
○再生誘導研究 教授 山中 伸弥
http://www.med.kyoto-u.ac.jp/J/grad_school/intro …
ここで質問ですが,iPS(induced pluripotent stem)細胞は Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc の4種の遺伝子を導入して作出したようですが,この4種の遺伝子の元々の機能はどんな機能なのでしょうか。ご教示下さい。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
転写因子Oct3/4 (POU domain, class5, transcription factor 1; Pou5f1) はマウスES細胞の未分化能維持に重要な働きをしていることが知られている。つまり未分化ES細胞ではOct3/4の発現量が厳密にコントロールされており、もしその発現が通常量の1.5倍、或は0.5倍に変化するとES細胞は分化を開始する。
http://www.jsdb.jp/kaisai/jsdb2005/programdisp.p …
Sox2はSox (SRY-related HMG box) 遺伝子ファミリーに属し、DNA結合能を持つHMGドメインと転写活性化ドメインから成る転写因子である。マウスにおけるその発現は生殖細胞をはじめ、初期胚での未分化細胞集団である内部細胞塊およびエピブラスト、神経系の幹細胞や前駆細胞にみられ、その機能の未分化性への関与を強く示唆することが知られていた。さらに試験管内での解析から、Sox2は未分化性特異的転写因子であるOct-3/4と協調して様々な下流遺伝子の発現を制御しうることが明らかにされており、生体内での機能解析が望まれていた。
http://www.natureasia.com/japan/cancer/highlight …
Kru ppel様因子4 (KLF4)という転写因子は、さまざまな癌で腫瘍抑制因子として機能するが、乳癌など、それ以外の癌では癌遺伝子として機能する。Daniel PeeperらはNature Cell Biologyに掲載された論文で、腫瘍形成にみるKLF4のJanus様挙動を説明する分子機序をいくつか特定している。
Peeperらはこのほか、KLF4を介するp53の抑制から、乳癌細胞にみるKLF4の発癌へ向けた動きの説明がつくかどうかを検討し、ヒト乳癌細胞系のKLF4を抑制すると、p53が再び発現するようになり、アポトーシスを来すことを突き止めた。このことから、KLF4によるp53 の抑制は、乳癌細胞の生存に重要と思われ、こうした細胞にみるKLF4の発癌作用はこれによって説明できると考えられる。
KLF4は下記でガン抑制の機能もありことが分かりましたが,とても理解できるしろものではないですね。
http://www.bioportal.jp/genome/cgi-bin/gene_homo …
Oct3/4とSox2は未分化能維持に必要だという程度の理解で満足したいと思います。分不相応の質問でした。しかし生体調節のカスケードを研究することは極めて大変なことですね。膨大な絡まった糸をほぐすような作業で… 有り難うございました。
No.3
- 回答日時:
共立出版 蛋白質核酸酵素 2006年12月号に、山中伸弥教授らがマウスiPS細胞を作る際、細胞の初期化因子として最初は24種の遺伝子を候補としていた事や、この4つに絞り込んだ方法などが載っています。
各遺伝子の簡単な解説もありますのでお役に立つかもしれません。大きな図書館には置いてある事もあるようですし、出版社からバックナンバーも手に入ります。1冊1580円なので一つの記事目当てで買うにはちょっと高いですが。
「蛋白質 核酸 酵素」の中のシリーズ物のようですね。レジメを見ていたら,iPS細胞よりも,樹状スパインの異常が精神疾患の原因か?と云った記事の方に惹かれました。樹状スパインはシナプスになるのか否か?この疑問も2年間ほど抱えたままですが…どうも有り難うございました。
No.1
- 回答日時:
全部転写因子だそうです。
つまり、他の遺伝子の発現を制御する遺伝子です。
実際にはこの4種類を導入することで、この遺伝子たちの制御下にある多数の遺伝子が発現し、その結果iPS細胞ができたということですね。
c-Mycはガン関連転写因子のようで,山中教授のマウスの実験では残念ながら腫瘍化するものが多数あるようです。ウィスコンシン大学のトムソン教授は,c-Mycではなく他の二種の転写因子を使用しているようです。Oct3/4、Sox2、Klf4が何に関連した転写因子か知りたかったのですが…有り難うございました。
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