「お昼の放送」の思い出

0. 言語類型論におけるあたらしい仮説です。ご検証ください。

1. 日本文と英文とは 構文ないし文型として 互いに対極を成すという見方です。

2. 初めから 《文》を扱います。文は 話し手の思想をあらわすものである。

3. 思想は 問いと答えとから成る。話者は ひとつの文の中で自問自答する。

4. 問いは 主題( T )として提示される。答えは 主題を問いとし それに答え
る論述( P )である。答えが さらにあたらしい問いになるという意味でも 論述も 
論述主題である。

5. すなわち 文は 主題( T1 / T2 /・・・)をつらね これらを最後に論述( P )
が承けてひとつの思想をしめくくる。:

   T1 + T2 + … + Tn=P。

6. これは 日本文および朝鮮文にならって 三項形式に還元される。:

   T1  + T2  + T3=P。

   A ハ B ガ C ナリ。/ C スル。――(α)類型とする。





7. さて 議論を端折りますが 世に言う能格( ergative )言語(バスク語など)
では おおむね初めのふたつの主題提示( T1 + T2 ) を この日本文の類型と同じ
ようにおこなうことが ひとつの特徴です。 

8. つまりそのあと 論述主題( T3=P )にあっては 次のようにすでに述語動
詞の担う意味内容から見て その主体(主格)および対象(賓格)を わざわざあら
ためて示します。ていねいに あらわすかたちを採る。
この《 主格 ‐ 述格 ‐ 賓格 》を 英文にならって S - O - V で表わすこととしますと
次のような仕組みに成っています。

 〇 能格言語の文の構成:

   T1  + T2  + T3=P。

   A ハ B ガ C ナリ。/ C スル。――日本文としての(α)類型

   A-a   B-b   C= [ S′ - V - O′ ]。――能格言語の構文


   ・ A-a / B-b: 小文字のほうは 日本語のハ格やガ格に相当する格活用

   ・  S′ / O′: プライム( ′ )なるシルシは 人称接辞を示す。(つまり 
      むろん主題としての A や B を承けてそれらを示す接辞としての代名詞
      である)。

   ・ 賓格: 主格(主体)に対する賓客(客体)を示す格で おおよそ対格
     (ヲ格)か与格(ニ格)かである。

   ・ 述格: 論述主題( T3=P )に当たる《 C= [ S′ - V - O′ ] 》の述語動
     詞( -V- )の格である。つまり 主題提示〔における主格 S 〕に対応す
     る論述提示〔における述格 V )。

 

 9. A-a や B-b なる主題提示を承けたあとの論述提示としての C= [ S′-V-O′ ]
の中の S′ や O′ はたとえば こうである。

   英語‐ハ    彼‐ガ    話す。  :  (α)類型

   英語(A)-a  彼(B)-b   B′‐話す‐A′: 任意に(μ)類型とする。

               [ he-speaks-it ]


   ・ C= [ S′-V-O′ ] ⇒[ B′‐話す‐A′ ] ⇒ [ he-speaks-it ]という形である。


10. したがって 大胆不敵な推測としては 英文は ここから C= [ S′-V-O′ ]
⇒[ B′‐話す‐A′ ] ⇒ [ he-speaks-it ]の部分が突出し 独立した。つまり この論述
主題の提示の部分([ he-speaks-it ])だけでそのまま ひとつの文(思想)を表わす
かたちに成ったのだと。
むろん 代名詞( he や it )は 元の名詞に戻す。

10-1. つまり 言語一般における論述主題( T3 = P )が 日本文等で 論
述主題《 Cナリ。/Cスル。》という形になったそのあと 能格言語の文にあっては
C= [ S′-V-O′ ]という形式を採る。そしてさらに そのあと この論述主題の部分が 
そのまま文の全体に広がり しかもその言わば線形なる論理のみで文を形成すると
いうように展開した。のではないか?

   C= [ S′-V-O′ ]

   ⇒ He speaks English. : (ω)文型とする。




11. 言いかえると 英文は 主題(つまり T1⇒Aや T2⇒B)の提示を省く
ようになったということである。日本文や能格言語文では 主題提示層とそして線
形論理層との二層から成る構文である。

11-1. すなわち 英文は 次の図式の中の[線形論理層]のみから成るのだ
と。つまり二層から成る日本文(α類型)では 《英語ハ》のハ格は――[主題提示
層]において中心主題( T1=A )を提示しますという役目を担うほかに――[線形
論理層]においては  論述動詞( T3=P ⇒ Cスル ⇒ 話す) につらなる意味
連絡としては ヲ格(対格)をも担う。《英語ハ(=英語二ツイテイエバ) / (ここ
で断層があって 線形的な意味連絡の層に移る) 英語(O)ヲー彼(S)ガ―話す
(V)》。


  (α)類型の文: 英語ハ        彼ガ          話す。

  ____________________________________

 [主題提示層]: 中心主題(T1=A)・・・関係主題(T2=B)・・・論述主題
          
 [線形論理層]: ヲ格(英語‐ヲ)・・・・ガ格(彼‐ガ)・・・・・述格(話す)
          対格(O)―――――― 主格(S)―――――― 述格(V)


 ・ ハ格は 中心主題格(~~二ツイテイエバ)とたとえばヲ格(対格 O )との  
    ふたつの役割りを担う標識である

 ・ ここで《線形》と呼ぶのは 直線形あるいは線状といった単純な意味です。



12. 重ねて述べるなら 英文は 主題提示層を無しで済まそうとしたのではない
か? 《 A ハ B ガ C ナリ。/ C スル。――(α)類型 》の構文を 《 S - O - V 》
文型へと進化させた。それ以上の進化がないとすれば (ω)言語類型の(ω)文型で
ある。

13. 中国文は しかし これらの構文や文型の決まりにはいっさい目もくれず 文
法無しの文法でやりくりしている。言いかえると (α)構文における主題提示の部分
もあれば 線形論理の S-V-O なる(ω)文型をも堂々と許容している。

14. (α)構文と(ω)文型との中間に 能格言語の(μ)構造文があり 一般にこ
の(μ)形式文と英文の(ω)文型とのあいだにいろんな進化形態が 諸言語において見
られるようである。


☆ 以上を問います。ご見解をどうぞ。

A 回答 (2件)

お礼拝見しました。


ものの見方に新しい一面を与える。
これが目的ですね。
一般人から見ると微に入り細を穿つような。
ありがとうございました。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

うまいこと 言いますね。恐れ入りました。



ご回答をありがとうございます。

お礼日時:2019/01/08 10:10

見解


こういう研究ってどういう場面で成果を利用するのですか?
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ご回答をありがとうございます。

ひとつには 言葉というものに興味を持つ者の道楽として ただし
ほかの人がまだ言っていなかった仮説を打ち出すことに精を出します。

したがって 言語学の学会で二十年・三十年も経てば 注目されるよ
うになります。それからの研究は 新仮説を踏まえなければ始まらな
いというようになります。


人びと一般にとっては どうか?


すでに好奇心の問題にとどまらないとすれば 大きな成果のひとつは
《言語の類型のあり方と その言語の話者が形成しているその社会の
あり方との相互の影響関係は どうか?》という問いに答えるヨスガ
になることです。

生活態度やナラハシ・果ては国民性が どのように成り立っているの
か? これが 言語のあいだの類型としての異同を捉えることによっ
て 或る程度の知見を提供することができるでしょうね。

たとえば アイ・ラヴ・ユーといった〔直線形の〕表現のかたちは 
日本語を話す人間にとって どういう意味合いがあるか? ほかの言
語人口にとっては どうか? などなどです。

お礼日時:2019/01/08 09:45

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!


おすすめ情報