性格悪い人が優勝

お世話になります。Youtubeをぶらぶらしていて思いがけずスタンチンスキーの素晴らしい曲に出会いました。そこで、分析を試みたのですが、いくつか確認をおねがいしたいところがあります。お手数ですがご助力いただけないでしょうか。

スタンチンスキーの下の動画のEtudeについての質問です。


質問1 :曲の調性について
IMSLPや演奏しているピアニストがF minor としているのですが、まず調性はA flat ではないでしょうか?
質問2 
引用譜1 http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=4487032780 …
引用譜1中7小節目の2拍目裏の和音について質問があります。次のように考えているのですが、壁に突き当たっています。すなわち、(1)7小節目2拍目のH音を倚音ととると 7-9小節目にかけて Ⅳ→からⅵというあまり見かけない連結になってしまう・・・。(2)他方で、7度の属和音の構成音(D♭7の第7音)と取ると、7-9小節目にかけてⅦ度の属和音(D♭7)からⅵというこれもよくわからない連結になる。いったいどう考えればよいでしょうか、アドバイスありましたらおねがいします。

質問3
そもそもなのですが、1小節1拍目の ⅵの和音や、3小節目のVの和音の第三音が省略されてますが、これは和声学からいうと禁則ではないでしょうか?

質問4:
引用譜2:http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=8383541075 …
引用譜2中4〜6小節目の和声連結について質問です。ここは5度の属和音から主調(As)の準固有のⅣ度に進んでいると思うのですが、5度VからⅣという連結はあまり見かけたことがなく、自信がありません。
5度Vから(準固有の)Ⅳへ進んでいるとの理解で正しいでしょうか。

毎度の質問で恐縮ですが、よろしくお願いします。

質問者からの補足コメント

  • 調性を書くのを忘れました。
    引用符2ですが、As-durで分析してあります。

      補足日時:2016/06/28 18:46

A 回答 (5件)

V→IVのパターンの三番目の例が避けられるのは、短調の固有の第7音が下行せずに上行しているからです。

一番目の例では、アルトのパートにg音があり、f音に下行しています。二番目の例ではaに上行していますが、内声の場合は目立たないので許容されます。三番目の例の場合は、最上声、つまり旋律の中にg→aの上行が出てきて目立つので、不自然だという理由で避けられます。
ただし、ここで引用している書物、ディーター・デ・ラ・モッテの『和声学』は、時代を追って書かれています。この四声体での規則の説明は、バッハやヘンデルの時代を扱った章にあります。したがって、近、現代の音楽にも有効なわけではありません。理論と実践が違うのはもとより、時代や様式を越えて共通する規則のようなものはありません。この三番目の例のような扱いも、今すぐ思い出せるような例はありませんが、近、現代の作品を探せば出てくるかもしれません。
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この回答へのお礼

解答ありがとうございます!
最上声の第7音の上行が問題だったのですね、わかりました。

固有の第7音の使い方は各時代や、作曲家の様式により様々でるとの、ご指摘に少し安心しました。あとは自分の耳と、鍛錬された感性次第、ということですね(もっとも自分の感性が鍛錬されているかは疑問ですが)

VからⅣ の動き、五度のVから I あるいは Ⅳ の動きの各譜例もありがとうございました。やはり、実際の例を見てみると勉強になります。正直、自分の今の実力や知識だけでは、これだけの譜例を揃えるのは無理でした。Tastenkasten さんに教えていただいて、すごく助かっています。

今回もTastenkastenさんには、貴重なお時間を割いていただき多大なご助力をいただきました。とくに、譜例の作成には少なからぬ手間もかかるはずですが、労を執っていただき、感謝に堪えません。心よりお礼申し上げます、ありがとうございました。

お礼日時:2016/07/03 23:08

短調の固有の第7音とVIIの和音についてですが、以前お話ししたように、和音の表記と機能分類には統一的な理論があるわけではなく、いわゆる学習用の「和声学」が説明できるのは限られた範囲の様式の音楽のみです。

学習用の和声学にしても、国や著者によってだいぶ違うということをお話ししたと記憶していますが、もともとすべてを確定すること自体に無理があり、音楽学者を目指すのでなければ、あまり深入りし過ぎない方がよいと思います。もちろん作曲家も理論とともに技術を学びますが、基本的なところを理解するための指針にすぎず、やはり一番大事なのは耳と感性の鍛錬です。この和音の機能はこうだからこう使う、と考えながら作曲しているわけではありません。

学習用の科目としての「和声」は、そもそも長調でも短調でも7度音が主音に対して半音の関係にあることを前提とし、同じ理論体系の中で把握しようとするものなので、ほとんどの場合、短調の固有の7度音というのは例外的な形としてしか扱っていません。芸大和声の教科書でも、ごく数例のパターンが紹介されているだけです。

スタンチンスキーの3小節目のような形はそもそも学習用和声では扱いませんが、VIIの機能の分類は、日本式ならドミナントになるでしょうから、VIIとVはともにドミナントという表記になるはずです。そのあとは、IV(S)→VII(D)→III(D)→VI(T)となります。しかし、この機能分析には異論が出されて当然だとも思います。IV→VII→IIIの進行は、たとえ短い区間であっても耳にはAs-durのII→V→Iのように聞こえるのは事実ですし、VII→IIIで根音が5度下行解決しているにもかかわらず両方ともドミナントとするのは現実と乖離しているようにも感じます。機能分析という点から言えば、確かに3小節目からAs-durにしてしまった方が、下のようにはるかにすっきり整理できるのは事実です(6小節目からはどうしてもF-mollになります)。

As: V(D)→III(T)→II(S)→V(D)→I(T)→IV(S) → f: V(D)→I(T)

私としては、この部分を聞いた印象からいって、すべてF-mollのまま分析できればその方がよいと思いますが、日本式の機能分析には不満があります。しかし、これらの問題を解決して先へ行こうとするなら、日本以外の和声の理論なども比較研究しなければならなくなり、非常に専門性が高くなってしまいます。

たとえば、フランスの和声の本などでは、属七の根音省略という名称がなく、常にVII度の和音として表記しているものもあります。一方ドイツの和声学では、減三和音には基本的な機能が備わっていないとみなしますので、VIIの和音と短調のIIの和音には機能を表記していません。短調で固有の第7音が使われる場合VIIは長三和音になるので、機能の表記はしますが、日本のメソードとは違い、dPなどという記号で表記します。Pは並行和音(Parallelklang)といい、長調ではある和音の3度下、短調では3度上に位置する和音を定義します。つまりdPは、「ドミナントの並行和音」の意味です。3~5小節目以降をこのドイツ式で機能分析すると、dP→d→S→dP→tP→sPとなるのですが、複雑なメソードなので意味はともかくとして、Pをはずして見るとd→d→S→d→t→sとなり、F-mollで分析しても、日本式のメソードでAs-durとして分析した場合とほぼ同じになります。このように、機能の分析は一筋縄ではいかないのです。

短調の固有の第7音の使い方について、ここで簡潔にまとめることはできません。これは、実例をたくさん見ていくしかないでしょう。基本的には、旋律や特定の声部が下行する場合や、和声全体として下方に向かう場合は、固有の第7音が現れます。このスタンチンスキーの例の場合は、4小節目にes音があってそれがdesに下行解決します。3小節目のesはこれを準備するものです。このような反復進行の際には特に現れやすいです。ただ、固有の第7音の使い方は、時代によって、各作曲家の様式によって様々なので、公式的なものは書きにくいです。ドビュッシー以降、教会旋法が復活してからは、旋法的な感覚で固有の第7音が使われることも多いので、上行、下行に関係なく常に現れることになります。実例を見て理解しようとすると、古典派以前の音楽と、後期ロマン派や印象派など幅広く見渡さなければならなくなります。

ここまでお話ししたことに関連して、いくつか参考になるかもしれない実例を挙げておきます。先日、V →IVの進行はブラームス以降ならあるという書き方をしてしまいましたが、よく考えてみれば古典派以前の対位法的な様式の時代ならいくらでもあります。バッハやヘンデルにはごく普通に出てきます。ドイツの和声学の本に、ちょうど、このV →IVと短調の固有の第7音が一緒に見られる例があります。実例と連結パターンも出ています。短調のVIIの和音で固有の第7音になっている場合の機能分析が書いてある例もあるので、これらの例を御覧ください。

http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=6208074526 …
http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=8632803017 …
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この回答へのお礼

解答ありがとうございます! 添付譜例も大いに活用させていただきます!
すいません、一点だけ添付譜例に関して質問よろしいでしょうか?

添付譜例に関する質問:http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=2357125490 …

お礼日時:2016/07/01 23:35

補足質問は拝見しています。

明日以降回答します。
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この回答へのお礼

今晩は。
はい、是非よろしくお願いします!

お礼日時:2016/07/01 00:26

>f-moll と考えた場合の3-5小節目の和声はどうなるのでしょうか。



As-durのように聞こえるというのもわかりますし、As-durとして分析する方法もまちがいとは言えませんが、転調しているとみなせるほどAs-durが確定できない状態です。4小節目1拍目の和音だけを見ればF-mollのIVともAs-durのIIとも取れますが、直前の和音が単三和音である関係もあって、この瞬間にAs-durのIIとはっきり認識することはできず、2拍目の和音で初めてAs-durのドミナントとして聞こえます。ただ、4小節目からは、根音が5度ずつ下行していく「反復進行」(b→es→as→des→g)が使われており、2拍目のAs-durのVに当たる和音と、次の小節1拍目の同じくAs-durのIに当たる和音は、この反復進行の中で経過的に表れるに過ぎません。和声の教科書の反復進行の章などを見ていただけるとわかりますが、こういう形の場合はわざわざ転調とは解釈せず、一つの調性の中の音度で整理して考えるので、F-mollのままの分析でも構わないと思います。3小節目1拍目で、すでにeの代わりにesが出てくるのが気になるところかもしれませんが、短調の固有の第7音は、後続の和音との関係でしばしば出てきます。V→IVの進行も、厳格な和声学の規則では禁じられているかもしれませんが、前の回答に書いたように、実際の作曲では必ずしも絶対的な規則ではなく、ブラームス以降ならあります。ポピュラー関係の説明でもV→IVは禁ずるという記述がよくありますが、実際にはいくらでも使っています。20世紀になれば自由度は大きくなるので、V→IVが出てきても不思議ではありませんし、逆に中世、ルネサンスなどの和声学が確立していない時代でも普通にあり得る連結です。特にこの場合、第7音が下がっているので、V→IVでも自然な動きになります。この少しあとの11~13小節目と比較するとわかりますが、3小節目~4小節目第1拍だけではAs-durが確立できません。6小節目からは明らかにF-mollです。4~5小節にかけてF-mollで分析した場合のIV→VII→IIIのような動きは、和声の本の反復進行のサンプルと比較できるので、その部分だけ写しておきます(展開指数は省略しました)。
http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=0126168465 …
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この回答へのお礼

解答ありがとうございます!しかも反復進行のサンプルまでいただき、大いに助かっています。

>>ただ、4小節目からは、根音が5度ずつ下行していく「反復進行」(b→es→as→des→g)が使われており、2拍目のAs-durのVに当たる和音と、次の小節1拍目の同じくAs-durのIに当たる和音は、この反復進行の中で経過的に表れるに過ぎません。

反復進行との説明ものすごく納得しました。

>>3小節目1拍目で、すでにeの代わりにesが出てくるのが気になるところかもしれませんが、短調の固有の第7音は、後続の和音との関係でしばしば出てきます。

この3小節目は和声的にはどう説明されるのでしょうか?Feinbergのソナタのところでも短調の固有の第7音を教えていただきましたが、固有の第7音をハーモナイズする(和音構成音として使う)使用方法がいまいちよくわかりません。3小節目一拍目は日本の機能和声の分類にしたがうならⅦの和音ということになると思うのですが、この固有第7音を構成音とするⅦの和音の機能はどういったものになるのでしょうか?この曲の3小節目だけで考えれば、一拍目を上述のようⅦの和音としたうえで、2拍目をV ととり、Ⅶ (S)→V (D)(つまりⅦをサブドミナントと考える)と考えられるような気がしますが、いまいち確信がもてません、何かアドバイスありますでしょうか?

お礼日時:2016/06/29 18:50

1.調性はF-mollでまちがいありません。

主音は明らかにfで、調性感も短調が支配的です。ただし、曲の終わりはAs-durです。この曲は遺作として死後に出版発表されており、作曲者自身による調性の表記はないと思います。手稿には判読しにくい個所もあるようで、曲全体も少しまとまりに欠けます。スタンチンスキーは精神的に不安定なところもあり、推敲せずに放置してあったのかもしれません。ロシアの初版の楽譜の表紙にはF-moll-As-durと表記されています。

2.7~8小節の和音のH音とそのあとの連結は、F-mollととれば簡単に解決します。いわゆる「ジャーマン・シックス」という和音、記号で表記するなら「V度のV9の下方変位、根音省略」という形ですが、この和音は、各声部が半音的に進行するときに経過的に現れやすいので、必ずしも「V度のV→V」という解決はせず、Iへ移行することも非常に多いです。ベートーヴェンが好んだことで知られていますが、モーツァルトのトルコ行進曲にもすでにあります。ロシアの作曲家は特徴的な使い方をします。チャイコフスキー、スクリャービンなど、例はいくらでも挙げられます(譜例参照)。ここでは、バスがb→des→fと進行しているので、IV→VI→Iという進行とも少し重なるところがあります。その場合H音は、c→h→cという刺繍音的な位置になり、F-mollのIの第5音cへの導音的な役割をします。

3.「和声学では禁則とされている」というのはこのサイトによく出る質問の一つですが、和声学は作曲の基礎習得のための「学科」であって、実際の作曲での音の使い方まで拘束するものではありません。和声学の規則は、古典派までの音楽の厳格な規則をもとに、教育用に体系化されたものです。あくまでも学習用の和声スタイルです。歴史的に見れば、三和音よりも5度音程のみの重なりの方が古く、中世の音楽では普通です。古典派の曲でも第3音を欠く「空虚5度」が使用されることはいくらでもあります。ただし、適当に混ぜているのではなく、前後の関係などによる必然性があってのことです。

4.この部分の主調はAs-durで、和声の分析としてはV度のVから準固有のIVでかまいません。日本式の和声なら、どちらもサブドミナントとして分類しますが、この場合、機能にこだわることにはあまり意味がありません。複数の声部の半音的進行が絡んで生じているようなところもあるので、「何の和音から何の和音へ進行する」とだけ捉えないようにした方がよいでしょう。この場合は、d → des → cという半音進行と、最初のfは実際には鳴っていませんが(f) → fes → esという半音進行がこのような和音の連結を生んでいます。たぶん、探せば同じ形の進行はいくらでも出てくると思いますが、とりあえずすぐに思いついた例として、スクリャービンの第3ソナタ終楽章の終止部分を挙げておきます(譜例参照)。これは短調の曲なので、スタンチンスキーのこの箇所とは少し違いますが、V度のVから準固有のIVという点は同じです(スクリャービンの例では、V度のV9下方変位根音省略→ドリアのIV→Iになります)。

http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=0219721974 …
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この回答へのお礼

解答ありがとうございます。
解答の 1 について質問なのですが、f-moll と考えた場合の3-5小節目の和声はどうなるのでしょうか。
自分の分析では、3小節目1拍目がⅦの和音になり、同小節2拍目から4小節目1拍目がV→ⅳ という進行になってしまう気がしますが、この分析でよろしいでしょうか。なんとなくですが、4小節目(あるいは3小節目あたりから)5小節目はAs-durのように聞こえる気もします。ご指摘のように7-8小節目はf-mollで分析できるとしても、4(あるいは3)-5小節目はAs-durと捉えられないでしょうか。

f-mollで分析した譜:http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=3644399490 …

夜分ですので、明日お時間あるときにでも解答いただければ幸いです。よろしくお願いします。

お礼日時:2016/06/29 01:50

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