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小説はたまに読む程度で、私が読むほとんどが一人称の小説です。
大した量ではないのですが、小説を読んできた身として、名文や悪文の違いがよくわからないのはもったいないのではないかと思い質問しました。

一人称小説と三人称小説で、名文悪文を教えていただきたいです。(Kindleにあると嬉しいです!!)

A 回答 (1件)

悪文というか、文法やら視点やら、約束事を無視した特徴的な文体、確かに読みにくい文体の作家に野坂昭如がいます。


以下、こんな感じです。

省線三宮駅構内浜側の、化粧タイル剥げ落ちコンクリートむき出しの柱に、背中まるめてもたれかかり、床に尻をつき、両脚まっすぐ投げ出して、さんざ陽に灼かれ、一月近く体を洗わぬのに、清太の痩せこけた頬の色は、ただ青白く沈んでいて、夜になれば昂ぶる心のおごりか、山賊の如くかがり火焚き声高にののしる男のシルエットをながめ、朝には何事もなかったように学校へ向かうカーキ色に白い風呂敷包みは神戸一中ランドセル背負ったは市立中学、県一親和松蔭山手ともんぺ姿ながら上はセーラー服のその襟の形を見分け、そしてひっきりなしにかたわら通り過ぎる脚の群れの、気づかねばよしふと異臭に眼をおとした者は、あわててとび跳ね清太をさける、清太には眼と鼻の便所へ這いずる力も、すでになかった。

以上、ここまで一文。
文章の構成が分かりにくく、文脈を辿りにくい。一文に作者の視点、主人公の視点が入り混じっていて、時系列もあちこちに飛び、何より長い。
難解な文章で、悪文といってもよいかと思うけれど、描写は優れていて、何よりリズムというか文章の調子が良い。
独特の文体は、一読して野坂昭如と分かります。
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