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能の「草子洗い小町」では、小野小町が万葉集の草子を水で洗うと黒主の後書きした歌だけが落ちていったとありますが、そんなことは有り得るのでしょうか?

普通だったら、水で洗えば紙がべちょべちょになって破けたり、元々書いてある他の歌も一緒に流れ落ちてしまうと思うのですが…そんな都合よく後書きされた歌だけ落ちるのでしょうか?

それとも、ここは現実的なことは考えずに、単に超常現象が起きたという解釈でよいのでしょうか?

A 回答 (1件)

実際に、「墨で和紙に書かれた古い文書」を使って実験した話を聞いたことがあります。

その結果、和紙は少し破れた箇所があったものの、墨で書かれた文字はにじまず、そのままだったとのこと。
また、ヨーロッパの図書館に数百年間眠っていた「和紙に墨で書かれた日本の古文書」が何枚も重なって張り付いたような状態になっていたのを日本人研究者が見つけて、その研究者の指示のもと、バケツに水を張ってその中に古文書を入れて1枚ずつ剥がして1枚ずつの文書として読めるようにした、という話も聞いたことがあります(50年以上前の話。今はもう少し慎重な作業をするでしょう)。
和紙にもいろいろありますが、現代の書道でよく使うような機械漉きで繊維の荒いものではなく、手漉きの和紙です。万葉集の古写本ならば、例えば雁皮紙のように繊維が細く緻密な、上質な紙が使われていたと思います。表面を水でさっと流す程度ならば、すぐに破けたりはしないでしょう。

>元々書いてある他の歌も一緒に流れ落ちてしまうと思うのですが…そんな都合よく後書きされた歌だけ落ちるのでしょうか?

墨の成分は、煤(すす)と膠(にかわ)です。墨が乾燥して時間が経つと、紙にしっかりと定着します。なので、古い文字はサッと水を流した程度ではにじむこともなく、逆に昨日今日書いたような新しいものは、まだしっかりと定着していないので、水に溶けて流れてしまうのです。
当時の人は経験的にそれを知っていたからこそ、奇跡でもなんでもなく、理屈として成立する話なのです。町も「私が詠んだ歌を聞いてから書き入れたならば、つい最近の書き入れで、それならば水で洗えば流れてしまう」という確信があったからこそ、草子を洗わせてほしいと願い出たのです。
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