10秒目をつむったら…

ニューヨークにあるフィルムライブラリーやパリのシネマテークというのは一体どのような施設なのですか?本で調べたところ約五万本の映画を保有していてヌーヴェルバーグ派の監督達はシネマテークに通って映画を学んだとあったのですが、一般の人にも映画を鑑賞させてくれる施設なのでしょうか?もしそうだとしたら日本では補いきれない分そこへ行って映画を研究しようと思ったのですが・・。入るにはお金が必要などできるだけ詳しく教えてくださるとありがたいです。

A 回答 (1件)

 長らくお待たせしました。


  シネマテークは、作品に興業価値がほぼ無くなって商業的に上映されなくなったり、元々商業ルートで公開されていないために上映される機会がほとんど無い国内外の作品を集めて特集上映したりする、開かれた研究機関のことです。外国の例は私も文献で知るのみですから、身近な国立近代美術館・フィルムセンター(以下FC)を例として話を進めます。
 
 開かれたというのは、一般の利用者を受け入れるということです。一般利用者を対象としては、種々の文献の閲覧、映画に関する様々な物の展示、そして当の映画そのものの上映活動。およそこの三つの柱で運営されています。内部活動としては、もちろん映画に関する研究、資料の保存や探索・収集・貸し出し、研究を目的とした非一般向けの上映会などを行っていて、一口で言えば映画の総合博物館といっても良いでしょう。
 FCで良く企画される上映会のテーマとしては、各国の映画史を展望するもの、特定の監督や撮影スタッフ・俳優等の関係した作品を集めたもの、或るテーマを持った作品を集めたもの、などとなります。場合によってはもっとテーマを絞り込んで行われる特集もあります。
 とにかくどちらかというと、単なる娯楽としての上映というよりは、研究やより映画を深く知ろうというそれなりの探求心を持った人に機会を提供する場だと思った方が良いでしょう。もちろん笑える場面で笑ったり、あるいは時に泣いたりするのは一向に構いません。しかし、真剣に観ている人が多いわけですから、それなりに周囲に気を遣い、常識を守って観ることをしないと、皆から白い眼で見られる可能性も大いに有ります。
 入館料は今年1月には一般410円、学生250円とかなり安く設定されています。これは研究に重点を置く施設であることがあると思います。多分、パリやNYでも同様のことが考えられます。入館は定員制なので、人気の高い番組(重要性にも拘らず滅多に上映されない作品が掛かったりする場合)だと、入場できない可能性というのも有ります。ある程度通えばどういうものがそれなのかが自然に判ってきますが、不安な時には事前に電話で混み具合を尋ねてみるというのも良いでしょう。

 最後に、FCで観ることの最大の利点を一つ挙げておきます。
 特に日本映画に関する限り、ここの収蔵作品はFC及び極く限られた数の提携機関と外国の同様の機関のみでしか上映されないため、非常に状態が良いものばかりです。
 古い作品でも、映画会社に興行用のプリントが有って、それが映画館で上映されることもあることはあります。しかし、場合によってはプリントの傷みが激しく、映写時間が当初の記録より数分単位で短くなってしまっている、ということも珍しくありません。カラーの場合では褪色がひどくてオリジナルの色がほとんど判らないということもあります。
 もちろんネガフィルムそのものが既に似たような状態で、最早オリジナルの形では現像が出来なくなっているということも少なくありません。それでも、FC用のプリントは各映画会社もかなりの協力をして、より良いものを残そうとしていますから、条件としては非常に良いと思って間違い有りません。
 以下にFCのURLを挙げておきます。参考にして下さい。 

参考URL:http://www.momat.go.jp/fc.html
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