背理法について質問があります。
現実で使う場合はこのようになるかと思います。
①容疑者Aが犯人であると仮定する
②犯人であるなら、事件の犯行時刻に犯行現場にいたはずである
③容疑者Aが、事件の犯行時刻に、犯行現場とは遠く離れたところにいたことが分かった
④容疑者Aが犯人であることと矛盾する
⑤容疑者Aは犯人でないことが結論づけられる
しかし、これは「直観主義論理」の場合では背理法を認めないので証明できないことになるかと思うのですが、現実に背理法を使っても大丈夫なのでしょうか?
「古典論理」や「直観主義論理」について、少し調べて考えた程度で、これらの理解は非常に浅いですが、この現実の世界において背理法を使っても大丈夫なのか大丈夫じゃないのかについて知りたいです。よろしくお願いします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
> ほとんど内容が分かりませんでした
つまり勉強が足らん、ってことでしょうから「現実に背理法を使っても大丈夫なのでしょうか?」なんてことを心配したってしょうがないわけですが、ま、この点について改めて回答すると:
弁論で背理法を使うというのなら、使えることもあれば使えないこともある。
現実について判断するために使うというのなら、「命題とは一体何か」をよく理解した上でないと話になりません。(「明日の天気は晴れ」が何の説明もなしに命題になると思っているようじゃどうしようもない。)命題は要するに言葉ですから、まずはその言葉が現実(あるいはその否定)を曖昧さなしに表しているかどうか、を確かめる必要があって、それは論理の側の問題ではない。さて、もしそれを確かめ得たのなら、その内容によって背理法が使えるか、使えないかも自ずと決まるであろう。
…てなところですかね。たとえば容疑者Aがもし電子なら、量子物理学が教える通り、容疑者は複数の場所に同時に「居る」ということが可能ですから、お書きの推理は成立しない。
前に回答で以下のものがありましたが、
> 何かを証明したいときに「古典論理」では証明できるけど、「直観主義論理」では証明できない、逆に「直観主義論理」でなければ証明できないということはあるのでしょうか?
「こと」とおっしゃるのが命題を指すのであれば、前者はあるが、後者はない。
「こと」とおっしゃるのが命題を指すのであればとありますが、命題の他に何か指すものがあるという意味でしょうか?
質問間違えて締めてしまいました。新しい質問を投稿したのでもしよろしければ回答お願いします。
No.3
- 回答日時:
No.2へのコメントについて。
> 「明日、雨が降る」
「どこの、いつの明日」を考えるかで真偽値が変わるようなもんを命題と認めるかどうかは、公理系がどうなっているかとは別次元の話(モデルの話)を整理した上でないとなんともならんので、
> という理解で合ってますか?
をうっかり肯定するわけにはいかない。(と、「直観主義風」で答えてみたりして)
> 何かを証明したいときに「古典論理」では証明できるけど、「直観主義論理」では証明できない、逆に「直観主義論理」でなければ証明できないということは
「こと」とおっしゃるのが命題を指すのであれば、前者はあるが、後者はない。「直観主義論理」の公理系は、「古典論理」の公理系からいくつかの公理を削除し、代わりに「古典論理」の定理のいくつかを「直観主義論理」の公理として取り込んだものになっているんだから、明らかです。
(余計なお世話ながら、このご質問がでてくるということは、あんまりシステマティックには勉強なさっていないんだな、ということが読み取れます。)
> 現実世界の我々は
元来、論理ってのは自然言語を使った論証や推論の構造を研究するものであり、そのうちで自己整合的な部分を選び取って形式的体系として整理したもの、それが形式論理です。(ここでの要点は「論理学は言語の研究だ」ということですよ。)
非古典論理の体系は、お考えの「「直観主義論理」だけではない。「古典論理よりも表現できることが多い」ものとして、様相論理が挙げられます。ただし、その公理体系は何種類もあり、それぞれツジツマが合っている。公理体系自身は自然言語との関係など何も言っていませんから、それぞれの体系をどんな言語現象に対応づけて解釈するかは公理系の外の話です。実際、「Xは必然だ、Yは偶然だ」のような言明を命題として扱っている、と解釈できる体系もあれば、「Xは義務だ」のような言明を命題として扱っていると思える体系もある。結局これらは、言語の研究として、ヒトのものの論じ方の(ごく)一部を取り出したもの、ってことです。
ある(非古典)論理公理体系自体を議論の対象として扱う際に、普通使われているのは自然言語による論証ですが(実際、そういう教科書をお使いでしょう?)、その論証を形式化すれば普通の数学に帰着します。すなわち、対象を普通の一階述語論理を使った集合論に基づく標準的な数学の上で表現しなおすことができます。いわば、論理は集合論でemulateできる(超論理学)。なぜなら、どの非古典論理の体系も「有限個の公理(あるいはシェマ)と有限個の推論規則から論理式を生成する」という建て付けになっていることには違いがないからです。そうであるからこそ、(超論理上の)推論だけによって「この命題は恒真だ」とか「この命題は矛盾だ」なんてことが(具体的な言語現象(ヒトのする発言)を収集・分類しなくたって)机上の議論だけで言える。このシクミに基づいて論理学が成立しているからです。
しかし論理学の本来の姿は、もっと広い意味で「言語現象における論説の構造の分類学」であると言えましょう。すると、既知の非古典論理体系では表せないような「既知外の論理」も対象になる。こうなると、どんな定理が存在するかを机上で演繹することは不可能でしょう(実際、自己矛盾も平気で出てくるんですから)。すなわち、世に溢れている、ヒョーロンカやセージカやシューキョーが口走るおかしな論説を分析するためには、非古典論理でも全く非力すぎるのであり、それらは(狭い意味での)論理学ではなくて、もっぱら修辞学で扱われます。
一方、現実世界がどうなっているかは科学、ことに物理学の問題です。そして物理学の知見に整合するような論理として「量子論理」の研究が進んでいます。もちろん、物理をリクツで論じたって結論を断定できない。どんなに立派なリクツでも事実に合わなければアウトだからで、それが(狭い意味での)科学、経験科学ってことです。そして経験科学こそが、現実世界のシクミにアプローチする唯一の方法でしょう。いつまで経っても「正解」に達したかどうかが確定できない、という制約からは逃れようがありません。というわけで、「どれが現実世界の論理なのか」という問いはアポリアのひとつだということです。
No.2
- 回答日時:
H:「犯人はAだ」
A: 「Aは事件のとき現場以外の場所にいた」
としましょう。
普通の「単純含意」の体系では、(H⊃(〜A))(HならばAでない)は対偶 (A⊃(~H)) と等価で、従って、(A⊃(~H)) とAから(~H)(Hの否定)が結論される。
さて、(Brouwerの)直観主義の体系を単に「二重否定がモトドオリではないような体系」とだけ特徴付けるのはいささか雑駁すぎるかも。直観主義では対偶に関して ((¬A⇒¬B) ⇒ (B⇒A)) と ((¬A⇒B) ⇒ (¬B⇒A)) は認めないけれども、((A⇒¬B) ⇒ (B⇒¬A)) と ((A⇒B) ⇒ (¬B⇒¬A)) は認めるんです。
で、冒頭の論証は認めるやつ ((A⇒¬B) ⇒ (B⇒¬A)) を使っているんで、直観主義でも成り立つ。
あるいは
G:「Aは事件のとき現場にいた」
を使って、(H⊃G)の対偶を((〜G)⊃(~H))として、これと(〜G)から(〜H)を導くことをお考えなのかもしれない。この場合にも、((A⇒B)⇒(¬B⇒¬A)) は直観主義でもOKなので、問題なし。
ありがとうございます、「直観主義論理」が難しすぎてよくわからなく、まだまだ勉強が必要であると感じました。
「直観主義論理」において、例えばですが
「明日、雨が降る」が正しいか、正しくないかを考えるとします。
直観主義論理では前日の今日において、「明日雨が降るかどうかわからない」と言い、「明日雨が降るか降らないかのいずれかである」とは言わないという理解で合ってますか?
それから、何かを証明したいときに「古典論理」では証明できるけど、「直観主義論理」では証明できない、逆に「直観主義論理」でなければ証明できないということはあるのでしょうか?
もしあるとしたら現実世界の我々はどちらを信じるべきなのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
直観主義論理では、
任意の命題 P について ¬(P∧¬P) の成立は保証されないが、
個別の P について ¬(P∧¬P) が成立することを禁止しているわけではない。
特定の論理系において特定の命題 P が ¬(P∧¬P) を満たすことはあり得る。
犯罪捜査の...というより、日常経験の論理系に
ある人が特定の場所とその場所から遠く離れたところに同時にいることはない
という公理があったとしても、特に問題はない。
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