
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
1.大腸菌のサスペンションにアルカリ溶液を入れる
(大腸菌の膜が壊れて、タンパクやDNAなどが出てくる。DNAはアルカリで変性して一本鎖になる)
2.酸で中和する
(変性したタンパクなどは析出、長いゲノムDNAは中和で二本鎖に戻ろうするが、長いので絡まって析出。プラスミドDNAは小さいので二本鎖に戻って溶液中に存在)
3.遠心分離して上澄みを回収
(タンパクや絡まったゲノムDNAなどは沈殿、上澄みにあるプラスミドDNAを回収)
4.昔は(10年前の記憶だと)、フェノール・クロロホルムで、残りのタンパク質・脂質などを除く。
(脂質はフェノール層へ、DNA・RNAは水層へ、タンパク質は中間層へ分離するので、水層を回収)
5.その後、イソプロパノールでDNA・RNAを沈殿させる。(イソプロパノールでDNAの水和水が取られて、DNAが不溶化して沈殿する)
6・RNA分解酵素でRNAを分解して、もう一度フェノール抽出をして、エタ沈(イソプロと同じ原理)して、その沈殿を回収するとプラスミドDNAが得られる。
キアゲンは、4のところで、カラムにかけると、DNAが樹脂に結合するので、bufferで不要なものを洗い流して、最後にpHを変えると、プラスミドDNAは溶出されてきます。キアゲンのホームページからマニュアルをダウンロードすれば、詳しく書いてありますよ。
No.2
- 回答日時:
精製度の低いものから説明すると、
ボイル法:大腸菌を塩とTriton-Xを含むバッファーに懸濁し、沸騰水につけて短時間(1分くらい)加熱します。これで菌体が壊れ、一本鎖に変性した染色体DNAと熱変性したタンパク質がゲル状の不溶物になります。プラスミドは変性しにくいので(後述)可溶性のまま残ります。遠心分離してから、上清を回収して、または爪楊枝などで沈殿を取り除いて、アルコール沈殿で回収します。純度は低いけれど、制限酵素消化程度には問題ありません。早いのがとりえなので、形質転換体のスクリーニングなどに適しています。
アルカリ/SDS法:菌の懸濁液にSDSとNaOHを加えると、菌体が壊れ、染色体DNAが一本鎖に変性します。intactなプラスミドはccc (supercoil)になっているので、低温、短時間の処理では変性しません。cccはDNAの二重らせんの巻きがきつくなって、プラスミド環自体がしぼった雑巾のように固く巻き上がっています(輪ゴムをよじっていくと、やがてよじれた輪ゴム自体が団子のようによじれていくイメージ)。このためDNA鎖の自由度が低いので、変性しにくいのです。逆に、cccが解離するほど強く変性させると自由度の低さゆえ元には戻らず、制限酵素が効かなくなるなどトラブルを招きます。
これにKOAcバッファーなどを加え、中和、高塩濃度にすると、変性DNAとタンパク質-SDS複合体が沈殿を作ります(塩析)。これを遠心で除き、上清をアルコール沈殿しプラスミドを回収します。塩析だけではタンパク質が残るのでフェノール抽出を加えることもあります。
塩析までおこなってから、さらに高純度のプラスミドを得る方法として、
イオン交換カラム:シリカなどが核酸を吸着する性質を利用します。溶媒の塩濃度、極性によって、DNA、 RNA、オリゴDNA、タンパク質がそれぞれ異なった吸着性をもつことを利用して精製します。ただし、プラスミドと同じ高分子DNAなので、塩析で除けなかった染色体DNAは排除できません。
カラムのグレードによって、たいていのin vitroの実験に使えるていどのものから、トランスフェクションなどin vivoで使える(つまりエンドトキシンフリー)高純度保証のものなどがあります。
塩化セシウム超遠心法:塩析、アルコール沈殿したプラスミドの溶液に、高濃度の塩化セシウムとEtBrを加えて超遠心にかけます。cccはEtBrをより多く結合するので、open circularや染色体DNAより密度が高くなります。そのため、超遠心によって生じた塩化セシウム密度勾配では、中間に見える、EtBrで赤くそまった2本~3本のバンドのうち一番下(遠心端側)がcccプラスミドになります。これを注射針で吸い出して、ブタノールなどでEtBrを抽出除去し、透析にかけで塩化セシウムをのぞきます。タンパク質、RNA、多糖類はそれぞれちがった挙動をするので(沈殿したり、表面側に浮かんだり、どれがどれだったかは失念)、プラスミドにコンタミする可能性が非常に低いです。現存の手法の中では、間違いなく最高純度のプラスミドがとれます。
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