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実際には,微視的な意味で,つまり,分子構造などのレベルで等方性・等質性を持った材料,即ち,完全弾性体は存在しません。
しかし,弾性学で扱う材料(金属,コンクリート,ゴムなどなど)は,ある範囲内でという条件付きで,ある程度「弾性」の性質を持っています。この「ある程度弾性体」を「理想的な完全弾性体」と仮定して理論解(フックの法則)を求めてみると,ある範囲に限定すれば,実際の部材の挙動と良く合う事が経験的に知られています。良く合うというのは,「一致する」と言う意味ではなく,許容できる程度に「良く合う」と言う意味です。
つまり,完全弾性体とは,弾性学的に取り扱いやすくするために「ある範囲で,理想的な等質性・等方性を示す完全弾性を仮定することの出来る材料」の事です。例えば,コンクリートの性質は,要素レベルでは,どう見ても完全弾性体とは言えないのですが,無理矢理に完全弾性体と仮定して解析しても,部材レベルでは,実験値と理論値が,「良く合う」のは不思議です。
「良く合う」のは,材料学的に,
微視的に結晶が無秩序に分布しているような材料では,分布が無秩序であるが故に,部材レベルになると平均的に等質性・等方生材料に酷似した性質(弾性)を示すためと言う説明がされています。
参考文献 ティモシェンコ「弾性論」
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