
ソビエト連邦 で演奏を禁止されたいたクラシックの作曲家は誰がいるでしょうか
ショスタコビッチが反革命的であるなどと批判されて活動を制限された事は聞いています。
また、シャーロックホームズやドクトルジバコの様な文学先品が発禁処分になったと聞いています。
ヒトラーが大好きだったワグナーやファシスト政権の有ったイタリア(ヴェルディなど)、スペイン(サラサーテなど)は禁止対象にならなかったのでしょうか。
ソビエト連邦の全期間ではなくこの期間では禁止だった、の様な事でも分かりましたら宜しくお願い致します
A 回答 (10件)
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No.10
- 回答日時:
No.9 です。
ちょっと補足。#7 さんが書かれている「シベリウス」は、ロシア革命前の帝政ロシアの時代の話ですね。
フィンランドもポーランドも、第1次大戦前までは帝政ロシアの一部でした。
レーニンが主導する社会主義帰国「ソビエト連邦」は、民族の自主・独立を支援して、各国に「ソ連」に加わるかどうかの判断を任せました。
その結果、フィンランドやポーランドは「ソ連」には加わらず独立の選択をしています。(バルト三国も)
ロシア革命(1917年)から1930年ごろまでは、ソ連は「既存の帝国主義、階級社会、ブルジョア的価値観や文化」を否定する超前衛主義のイケイケ国家だったようです。
音楽面でも「ロシア・アヴァンギャルド」といわれる「ハチャメチャ前衛音楽」が推進されていました。
#9 に書いたモソロフの「鉄工所」(1926年)や、ショスタコーヴィチの交響曲第2番「十月革命に捧ぐ」(1926年)、交響曲第3番「メーデー」(1929年)なんかがそうですね。ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第1番」(1933年)にもその辺の雰囲気が色濃く残っています。
モソロフ「鉄工所」(1926年)
↓
ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」(1933年)
↓
https://www.youtube.com/watch?v=PysrplnzKTQ
No.9
- 回答日時:
No.3&4 です。
まだ解決しませんか?#3, #4 にも書いたように、「演奏を禁止されていた作曲家」というものはなく、「演奏を禁止されていた曲」があるだけと考えた方がよいです。
1936年の「プラウダ批判」や1948年の「ジダーノフ批判」といった「文化統制、引き締め」では、そのためのスケープゴートとして「好ましくない作品」をやり玉に挙げて、文化人(作曲家、小説家、評論家など)に「当局の顔色をうかがう忖度」をさせることが目的なので、別に特定の個人を抹殺しようとする意図はなかったようです。要するに一過性の「政治的キャンペーン」です。
なので、ショスタコーヴィチやハチャトゥリアン、プロコフィエフ、ミャスコフスキーにしても、#5さんの挙げたムラデリにしても、#6さんの挙げたヴァインベルクにしても、下記のようなポポフにしても、「当局の方針に従った作風」の曲を作ることで復権して活動を続けました。
ガヴリイル・ポポフ(1904~1972)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%B4 …
当局の批判の対象となってソ連国内では演奏されなくなった曲としては、下記などがあります。
・ショスタコーヴィチ/歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(1934年)
1936年の「プラウダ批判」の対象となったが、「雪融け」後の1962年に改訂した「カテリーナ・イズマイロヴァ」として上演されるようになった。
・ショスタコーヴィチ/バレエ「明るい小川」(1936年)
同じく1936年の「プラウダ批判」の対象。それに合わせてバレエ「黄金時代」(1930年)、「ボルト」(1931年)も上演されなくなったため、作曲者の了解を得てレフ・アトフミャンが演奏会用に「バレエ組曲」第1番~第4番に再編しています。(批判されたのは「バレエ」の筋書きであって、音楽ではなかった)
・ショスタコーヴィチ/交響曲第4番(1936年)
「プラウダ批判」により、ショスタコーヴィチ自身が「やばい」と考えて初演を中止して撤回。初演されたのは「雪融け」後の1961年。
・ショスタコーヴィチ/交響曲第13番「バービ・ヤール」(1962年)
反体制的な詩の内容で当局からの中止要請がある中、初演を強行。ただし出版に当たっては歌詞を改変させられ、それでもソ連国内ではほとんど演奏されなかった。
・ムラデリ/歌劇「大いなる友情」(1948年)
1948年の「ジダーノフ批判」の対象となった。ただし #5 さんのとおり、ムラデリ自身は名誉回復・復権している。
この批判では、ショスタコーヴィチ、ハチャトゥリアン、プロコフィエフ、ミャスコフスキーも対象となったが、「作風の傾向」に対してであり、具体的な曲が対象となったわけではないようである。
↓ ジダーノフ批判
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%80 …
ただし、自分の信念を曲げずに当局に危険視され、逮捕・強制労働させられたり、処刑されたり、自殺する芸術家もいたことは事実です。
ただし、それは「芸術」に対してではなく、「政治的発言」「政治的スタンス」に対してです。大衆に対する影響力の大きさから、当局も無視できなかったのでしょう。
・アレクサンドル・モソロフ(1900~1973) 管弦楽曲「鉄工所」が有名。強制労働。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC …
その他の芸術家では、
・フセヴォロド・メイエルホリド(1874~1940)演出家、俳優。死刑。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%BB …
・ウラジーミル・マヤコフスキー(1893~1930)詩人、自殺。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9 …
・マリーナ・ツヴェターエヴァ(1892~1941)詩人、自殺。晩年のショスタコーヴィチがその詩に曲を付けている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA …
・アレクサンドル・ソルジェニーツィン(1918~2008)小説家。1974年国外追放。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC …
・ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927~2007)チェロ奏者。1974年国外追放。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%82%B9 …
また、スターリン時代を経験していない若い世代では、適当に生活のための仕事をしながら「シリアスな音楽」では妥協せずに曲を作り続けた作曲家は多いです。ソ連国内では冷遇されながら、西側で評価されるような活動をしていました。
たとえば
・ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ(1919~2006)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AA …
・ソフィア・グバイドゥーリナ(1931~)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%95 …
・アルフレート・シュニトケ(1934~1998)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB …
・アルヴォ・ペルト(1935~) 1979年に国外脱出。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB …
・ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937~) ウクライナの作曲家
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1 …
文化とか、政治とか、社会環境などは、「一枚岩」ではなくて、画一的・単眼的に「こうだ」などということが難しいので、いろいろな切り口や視点、立ち位置、具体例から、全体的・俯瞰的・包括的・複眼的に眺めてみる必要があります。
そういう意味で「分かりやすい回答」「スッキリした回答」は得られないと思うので(そういった「近視眼的、画一的」「単純」なものは一面的な見方に過ぎないことが多い)、上に挙げたような事例を眺めてみて、あなたなりの「視点」から「大局的な見解」を自分でまとめてみるのがよいと思います。
No.8
- 回答日時:
>ソビエト連邦の政権時代に、存在自体が許されない楽曲や作曲家をご存じでしたら、それも教えて頂けると嬉しいです。
・ソ連当局の迫害を受けた作曲家:シベリウス
・ソ連当局が演奏を禁じた楽曲:
シベリウス作曲の交響詩「フィンランディア」

No.7
- 回答日時:
インターネットを検索してみました。
(以下引用と回答者による訳)
В 43-м номере (и в более поздних, которые я не читал) газеты «Дуэль» Леви Шаар из Израиля, защищая музыку Вагнера, пишет («Письма о Вагнере»), что в Израиле Вагнер запрещался.
新聞『デュエル』の第43号(および、それ以降の号=私はこちらは読んでいません)に、イスラエルの作曲家レヴィ・シャールがワーグナーの音楽を擁護しながら、「ワーグナーに関する手紙」にイスラエルではワーグナーが禁止されていたと書いている。
Это же он пишет и об СССР, что меня несколько удивило.
彼はソ連についてもこのように書いており、私は少々驚いている。
Возможно, что в течение войны Вагнера не передавали по радио, но после войны - точно передавали. Я помню оперу «Моряк-скиталец» («Летучий голландец»), ну и запись исполнения «Лоэнгрином Лоэнгринычем» Собиновым арии Лоэнгрина.
おそらくだが、戦時中はワーグナーはラジオで放送されなかった。しかし、戦後は確実に放送された。私はオペラ『さまよう船乗り』(『フライング・ダッチマン』)を覚えている。ともかくも、ソービノフ(ソ連のオペラ歌手)が歌った『ローエングリン』の録音を。
https://duel-gazeta.livejournal.com/3220307.html
意訳しているところがあります。ま誤訳があるかもしれません。

No.6
- 回答日時:
ミェチスワフ・ヴァインベルク 1919年 - 1996年(76歳没)
ヴァインベルクのいくつかの作品は1948年のジダーノフ批判で禁止になり、映画音楽やサーカス音楽の作曲で生計を立てざるを得なくなった。ヴァインベルクは1953年2月に逮捕される。ショスタコーヴィチはラヴレンティ・ベリヤにヴァインベルクの為に仲裁するようにと手紙を書き、またヴァインベルクの妻も逮捕された場合、彼の娘の面倒を見るよう頼んだ。結局のところ、ヴァインベルクは翌月のスターリンの死に救われ、それから間もなく公式に名誉回復がなされた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%A7 …

No.5
- 回答日時:
ヴァーノ・ムラデリ 1908年 - 1970年(62歳没)
1948年に歌劇《大いなる友情》がソ連共産党中央委員会の検閲に引っかかり、いわゆる「ジダーノフ批判」によって糾弾の対象とされた。スターリンの死後に名誉回復が叶い、1968年にはソ連人民芸術家の称号も授与された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1 …
オペラ「大いなる友情」より
No.4
- 回答日時:
No.3 です。
私もソ連社会に暮らしたことはないので正確なことは分かりませんが、別に
「この曲が演奏禁止である」という「演奏禁止曲リスト」があったわけではなく、当時の社会では公の場で何かするときには「当局の許可」や「当局に届け出」が必要で、好ましくないものは「許可されない」ということだったのでしょう。
そうすると、「許可されないものを申請すると、当局に目を付けられる」ということになるので、「許可されなさそうなものは申請しない」という「忖度」が生まれます。つまり「ヤバいものは避けておこう」という抑止力心理です。
結局は、そういった「社会同調圧力」のようなもので、「申請すらしてもらえないような曲は作らない」「作っても金にならない」という社会が出来上がっていくのだと思います。
今の中国や、ウクライナ侵攻後のロシアがそうなのでしょうね。
従って、
>演奏を禁止されたいたクラシックの作曲家は誰がいるか
という問いには、正確には答えられないと思います。
そんな「禁止リスト」があったわけではなく、一部の曲が批判されることによって、そういう傾向の曲を作らない社会になっていったということですから。
No.3
- 回答日時:
チャイコフスキーの「スラブ行進曲」や「序曲 1812年」の最後の部分には、帝政ロシア時代の国家「神よ皇帝を守りたまえ」が演奏されますが、ソ連時代にはこの部分に別な曲(下記ではグリンカの曲。
シェバリーンの編曲)を挿入した演奏も行われたようです。下記のスヴェトラーノフ指揮の「1812年」14:12 あたりから。
↓
スヴェトラーノフ指揮の「スラブ行進曲」下記の5:14 、8:20あたりから。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=nv8xpokzACY
当時の作曲家としては、ショスタコーヴィチやハチャトゥリアンは一部の曲は批判されたものの、「改心して(改心を装って)作った曲」は演奏されました。
作曲家として生きていくためには「演奏される」ことが条件なので、特定の曲が「演奏禁止」になったら、「演奏を許される曲」を作るしかないでしょう。
「ドクトル・ジバゴ」を批判され、ノーベル文学賞も辞退させられた作者のパステルナークは、詩作やシェイクスピアなどの翻訳で生計を立てたようです。
真の意味での抹殺された作曲家の曲は残っていないので、どれだけの作曲家が抹殺されたのは不明だと思います。
ただし、いわゆる「前衛音楽」としての無調音楽などは禁止・無視されていたようで、初期のペルトやシュニトケ、グバイドゥーリナなどは自由な作曲を制限されていたようです。(禁止されるというより、作曲しても演奏されるチャンスがなかったということ)
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