アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

表題の通りなのですが、小品を作ってみましたのでアドバイス・ご意見・批評等いただけないでしょうか。
特に、(1)和声法などの作曲理論に基づいたご意見、(2) 演奏に関する意見(音源の速度での演奏が可能であるか等々)、をお願いします。

音源:
楽譜:https://dl.dropboxusercontent.com/u/20893191/mol …

質問者からの補足コメント

  • すいません、質問ついでにこちらの作品(作り途中なのですが)についてもご意見等お願いします。
     この作品では、19小節目に内声で生じる連続5度が少し気になるところではあるのですが、その点を含めてご意見いただければ幸いです。

    音源:


    楽譜1:https://dl.dropboxusercontent.com/u/20893191/%E5 …

    楽譜2:https://dl.dropboxusercontent.com/u/20893191/%E5 …

      補足日時:2016/10/12 18:39
  • すいません2点ほど補足を。

    >>このテンポでの演奏には全く問題はありません。
     安心しました。実は私は10年ほど前に買ったYAMAHA性の電子ピアノしか持っていないのですが、私の電子ピアノだと鍵盤の戻りが遅く、「もしかして演奏できないのでは?」と思っていました。全く問題がないとのことでよかったです。

    >>2曲目の途中のCisの保留音は、ピアノだとすぐに減衰して聞こえなくなってしまします。タイでつながず弾き直さないと、御自身でお書きになっている和声の意図と違ってしましまいますが、その点はどうなのでしょうか。

    実際には8-11小節目のバス(cis音)は休止です。ただ、なんとなく「テンション」が足りないような気がしまして、紙面の上だけでも「テンション」があるように見せかけようと思いcis音をタイで引っ張っていました。・・・余計なことをしたかもしれません。

    No.1の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2016/10/13 18:53
  • すいません、PDF中の「質問」の箇所に記載したリンクがうまく機能していないようです。
    fastpicにあげなおしました。
    (全長転位にかかる質問 譜例) http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=9411781195 …

      補足日時:2016/10/13 23:52
  • HAPPY

    今晩は。解答ありがとうございます!  早速勉強させていただきます!

    お忙しい中、譜例を作成していただきありがとうございます!画像は削除なされなくても大丈夫です。お気遣いありがとうございます。

    No.2の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2016/10/14 01:00
  • うれしい

    今晩は。お忙しい中解答いただき誠に感謝いたします。ご説明、物凄く納得です。

    >>「そう考えられないかどうか」ではなく、「そう聞こえるかどうか」がすべてです。[...]非和声音のもっとも基本的な形は、不協和音程から協和音程へ解決するものです

    この視点を私は、すっかり忘れていました。Tastenkastenさんに指摘されて思い出したのですが、以前の先生もまったく同じことをおっしゃっていました。
     14小節の左手Ais音、13小節のバスH音についても私は理屈先行で考え、自分で勝手に迷路に入りこんでいました。

    No.3の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2016/10/15 02:10
  • 今晩は。ご丁寧にありがとうございます。 お忙しい中解答いただけるだけでもありがたいです。どうか Tastenkastenさんのご都合を最優先していただけますように。

     ところで、フレーズ構造を意識して再度いろいろな楽譜を見ていたのですが、改めて得るものが多々あります。いいご指摘をいただきました。

    No.4の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2016/10/16 01:33
  • HAPPY

    なんと!再度譜例まで作成していただきましてありがとうございます! 早速勉強させていただきます!

    No.5の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2016/10/16 18:11
  • HAPPY

    今晩は。取り急ぎお礼をさせてください。

    3つも譜例を作ってくださりありがとうございます!じっくり見させていただきます!

    それで、E音なのですが、どうも私の電子ピアノのせいかもしれません。と申しますのも、実は以前の先生の下で作曲の勉強をしているときも、生のピアノと電子ピアノの音とのギャップに驚いた覚えがあります。その時「やっぱり作曲するにも生のピアノを買うべき」と言われました。

    No.6の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2016/10/19 01:17

A 回答 (6件)

このサイト上で同じ顔合わせの二人があまり長くやりとりし続けると、問題視されることもあるので、そろそろまとめたいと思います。



8小節目はごく単純なIです。和声を見るとき、あまり細かく切り刻んで見ないで、全体で見るようにしてください。1拍目の上3声、A、Dis、Fisはすべて倚音。偶成和音として表示するなら、バスのCisを除外して(保続として)、[II]という表記になるのでしょう。その内のDisだけは、3拍目でCisに解決。左手3拍目のAは、2拍目のGisから次の小節のHへ移行する経過音です。小節全体で見れば、ただのIです。
9~12小節は、回答No.2でお送りした、この部分の書き直し案を骨組みだけで示した楽譜では、単純な三和音になっています。それを、曲のスタイルに合わせて7の和音に変え、各声部を動かして修飾しただけで、土台は同じです。ただ、バスに動きを付けるために、9、11小節目の3拍目だけ別の和音が挿入される形になっています。10小節目は全部V7で、3拍目左手のEは非和声音、流れから言えば刺繍音のようなものですが、拍上にあるので倚音ととっても結構です。ただ、こういう定義はあまり意味がありません。肝心なのは、先ほども申しあげたように、細かく切り刻んで見すぎないこと、小節全体はV7という一つの和音だけが元になっており、それをどう修飾、変奏するかということです。
26小節目のEは気にならないはずですが、気になりますか。電子ピアノのせいかもしれませんし、MuseScoreのプレイバックのせいかもしれません(私はMuseScoreを使っていないので確認していません)。Finaleのプレイバックや生のピアノでは全く問題ありません。近代の音楽なら、このくらいのぶつかりはごく普通です。ここでEを使ったのは、一つには、Ges-durの感じを少しでも消したいということがあります。荷風さんの意図は、教会旋法的なVI-VII-Iの進行を使うことだったと思いますが、単純な三和音ではなく、7度音や9度音を付け加えていらっしゃるので、どうしてもGes-durに聞こえ、Es-mollのVI-VII-Iには聞こえないのです。それを少しでも救うためと、もう一つ、各声部が音階固有音ばかりをたどって動いていると単調になるので、半音程の刺繍音を加えることで表情の変化を付けるということがあります。荷風さんが下に書き加えたやり方だと、上の二つの点でまた元に戻ってしまいます。私ならEのままにします。

今日は、もう一度新しい譜例を送ります。前回、5小節目と転調の直前の小節は、原曲のHを何らかの形で残す方法として、こういうやり方もあり得るという意味でだけ示したものです。私が自分の作品としてまとめるとしたら、このヴァージョンは使わない可能性が高く、今回のヴァージョンでは、Hを使わない、比較的古典的な処理にしてあります。
また前回は、その前にお送りしてあった大ざっぱなプランをどのように発展、修飾できるかの可能性を示すため、かなり細かい処理を盛り込みましたが、リズムや旋律線、バスの動きや音域などを含めた全体で見直すと、少し凝り過ぎでうるさく感じ、風通しが悪いので、修飾を再びそぎ落としてシンプルに変えてあります。このくらいがちょうどよいと思います。
それから、転調したあとの部分については、3種類の作例を作ってあります。教会旋法的なVI-VII-Iの進行がうまくいかないのにはいくつかの理由がありますが、一つは、その前のEs-mollのフレーズが短すぎることです。ヴァージョンAでは、1小節増やしました。そして、その進行のあともGes-durへ行かずEs-mollのままという行き方にしてあります。
ヴァージョンBは、原曲とあまり変わらない形ですが、どうせGes-durに聞こえてしまうのなら、転調先を最初からGes-durにしてしまえ、という発想で、Es-mollの教会旋法的なVI-VII-Iの進行として考えられていた小節も、そのように機能させることを完全に止めて、Ges-durのIV9-V9-I+6に変えてしまいました。主調がCis-mollという短調なので、もし長い曲として構想していないのであれば、転調するなら最初から長調にしてしまった方がコントラストははっきりするので、それはそれで悪くないと思います。
ヴァージョンCは、再び教会旋法的なVI-VII-Iの進行を保持する形ですが、Es-mollからGes-durに転じます。原曲で、VI-VII-Iの進行がうまく機能しないのは、先ほど挙げた7音、9音などの添加音が原因になっているだけでなく、旋律の音と動きも原因です。ヴァージョンAではそれを避けるため、その部分の旋律全体をバスに反行させて大きな流れにしてありますが、ヴァージョンCでは逆に、三和音が並行していることを明確にするような反復の形にしてあります。
http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=8456215436 …
http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=5335387568 …

いずれにしても、リアリゼーションの可能性は無数にあり、どれを取るかは、曲全体の構想、表現内容、構造などの全体的視野から見て決めなければなりません。ここまで出したものは、どれもサンプルの一つということで、今日お送りする3つのヴァージョンも、どれが一番いいと私が判断することは現段階では不可能です。
実作を書ける能力に近いものはお持ちだと思います。ただ、あまりにも和声にだけ注意がいき過ぎで、作品を作り上げるために必要なほかの要素において、基本的なところが少し抜け落ちています。一度足を止めて、和声の3巻までみっちりやることと、もう一つ、フレーズの組み立てなど、時間軸の構造を論理的に捉える力が大きく欠けているようなので、「楽式論」も押さえておいてください。名曲を研究するときも、和声の分析だけでなく、何小節ごとに音楽の区切りがあるか、また、その区切り方と和声の使い方や旋律の構造にどういう関係があるかなどもよく観察してください。
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

解答ありがとうございました!

>>実作を書ける能力に近いものはお持ちだと思います
 ありがとうございます。これを励みにまた頑張ります!

すいません、コンパクトにまとめたつもりですが、例によってお礼が字数を超えてしまいました。お手数ですがダウンロードお願いします。今回は質問はありません。

お礼(PDF):https://dl.dropboxusercontent.com/u/20893191/6%2 …

お礼日時:2016/10/20 00:30

2曲目の保続音Cisは、このままの形では無理ですね。

7小節目のCis上のGis-mollというのは認識できませんし、そのあとの2小節は和声構成音として上声と融け合ってしまうので、9小節目などはIIIではなくIとしか聞こえません。保続音の例は、多くの名曲に作例があるので、どういう和声がどういう進行で保続音の上に乗っているかよく見てください。
18~20小節目の件ですが、これは直前に突然Es-mollのIの2転という形で転調し、Es-mollが確立しないまま旋法的な進行にしたので、調性がわからなくなるのです。以前紹介した例は、どれも直前に転調しておらず、主調がはっきりしている中で使われています。
第2曲5小節目の7度が耳障りになる理由は、①でも②でもありません。最初は、1拍目と3拍目が同じ音程(長6度=減7度)で、2拍目で二つの声部が同じ方向へ動いて7度という不協和音程に達するのが原因かと思ったのですが、この7度の違和感を修正するにはどうしたらよいかいろいろ試したところ、2声を反行させても、どちらかが動かずに止まっていても、やはり気になります。これは、V9の根音省略の和音中においてCisとHの音の組み合わせが悪いのであって、この2音が同時に鳴っている状態を避けるしかありません。そもそもこの和音の構成音はHisで、Hは下行音階で現れる音です。HとHisが衝突する分には、たとえそれが減8度という鋭い不協和音程であってもおかしくは聞こえません。説明するのが難しいですが、1拍目でHisを聞かされたあとに、それと半音違いのHとCisが同時に出てくるのも原因でしょうし、この7度が独立して響き、V9根音省略の和音の途中の経過音としては不自然だということでしょうか。
2曲目の前半については、作例は作らないつもりでしたが、やはり試作してみました。前回お送りした和声とフレーズの骨組みをもとにしてありますが、単純なプランからどのように発展できるかの参考にしてください。5小節目に関しては、2拍目の7度が耳障りなのは不協和音程だからではないということがはっきりしたので、わざと不協和音程を並行させるという大胆な処理をしてみました。Es-mollに転調するところではこれと違う形に直しましたが、これならEs-mollへの転調には何の違和感も出ません。18~20小節のVI-VII-Iも、その前にEs-mollを確立してあるのと、原曲の20小節目に当たる箇所で再度Es-mollのIがはっきり聞きとれるように変えてあるのとで、多少は認識しやすくなっていますが、7の和音や9の和音が含まれるので、どうしてもその2小節はGes-durに転調しかかったような印象になります。旋法的な雰囲気をはっきりさせたければ、ごく単純な三和音にした方がよいということは言えます。スラーなどはすべて省略しました。
http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=3458377548 …
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

今晩は。勉強させていただいてます。

譜例(嬰ハ 3/4の方)もの凄く勉強になります。5小節目、の7度と減8度の響きを連続させる発想はまったくありませんでした。また、es moll に転調したところの最初の2小節の左手で b- ces 音からなる短9度の響きいい味を出していますね!この短9度の響きは芸大和声でも許容されているものの、今まで使用を控えていました。どうもその鋭い響きを使いこなす自身がなかったからです。しかし今回作成していただいた譜例でその魅力に気がつくことができた気がします。
 また、es-mollに移行するところ(21小節-22小節)も唐突さを感じません。私も自然にシャープ系の調からフラット系に移行できるように、円ハーモニック的な転調の手法を再度勉強してみたいと思います。
 
 とにもかくにも曲全体を通しての響きが、私の作った原曲よりはるかに濃厚で充実している感があります。私もそのような曲を書けるようになりたいものです。

質問
お忙しいところ誠に恐縮なのですが、作成していただいた譜例に関して3点程質問よろしいでしょうか。お手すきの時にでも教えていただければと思います。

質問1
8小節目なのですが、どうもIの付加6の和音なのか、Ⅵの1転なのか自身がありません。教えていただけないでしょうか。
質問2
 9小節から12小節にかけての反復進行のところですが、各小節の3拍目の和音(それぞれⅳ, Ⅲ, ⅱ, i ) は偶成和音でしょうか?線の動きをみていると偶成和音っぽいのですが、バスの響きに注意して聞(弾)いていると、普通に和音ととってもいいような気がします。アドバイスいただけないでしょうか。
 譜例(質問1&2):http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=2138134012 …
質問3
 26小節目の増1度響きのところについてご意見いただけないでしょうか。
 譜例(質問3):http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=7972263790 …

P.S
浄書に関する本、面白そうですね(650頁もあるとは驚きです!)。財布に余裕ができたら購入を検討してみます。教えていただきありがとうございました。

お礼日時:2016/10/17 23:40

ちょっと予定外のことがあったので、続きは明日書きます。

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PDF中のリンクは、今日になって機能しなくなりました。



記譜の問題については、回答1に書いたことだけにとどめておきます。正しい記譜、と言うとき、意味が二つあって、一つは楽典的な意味での正しい楽譜の書き方で、もう一つは、音楽出版社で出版用の楽譜の版下を作るときの、浄書家のルールです。あとの方の意味で言うと、2曲目の楽譜には、音符と音符の間隔や小節幅の寸法の不統一があります。ただこれは、Finaleの上級ソフトならクリック、ドラッグで修正できますが、MuseScoreの場合は数値を打ち込んでいかなければならないので、手間がかかり過ぎます。作曲理論と浄書技術を一度に学ぶのは大変なので、浄書については、今はあまり深入りしない方がよいでしょう。浄書に関する詳しい教科書は日本語では存在せず、洋書でも数年前までは限られた内容のものしかありませんでした。最近になって、現在のところバイブルといってよい本が出ましたが、まだ翻訳が出ていません。非常に分厚い本で、値段もそれなりですが、ピアノの楽譜を書くだけなら、全巻読み通す必要はありません。いつか、浄書もきれいにやりたくなったときは、この本で学ばれるとよいです(私が持っているのは英語版ではなくドイツ語版です)。
http://www.fabermusic.com/news/elaine-goulds-beh …
https://www.amazon.co.jp/Behind-Bars-Definitive- …

バッハの転調は、瞬間だけに気を取られると、細かく気ままにやっているかのように見えるかもしれませんが、一定の区間内の中心となる調性は安定していて、あくまでもその内部で転調しています。たいていは、細かな転調ののち、転調が始まる前の調に戻ります。最終的に別の調に落ち着く場合は、その目的の調に向かって計画的に転調しています。また、同じ主題と対旋律が繰り返され、偶数小節のフレーズのまとまりが中心になっている個所が多いので、フレーズや構造が聞いていても明確にわかります。

11~16小節にかけては、いろいろな問題があります。

>12 小節左手Ais 音は次の小節のH 音に進む倚音と扱ったつもりでした。

これはすでに解説済みですが、無理です。前の小節にAisがあって、7の和音に聞こえるので、バスがH音のままになっているこの小節のAisも7の和音の構成音に聞こえます。仮に非和声音と取るとしても、倚音ではなく、H-Ais-Hという刺繍音にしかなりません。それに、次の小節のバスのHを倚音と説明なさっているので、その意味でもAisが倚音というのは矛盾していて、理論的説明としては破綻してしまっています。これも解説済みですが、バスの音はHがずっと根音として鳴り続いており、13小節目で初めてHが出てくるわけではないので、その意味でも倚音には聞こえません。しかも、13小節目の右手はCis-Hが1拍目にあり、このCisとバスのHが同時に打鍵されるので、当然Cisの方がHに対する倚音と聞こえます。それで、私がこれを聞く場合、13小節目はFis-mollのIV7を連想するのです。試に、13小節目の後にFis-mollのVとIを書いてみてください。すんなりおさまります。私の作例は、これをちょっと変形してFis-mollに収めたものです。
それから、15~16小節目の和声進行についての、「ある短調から下属調のVI」という表現は、和声学的には成り立ちません。14小節目までD音があり、15小節目でDis音に変わりますが、すでに申し上げたように、その前の和音は、それだけではCis-mollのナポリIIとは認識できないので、15小節目で「転調」したように聞こえます。しかし、第7音Fisが加わっていてこれが強く作用するので、この瞬間だけでGis-mollのIと聞くことは出来ず、たとえ1拍目の右手の音がHであっても、すでにCis-mollのV7の印象が強くなります。そうなると、15~16小節の和声進行はV7→VIということになりそうですが、実際はこれも怪しくなります。というのは、16小節目の1拍目の右手の最初の音がFisだからです。小節第1拍目の強拍で、バスと同時に打鍵される旋律の第一音は、その小節全体の和音の特定を左右します。つまり、16小節目は、Cis-mollのIV(9)にも聞こえます。さらに言えば、15~16小節で、バスのGis-Aと、3拍目上の左手和音の最上声Gis-Aが並行で動いているため、A音は、15~19小節にかけてのVの持続の中で、刺繍音として一時的に変化しているような印象にもなります。添付の譜例のように、反行しているのならまだ少しはわかります。
前の回答に書いたように、15小節目から曲の終わりにかけての和声の進行自体は悪くありません。ただ、実際に響く音楽的効果と理論的根拠としての説明がかけ離れたものになってしまっているので、和声理論の基本的な理解の部分に穴があります。

まだ「全長転移」の問題が残っていました。

>に全長転位音が2 重ないし3 重に重なっているとは考えられないでしょうか。

この解釈は不可能です。二重、三重の全長転移という考え方ができないとは言いませんが、まず大前提として、それらの音が非和声音と「聞こえ」なければ成り立ちません。「そう考えられないかどうか」ではなく、「そう聞こえるかどうか」がすべてです。すでに書いたように、ここで非和声音と説明したいと思っていらっしゃるらしい音は、現実には和声音としてしか響きません。そのため、この部分の和声進行が不自然に聞こえるのです。非和声音のもっとも基本的な形は、不協和音程から協和音程へ解決するものです。非和声音としての緊張感は、ほかの音との関係、および、あとの進行のしかたと関係します。7小節目3拍目は完全に三和音で、不協和音程の緊張がないので、和声音にしか聞こえないのはいうまでもありません。しかも、次の小節でバスが同じ方向に動いているので、解決したことになりません。8小節目は、やや全長転移に似た効果といえなくもありませんが、右手の旋律の1拍目、3拍目の両強拍と最終音がDis、Fis、Aisであることとも関係して、やはりDis-mollのIの2転にHという付加6という響きを独立的に聞きとります。10~11小節は、やはりバスの音が一緒に上行してしまうため、7の和音が並行しているとしか聞こえないのです。二重の全長転移と認識できるのは、ある程度決まった形に限定されると思います。これも添付画像を参照してください。

また明日。
「(1) 作曲に関する専門的なアドバイス・」の回答画像3
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続きです。


補足の質問をいただいていますが、ちょっと交錯して回答できなくなるので、それは後で改めて拝見します。

2曲目も、よいところはありますが、技術的な問題点は1曲目と同じです。旋律が音階の上下に終始しており、しかもすべて四分音符で、厳しく言うと、これでは内容がありません。和声だけに興味がいき過ぎです。
理論と実際が一致していないのも同じです。2小節目はVIの表示になっていますが、E音が不在です。EとAが同時に鳴るところがないと、VIは成立しません。2小節目に入った瞬間は、1小節目と変わらずIの印象です(つまり付加6)。
そして気になったのが、4小節目の和音の貧弱な響きです。Disを重ねたこの配置の響きだと、Vの和音の印象ではなく、IIの和音と聞こえます。響きそのものが貧弱に聞こえるだけでなく、なぜか和声学で禁じられている連続8度があるように聞こえるのです。響きに緊張感が失われているのは、配置と音の重ね方に原因がありますが、連続8度の錯覚も、和音の配置と各声部のリズムに起因します。3小節目で、最上声と左手の上声がともに四分音符で動いているので、三拍子をゆったり刻むリズムが強調されます。楽譜の上では、右手下声部が反対方向に進んで4小節目でDisに達するのですが、ピアノだとすべての声部の音色が同じな上、4小節目右手の10度の隔たりによって、下のDisの音は、隣接する左手の和音と一緒にまとまって聞こえます。そのため、3小節目3拍目の左手のCisが4小節目右手のDisに進んでいるような効果になってしまい、バスのCis→Disと重なって聞こえてしまうのです。
次にまずいと思ったのは、5小節目の左手パート2拍目の7度音程で、これは非常に硬く耳障りな響きになります。
上記二つの問題をどうしたら回避できるか考えてみましたが、4小節目の右手の音を変えてみても、どうもぱっとしません。また、5小節目の7度音程を避けるには、リズムをずらすのが一番手っ取り早いのですが、各声部が同じリズムで統一されているため、そこだけリズムをいじると違和感が出てしまいます。一番良い解決法は、4小節目から5小節目第2拍まで、バスをCisで保続させることです。5小節目第3拍でバスをHisに下行させます。そのあとに長いCisの保続音があったので困ったのですが、補足を拝見したところ、8小節目以降のバスのCis音は、本当は不要とのことなので、今の解決法でよいと思います。なお、実際に必要でない音を、楽譜上の見栄えだけで書き込むのはダメです。
6小節目以降に反復進行と書いてありますが、これは反復進行にはなっていませんね。それと、バスのCisは、8小節以降は無しということなのですが、7小節目からの間違いではないですか。そうでないと、7小節目だけCisの保続音があり、後処理がされないことになるので、Cis上のGis-mollのIというのは意味不明となります。そして、反復進行というのは、類似の和音進行、もしくは完全に同一の終止形が繰り返されていることが明確に聞き取れないと意味がありません。原則として、すべての声部の動きも一致していなければなりません。
次に戸惑ったのは、11小節目、12小節目、どちらが新しいフレーズの始まりかがわからないということです。1小節目と一致するのは12小節目ですが、10小節目がVで半終止の形なので、和声進行の区切りから言うと、11小節目から次のフレーズが始まるように聞こえます。和声だけでなく、旋律もそこで折り返して上行を始めるので、その印象はかなり決定的です。もし、1小節目と同じ12小節目を新たな始まりにしたいのなら、たとえば11小節目の旋律を、10小節目と同じ下行音型で、E-Dis-Cisのようにして収めておかなければいけません。
そして、17小節目のEs-mollへの転調が唐突に響きます。それと、Es-mollに転調したかと思うのはこの瞬間だけで、次の小節から調性が不明になり、むしろGes-durに聞こえるので、下に書いてある和声表記が実際に聞こえる印象と一致しません。なお、19小節目の右手は連続5度には聞こえないので、これ自体は問題ありません。

今挙げたような問題については、本当は一方的に添削などをするべきではなく、対面のレッスンを何度かしながら書き直してもらうべきなので、新しい先生を見つけられることが望まれるところです。Q&Aサイトでは、やりとりが膨大な量になってしまいますし、機能的にも無理があります。今回は、以下のようにします。
1曲目については、7小節目以降の作例をお送りします。1小節目のモティーフを活用し、順次進行も、音程や方向を変えて変化を付けてあります。旋律の変化は、和声の変わり目やフレーズ構造と密接に関係します。スクリャービンの初期のスタイルです。転調のプロセスは大きく変えてあり、Fis-mollヘ達したところでやめておきました。このようなやり方で原曲の2倍くらいの長さに書き直し、繰り返しはやめた方がよいです。ショパンの24の前奏曲や、スクリャービンの初期の前奏曲を参考にしてみたらいかがでしょうか。
2曲目については、まず、1~12小節目を引き延ばしてオーソドックスなフレーズ構造にした場合の和声の進行案を、骨組みだけで書いておきます。このように偶数で割り切れたフレーズより、もっと自由なスタイルを試みたいのかもしれませんが、それは大変難しいことなので、まずはこういう形からマスターすべきです。
そして、2曲目の14小節目以降については、修正案を一つ。Es-mollへの転調を少しでも無理がないようにしたのと、途中2小節追加して、旋律の変化とともにEs-mollのはっきりした終止形を入れて引き締めてあります。こういう個所が所々にないと、ズルズルと際限なく続いてしまします。原曲の19~20小節に当たる部分も、和声に少し手を加え、そこまでEs-mollの調感が保てるようにしています(下記画像は、御希望ならすぐ削除します)。
http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=8401260080 …
http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=2852423456 …
http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=3044663363 …

今日はここまでにして、PDFで頂いている追加質問については、明日の夜にでもコメントします。
これから11月末まで忙しくなり、あまり手の込んだ添削回答は出来なくなるので、しばらくの間は、ピンポイントの短い質問をときどき出すようにしていただけると助かります。

P.S. PDF中のリンクは機能しています。
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

解答ありがとうございます!

アドバイスをもとに手直ししてみます。

たしかに、このサイトだけでは分量にしても限界があり、新たな先生を見つけたいところです。

例によってお礼・質問等が字数制限に引っかかってしまいますので、PDFにまとめたした。お手数ですが、ダウンロードしていただけないでしょうか。

お礼・質問等(PDF):https://dl.dropboxusercontent.com/u/20893191/%28 …

お礼日時:2016/10/14 22:47

瞬間々々の響きに対するよい感性を感じます。

また、曲を書こうという熱意が伝わってくることや、どちらの曲にも共通する、作曲スタイルの統一感があるのもよい点です。各声部を線として独立した流れで書いていて、それぞれのリズムにも統一感があり、センスを感じます。曲が常に前進していく勢いを保っているのもよいですが、これは逆に欠点にもつながっているので要注意です。

非常に意欲は感じますが、もちろん技術的にはいろいろな問題があります。

曲の前に、記譜に関する問題もいろいろありますが、どうやらMuseScoreをお使いのようで、レイアウトに関しては非常に手間がかかりますし、限界もあると思うので、特に気になる点だけ挙げておきます。
まず、1曲目の左手パートの2声部は、全音符の低音をレイヤー2に当て、二分休符が全音符の上に来るように、そして、3拍目の後打ちの和音の符尾を上向きに書くのが標準的です。それから、最後の繰り返し記号のところに1.カッコがあるので、そのあとの小節に2.カッコの表示がないといけません。2曲目は、調号が変わるところに複縦線が必要なのと、#を打ち消す♮が必要です。MuseScoreのデフォルトでは♮が自動的に入力されませんが、これは設定で変更できます。
https://musescore.org/ja/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%8 …

アナリーゼの質問に回答していたときに心配していたことが二つあったのですが、やはり作品に出ています。
一つは、和音の連結を考えるとき、隣接した2小節の間の連結を工夫しながらただただ進んでいくという傾向です。全体が見えていないので、フレーズ感が失われていて、和声の進行に凝り過ぎたため、ところどころ調性感があいまいになってしまい、とらえどころがなくなっています。迷路に迷い込んだようで、音楽の行き先が不明になります。瞬間々々の和声の響きや連結の意外性などに関心を取られ過ぎたときに陥りやすいことです。一定の区間ではっきりした終止形(カデンツ)を挟み、フレーズの区切りをはっきりさせた方がよいです。この点で、フェインベルクの作品はあまりよい手本ではないので、影響され過ぎないようにしてください。
もう一つは、やはり理論で考え出そうとしていることです。理論的思考が先行していて、耳で実際に聞くときの感覚がまだ出来上がっていないので、御自身が考えておられる理論的根拠が、現実の響きとだいぶずれています。和声の技法の開発については、少し急ぎ過ぎではないかと思います。もう少し古典的な和声と形式による作品を数多く書く必要を感じます。

それから、今は和声に興味が集中しているのだと思いますが、やはり曲の出来は、旋律や、展開の中心となるモティーフがいかに印象に残るかで決まります。2曲とも、旋律がほぼすべて順次進行による音階で上がったり下がったりしているだけです。そして、これは不思議なことなのですが、和声に変化が多いと、旋律自体が平凡でも、なぜかよい旋律があるかのように聞こえます。あまり出したくない例なのですが、例のゴーストライターで問題になった二人の作品もそうです。ブームのときには、「魂の旋律」などと騒がれましたが、残念ながら旋律は非常に平凡で、旋律らしいものがない個所もたくさんあります。ところが、響きの面白さとか、ドラマティックに盛り上げる書法などが、通俗的な意味でかなり効果を上げてしまうので、刹那的な聞き方しかできない聴衆は、旋律がある音楽と錯覚します。一般の聴衆だけではありません。本当に優れた旋律とはどういうものかがわかっていない人が、プロの音楽家や作曲家にも非常に多いのです。よい旋律を書くための理論というものは無いに等しいので、大作曲家の名曲の優れた旋律をよく研究する以外に手はありません。
これと関連することを1曲目で解説しますが、1小節目の旋律線には十分特徴があり、それと次の2小節のつながりはよいです。そこから後の処理法にはいろいろな可能性がありますが、4小節目まではこれでもよいと思います。そのあとは順次進行ばかりになりますが、これも8小節までは持ちます。ここで、調性の扱いとフレーズ構造の問題も絡んできますが、私なら7~8小節目をGis-mollのトニカでいったん安定させ、9小節目以降に1小節目の特徴的なモティーフを再び活用します。そうやってメリハリを付けないと、ただ上がったり下りたりしているだけでは持たなくなります。それから、和声は、ただ次から次へと変化ばかり続け過ぎると、逆に変化によるドラマティックな効果が次第に失われていき、聞いている方も疲れてきます。和声の変化の頻度や転調の個所は、もっと長い区間を全体から見て、音楽の構造が明確に把握できるように、計画性と節度を持ってすることが必要です。

和声の分析をお書きになっていますが、やはり非和声音の本質的な性格、役割、意味がまだ把握できていないようです。これまでに分析で扱った曲は、偶成的な和音としてとらえるために非和声音としての読み取りが必要でしたが、この1曲目の楽譜に非和声音と書き込んでいる音は、非和声音としては機能できず、耳で聞けばすべて和声音ととらえられます。
たとえば7~8小節目ですが、書き込まれている理論的説明とは裏腹に、7小節目はGis-mollのIVの2転として聞こえ、次の8小節目はDis-mollのIの付加6の2転に聞こえます。また、1~4小節目は、バスの音がCisからGisへ行ってまたCisの戻り、5小節目で明らかに転調するので、ここまで聞いた時点で古典的な4小節単位のフレーズ構造を感じ、耳はその後も同じ構造でのまとまりを期待します。ですので、8小節目でいったん落ち着き、9小節目から転調が始まるのなら自然ですが、8小節目での転調は不自然に感じます。4小節単位のフレーズを破ることは出来ますが、それならそれで、そのあとの処理が必要になります。
10小節目にも倚音と表記がありますが、理論的な根拠づけとしては無理な考え方で、実際は、その前の小節のV7の延長にしか聞こえません。そして、11小節目の和音が鳴った時に、この区間の目的の調はDis-mollなのか、それともほかの調なのかがわからなくなります。
それから、13小節目に「経過音」と書いてあります。以前の分析にも同じ間違いを見かけましたが、「経過音」の意味を勘違いなさっているようです。「経過音」とは、「ドミソ」の和音の上で、一つの声部が「ドレミ」と順次進行して、和声構成音「ド」から別の構成音「ミ」へ移るときに間に挟まっている「レ」のような音です。「繋留音」と取り違えているのではないかと思ったのですが、前の小節のAisから赤線が引かれているので意味がよくわかりません。11小節目は7の和音として響くので、12小節目のAisも同じ和音の第7音です。バスのH音は11~13小節まで保続している形になっているので、13小節目のHは経過音ではありませんね。むしろ、14小節目のバスのAの方が経過音的です。
そして、この箇所の「ナポリ」としてある和音の効果がよくわかりません。Cis-mollというのは、譜面の上でだけ考えたもので、この部分だけでCis-mollとは聞けないので、Hを根音とした7の和音で、これをIVとしてFis-mollに転調するのかとも期待します。
15小節以降の和声の進行はまあいいと思いますが、15小節目だけGis-mollになっていることや、そのあとの和声表記、最後の小節の「倚音」の表記は、実際に聞き取れる響きとはずれていると思います。
長くなりそうなので、一度ここで切ります。
このテンポでの演奏には全く問題はありません。
ただ、2曲目の途中のCisの保留音は、ピアノだとすぐに減衰して聞こえなくなってしまします。タイでつながず弾き直さないと、御自身でお書きになっている和声の意図と違ってしましまいますが、その点はどうなのでしょうか。
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

解答ありがとうございます!!

 お礼や質問たくさんありすぎて、ここでは字数制限を超過してしまいますので、PDFにまとめました。お手数ですが、下記リンクからダウンロードしていただけないでしょうか。

お礼、質問等(PDF) : https://dl.dropboxusercontent.com/u/20893191/%28 …

お礼日時:2016/10/13 18:35

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