟はインドにあるそうです)から着の身着のままでどうやってか数日でアメリカにたどりつく、
封鎖されてて内外から出入りが見張られているゴッサムシティに忽然と現れる、
全部おかしくないですか??
それに演出が昔のVシネみたいな安っぽさで顎が外れそうになりました。
真のベインが瀕死の状態から全ての動機と経緯を延々と(設定された時限よりも長い間)しゃべりまくってガク!というところです。
見ている間、「これは元はアメコミだから!」って必死で自分に言い聞かせました。
(ただ、これだけ悪口書いていますが、あの映画全体はプラス評価なのはつけくわえておきます。
あの執事が報われたのとロビンの出現とハッピーエンドなところ、「バットマンの中の人の"個人の幸せ"とバットマンとしての活動の両立」というテーマが最後きれいにまとまったところが良かったです。)
話を戻して、近年の他の大作もそうですが、これでもかというほどの目まぐるしい困難のたたみかけが薄っぺらく感じらる、そこからの逆転もありえないでしょっていう現実を無視しすぎた方法で全く作品世界にのめりこめない。
この構図は10年近く前に流行ったケータイ小説と全く同じですね。
人生経験の未熟な高校生がいっしょけんめいヒロインに悲劇的な試練を与えようとした結果、レイプ、妊娠、致死の難病、という現実軽視の薄っぺらい記号の羅列になって大人をあきれさせたのと同じです。
ケータイ小説も最初はおとなしかったんですよ。未熟な読者に合わせて加速度的におかしくなっていっただけです。
話が飛ぶようですが、90年代前半の映画を観ると非常に展開がダルい、と感じます。
カメラの切り変わりが遅い。動きに乏しい。スペクタクルでない。火薬の量が足りない…。
さらに前の時代の映画は眠くさえなります。テーマは深遠で面白いけれど、一画面が切り替わるまでが長い。
正確には慣れている00年代の映画に比べて遅いので、全体の情報量が少なく感じる。
こういうふうに思って気がついたことがあります。質問者さんの疑問ともリンクしていると思います。
質問者さんが感じるようなことって、2、30年かけて観客がより強い刺激を求めていったために映画業界も「火薬」の量を増やさざるを得なかった結果だと思うんです。
少年マンガで言われる強さのインフレと同じです。
徐々に、主人公が登る困難の山を高いものにしないと、観客は同じ刺激では満足しなくなった。
映画は最近、2時間を切るものがめっきり減って3時間ものが増えました。大作と言われるほどそういう傾向があります。
これは、主人公が登る山がより険しくなったから、困難を描くのに最低必要な時間が伸びているからではないでしょうか?
しかしどうしても3時間の中に詰め込む上に、個人の活躍で勧善懲悪に描かなければならないので破綻が出てくるのではないでしょうか。
ただし、ここまでは前振りです。
これからが私のいいたいところです。
「ロードオブザリング」だけは違うでしょ?
9時間かけて1分で降りた山って…。
そうとしか捉えられないというのなら、質問者さんの観覧力を疑います!
まあ、死者の船を連れてきて大逆転したときには私も少し思いました。
ただ、高いとはいってもオオワシの背にまたがっていれば数分で降りられる山に数カ月かけて隠密で登るしかない、その隠密行に善の世界の命運がかかっていて、その世界の命運を肉体は非力だけれど性質がかたくななまでに善であるホビットにしか託せない。
そういう善が苦労してがんばって悪を退けた話、というだけでなく、最後に「世界を滅ぼすほどの悪を背負った結果、どうなったか」まで描いたのがロードオブザリングです。
17のオスカーを獲得したのは、この原作が教養として扱われているという背景もあるかとは思います。
またこの原作は最近の映画ほど「かるい大逆転」ではないので、海外の人たちはこの原作込みで評価しているようにも思います。
第二次世界大戦後発表された本で、読んだらおわかりになると思いますが、この中には人生とか、人間のいいところとか希望とか、そういうものほとんど全部が詰め込まれています。
だから、ファンタジーですが、現在のファンタジーの基礎となるぐらい西欧社会でヒットしました。
作者は作中世界の神話から各種族の言語、文化まで創造した上であの小説を書きました。
質問者さんの仰る「知的な人々」が好む小説なんです。なのでそれまで映像化はむずかしかったですし、特にそれをなし遂げたことに対して賞が贈られた面があると思います。
ちなみにロードオブザリングで、最初からワシで飛んでいかなかったのは、サウロンが生きていたからです。
サウロンは山の一番高いところでまぶたのない、眠らない目で見渡す限りを睨んでいて、そこにワシなんかで飛んでいったらそれこそ飛んで火に入る…です。ワシは作中荷物運びしかしてませんが、あれでも強大な空の王ですので、指輪に魅入られたらお終いです。なのでそんなことはできません。空飛ぶ獣とそれを操るナズグルもいたでしょ?
しかもサウロンやその配下、軍隊の目をそらしておかないと、ホビットたちが見つかるかもしれません。だから三部で軍隊を集めて決戦を挑んでいたんです。
あのエルフ・人間・ドワーフたちの大連合のほうが陽動のオトリだったんです。(ドワーフは映画中には出ませんでしたが、離れた場所でサウロンの他の大隊を引きつける役目を果たしていました。)
ありがとうございます。
「ダークナイトライジング」の部分では私の忘れていた部分もおさらいしてくださってあの日のイスコケ(桂三枝風)がよみがえりました。
「知識によって感じ方が違う」というのはそりゃそうなのですが、僕はそんなにハリウッドの擁護をしなくてもいいのかなという意見です。いまどき猫も杓子も大卒で、知識なんて殆ど大差ないと思います。文盲じゃあるまいし。そんなに「何もしらない」なんて事は考えにくい。95%の観客がほぼ同じ程度の知識で映画を見てるぐらいの感覚でいいと思います。少なくとも自分自身は人口の中間ぐらいにいるとしか思えません。それから読者や視聴者がアホだからそれに引きずられて作り手も爆薬を増やしたというのも、一応理解できますが、大衆がそんなにアホだとは僕は思えない立場です。僕は作り手の層が薄くなっただけではないかと思えます。その根拠は映画や小説の作家が人気職業から転落しているからです。要するに儲からないし尊敬もされない。
「90年代以前の映画がたるい」というのはありうるかも知れません。刺激刺激で、麻痺している。いま、スマホでの新幹線予約アプリナシに新幹線を予約させられたらいらいらしてしょうがないかもしれません。
さて、「ロード・オブ・ザ・リング」は大変失礼しました。結論からいいますとそんなに詳しくない立場ですので、この議論はそれほど自信はありません。そういわれればその通りかもしれません。
ただ、脆弱な「ホビット」が強大な力にも対抗できてしまうのは、どういう力関係かあまりにもわかりにくいとは思います。「鳥で1分」というのは象徴的に言ったまででそれはそうなのですが、なんというか「善の心」が必要だと言うけど都合の良い設定すぎるかなあと。でもあんまりよくのめりこんでないので、回答者さんの方が正しいのだと思います。ひとつだけ質問ですが、そんな善の心を持つホビットが最後の土壇場で結局勇気が出ずに指輪を捨てられなかった。で、なんかの弾みで手からこぼれて溶岩に落ちた。これって、結局、勇気が出せなかったお話ではないでしょうか?。そこらへんが感動できなかったです。
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