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No.9
- 回答日時:
No.8 の続きです。
~~~~~~~~~~~~~~~
現代に入ってきていますが、オネゲルの交響曲第2番の第2楽章。
ブリテンの『シンプル・シンフォニー』~第2楽章『感傷的なサラバンド』
https://www.youtube.com/watch?v=H-Kw4e3sFqk
ストラヴィンスキーの目まぐるしく拍子が変わる曲の中にも2分の3拍子はありますが、
ある程度まとまって出てくるのは中期の作品、
たとえば『3楽章の交響曲』の終楽章や『詩篇交響曲』の終楽章などです。
ストラヴィンスキー 『詩篇交響曲』(終盤、動画開始から15分23秒の箇所)
https://www.youtube.com/watch?v=VUSfrgPQjRM
ストラヴィンスキーの中期の曲に出てくるのは「新古典主義」と関係していますが、
やはり新古典主義に入れられるヒンデミットも2分の3拍子の表記をよく使っています。
たとえば、交響曲『世界の調和』の終楽章のところどころ(動画開始から20分16秒以降)。
https://www.youtube.com/watch?v=Kd3bNuYEQkE
まだたくさんあると思いますし、あそこにありそうだなと見当のつくところもありますが、
これぐらい挙げておけばとりあえず十分かと思います。
ありがとうございます。4分の3拍子よりも使われる確率が低いと思っていましたが、意外にも沢山使われていることが良く分り、とても勉強になりました。

No.8
- 回答日時:
2分の3拍子は、確かに頻出する拍子ではないかもしれませんが、決して特殊な拍子ではないので、
探せば名曲中にもたくさんの例が見つかります。
とりあえず、この辺にありそうだと見当をつけたところから紹介しておきます(すでに挙がっている曲は除外します)。
バロック時代までの古い音楽にはたくさん見られますが、これは記譜法の歴史と関係があります。
現代の五線譜ができる前は、ネウマ譜というものが使われていました。
13世紀になると、現在の五線譜の前身である定量記譜法が発明されますが、
当時の一番小さい音価の音符は「セミ・ブレヴィス」といって、現在の全音符に相当します。
14世紀になって、その半分の長さを表す「ミニマ」が考案され、これが2分音符に相当します。
この時代までの楽譜をオリジナルで読むのは難しいので、
現代的な表記に改めたものを一般的に使うわけですが、
2分音符が最小の単位だったため、拍子の分母は基本的に2分音符で書かれます。
中世やルネッサンスの声楽曲の楽譜はみなこの方法で書かれているため、
3拍子系の楽曲は、みな2分の3拍子や2分の6拍子ということになります。
4分音符が拍の基本的な単位となるのは、五線譜による記譜法が確立し、器楽音楽が発展してからです。
バロック時代までは、分母を2分音符とする拍子はまだかなり使われていますが、
その場合、4分の3拍子と2分の3拍子には、やはり音楽の内容や構造による使い分けがあります。
パーセルの歌劇『ディドとエネアス』では、4分の3拍子が多く使われていますが、
有名なアリア『ディドの嘆き』は2分の3拍子で書かれています(前奏は4分の4拍子)。
ゆったりしたテンポで沈痛な内容です。
ヴィターリの有名なヴァイオリン独奏曲『シャコンヌ』も2分の3拍子です(動画はオーケストラ伴奏に編曲されたもの)。
https://www.youtube.com/watch?v=NBNquKkKcF4
2分の3拍子はインクの節約という話が出ていますが、これは残念ながらちょっと違うと思います。
たとえばバッハですが、様々な舞曲から構成される「古典組曲」の形式による作品がたくさんあります。
その中の最初の方に置かれる「クーラント」という舞曲が、しばしば2分の3拍子で書かれています。
「サラバンド」は、バッハの場合は基本的に4分の3で表記されています。
サラバンドはテンポの遅い舞曲で、メロディーに装飾的な変奏が加えられると、
32分音符や64分音符などの細かい音価が出てきて複雑な楽譜になりますが、
それにもかかわらずバッハは4分の3拍子で記譜しています。
一方、同じ組曲中であっても、クーラントの方は、テンポが速く、
サラバンドよりもシンプルな音楽であるにもかかわらず、2分の3拍子で書いていることが多いのです。
これは、サラバンドが単純な3拍子のリズムであるのに対して、
クーラントでは、1小節を大きく3分割した3拍子のリズムと、
1小節中に半分の音価の3拍子が2つ入るリズムとが立体的に交錯するため、
2分の3拍子で記譜した方がわかりやすいからでしょう。
同じクーラントでも、このようなリズムの錯綜や旋律の変奏などを持たないシンプルなものは、
4分の3拍子や8分の3拍子で書かれています。
以下のバッハの作品中の「クーラント」は、すべて2分の3拍子で記譜されています。
(同じ組曲中の「サラバンド」はすべて4分の3拍子です)。
フランス組曲第1番
イギリス組曲第1~6番
パルティータ第2番、第4番
無伴奏チェロ組曲第5番
バッハのほかの有名曲としては、たとえば以下のものに2分の3拍子が使われています。
『平均律クラヴィア曲集』第1巻~第8番の前奏曲
同第2巻~第11番の前奏曲と第22番のフーガ
ブランデンブルク協奏曲第6番の第2楽章
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどの古典派時代になると、
純粋器楽の作品では2分の3拍子が使われることはまずありませんが、
声楽を伴う作品、とくに合唱を伴う宗教曲などでは、合唱の記譜法の伝統との関係で、
2分の3拍子が使われることがあります。
ベートーヴェンなら、『ミサ・ソレムニス』のような作品に出てきます。
それほど有名ではないかもしれませんが、シューマンの『レクイエム』の第4曲も2分の3拍子です。
ロマン派以降になると、純粋器楽の作品でも2分の3拍子の活用が少し増えます。
室内楽では、ブラームスに例があります。
ブラームス 弦楽四重奏曲第1番~第1楽章
https://www.youtube.com/watch?v=EEJ-wzoZgGI
ブラームス 弦楽五重奏曲第1番~第3楽章
https://www.youtube.com/watch?v=If3c276VK8c
同じ時代のピアノ曲であるリストのピアノ・ソナタは、長い単一楽章の曲で拍子は何度も変わりますが、
第2主題の部分が2分の3拍子です。
また、すぐに思いつく例の一つに、ワーグナーの楽劇『ワルキューレ』の前奏曲があります。
https://www.youtube.com/watch?v=Qx55EmiFadg
有名な『モルダウ』を含むスメタナの連作交響詩『わが祖国』の中の第5曲『ターボル』は、
中間部分を除いて2分の3拍子。また、同じ楽想で始まる第6曲『ブラニーク』の冒頭も2分の3です。
https://www.youtube.com/watch?v=AQHtaZLK4Ts
https://www.youtube.com/watch?v=0_OxpV1jlhg
再び宗教曲に戻りますが、ドヴォルザークの『レクイエム』の第2曲『グラドゥアーレ(昇階曲)』、
同じくドヴォルザークの『スターバト・マーテル』の第1曲『悲しみに沈める聖母は』、
および第10曲『肉体は死して朽ち果てるとも』の3曲が2分の3拍子で書かれています。
シベリウスも2分の3拍子をよく使っています。
シベリウス 交響曲第2番~第4楽章
https://www.youtube.com/watch?v=4Dn2R2IvOLg
シベリウス 『四つの伝説』~交響詩『トゥオネラのレンミンカイネン』
https://www.youtube.com/watch?v=x3kMVidfXgU
シベリウス 交響曲第5番~第2楽章
https://www.youtube.com/watch?v=ctdtnNUHLio
交響曲第7番
https://www.youtube.com/watch?v=M6qN-B597W8
マーラーの作品にもいくつかあります。たとえば、
マーラー 大地の歌 第2曲『秋の孤独』(開始から8分48秒の箇所)
https://www.youtube.com/watch?v=lAn8FUaOkz8
『七つの歌』~『真夜中に』(変拍子)
https://www.youtube.com/watch?v=Auv_s6RVOm4
ラフマニノフにも見られます。有名なピアノ協奏曲第2番の第2楽章には、
ところどころに2分の3拍子が混入します。
https://www.youtube.com/watch?v=f52jjwOuVQk
もう1曲ラフマニノフで、『前奏曲作品23の8』
https://www.youtube.com/watch?v=HnLyzrHJx_I
ラフマニノフと同郷、同世代のスクリャービンのピアノ・ソナタ第2番の第2楽章が2分の3拍子です。
https://www.youtube.com/watch?v=fqpe-oj60Io
少し後輩のプロコフィエフのピアノ・ソナタ第9番の第1楽章は、2分の3と4分の4が交互に出てきます。
https://www.youtube.com/watch?v=u_6t7SrlU5Y
ドビュッシーにもありますね。『映像』第1集~『ラモーを讃えて』(開始から5分2秒の箇所)
https://www.youtube.com/watch?v=L47SRue0gt8
『神聖な舞曲と世俗的な舞曲』~『神聖な舞曲』
https://www.youtube.com/watch?v=rMRzGjqXChs
『前奏曲集』第1巻に収められている『沈める寺』は、4分の6=2分の3という表記になっていますが、
実質的にはほとんど2分の3拍子が占めます。
https://www.youtube.com/watch?v=cVMGwPDP-Yk
ホルストの組曲『惑星』中の『土星』の後半が2分の3拍子です(開始から32分50秒)。
https://www.youtube.com/watch?v=K0YwUd870-4
字数が足りなくなったので、次の回答番号に続きます。
No.7
- 回答日時:
No.3です。
バロック音楽やルネサンス音楽に多いですから、そこを探せばたくさん出て来ると思います。「合唱曲」
有名なアレグリ作曲「ミゼレーレ」(モーツァルトが14歳のときに、門外不出と言われていたこの曲を「耳コピ」で楽譜に書き留めたことで有名)。残念ながら「2分の4拍子」でした。
このトーマス・タリス作曲の曲は「2分の6拍子」ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6HFvgjCOo70&inde …
こちらは「2分の3拍子」ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hdRdN7PLLVQ&list …
「鍵盤楽器」
ピアノ曲というのは、楽器のピアノ自体がベートーヴェンの頃に製作されるようになったので、それ以降の音楽しかありません。
「鍵盤楽器」という意味では、バッハ時代には主に「チェンバロ」用に作曲されたものが主体です。#3 のヘンデルの「サラバンド」もチェンバロ用です。
他には、たとえばバッハ作曲「平均律クラヴィーア曲集・第1巻」の第8番・変ホ短調BWV.853「プレリュード」、「第2巻」の第11番・ヘ長調BWV.880「プレリュード」などが「2分の3拍子」です。
https://www.youtube.com/watch?v=eveyPLgTFgc
https://www.youtube.com/watch?v=_WuDDVONors
おそらくバロック以前の「オルガン曲」にも多数使われていると思います。
「室内楽」
古典派、ロマン派以降の作品には「2分の〇拍子」はあまり使われなくなります。
バロック時代のトリオ・ソナタだとか、ジョヴァンニ・ガブリエリの金管合奏などを探せばいろいろ出て来るのではないでしょうか。

No.6
- 回答日時:
yhr2さん、バロック時代の件についてお答え下さってありがとうございます。
なるほどそういうことだったのですか。
ちなみに質問謝さま、サン・サーンスの交響曲第三番「オルガン付き」には、一分の三拍子が第四楽章に出てきます。
No.5
- 回答日時:
No.3です。
#4さん>あとは、バロック時代の曲とか。なぜバロック時代に多いかは知りません。
昔は、羽ペンにインクを付けて楽譜を書いていました。なので、音符を「黒く塗りつぶす」とか、ひげを付けるとか、音符間を「横棒で結ぶ」「横棒の本数が多い」(十六分とか三十二分とか)というインクをたくさん使う音符をなるべく書かないようにしたのです。なので「4分の〇拍子」よりも「二分の〇拍子」の方が好まれました。
「全音符」なんて、一番書きやすいですよね。
No.3
- 回答日時:
「2分の3拍子」も「4分の3拍子」も、ボ~っと聞いている分には全く区別がつきませんよ。
バロックの舞曲で「サラバンド」と呼ばれるものは、ほとんどが「2分の3拍子」です。
下記はヘンデル作曲「サラバンド」の楽譜付きの演奏。

No.2
- 回答日時:
ブリテン 『青少年のための管弦楽入門』 冒頭
ベートーヴェン 交響曲第9番『合唱付』第4楽章 この動画の14'25"から
https://www.youtube.com/watch?v=4fK9BlAgbP4
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