
このパラドクスの間違いを教えてください。
一般的な為替レートがこれから上がるか下がるか
全くわからないと仮定する。
これから
「これから上がる確率=これから下がる確率」
だと言える。
ではどれだけ上がる確率と
どれだけ下がる確率が一緒なのだろうか。
ある為替レート(仮にA/B)が100とすると
ここから1下がる確率と1上がる確率が一緒というのはおかしい。
なぜならこの計算でいうと
99下がる確率と99上がる確率が一緒ということになる。
これは明らかにおかしい。
なぜなら、これはイコール
為替レートB/Aが1/100から
1/1になるのと1/199になる確率が一緒ということになる。
為替レートA/BもB/Aも
同様に変動する性質を持つべきだから、
2倍になる確率=1/2なる確率
となるべきである。
しかし、こう仮定すると、
ある時点の為替レートの期待値は
50% * 2倍 + 50% * 1/2 = 1.25となるので
どの時点で買っても期待値が出ることになります。
No.19ベストアンサー
- 回答日時:
No.8, No.15です。
> しかしながら、
> 比率に対して期待値を計算することができないのなら、
> 「比率の変動を期待値の計算式にあてはめることが
> パラドックスの原因である。」
> と結論づけるべきではないでしょうか?
結論はそうなります。
> (2^0.5)*((1/2)^0.5) = 1
> という式の右辺の1は一体何なのでしょうか?
1倍です。
> 仮に期待値であるなら、
> 期待値を計算することができないと言っておきながら、
> ご自分で期待値の計算式を示すというのは不合理ではないでしょうか?
何倍になるかを求めた計算式ですが、「期待値」ではありません。
質問内容から求めたいであろう値が読み取れたので、その計算式と結果を
示しました。
> また、上記の式はさておき、RHODIA11が
> 「比率の変動を期待値の計算式にあてはめることが
> パラドックスの原因である。」
> と結論づけるのであれば、
>
> 「比率の期待値は計算できないから」
> という理由ではなく
> もう少し直感的にわかりやすいように
> ご説明願えないでしょうか?
理由は比率が「事象が起こった場合の結果」ではないからです。
> 50% * 2倍 + 50% * 1/2 = 1.25
なかなか上手い説明が思い当たらないのですが、例えば1度目に2倍になり2度目に
1/2になった場合、合わせて何倍になるかを計算すると 2+(1/2) ではなく 2*(1/2)
となります。
上記の期待値計算では、「2倍」と「1/2」は本来「積」であるべき関係を「和」で
計算しているのが問題です。
また、2倍の場合の値を「2」と計算していますが、A:B=2:1の関係は240と120
かもしれないし、√2と1/√2かもしれません。Bが1であるという情報が計算式に
含まれていないため、「2」で計算する正当性がありません。
同じことが「1/2」にも言えます。
……と、わかりづらかったかもしれませんが、比率を期待値では計算できない感覚を
ご理解いただけましたでしょうか。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
比率を期待値で計算できないという主張は納得できました。
これからの私の意見はひどくあいまいで、
意味のないものかもしれませんが、
よければ意見をくださいませんか。
比率は期待値で計算できない。・・(1)
すべてのものの価値は相対的にしか(比率でしか)表せない・・(2)
(1)と(2)からすべてのものの期待値は
期待値=Σi(事象iがおこる確率*事象iがおこったときの他のものとの相対的な価値)
で計算できないことになります。
すべての人間は期待値を最大化する行動をとります。
そしてその方法は、私は上述した計算式によるものだと思っていました。
しかし、少なくとも為替においてはこの計算式が適用できないことになります。
それでは、類まれな分析力を持つ効率的市場全体としては
いったいどのような期待値計算をもとに今の為替レートを決定しているのでしょうか?
No.24
- 回答日時:
現実と理論を混合してはいけません。
・プロ投機家
現実の市場では買いや売りによって市場価格(均衡価格)が調整されるのです。したがって、本来の価値が変動してから最も早くその価格を知った人は絶対に得をするはずです。皆が同時に同じレベルの情報を知りえるという設定は現実の市場を考えるならばありえないことです。
確かに基本的にはこれは例外といえるでしょう。しかし現実ではプロはそのような例外を追求しています。そしてそのような必死の情報収集と情報分析が一種の値付け効果になっているのです。かれらこそが最も効率的合理的に近い人間なわけです。
プロの投資家の社会的役割は『リスク調整』『流通』『値付け』くらいだと思うのですが、どれも理論上は投資家がやる必要も無いかもしれませんね。しかし、現実の市場ではなくてはならない理想と現実の溝を埋める役割を果たしていると私は思います。
・貨幣の価値とバブル
ちょっと混合してました。
まあ為替レートの水準の決定方法を、未来のレートから求めるのではなく。経済水準から求める方法を思いついたので、それを紹介したかったわけです。
貨幣の価値は理論上は『経済力÷貨幣量(式は大雑把です)=貨幣の購買力』です。効率的市場ではこれに即して値付けがされます。
ただ仰るとおり理論上の価値と現実の価格は時折遊離します。現実の市場は概ね効率的ですが、時折暴走します。
現実の市場が本当にいつでも効率的合理的ならばバブルなどおきません。
それが前回説明した価格操作の話です。我々はプレイヤーであると同時にレフリーでもあるので価格を操作する事ができます。
株価や土地も合理的効率的に考えればそこから得られる収益(配当や地代)に即して価格が形成されるはずなのに、皆が結託して価格を吊り上げることによって見かけ上の価値を水増ししたからバブルが起こったのです。この行動が効率的合理的でないのはその後の結果を考えれば明らかでしょう。
このように価格を不当に操作しようとするとその人たちは最終的には損をするわけです(誰かにその損を押し付けない限り)。
理論上は合理的な人間はそんな事する筈無いから、『価格=価値』なのです。しかし現実の人間は合理的に動かないことがあるので時折『価格=価値』にならないこともあります(小さな誤差は常に生まれています)。
(ただし普段は概ね合理的に動きますし、市場が時折暴走するからといって市場以上に正しい値付け機能を持っているモノなんて存在しないので結局市場価格が『相対的には』最も正しいのです)
したがって
>絵のファンダメンタルズは変動するものではありません。ですが、価格は変動します。これは市場の価値観が変動するからです。
確かにその通りです。基本的に短期で考えれば合理的な人間ならば価格は変わりません。
ちなみに前回上げたモデルでは本当に合理的ならば前回上げた条件において、特に理由もなくモナリザの評価が上がるという前提自体が『合理的』ではありません。
評価が上がるだけの何か理由があったのでしょう(外部要因)。
で現実世界での美術品の価値の変動要因は『モデルの想定した範囲外』なのですが幾つかの理由で変動します。
1.モナリザはこれ以上増えないのに対して、他の物品は日々拡大していく。
市場にある物品の量は経済力に応じて日々増えています。対してモナリザは1枚しかないので、『他の物品:モナリザ』においてモナリザの相対価値が大きくなっていくのです。
2.全ての人の持つ資産には限りがある。
実際値付けするには、それだけの資産を持っている必要があります。
モナリザを手に入れられるならば死んでも良いという人でも自分の持つ資産以上の値付け(評価)はできません。
これは『金を持っている=それだけの価値のある人間』という経済学の考え方からすれば、『それだけの価値のある人間がそれだけの評価をしているのだから、それだけの価値があるのだろう』という意味です。
そして金が無いこの人が一生懸命働いて『金を持っている人間=価値のある人間』になり100億円払えるようになればモナリザの価値は上がるわけです。
まあモナリザのような芸術品の価値選定は、数が少ないので『平均値が取れない』の上に、経済学が『例外・誤差』と切り捨てている『個々人の趣味嗜好特性心理』が強く反映されるので、経済学が最も苦手とする分野です。
そもそも芸術に、合理的客観的な価値基準など、あるとは思えませんので当然と言えば当然なわけですが…。
・均等分布
現実には均等に分布して無い事は例外と切り捨てられるレベルではないくらいとてもよくあります。サイコロの例で言えば
六面ダイスの例で言えば出目の平均値が3.5(期待値=均衡価格が3.5の市場)だったとしても、123456のダイスもあれば、633333の市場もあるという事です。後者の場合3.5(均衡価格)よりも上がる確率は16.6666%、下がる確率は83.3333%です。
それを踏まえて
・ランダムウォーク
仕方ないから『妥協している』部分を『正しい前提』として議論の主軸にするのは間違いだと思います。そもそも『無視しても問題ない』誤差の部分だからこそ『妥協している(誤魔化している)』のでしょう。
この回答への補足
>本来の価値が変動してから最も早くその価格を知った人は絶対に得をするはずです。皆が同時に同じレベルの情報を知りえるという設定は現実の市場を考えるならばありえないことです。
私の認識もほぼ同じです。私は株であれ為替であれ、ある意味でのインサイダーでしか利益をあげることはできないと思っています。
プロの投資家はおそらく分析力では為替差益を稼げないことを知っているでしょうから、なにがなんでもインサイダー情報を取得しようと努力します。
これはルール違反ですが、為替はルール違反でもしない限り絶対に勝てないほど効率的です。ですので、ルール違反とか言ってられません。
よって、為替差益を上げようという投資家の主な仕事はある意味でのインサイダー情報を取得して、それをできるだけ迅速に分析し、市場がそれを織り込む前に買ってしまうことになります。
これは明らかにルール違反で下手したら法律違反ですが、みんなそのへんは暗黙の了解で認めています。そうでもしない限り為替差益をあげられないことはみんな大体知っていますから。
ただし、やはり現実問題、株式市場においてアクティブファンドがインデックスファンドに負けている以上、どれほどインサイダー情報を得ようと努力してそれを取得しても、その経費と手数料を補って余りあるほどの期待値を上げることはできないのではないかと思います。
ちなみにインサイダーをやらなければ絶対に利益が出ないだろうという理由はこうです。
市場の効率性が低いなら
裁定取引の期待値が高くなる
裁定取引が活発化する
市場の効率性が高くなる
だがまだ最低取引の期待値が出る
裁定取引が活発化する
市場の効率性が高くなる
だがまだ裁定取引の期待値が出る、が手数料を加味するととんとん
このへんで落ち着く
必ずこのようになるからです。
合理的な人間が裁定取引をする限り必ず裁定取引の期待値が手数料を加味して≒0になります。
もしかすると、株式市場でアクティブファンドが勝てない理由はインサイダー情報を取得することに努力することが期待値プラスなのでその行動を取る人がインサイダー情報を取得しようと努力することの期待値が手数料を加味して0になるまで増え続けたからではないでしょうか。
やはり、為替市場においても投資家が手数料を加味して期待値を上げることはできないとおもいます。根拠はありませんが、おそらく為替差益を目的とするトレーダーの全体の平均収支はマイナスでしょう。
No.23
- 回答日時:
ちとミスっていたところがあるので少々訂正。
まず効率的市場とは価格システムの延長上にあるシステムです。当然為替市場も価格システムにより形成されています。
1ドル=115円なのも『1ドルは115円の価値がある』という辺りで売買(評価)の均衡が起こっているから、1ドルは115円くらいの価値があるとされており、1ドル=115円で売買されているのです。
そして、現実に即して考えるならば
・損する人も居る。
・現実に起こっている現象は均衡である。
・均等分布には根拠が無い※1
・50%:50%にならずとも均衡は起こる※2
・ランダムウォークは単なる結果である。※3
・現実世界の貨幣価値はその貨幣を使って何をどれだけ買えるかということに即します。つまり、極々大雑把に言えば『円の価値=日本にある財の量(経済力)÷日本にある貨幣の量』です。※4
※1
1ドル=100円の時、1ドルが1円下がった時(1ドル=99円)には買いが100ドル増えたからといって、1円が上がった時(1ドル=101円)に売りが100ドル増えるとは限りません。
売り 買い
1ドル=130円 480ドル 430ドル
1ドル=120円 450ドル 450ドル
1ドル=110円 400ドル 700ドル
このようなときでも、1ドル=120円というレートは成立します。
この場合、ドルは下落しにくく(少し下落するだけで買い手が増える)、上昇しやすい(上昇しても売りが増えない)です。
この場合、平時の為替変動要因を貿易だけに限るとすると、ドル売り要因が輸出、ドル買い要因が輸入だとすると、輸出は為替の影響をあまり受けず、為替が110円になると輸入が急激に増えるという場合にこういう分布になりますね。
この場合、外部要因からドルの売りが殺到しても1ドル=110円以下に下がるには300ドル以上の売りが必要になります。対して外部要因でドル買いが殺到すると50ドルの買いで1ドル=130円になります。
※2
問題は、売り手と買い手の売買する量なので実際は人数(売買機会)ではありません。実際は、100億円の売りが一回と10億円の買いが10回あるかもしれません。
ただしここら辺の非対称を不一致を為替トレーダーが均すのでしょう。
※3
経済学は、もし買いの方が多いのであれば上がっているだろうし、売りのほうが多いのであれば下がっているのはずなのに、今の水準に留まっているのは上げ(買い)と下げ(売り)が『相殺されている』からであろうと考えます。コレが均衡です。ランダムウォークはその均衡の状態をモデル化しているだけだと思います。
逆に言えば相殺しきれずレートが動くのであれば、それは財の価値関係が変わったということです。
※4
実際に二つの貨幣の根源的価値を考えるならば、為替売買ではなく二国間の経済力と通貨量を基本にして考えるべきです。
大雑把にすると1ドル=xxx円のレートは
『ドルの価値=ドルの購買力=米国にある財の量(経済力)÷米国の貨幣量』/『円の価値=円の購買力=日本にある財の量(経済力)÷日本の貨幣量』・・・(1)
こうなります。
また現在の基準を考えずに、未来の期待値のみを基準にしてレートを求めるならば
『未来のドルの価値=未来の米国の財の量(経済力)÷未来の米国の貨幣量』/『未来の円の価値=未来の日本の財の量(経済力)÷未来の日本の貨幣量』・・・(2)
となります。
実際のレートは、現在の貨幣の価値(1)がベースになります。そこに、未来の貨幣価値の変動(2)が若干プレミアとして乗る形になるでしょう※5。
しかし効率的市場の極地にある円ドルレートは既に様々な要因を織り込んだ上で最適化しているので期待値的には儲ける事は難しい上、そこにリスクプレミアが乗るわけで、現実にはドルは『将来の経済状態を予想して』投資する商品というより、むしろドルで売っている投資商品(米国債やドル預金や外国株式)に投資する為の経過手段になるでしょう。
ちなみに日本人が米国債を買った場合、帳簿上では『日本が米国の債権を輸入した』ということに等しいです(したがって、短期にはドル高要因)。
また、価格システムの下では金を持っている人のほうが強い影響力を振るう事ができます。
したがって、110円なら売るという人と、120円なら買うという人が居た場合。買う人の方が多ければ価格は120円になります。
ただし、より得をしているのは『売る人』です(110円で売れれば良いというところを120円で売れたわけですから)。
逆に言えば本来110円しか価値が無いものを、120円に無理やり吊り上げても(コレがバブル)、いざ売ろうとするときには110円でしか売れない、もしくはその財を120円出すからと無理やり沢山作らせていた場合、その分財は多量に余り110円以下に暴落する事もある(コレがバブル崩壊)。
※5
経済力÷通貨量のモデルとしては、金を使うのが分かりやすいかもしれません。
金の価値は一定だとします。
そうすると
経済力÷通貨量=貨幣の購買力=金に対する購買力(金1グラムをいくらで買えるか)、となるので同一水準で測りやすいかなと思います。
円では、50%の確率で1グラム=500円になり、50%の確率で1グラム=2000円になるとすると、未来の円の価値を金1グラム(一定)で換算すると1グラム=0.5x500円+0.5x2000円=1250円となります。
ドルでは、50%の確率で1グラム=3ドル、50%の確率で1グラム=20ドルになるとすると1グラム=0.5x3ドル+0.5x20ドル=11,5ドルとなります。
金一グラム(一定)=1250円=11,5ドルとなりますので
1ドル≒108,7円となります。
まあ実際は経済力の増減操作は難しくても貨幣量の調整は簡単なので、経済力が変動すれば、貨幣量操作して貨幣の価値をある程度一定に保たせるでしょうけど。
それらを踏まえてレス
・理論の使い方
>これが今回のパラドックスの原因だとは思えませんが、現実が理論通りにいくと確信することは危険だとおもいました。
その通りです。モデルや理論を使うには、まずその基礎となる考え方を理解する必要があります。
それらをすっ飛ばして、一番瑣末な理論を考えても理論は正しく働いてくれません。
・為替水準、価値の基準
>それじゃあ、為替の理論値はどうように変動するんだろう?
>為替を採点する人の価値観が変われば変動する。
>それじゃあ、為替を採点する人の価値観はどのように変わるんだろう?
>為替を採点する人が新しい情報を取り込んだときに変わる。
>それじゃあ、どういう時に新しい情報を取り込むのだろう?(略)
↑
問 どういうときに新しい情報を取り込むのか
答 実体経済や貨幣量が変わった時です。
それが株価の変動であり、企業の業績であり、旅行者の感想であるのです。これらは全て世界の国々の経済力の反映したものです。
ちなみに利上げ利下げとはどちらかといえば貨幣量の情報を含んでいます。
それらの情報が売買の形で反映されるので、為替には様々な情報が総合的に織り込まれているといえるのです。
そして+の要因が多ければ買いが集まり価値が上がり、-の要因の要因が多ければ売りが集まり貨幣の価値が下がるのです。
そして+の要因と-の要因が大体同じくらいならば為替の水準は大体一定になります。コレが均衡です。
ただし完全に現実には一致するなんて事は無いので評価がちょいちょいずれ売買がちょいちょいずれ相場がちょいちょい動くのです。
ちなみに「モナリザ」の場合しか一つしかないので多数の人の評価が変わっても取引が成立しなければ意味がありません。
つまり
・オークションに出した場合
モナリザが欲しい人
100億円 1人 1人
10億円 20人 → 100人
1億円 80人 40人
になっても、モナリザの価値は100億円のまま変わりません。
ただし、モナリザが101枚あり、それでもモナリザの評価が変わらないと場合はモナリザ一枚の価値は1億円→10億円になります
そしてオークションではない場合、欲しい人が100億円の価値があると言っても、現在の所有者が1000億だといえば取引は成立せず価値は定まりません。(100億~1000億の間という事になるでしょう)
物の価値は『なるべく高い値段で売りたい』売り手の価格と『なるべく安い値段で買いたい』買い手の価格が吊り合うからこそ『正しい』のです。
つまり。買い手が無理に値を吊り上げれば損をするのは買いな分けです。また売り手が無理に値を下げれば損をするのは売り手な分けです。普通はそんな事しないだろうから(更にもしそんな事をしてもやればやるほど損をするのだから長く続ける事はできない筈です)、それが正しい価値なんだろうというのが基本的な考え方です。
・為替変動とトレーダー
>なぜなら、仕方なく円を買っている人はその値段で円を買っている人の中で一番頭のいい人と同じで値段で買っているのだから。
まず、根源的な問題として市場が均衡している限り、新たに買う(需要)には今よりも少し高い値段で買わなければいけません。何故なら均衡とは売り買いが等しい水準なので、そんな中で新たに商品を買うならば今よりも少し高い値段で買わなければいけないからです。
逆に売る場合は今より少し安い値段で売らなければいけないわけです。
ですから、今の均衡状態から動作するという事は均衡を崩すという事です、したがって厳密な意味では損をするかもしれません。
次に現実では個々人は持っている情報量に格差があります。
また新しい情報が駆け巡りそれが価格に織り込まれるとしても、そこには僅かなタイムラグがあります。新たな情報が為替水準に織り込まれるにしても、それが売買を通して調整される限り、安く買ったトレーダーや高く売ったトレーダーが居る筈です。為替水準はそのような優秀なトレーダーの売買によって調整されるのです。
例えばアメリカのトレーダーはネットで債権を売買するに際しても、自分の部下を対面式の取引所に配置しているそうです。何故なら世界の債権はまずそこで売買されそこでの影響が波及するからです。
そこで、どよめきが生まれれば債権が値崩れするということなので、その情報が織り込まれる前の数秒で売れば大もうけできます。
したがって情報に基づいて売買を繰り返している限り、廻りよりも多くの情報を持っていれば有利に売買できますし(一人だけ利上げ情報を持っていれば得できるでしょう)、廻りよりも少ない情報に基づいて売買をすれば不利な売買になります(一人だけ利上げ情報を持っていなければ損をするでしょう)。
このように現実の為替市場でも、人よりも多くの情報収集力と分析力を持ってれば儲ける事ができます。
逆に、情報も能力も少ない素人がFXのような市場に足を突っ込んでも期待値はマイナスになるだけだと思います。
しかし、情報に基づかないでランダムに売買する限り理論上は損得は0です。
この問題と絡む問題で、相場操作があります。
上記した通り、価格と言うのは操作する事ができます。特に市場性の高い、株や為替や現物などの売買はそれなりに簡単に操作ができてしまいます。
そしてその相場屋が買いまして吊り上げた物を何も知らない人に押し付ける事ができれば、相場屋は儲かりますし、押し付けられた人は損をします。これとは逆に売りまして価格を押し下げた物を買い叩く事ができれば、相場屋は儲かりますし、買い叩かれた人は損をします。これが以前説明したサブプライムショックの要因です。
しかし、そういうのは投資活動の副次的効果に過ぎません(したがって政府はそのような活動を規制する為に、様々な規制(インサイダー取締りとか)をしていますし、情報の格差を是正するために情報開示を徹底させているわけです)
為替トレーダー本来社会的役割は
>為替トレーダーの目的はいろんな人に依頼されてできるだけ適正価格で通貨をやりとりするだけなんだ。
>手数料を取って依頼主に目的の通貨を買ってあげる。こういう職業なんだ。
↑
で正しいです。
つまりトレーダーは変動する為替のリスクを軽減する保険のようなものです。
例えば半年後の相場が1ドル=100-120円(期待値110円)の時。
自動車を輸出するとします。
契約書には100台=100万ドルで買います。
という契約書を結んでも日本の業者はこの売り上げを元に次の計画が立てられません。
1ドル=120円ならば1億2000万円手に入りますが、1ドル=100円ならば1億円しか手に入りません。
売り上げが2割違えば、利益は倍以上違うでしょう。1ドル=120円の時は大もうけできるでしょうが、1ドル=100円ならば赤字になってしまうかもしれません。更に利益を元にした次の投資計画も大幅に狂います。
したがって、為替トレーダーに1ドル=109円で良いので為替を確定させてくれと頼むのです(為替トレーダーに1ドル=109円でドルを買い取ってもらう約束をする)。
為替業者がどのようにしてそのリスクを相殺しているかというと反対の取引を取り込む事によって相殺しています。
つまり輸出業者も同じような悩み、つまり1ドル=100円の時は安く仕入れられるけど、120円の時は支払不能になるかもしれないわけです。
したがって、為替トレーダーに1ドル=111円で良いので為替を確定させてくれと頼むのです(為替トレーダーに1ドル=111円でドルを売ってもらう約束をする)。
このようにして為替とレーダーは為替の変動に関係なく儲ける事ができますし、貿易業者は安定した経営をする事ができるのです。
もう一つ、投機のトレーダーは一般の投資家が買いたい時に売ってくれ、売りたい時に買ってくれる一種の流通のような役割も担っています。コレが長期保有中心の一般投資家だけになってしまうと、買いたくても売り手を探すのが大変ですし、売りたくても買い手を捜すのが大変なわけです。
投機家たちはそこら辺の取引をスムーズにしてくれる役割もあります。
(通貨で例えれば、秋に小麦を輸出し、春に肥料を輸入する国がある場合。秋には外貨があまり、春には外貨が足りなくなります。)
個人的に経済学ほど社会を深く見据える事ができる学問は無いと思います。経済学が分かっていれば社会で起きる出来事の6-7割くらいは深い意味が分かります。興味があったら勉強してみてください。
(小泉改革と格差問題とかもわかるようになります)
参考URL:http://homepage1.nifty.com/economics/hayawakarik …
この回答への補足
参考URLありがとうございます。勉強になりました。
私は物事を極端に単純化して考える癖があるようです。
goottttさんのおっしゃることはわかりやすく理解できます。合理的で具体的です。その親切にも感謝します。
ですが、一応反論を(笑)
>・損する人も居る。
その通りです。自明です。
・現実に起こっている現象は均衡である。
その通りだと思います。市場価格→均衡価格ですよね。
・均等分布には根拠が無い※1
はい、その通りです。
科学と言われるもの全てがそうであるように、実際にそうでないことは自明です。
私が均等分布だと言ったのは妥協によるものです。
議論すべきは「均等分布で近似することに妥協できるか?」です。
goottttさんのおっしゃる、ある価格での売り手と買い手の数のデータは公なものですか?それともある種のインサイダー情報ですか?
仮にインサイダー情報なら、市場はそれを知らないことになります。
知らない人にとっては均等分布で妥協するしかありません。
「ここにいびつなサイコロがあります。各目の出る確率はいくらですか?」
このような命題に対して、インサイダーは正確に各目の確率密度を知ることができるかもしれません。ですが、回答者にとっては一様分布で妥協するしかありません。
「サイコロがあります。各目の出る確率はいくらですか?」
goottttさんもこの問題に対してはそれぞれが1/6だと回答されると思います。
まさか、
「実際には立方体など存在しないから、重心が1の方にこの程度傾いていれば6が出る目が一番大きくなり、次に2が出る確率が・・
となり、それぞれが1/6となる根拠はない」
と反論するのですか?
私には、「はい、確かにその通りです。」と答えるか、
「確かにそうであるが、どういびつかは誰にもわからないため、問題のサイコロが一般的、平均的なものと仮定して一様分布で近似できると妥協できるのでは?」と答えるしかありません。
為替変動に対しても同じことが言えると私には思えてなりません。
しかも、「個性のない為替レート」と前置きまでしてあります。
これは「サイコロは立方体とし、投げる強さも十分なものである」と付け足しているようなものです。
これに対しても上述したような反論をなさるのですか?
(明らかにヘリクツです。すみません・・・)
・50%:50%にならずとも均衡は起こる※2
自明です。
さすがにこれにおいては例外もあると思うので、
例外を除けば(50%:50%と妥協できる)と前置きをしました。
・ランダムウォークは単なる結果である。※3
これについてはすみません、少し意味がわかりません。
・現実世界の貨幣価値はその貨幣を使って何をどれだけ買えるかということに即します。つまり、極々大雑把に言えば『円の価値=日本にある財の量(経済力)÷日本にある貨幣の量』です。※4
これは違います。(もちろん妥協することはできますが)
これに関しては、goottttさんの
「理論というのは現実に則してこそ正しいといえる」
という言葉を引用させてもらいます。
(↓ちなみに根拠はありません。)
『円の価値=日本にある財の量(経済力)÷日本にある貨幣の量』ではバブルや過剰な円安、円高は説明できません。
貨幣の価値はファンダメンタルズだけで決定されるわけではありません。投機的な意味でも上昇したり、下降したりします。
本質的には絵の価格と同じではないでしょうか?
何億円もの絵の価格は、その絵から得ることのできる感動では説明できません。明らかに実物的価値と比較すると高すぎます。それなら、この絵を売っておけば実質的に得をするかというとそうではないでしょう。
少なくとも「絵の価格=その絵から得ることのできる感動の総量」とは言えません。この理論はあまりにも現実に即しておらず、もろすぎます。
絵のファンダメンタルズは変動するものではありません。ですが、価格は変動します。これは市場の価値観が変動するからです。
私は円の価値について最も現実に即しており、かつ強靭な理論を知っています。「円の価値=円の市場価格」です。
この理論ほど現実に即している理論があるでしょうか?
(ヘリクツです。すみません。)
>このように現実の為替市場でも、人よりも多くの情報収集力と分析力を持ってれば儲ける事ができます。
あるいはそうかもしれません。
少なくともインサイダーは勝てるでしょう。そしてそれに近い人(インサイダーから発表前に情報をもらえる人、明らかに公衆よりも早く情報を得れる人)も勝てるかもしれません。ですから、明らかにそうでない人は期待値マイナスになるはずです。私はインサイダー(に近い人)がいることを考慮していませんでした。
ただし、情報力ではなく分析力の観点から、それにおいて(微々たる手数料を上回るほどの)利益を上げることは難しいでしょう。
その根拠はこうです。
「市場価格は(インサイダーを除いて)どんな個人よりも正確だから」
これはおそらくヘリクツではないでしょう。
為替市場よりも明らかに非効率的な株式市場でさえ、アクティブファンドの平均が市場平均を手数料分下回っているのですから。
最後にやはりこれだけは言っておかなければなりません。
一般的なものの価値がランダムに変動するとき、
その変動分布は正規分布にはなりません。
明らかに対数正規分布になるはずです。
これについてはgoottttさんもいつか気づいてもらえると思っています。
No.22
- 回答日時:
No.8, No.15, No.19です。
> 比率は期待値で計算できない。・・(1)
> すべてのものの価値は相対的にしか(比率でしか)表せない・・(2)
> (1)と(2)からすべてのものの期待値は
> 期待値=Σi(事象iがおこる確率*事象iがおこったときの他のものとの相対的な価値)
> で計算できないことになります。
そんなことはありません。例えば
1.300円もらえる
2.サイコロを振って出た目の100倍の金額がもらえる
このようなケースでは、2.の方を期待値計算して大きい方を選んだ方が得です。
サイコロを振って出た目に100をかけた値は「事象が起こった場合の結果」になります。
> すべての人間は期待値を最大化する行動をとります。
> そしてその方法は、私は上述した計算式によるものだと思っていました。
>
> しかし、少なくとも為替においてはこの計算式が適用できないことになります。
>
> それでは、類まれな分析力を持つ効率的市場全体としては
> いったいどのような期待値計算をもとに今の為替レートを決定しているのでしょうか?
今の為替レートは、現時点で最後に約定した値にすぎません。
市場に参加している人たちが先の予測をして(実需や短期筋の仕掛けなど関係ない場合も
ありますが)、安いと思えば買い、高いと思えば売られることにより、レートが変動します。
ありがとうございます。
最後の質問を読み返してみたのですが、自分でもよくわかりませんでした。
>そんなことはありません。例えば
>1.300円もらえる
>2.サイコロを振って出た目の100倍の金額がもらえる
>このようなケースでは、2.の方を期待値計算して大きい方を選んだ方が得です。
>サイコロを振って出た目に100をかけた値は「事象が起こった場合の結果」になります。
その通りですね。
「比率を期待値で計算することはできない。」
というのがもっとも説得力のある説明でした。
お付き合い下さってありがとうございました。
また、なにかありましたらよろしくお願いします。
No.21
- 回答日時:
最後とか言っておきながら、やっぱり説明しておいた方が良いかなと…
・経済学
経済学とは、現実の経済を分析する学問です。
しかし、現実の経済は複雑すぎて、そのままでは分析できません。そこで、現実経済をイロイロな過程を置く事によって単純化し、モデルを作ります。
そのモデルを動かす事で、経済をシミュレートしてそれを元に理論を作ります。
この際の理論が使えるかどうかは現実経済を説明できるかどうかできまります。逆に言えば、実際に経済を説明できるならば、正しいかどうかなどはさしたる問題ではないのです。マクロ経済学の理論の中には正しいかどうか微妙な理論は多くありますが『正しくないかもしれないけど使える』から生き残っている理論はあります。
またモデルを作る際には、全ての経済事情を織り込む事はできないので単純化のため経済活動のコアな部分だけを切り取り、後の部分は無視するのが一般的です。その際に切り取られた部分は、そのモデルでは説明できません。その部分を説明するには別のモデルが必要になります。
・価格システムと均衡
ランダムウォークは、均衡状態がどうなっているかを規定する為のツールにしか過ぎないと思います。
為替について知りたいならまずは、市場の機能(価格システム)を学ぶべきです。次に、均衡状態を学ぶべきです。
それらをすっ飛ばして行き成り瑣末なランダムウォークの話を無理やり弄繰り回しても意味が無いです。
という訳でまずは価格システムを説明します。
市場のやり取りで重要なのは確率より供給量と需要量です。
ドルを一つの商品として考えます。
更にドルを売る人も買う人も取引量は一人当たり1ドルとします。
1ドル=130円ならばドルを売りたいという人が500人いるとします。
1ドル=120円ならばドルを売りたいという人が450人いるとします。
1ドル=110円ならばドルを売りたいという人が400人いるとします。
1ドル=100円ならばドルを売りたいという人が350人いるとします。
1ドル=130円ならばドルを買いたいという人が300人いるとします。
1ドル=120円ならばドルを買いたいという人が350人いるとします。
1ドル=110円ならばドルを買いたいという人が400人いるとします。
1ドル=100円ならばドルを買いたいという人が450人いるとします。
この場合、1ドルは売り手と買い手が釣り合う水準である110円になります。
なぜならば
1ドル=120円ならば、ドルを売りたいという沢山出てきます。
その結果ドルがあまり、ドル価格が下落します。
そうするとドルを売る人が減り、ドルを買う人が増えます。したがって売り手と買い手の差が縮小します。
逆に、1ドル=100円ならば、ドルを買いたい人が沢山出てきます。
その結果ドルが売り切れる(不足する)ので、ドル価格が上昇します。
そうするとドルを買う人が減り、ドルを売る人が増えます。したがって買い手と売り手の差が縮小します。
このようにして最終的には売り手と買い手の数が均衡する水準が定まるわけです。コレが価格システムです。
(実際には買う人売る人の人数ではなく、買う量と売る量の売買量が釣り合う水準が価格水準)
つまり欲しがる人と売りたがる人の数が釣り合う交換レートが、その二つの財の価値の比率なのです。
本当に経済学的に考えるなら、財を取引する一人一人はプレイヤーであると同時に、財の価値を決めるレフリーの役目もこなしているのです。
この世に真に絶対的な価値の比率など存在しません。
あるのは『皆がそう思っているならそれくらいの価値があるのだろう』という相対的な価値だけです。
(ですから、プレイヤーが結託して買いを行い財の価値を吊り上げれば、一時的には財の価値を変動させる事はできます。コレがバブルです)
・市場の変動要因
その際どうして市場が変動するか説明します。
まず、更にドルを売る人も買う人も取引量は一人当たり1ドルとします。
1ドル=130円ならばドルを売りたいという人が500人いるとします。
1ドル=120円ならばドルを売りたいという人が450人いるとします。
1ドル=110円ならばドルを売りたいという人が400人いるとします。
1ドル=100円ならばドルを売りたいという人が350人いるとします。
↑
これは、どうしてこうなるかというと
まず、1ドル=100円ですらドルを売りたいという人が350人います。
次に、1ドル=100円は安すぎるけど、1ドル=110円ならばドルを売りたいという人が50人いるのです。
そして、1ドル=110円は安すぎるけど、1ドル=120円ならばドルを売りたいという人が50人いるのです。
このようにして、ドルの価値は高くなれば高くなるほどドルを売る人が増えるのです。ドルの価値が低くなればなるほどドルを買う人が増えるのです。
つまり、
1ドルは100円よりも魅力的だという人(円売りドル買い)>1ドルより100円の方が魅力的だという人(円買いドル売り)
ならばドルが上がり、逆ならばドルが下がります。
その結果やがては
1ドルはxxx円よりも魅力的だという人(円売りドル買い)=1ドルよりxxx円の方が魅力的だという人(円買いドル売り)
という水準のxxxで落ち着くわけです。その結果適正な為替の水準が規定されるのです。
ポンドが下がるという噂を聞いた。海外旅行に必要な両替は済ませた。ブランドショップに行って、ドル高への不信に駆られた。テクニカルの方法を変えた。
というのは、今まで1ドル=110円ならドルを買うとしていた人が、105円なら買うというようにドルの評価を変動させる効果があります。その結果、需給にズレが出て為替が動くのです(今回の場合ドル買いが減少して、ドルの価格が下がる)。
ポンドが下がるという噂を聞いた→ポンドが上がるという噂よりも下がるという(売りに入るほど確定的な)噂が多いのであれば、それは世間一般で新たにそういう評価がされているということです。
海外旅行に必要な両替は済ませた→出て行く旅行者と入ってくる旅行者の需給が吊り合わなければ為替変動要因になります。(それでも動かないというのであれば旅行で赤字な分、貿易や金融などで埋め合わせているのでしょう)
ブランドショップに行って、ドル高への不信に駆られた→その反対の動きよりもドル高への不信が強いならば世間一般で新たにそういう評価がなされたということです。
テクニカルの方法を変えた→もし用いられたテクニカル方法がより妥当な物ならば、その結果為替を上げ下げする要因になるということは今までその財を過小評価していたか過大評価していたのでしょう。
そしてこれらの要因が極々限られた範囲に影響を与えるのに比べ、『金利が変わった』というのは全体に大きな影響を与えるので、相場が大きく動くのです。
次に、例え一つ一つが小さくても上がる要因と下がる要因の量がつりあわなければ為替は動きます。しかし、一時的ではなく恒久的に為替が動くほど何らかの要因で買いが重なるなら、偶々そうなったのではなくそこには現実的な根拠があるはずです。つまり、それだけ買いが重なるだけドルが魅力的になったからドルが高くなったのです。
現実ではこのような数限りないプレイヤーのせめぎ合いの『結果として』効率的になるのです。ランダムウォークもその結果としてせめぎ合いの結果として50:50になるのです※1。
理論上の効率的市場と、現実の効率的市場を混合してはいけません。現実には為替取引で損をしている人も居ますし、為替取引上では損をして『(自分にとって)使えないドルを持っているくらいなら例え損をしても円が欲しい』という人は沢山います。
現実の効率的市場を分析するならば、全ての人が損をしないという考えを捨てるべきです。個々人は持っている能力も情報もそれぞれの都合も全く違います。ゼロサムの為替市場において本当に損をする人が居ないなら、為替トレーダーの所得は何処から捻出されているのでしょうか※2?
理論上の効率的市場を用いるなら理論上の思考パターンに従うべきです。この際は市場でドルの価値の評価基準(判断材料)がちょいちょい動くのでドルの評価がちょいちょい動き、需給がちょいちょい動き、為替レートがちょいちょい動くのです。この際為替の判断基準がどのようにして動くかは外生変数にすぎません。
そういう理論と現実をごちゃ混ぜにして何処まで正確に見るかという基準もごちゃ混ぜにして、均衡状態を表現する為のランダムウォークを取り入れてもおかしくなるだけです。
※1
例えば、小口で沢山の売りと大口で少ない買いが繰り返される市場では売りと買いは50:50にならない筈です。
※2
例えば、貿易業者たちは『不安定』な期待値よりも多少コストを払ってでも『安定』を求めます。1ドル=80-120円(期待値100)よりも、1ドル=98-100円(期待値99)の方が好ましいのです。したがって、そこら辺の差益が先物取引の収益になります。
この回答への補足
goottttさんのおっしゃていることはほぼ私の認識と一致します。
「市場価格」の説明ですね。
どうやら私は自分の考えを表わすことが下手なようです(汗)
>しかし、現実の経済は複雑すぎて、そのままでは分析できません。そこで、現実経済をイロイロな過程を置く事によって単純化し、モデルを作ります。
私も複雑なことはわからないので、実際の市場をどんどん単純化していきました。
ちなみに経済学の知識はほとんどないので、goottttさんとはアプローチは違いますが。
FXをやりたい。
はたしてFXは勝てるのか?
高金利通貨を買えばスワップ分勝てるのでは?
そんなうまい話があるか?
高金利通貨を買うだけで勝てるのであれば高金利通貨を売る人はいなくなるだろう。
はたしてそうか。
貿易や旅行などで仕方なく円を買う人がいるじゃないか。
もしかしたら、スワップの何パーセントかは期待値になるかもしれない。
[FXをやる→負ける]
高金利通貨の長期ロングは本当に期待値が出ていたのか?
そもそも、そんなうまい話があるのか?
売っている人にもなにか理由がありその値段で売っているんだ。
無数の売っている人の中には自分より賢い人もたくさんいるだろう。
頭のいい大学を出た機関投資家もいるはずだ。
僕はそんな人たちがたくさんの費用と時間を消費して導き出した判断を、プラススワップとかいうありふれた理由で否定することができるのだろうか?
その人たちはマイナススワップを払っても勝てると思って売っているんだ。
あぶないあぶない。
市場は金利だけは織り込んでいないだろうと勝手な予想をしていた。
本当にバカだった。
仕方なく円を買っている人も、出資者のために儲けようとして円を買っている人も皆おなじ値段で円を買っているのだから、仕方なく買っている人もマイナス期待値ではないのだ。
なぜなら、仕方なく円を買っている人はその値段で円を買っている人の中で一番頭のいい人と同じで値段で買っているのだから。
その値段で円を買っている全ての人が仕方なく買っているか、自分よりバカでない限り、円を売ることで期待値は出ないだろう。
そんなことあるわけがない。
プラススワップでは期待値は出ないようだ。
というか、この考えだと為替差益を得ようとすることもバカげたことのように思えてきた。
> ゼロサムの為替市場において本当に損をする人が居ないなら、為替トレーダーの所得は何処から捻出されているのでしょうか
それはそうだ。
このような状況でどうして為替トレーダーという職業が成り立つのだろうか。
為替トレーダーが為替市場で期待値を上げるためには少なくとも自分の買う値段で売っている人の中で最も頭のいい人よりも頭がよくなければならないだろう?
そんな人はおそらく一人か二人しかいないだろう。
じゃあどうして為替トレーダーが存在する?
為替トレーダーの目的は本当に為替差益で儲けることなんだろうか。
実際、頭のいいはずの為替トレーダーが為替で期待値が上がらないことに気付いていないはずがない?
為替トレーダーって本当に為替差益で儲けることを目的とする職業なんだろうか?
為替トレーダーはただ単に通貨を取り引きする職業じゃないのか?
そうだ、それなら説明が付く。
為替トレーダーの目的はいろんな人に依頼されてできるだけ適正価格で通貨をやりとりするだけなんだ。
一部のバカを除いて、だれも儲けようなんて思っていない。
手数料を取って依頼主に目的の通貨を買ってあげる。こういう職業なんだ。
為替トレーダーの所得は貿易関係者や海外旅行者やFXや外貨預金が儲かると勘違いしているバカな個人投資家たちの手数料によって捻出されているんだ。
プロの為替トレーダーでも勝てないっていうのはどういうことだろう。
プロでもドルが今理論値より安いか高いかなんて判断することは不可能ってことだ。
ちょっと待てよ。理論値ってなんだ?ものには絶対的価値なんてないんじゃないのか?
たとえば「モナリザ」の理論値は点数で言ったら何点だろう?
こういう色が使われていて、構図がよく、ここの描写がいいから、80点だ、などというように決められるのか?
いや違う。
すくなくともそれは理論値ではない。
考えられるもっともいい理論値の導き方は、世界中の全ての人間に絵の知識で重み付けされた採点権をもとに投票してもらい、その平均を取るんだ。それで65点と出ればそれはどんな個人の意見より正確だろう。
これこそ「モナリザ」の理論値だ。
理論値の導き方は分かった。
世界中の全ての人に適切に重み付けされた投票権を元に採点してもらうのだ。
これ以上正確な理論値はない。
少なくとも世界中の誰が予測した理論値より正確だろう。
たとえ「モナリザ」自身に何の変化も起こらなくても、世界のうちの誰かの価値観が少し変われば、モナリザの理論値は変わってしまう。
>本当に経済学的に考えるなら、財を取引する一人一人はプレイヤーであると同時に、財の価値を決めるレフリーの役目もこなしているのです。
この投票システムは為替の価格システムと似ているんじゃないか?
世界中の人たちの資金量に重みづけされた投票権に基づいて決定した為替レートこそ、その為替レートの理論値ではないか?
少なくともどんな個人よりも正確だろう。
為替レート=理論値と言えるのではないか?
それなら、為替レートは理論値から安くなったり高くなったりすることはないはずだから、プロの投資家が勝てるわけないのもわかる。
それじゃあ、為替の理論値はどうように変動するんだろう?
為替を採点する人の価値観が変われば変動する。
それじゃあ、為替を採点する人の価値観はどのように変わるんだろう?
為替を採点する人が新しい情報を取り込んだときに変わる。
それじゃあ、どういう時に新しい情報を取り込むのだろう?
為替を採点する人の認識できる位置に新しい情報が発生したときに取り込まれる。
たとえば、インターネットで金利上げの発表を見たとか、前を黒猫が横切ったとかだろう。
ではこういう情報はどうのように発生するのか?
だめだ、複雑すぎてわからない。
ここはお得意の単純化だ。
そういう情報は為替への影響力の大小問わず、無数にしかもランダムに発生するだろう。
これらが採点者の価値観に与える影響まで完全に予測することは不可能だ。
こういうときのためにあるのが正規分布だ。
正規分布は無数のランダムが合成された時には大体使える。現にwikipediaのランダムウォーク理論のところにもランダムウォークは正規分布で近似できると書いてある。
よし、これで為替市場がモデル化できたぞ。
あれ、
期待値の計算でおかしな結果が出るな・・・
これから質問のパラドックスが生まれました。。
>そういう理論と現実をごちゃ混ぜにして何処まで正確に見るかという基準もごちゃ混ぜにして、均衡状態を表現する為のランダムウォークを取り入れてもおかしくなるだけです
これが今回のパラドックスの原因だとは思えませんが、現実が理論通りにいくと確信することは危険だとおもいました。
No.20
- 回答日時:
いい加減きりがないのでコレで最後にしますね。
>「相殺されるから無視する」というのは少なくとも経済学は論じていないでしょう。
経済学の価格システム(ミクロ経済の基本、効率的市場のベースになる的考え)は「理論通りに動かない人もいるけど、その反対の動きをする人もいるだろうから」という理由で無視しています。
つまり言っている事は↓と大体同じです。
>確率論的に普段はランダムウォークを正規分布で近似することに妥協するが
まあ究極的効率的市場では全ての人が同じ水準の情報を持ち全ての人が完璧な判断力を持つスーパーマンだと考える(もしくはそれらを持たない人は持っている人に食われる)ので、そのような誤差は生じる事自体が効率的ではないわけですが…
逆に言えば売りと買いが均衡しないで上昇もしくは下落するのであれば、そこには何らかの要因があるはずなので無視できなくなります。その要因を分析する必要があるでしょう。
経済学では理論と現実画対立した時はいつでも間違いなく現実が正しいのです。
という訳で、ランダムウォークは結局誤差をどう処理するかというだけの話でしょう。
ランダムウォークだから50:50なのではなく、50:50(均衡状態)だからランダムウォークなのです。
一々把握しきれない極々細かい要因をまとめて処理する為のモデルなのですから、持ち出してパラドックスをでっち上げても意味がありません。そこに拘っても得られる物はないと思います。
まあここは保留。
・為替水準の決まり方
そもそも簡略化するためのモデルに前提を無視したケチをつければ、成り立たなくなるのも当たり前です。
実際は円ドルレートの為替水準は日米の為替市場だけで決まるわけでは無いです。
実際は1ドル=100円の時の1円の価値と1ドル=50円の時の1円の価値は違うでしょう。
実際は日本人は円に親近感を感じるでしょうし、アメリカ人はドルに親近感を感じるでしょう。その分プレミアも付きます。
実際は10%の確率で50円になるという事と90%の確率で120円になる事が皆が分かっているわけではありません。
したがって実際は10%の確率で50円になるという事と90%の確率で120円になる事、1ドル=113円にはなりません。
で
>125に近づくか80に近づくかは日本とアメリカの資産力によって決まるのでしょうとひどくあいまいな表現でごまかすのですか?
効率的市場においてもやり取りされる資源には限りがあります。
米国人が円を買えば買うほど儲かると分かっていても、手持ちのドルが尽きればそれ以上の円買いドル売りは続けられなくなります。この時ドルは足りなくなくなりますから、ドルの価格は上昇します。
逆に日本人がドルを買えば買うほど儲かると分かっていても、手持ちの円が尽きればそれ以上のドル買い円売りは続けられなくなります。この時円は足りなくなくなりますから、円の価格は上昇します。
まあ少々乱暴だったかもしれませんが
ただ通貨の価値は様々な要因で定まっているのです。それらを一つ考えていては切りが無いから省略している部分を掘り起こせば為替の本質を全て説明する必要が出てくるのですが、そんな能力は私にはありません。
まあどうやって物の価値が定まるのか簡単に説明します。
・貨幣の絶対的価値
貨幣は便利なので価値の尺度としてよく使われますが、絶対的価値はありません。この世の全てのモノは他の全てのモノとの相対的な価値比に基づいて値付けされているのです。
つまり金1に対して銀10が交換される場合、金に銀の10倍の価値があるから取引されているのではなく、金1に対して銀10が交換されるから金に銀の10倍の価値があるのです。
金1に対して銀10を出した人は、銀10を失っても金1を得る価値があると判断しているから銀を差し出したのだし、銀10に対して金1を出した人は、金1を失っても銀10を得る価値があると判断しているから金を差し出したのです。
このように市場価格とは両者の判断を何よりも重視します。そして売り手と買い手の数が均衡する水準が適正なレートとなります。
例えば
金:銀=1:9の時(銀割高金割安)
銀を交換(売り)を求める人が多く出てきて銀があまる→銀値下がり
金の交換(売り)を求める人が少なく金が足りなくなる→金値上がり
金:銀=1:11の時(金割高銀割安)
金の交換(売り)を求める人が多く出てて来て金があまる→金値下がり
銀の交換(売り)を求める人が少なく銀が足りなくなる→銀値上がり
結果
金;銀=1:10
のような水準でレートが定まるのです。
このような現象が社会の隅々に繰り広げられる事で適正な水準がおおよそ割り出されるのです。国民皆が商品の価値を決めているという意味ではこれ以上民主的なシステムは存在しないと思います。
それらのレートに横串を通しているのが貨幣なのですが、それですら絶対的な価値を持っているわけではありません。
したがって、もし仮にランダムウォークによって円が不合理に上昇するという事が起こっても、その値動き自体が円売りの増加につながり円の値上がりを抑えます。
この時円を割高で売った人は得をして、割高な円を買った人は損をするのでしょう。このような現象が起こるから効率的市場は成立するのです。
まあ効率的合理的な条件をもっとシビアに見ていけば、偶々ランダムウォークで売りが重なった場合、その事によって値下がりするのを嫌って売りを待つと思います。
そして、ドルと円は別の商品なのですから、最大化する条件が違うのもその時の期待値が1ドル=113円から1ドル=50円に変わっても、貨幣価値が一定だとできたのは、外部の状況(円ドルレート)を『外部変数』としていたからです。
外部としていたドルの価値を取り込みドルと円の両方の貨幣価値を一定に保つのは無理です。なぜなら両方の貨幣価値が一定ならば、為替レートが動くわけが無いからです。そのような不条理な現象が起これば期待値が0を超えるという不条理な現象も起こるでしょう。
実際日米両方向から為替水準を求めるならば、日米の財の変動(日米の財から得られる利得量と財の量の変動≒日米の経済力の変動)と円ドルの通貨量の変動を求める必要があるでしょうが、そんな複雑な数式を作る能力は私にはありません。
この回答への補足
>経済学の価格システム(ミクロ経済の基本、効率的市場のベースになる的考え)は「理論通りに動かない人もいるけど、その反対の動きをする人もいるだろうから」という理由で無視しています。
やはり、goottttさんはランダムウォークに対して誤解をしているようです。(というか、私とは認識が違うようです。)
goottttさんのいうランダムウォークは不合理な理論値からの乖離だと思います。
仮に「為替の理論値を計算しその乖離を見つけ割高なら売り、割安なら買いを行うことによって利益を上げて行く」という鞘どりゲームがあったとします。この時、開発者側は理論値からの乖離をサイコロを振るなどして意図的に作り出そうとします。それを行わなければ理論値から乖離することはないわけですから。
しかし、効率的市場ではサイコロを振るような神様のような人は存在しません。
あたかも、そのような変動が目につくこともあるでしょう。大半の人が誤解しているように「為替は理由なく動く(ランダムウォークする)」と思いたくなることもあるでしょう。
しかし、為替は決して理由なく動くことはありません。無視できない「小さな理由」によって動いているのです。
ある時点で1ドル=100円で、次の瞬間に1ドル=100.01円になった場合、これは「不合理に理論値から+0.01円乖離した」わけでもなく、また「不合理に-0.01円安かったものが理論値に補正された」わけでもないのです。
ある時点の理論値が1ドル=100円であり、次の瞬間の理論値が1ドル=100.01円であっただけのことです。
断言できます。効率的市場において理論値からの不合理な乖離は存在しません。なぜなら効率的市場だからです。(ひどく強引な理論に聞こえますが・・・)
ただし、不合理な乖離が存在しないなら、鞘どりをする意味がなくなり効率的市場でなくなるのではという主張もまた真です。
これもまたパラドックスでしょう。
自明ですが、完全に効率的な市場は存在しえません。ただし、限りなく効率的市場に近づくことはできます。市場参加者が鞘どりを行えば行うほど鞘どりの効果が小さくなっていき、やがて何もしない人の期待値とほぼ同じになります。これが効率的市場です。
私の認識はこうです。ランダムウォークは決して「裁定されるべき不合理な理論値からの乖離」ではなく、「正当な理由による理論値から理論値への変動」です。
ですから、goottttさんのおっしゃるように「ランダムウォークはすぐに裁定されるので無視できる」というわけではないのです。
>外部としていたドルの価値を取り込みドルと円の両方の貨幣価値を一定に保つのは無理です。なぜなら両方の貨幣価値が一定ならば、為替レートが動くわけが無いからです。そのような不条理な現象が起これば期待値が0を超えるという不条理な現象も起こるでしょう。
これが私が求めていた答えのような気がします。
ありがとうございました。
No.18
- 回答日時:
為替レートは決して理由なく変動したりしません。
>これらは「金利が上がった」などとは影響力は違いますが、
コンセンサスの変動要因としては並列関係にあるものだとご理解いただけると思います。
その通りです。それが『需給がちょいちょいずれる』要因です。
そしてそのような要因は+-で相殺しあい『均衡する水準』が均衡価格なのです。
つまり、ランダムウォークの要因は金利が変わったという事と規模が違うだけで本質的には同じ事です。これは結局何処まで細かく見るかという問題です。
そしてランダムウォークは相殺しあっているから、『理論化するときには』無視しているだけです。コレは経済学の極々基本的な考え方です。
ですから地球上の全人類の行動を全て分析してパラメーター化すればランダムウォークはランダムではなくなるでしょう。しかしそんな事は無理なので、相殺しあえる範囲の要素は誤差として無視しているだけです。だからこその誤差なのです。誤差にだって誤差が出る根拠はあるのです。
したがって『金利が変わる』という相殺しきれないほどの大きな要因を例外として無視しておきながら、+-で相殺されているので誤差として本来は無視しても構わないランダムウォークの要因を取り上げるのは論理的では無いと思います。
金利が変わったという要因を例外として無視するならば、ポンドが下がるという噂を聞いた。海外旅行に必要な両替は済ませた。ブランドショップに行って、ドル高への不信に駆られた。テクニカルの方法を変えた。これらも全て無視するべきですし、それらを無視する事によって生まれるであろうもっと大きな要因も例外として無視するべきです。
その場合、為替は常に永遠に一定です(変動幅0)。
>現在のドル円レートは113円なのでしょうか?それとも105円なのでしょうか?
ドル(ドルで売っているアメリカ製品)が沢山欲しい人の均衡価格は1ドル=105円、円(円で売っている日本製品)が沢山欲しい人の均衡価格は1ドル=113円なのだと思います。105に近づくか113に近づくかは日本とアメリカの資産力によって決まるのでしょう。
一方の利得を円換算で測っておきながら、もう一方の利得をドル換算で測れば矛盾が出るのは当たり前です。
10%の確率で1ドル=50円になり、90%の確率で1ドル=120円になる時、1ドルを113円で売買した場合、円基準の日本人換算では10%の確率で63円損して、90%の確率で7円得するわけです。
しかし、ドルを基準に考えるアメリカ人の目から見れば1ドル=50円の時の1円の価値と、1ドル=120円の時の1円の価値では雲泥の差があります。ですからアメリカ人の目から見れば、損をする時は1ドル=50円の時の割高な円を損している事になり、得をする時は1ドル=120円の割安な円を得ているだけに見えるわけです。
逆に10%の確率で1円=1/50ドルになり、90%の確率で1円=1/120ドルになる時1円を0.0095ドルで売買した時、ドル基準のアメリカ人換算では10%の確率で0.0105ドル得をしますし、90%の確率で0.0011667ドル損をしますが、日本人の目から見れば1円=1/50ドルの時の1ドルと、1円=1/120ドルの時の1ドルには大きな開きがあります。(以下略)
このように為替を深く考え始めると為替レートを外部から引用して更に自国通貨の貨幣の価値を一定とすると矛盾が生じます。今回は分かりやすいように単純化しましたが実際は日本人にとっても1ドル=50円の時の1円の価値と、1ドル=120円の時の1円の価値では大きな違いが出るでしょう。そして実際の相場ではそのような価値の重みの違いも織り込まれて売買されています。
このように様々な思惑が交わる事により、実際の為替レートが形成されるのです。だからこそ、効率的市場を究極的に考えると『儲けるのは無理』なのです。そもそも相場の値動きは変動相場制による調整機能でありは儲け(付加価値)を産むものではないですからね。
この回答への補足
>つまり、ランダムウォークの要因は金利が変わったという事と規模が違うだけで本質的には同じ事です。これは結局何処まで細かく見るかという問題です。
その通りだと思います。No5で私が稚拙にも論じていますが、確率論というものは分析しきれない事象を妥協に基づいてモデル化してるに過ぎないのです。
>そしてランダムウォークは相殺しあっているから、『理論化するときには』無視しているだけです。コレは経済学の極々基本的な考え方です。
無数に起こる小さな要因に基づくランダムウォークを「相殺されるから無視する」というのは少なくとも経済学は論じていないでしょう。
小さな要因は必ずしも「相殺されて0になる」わけではありません。小さな要因の合成はパラメータ数の十分大きい二項分布になり、すなわち正規分布で近似されるべきです。誤差を無視するのではなく正規分布で近似するのは基本的な考え方ではないでしょうか?
>したがって『金利が変わる』という相殺しきれないほどの大きな要因を例外として無視しておきながら、+-で相殺されているので誤差として本来は無視しても構わないランダムウォークの要因を取り上げるのは論理的では無いと思います。
私が大きい要因を例外としたのは、確率論的に普段はランダムウォークを正規分布で近似することに妥協するが、指標発表前後などではさすがに正規分布で近似できると妥協できなかったからです。
そして、この近似されるべき正規分布は為替レートの性質から考えて対数正規分布を用いられるべきです。
>ドル(ドルで売っているアメリカ製品)が沢山欲しい人の均衡価格は1ドル=105円、円(円で売っている日本製品)が沢山欲しい人の均衡価格は1ドル=113円なのだと思います。105に近づくか113に近づくかは日本とアメリカの資産力によって決まるのでしょう。
この話にはひどく曖昧さが含まれているように思います。
ドル円レートは結局いくらであるべきなのでしょうか?
10%の確率で1ドル=50円、90%で1ドル=120円になる場合の現在の為替レートを計算するのはすみません私には少し難しいようです。
ですが、50%の確率で1ドル=200円、50%の確率で1ドル=50円になる場合の現在の為替レートはわかります。
おそらくgoottttさんはこのように考えるでしょう。
円をほしい人から見れば
0.5 * 200 + 0.5 * 50 = 125円
ドルをほしい人から見れば
1/(0.5 * 1/200 + 0.5 * 1/50) = 80円
になると。
二つの取るべき値が出ていることのパラドックスについて、
「125に近づくか80に近づくかは日本とアメリカの資産力によって決まるのでしょう」
とひどくあいまいな表現でごまかすのですか?
「個性のない為替レート」が前提ですからこの説明は論理的でないでしょう。
125円と80円の対数平均である100円となるべきではないですか?
私にはこの考えの方があいまいさがなく論理的なものであると感じられます。
>10%の確率で1ドル=50円になり、90%の確率で1ドル=120円になる時、1ドルを113円で売買した場合、円基準の日本人換算では10%の確率で63円損して、90%の確率で7円得するわけです。
>しかし、ドルを基準に考えるアメリカ人の目から見れば1ドル=50円の時の1円の価値と、1ドル=120円の時の1円の価値では雲泥の差があります。ですからアメリカ人の目から見れば、損をする時は1ドル=50円の時の割高な円を損している事になり、得をする時は1ドル=120円の割安な円を得ているだけに見えるわけです
No15でRHODIA11が述べていますが、おそらくこれがパラドックスの原因でしょう。
このことを考えると貨幣の絶対的価値は?とか、為替市場での期待値とはなんなのか?とか
ひどく混乱してしまいます。
うまく表現できないのですが、このあたりことを詳しく説明していただけないでしょうか?
No.17
- 回答日時:
総論として、理論は現実に基づいているから正しいのです。
別のところで生まれた理論を全く別の状況に持ち出して無理やり当てはめても、その理論がその状況でも正しい事が担保されていなければ、その理論は全く意味がありません。
質問者さんは少々知識に振り回されている気がします。
・ランダムウォークと効率的市場
ランダムウォークの理論と効率的市場の理論は別の概念なのですから併用はできません。
効率的市場とは『理論的』な市場です。
理論的概念である効率的市場を前提とする時に更にランダムウォークを持ち出すならば、まず効率的市場でいかなる場合もランダムウォークすることをまず証明してください(例外が一つでもある時点で例えランダムウォークが矛盾を作り出しても、その一つの例外がガス抜きとして矛盾を全て解消してしまうでしょう)。
私はランダムウォークこそ誤差に過ぎないと思います。
市場がランダムウォーク的になるのは市場が均衡しているからです。
均衡とは売り手と買い手が同じ水準に達している状態です。
したがって、理論上は、『均衡価格から動かない』のと同じ事です、何故なら均衡価格の下では『需給は完全に一致している』からです。
ただ実際には、買い手と売り手の『需給がちょいちょいずれる』ので『価格(レート)も小刻みに動いている』だけの話です。
・相場が動く意味
ちなみに変動相場においては、質問者さんが例外と断じた
>イギリスでほぼ利上げがあるだろうという状況での指標発表直前ではポン円レートは90%で+1円、10%で-10円というようないびつな確率分布になるはずです。
↑こういう時に起こる。
為替レートの推移(経済力の変動に基づく為替レートの自動調整)こそが大切なのであり、均衡時のランダムウォークはただの待機期間であり、ただの誤差に過ぎないと思います。
また為替レートの調整は利上げのような大々的な要因だけで動くのではなく、日本のトヨタやアメリカのMSなどの主要企業の決算内容や経営計画、または日経平均のような株価指標、雇用統計などの指標及び指標が発表される前の裏情報などの小さな要因によって日々調整されているのです。
このような調整要因を全て例外と無視するならば確かに均衡が永遠に続くでしょうし、それなら固定相場(変動0)でも問題ありません。
ちなみに経済指標や決算内容によって為替が小刻みに動く事は、為替の変動要因を分散化させ急激な変動を和らげているという効果があります。
なのでそれらを全て無視して為替が決められている場合、ある日急激な為替変動が起こる事になり、それは経済の不確実性を高める事になるので好ましくありません。
このように日突然ドカンとレートを動かす嵌めになるのを回避する為に変動相場が生まれたのです。
・貨幣価値の正当性
日本人にとってドルは基本的には商品に過ぎないのだから、取引に際してはその商品の価値が『買った時と比べて』どれだけ振幅するかを考える筈です。
ちなみに、効率的市場において確立を50%:50%に固定するならば、貨幣の価値はマイナスにならない以上2倍以上にならないのは当然です。何故ならば効率的市場においてリスクに限りがあり(-100%)でリスク以上の上げ幅(+100%以上)があるならば、その分は価格に織り込まれている筈だからです。
逆に、いち早く情報を掴み織り込まれる前の価格で買う事ができたのであれば、期待値は0より高くなるのも当然です。
まあ私の意見が正しい時は質問者さんの意見が間違っているということですが、もし私の意見が間違っていたとしても、それは質問者さんの意見が正しいことにはなりません。
もし自説が正しいというのであれば、まずその事を証明するべきでしょう。
・ドル円レートからみた場合成立理由
0.1 * (1/50 - 1/113) + 0.9 * (1/120 - 1/113) ≠ 0
↑の式が成立しないのは当たり前です。
この式は『最終的にドルを最大化する』為の条件だからです(あと103ではなく113でした、失礼しました)。条件が違えば水準が異なるのも当然でしょう。
ですから、これをそのときのドルを為替相場にしたがって円に両替すれば
0.1 * (1/50 - 1/113)x50 + 0.9 * (1/120 - 1/113)x120 = 0
となります。
ちなみにドルを最大化する為替水準は1ドル≒105円近辺ですね。アメリカの物を沢山買いたい人はこちらの方が有利でしょう。
効率的市場下ではこのように様々な要因が加味された上で為替水準が定まっています。
考えすぎて夜中に目を覚ます嵌めになりましたが、おかげさまで効率的市場の考えを整理する事ができました。
まあこれで分からないというのであればもうお手上げかなとも思いますが…
この回答への補足
まず前提として言っておきたいのですが、
私の中でgoottttさんのオーソリティは非常に高いものです。
話は非常に合理的、理論的です。
確実に私より経済学に詳しく経験もあると思います。
ですが、私は理系で頭でっかちなので、
goottttさんのおっしゃていることを自分が理解できぬまま
受け入れることができません。
どうか気を悪くしないでください。
goottttさんのおっしゃていることを私が完全に理解できていないのでこのような反論をしているのかもしれません。私の言っていることに間違いがあるのなら、どうか理系人間でもわかるように説明していただければ幸いです。
goottttさんと私にランダムウォークへの認識のずれがあるように思います。
goottttさんのおっしゃているランダムウォークは、
おそらく理由がない(指標が発表されていない)のに為替レートが変動するノイズのようなものだと思います。
一方私の認識はこうです。
為替レートは決して理由なく変動したりしません。
為替レートはその為替レートで買う人と売る人全員のコンセンサスです。そのコノセンサスは決して理由なく変動したりしません。
コンセンサスの変動要因としては恐らく無数にあるでしょう。
ポンドが下がるという噂を聞いた。
海外旅行に必要な両替は済ませた。
ブランドショップに行って、ドル高への不信に駆られた。
テクニカルの方法を変えた。
・・・
これらは「金利が上がった」などとは影響力は違いますが、
コンセンサスの変動要因としては並列関係にあるものだとご理解いただけると思います。
「金利が上がった」のはコンセンサスの変動理由になるが、「海外旅行を予定している人の気が変わった」というのがコンセンサスの変動理由にならないというのは多少ナンセンスだと思います。
バタフライ効果に例えると、
為替レートは世界中の全ての蝶の影響を受けます。
そして世界中にはバタフライが無数にいます。「銀行の銀行」もバタフライ、トヨタもバタフライ、統計発表もバタフライ、貿易関係者もバタフライ、父親に海外旅行をせがむ子供もバタフライ、台風もバタフライ、気温もバタフライ
それこそ例えでもなんでもなく実際の蝶でさえもここでいうバタフライとなりうるでしょう。
世界銀行のような大きいバタフライも理由であり、極端に小さいバタフライでさえもノイズではなく理由なのです。
>私はランダムウォークこそ誤差に過ぎないと思います。
ランダムウォークは決して誤差などではありません。大きな理由がないのに為替が変動することを誤差と認識するのはいささか横暴です。この時、為替が変動するのは無数の「小さな理由」よるものです。
極論的に言うと、効率的市場において、
為替レートは市場全体というひとつの絶対なる決定者の価値観によって決定されます。この決定者の価値観は世界中に新たに発生する大小問われない理由によって変動します。今の瞬間に決定者が1ドル100円だろうと思っていたのに次の瞬間には世界中で発生した無数の新たな理由によって1ドル100.0000001円だと考え直すのです。この連続がランダムウォークであり、goottttさんのおっしゃっている誤差の正体です。
ランダムウォークとはランダムに発生する新たな理由による変動のことです。ですので、「金利上昇による変動」も「北京で蝶が羽ばたき、ニュヨークの気温が0.000000001℃下がり、それによりタイに旅行に行こうとする人がたった1人増えたことによる変動」も大きさは違いますが同じランダムウォークなのです。
>理論的概念である効率的市場を前提とする時に更にランダムウォークを持ち出すならば、まず効率的市場でいかなる場合もランダムウォークすることをまず証明してください
効率的市場の定義では、
価格は常に適正価格であり、価格変動は「誰も知らない情報」を織り込むことにより起こるものです。
ここでいう「誰も知らない情報」とはたとえば金利が上がるとか、蝶が羽ばたくとかいうようなことです。このようなことは実際起こるまで誰も知ることはできません(インサイダー取引は効率的市場には存在しないので)。予測不可能です。よってこれらの事象はランダムに発生するといえるでしょう。
ランダムに発生した(予測できない)情報を織り込むことによる変動はランダムウォーク(予測できない動き)と言えます。
よって効率的市場ではいかなる場合でも価格はランダムウォークすると言えます。
最後に後半部分ですが、
10%の確率で50円になり円90%の確率で120円になる状況では
現在のドル円レートは113円なのでしょうか?
それとも105円なのでしょうか?
>効率的市場下ではこのように様々な要因が加味された上で為替水準が定まっています。
どう辻褄を合せようが、期待値によるパラドックスは発生すると思います。
No.16
- 回答日時:
・効率的市場の意味
効率的市場とは、前回記したような様々な要素を加味され上で形成される市場です。
そして、上がる時と下がる時の『期待値』が等しい水準で均衡が形成されるので上がる確率と下がる確率は50%:50%になるとは限りません。
例えば1ドルが10%の確率で50円になり、90%の確率で120円になるなら、1ドルは103円になるでしょう。
現実で言えば、小泉改革が失敗していたら日本の改革は挫折して日本の経済力ひいては円も下がったでしょうが、小泉改革の成功率は50%だったのでしょうか?そんな事はなかったはずです。
このように効率的市場において均衡するのは期待値であり確率は50%50%になりません。(実際は非常に小刻みに値動きをするので多少は均等化されますが、それでも50%:50%にはなりません)
このように様々な要素が加味された上で『均衡する水準』だからこそ効率的合理的なのです。
それらを全て無視して、外から持ち出した上がり幅と下がり幅で固定した場合、その50%50%には全く根拠がありません。
質問者さんは効率的な市場という概念と貨幣価値という概念を別々の考え方を持ち出しているので矛盾が出るのは当然です。
効率的な市場は存在します。効率的な市場とは『期待値が+-0になる水準で均衡する』市場のことなので、50%の確率で50円になり50%の確率で200円になる、ドルは100円にはならないのです。
逆に言えば、50%の確率で50円になり50%の確率で200円になる、ドルが100円で取引される市場は効率的市場とは言いません。
したがって今回の問題はパラドックスというよりも、質問者さんの持ち出したパラメーターがおかしいだけです。
・パラメーターのおかしい部分
>2倍になる確率=1/2なる確率となるべきである。
↑
この考え方がおかしいです。
現在の貨幣の価値を100%だとすると
2倍=200%(x2or+100%)と釣り合う水準が1/2=50%(x0.5or-50%)だということに、3倍=300%(x3or+200%)と釣り合う水準が1/3≒33%(x0.33or-0.77%)だということに、どんな正当性があるのでしょうか?
2倍=200%(+100%)に確立50:50で釣り合う水準が1/2=50%(-50%)であることに正統性はないです。
加算的考えと同じく間違った考え方だと思います。
・もう少しマシなパラメーターを抽出するとしたら
現実的な効率的市場によって生み出される均衡水準に、理論的根源的な貨幣の意味から取り出したパラメーターを、同時併用する事には疑問を感じますが※、どちらかといえば+-X%の方が現実に即しているでしょう。
つまり、50%の確率で1/2=0.5倍(-50%)になるならば、50%の確率で1.5倍(+50%)になるはずだという方がまだ正しいと思います。
したがって
>為替レートB/Aが1/100から
>1/1になるのと1/199になる確率が一緒ということになる。
↑
これを+-X%の理論で説明すると
為替レートB/Aが1/100から
1/10000(-99%)になる確率と199/10000(+99%)になる確率が一緒ということになるということです。
突き詰めていくと、一度には2倍(+100%)以上にできないとか色々問題があるわけで、この考え方もどうかなと思いますが、質問者さんが提示した条件よりは現実に即していると思います。
少なくとも貨幣取引において効率的市場が形成されるときの考え方はこちらの方がより近いと思います。
※
何故なら、『効率的市場においては』貨幣価値は機械的に動くのではなく様々な要因によって動くのですから、貨幣の意味を持ち出して上がり幅下がり幅を決定する意味は薄いと思います。
・効率的市場の概念の使い方
効率的市場において、10%の確立で50円になる事が分かっているドルが現在103円ならば、90%の確率で120円になる筈だ。
なぜならば効率的市場は値上がり時の期待値を織り込んで今のレートに落ち着いている筈だからだ。とこのように考えるべき概念です。
今回の例で言えば、効率的市場において上がる確率と下がる確率が同じならば(50%:50%)、上がり幅と下がり幅は同じ筈だ、なぜならば効率的市場は値上がり時の期待値を織り込んで今のレートに落ち着いている筈だからだ、と考えるべき概念です。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
度重なる親切に感謝します。
>上がる時と下がる時の『期待値』が等しい水準で均衡が形成されるので上がる確率と下がる確率は50%:50%になるとは限りません。
ごもっともです。効率的市場が認識するある為替レートのたとえば1秒後の確率分布は厳密な正規分布にはならないでしょう。
イギリスでほぼ利上げがあるだろうという状況での指標発表直前ではポン円レートは90%で+1円、10%で-10円というようないびつな確率分布になるはずです。
しかしながら、
このような例外を除き、
二項分布が要素数が増大するごとに正規分布に近づいていくように、
為替変動に起因する要素の多さを考えると、
為替レートの変動を正規分布で近似してもいいと
理解してもらえると思います。
>つまり、50%の確率で1/2=0.5倍(-50%)になるならば、50%の確率で1.5倍(+50%)になるはずだという方がまだ正しいと思います。
2倍=1/2倍の正当性 < +50%=-50%の正当性
という意見には賛成しかねます。
>2倍=200%(x2or+100%)と釣り合う水準が1/2=50%(x0.5or-50%)だということに、3倍=300%(x3or+200%)と釣り合う水準が1/3≒33%(x0.33or-0.77%)だということに、どんな正当性があるのでしょうか?
少なくとも-100%=100%という理論よりは正当性はあるでしょう。
どうして、ドル円レート100円が200円と0円になったときに円ドルレート1/100が1/200と1/0になっていることを検討しないのでしょうか。
+1円と-1円の確率が一緒と仮定した場合、
+100円と-100円の確率は一緒(自明)
逆数である円ドルレートでは
1/200と∞の確率が一緒(自明)
このようなことはありえない(自明)
よって、仮定が間違っていると言える。
この背理法のどこに非があるのでしょうか。
私の予想ではgoottttさんが為替レートの変動を見るときに直感的に
+0.01円になる確率と-0.01円になる確率が一緒だと感じるために
このような誤解が生まれたのだと思います。
為替レートは厳密には
+1円(1.01倍)になる確率と-0.990099円(1/1.01倍)になる確率が一緒になるのに、
その差があまりに小さいためにそれが対数的に動いていることに気付かなかったのではないでしょうか。
もし、私の説明に説得力がないというのであれば
対数正規分布 ランダムウォーク
とでもググってもらえれば
私の主張している2倍=1/2倍理論の妥当性が
わかってもらえるのではないでしょうか。
また、上述したすべてのことが間違っていたとしても
goottttさんのおっしゃる
>効率的市場において、10%の確立で50円になる事が分かっているドルが現在103円ならば、90%の確率で120円になる筈だ。‥(1)
という言葉とドル円レート側から見た
効率的市場において、10%の確立で1/50ドルになる事が分かっている円が現在1/103ドルならば、90%の確率で1/120ドルになる筈だ。‥(2)
という言葉が等価であり、
効率的市場なら(1)といえる
(1)なら当然(2)といえる
(2)での期待値は
0.1 * (1/50 - 1/103) + 0.9 * (1/120 - 1/103) ≠ 0
なので効率的市場ではない
というパラドックスがあることに変わりはないと思います。
No.15
- 回答日時:
No.8です。
説明不足でわかりづらかったですね。
> 期待値というものは
> ある事象の起こる確率と
> その事象が起こった場合の結果との積和になると認識しているのですが、
> 掛け算と割り算しかないのでイメージできません。
そうですね。期待値については同じ認識です。
> 50% * 2倍 + 50% * 1/2 = 1.25
今回の期待値計算の「2」と「1/2」という値は「事象が起こった場合の結果」
ではなく、AとBの比率になります。比率を期待値で計算することはできません。
> (2^0.5)*((1/2)^0.5) = 1
No.8で回答した上記の計算式ですが、例えばある通貨が1回目に2倍、2回目に
1/2、3回目に2倍、4回目に2倍になったとします。
この場合、何倍になるかを求める式は以下のようになります。
2*(1/2)*2*2
=2^3*(1/2)^1 【※2が3回、1/2が1回】
=4
今回求めるべき1度の機会で2倍と1/2になる確率が同じ場合、それぞれ0.5回
(整数でないためイメージしづらいですが)と計算し、求める式は
(2^0.5)*((1/2)^0.5) 【※2が0.5回、1/2が0.5回】
= 1
となります。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
>今回の期待値計算の「2」と「1/2」という値は「事象が起こった場合の結果」
>ではなく、AとBの比率になります。比率を期待値で計算することはできません。
たしかにAとBとの価値の比率に対して期待値を求めるのは非常にナンセンスですね。まさにここがパラドックスの原因のような気がします。
しかしながら、
比率に対して期待値を計算することができないのなら、
「比率の変動を期待値の計算式にあてはめることが
パラドックスの原因である。」
と結論づけるべきではないでしょうか?
(2^0.5)*((1/2)^0.5) = 1
という式の右辺の1は一体何なのでしょうか?
仮に期待値であるなら、
期待値を計算することができないと言っておきながら、
ご自分で期待値の計算式を示すというのは不合理ではないでしょうか?
また、上記の式はさておき、RHODIA11が
「比率の変動を期待値の計算式にあてはめることが
パラドックスの原因である。」
と結論づけるのであれば、
「比率の期待値は計算できないから」
という理由ではなく
もう少し直感的にわかりやすいように
ご説明願えないでしょうか?
この質問内容が私の無恥や無理解のために的を射ていなければ、
お許しください。
RHODIA11さんの回答、非常に感謝しております。
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