秘密基地、どこに作った?

イスラエルは第四次中東戦争でシナイ半島を手放したのは何故ですか?
あのままシナイ半島を押さえていればガザを四方から包囲して殲滅できたしスエズ運河から年100億ドルの通行料を取り立てできたのにもったいないことをしたのはなぜでしょうか?

A 回答 (1件)

イスラエルが占領地域でやらかした数々の行状により、アメリカからでさえイスラエルにスエズ運河を渡した時に自由航行を保証するとは信用されなくなっていたためかと。



イスラエルの正当性は「迫害を逃れ祖先の地に安住の地を得たユダヤ人が、無理解なアラブ人に攻め滅ぼされようとしている(イスラエル視点)」という神話に依拠します。ガザ地区を含むシナイ半島は、歴史的経緯からユダヤの故地としてのパレスチナには含まれません。

また、4次にわたる中東戦争において、イスラエルが占領した地域に対してイスラエルの領有権を否定する国連決議が複数出ていましたが、イスラエルは国連決議を尊重する態度を見せませんでした。この面からも、イスラエルのシナイ半島に対する支配には国際社会の理解が得られませんでした。

また、第三次中東戦争ではスエズ運河の東岸をイスラエル、西岸をエジプトが支配する形で停戦しました。その後、両国は消耗戦争と呼ばれる砲撃戦をスエズ運河越しに展開、スエズ運河は通行不能に陥ります。

アメリカ及び西欧諸国は、こうしたスエズ運河の不通状態を容認できませんでした。いわゆるキャンプデービッド合意に基づきエジプトとイスラエルが平和条約を締結した際、アメリカはシナイ半島の返還をイスラエルに飲ませます。
エジプトは東側寄りの姿勢が濃厚だった60~70年代においてもスエズ運河の自由航行を保証する姿勢を堅持していましたが、イスラエルは占領地で手前勝手なユダヤ人入植活動を繰り返しており(現在も継続中)、スエズ運河を保有した場合恣意的に航行を制限する可能性がありました。要するにイスラエルはやらかし過ぎてアメリカ及び西欧諸国から信用されなくなっていたのです。

イスラエルはその兵器を主に英仏米からの輸入に頼っており、英仏米と決定的に対立するわけには行きませんでした。対するアラブ諸国はソ連兵器を導入しており、かつ当時東側の兵器を導入した国々は同時にソ連あるいは東側諸国の軍事顧問団を受け入れなければまともに兵器を運用させてもらえませんでしたから、英仏米に見捨てられることはイスラエル国家の死と同義でした。このため、イスラエルはアメリカの調停でシナイ半島返還を認めざるを得ませんでした。

イスラエルが独自兵器(メルカバなど)の開発を熱心に行うのはミラージュの禁輸を食らった頃以降で、兵器供給の対外依存度を下げて戦略の自由度を上げるためでしたが、アメリカはメルカバなど陸戦兵器は許してもラビ戦闘機の開発継続と配備は認めませんでした。ある意味、アメリカから見た国家としてのイスラエルの信用度は、ラビと同じくF-16ベースなF-2戦闘機の配備を認められた日本以下とも言えます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます

お礼日時:2024/10/19 16:04

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