
ジデオキシ法(サンガー法)の古典的な方法では、1本鎖DNA、プライマーとともに加えるdNTP(ddNTPではないです)のうちどれかひとつを放射性同位体で標識する、と教科書に書かれていたのですが、どれかひとつを標識するだけでできた断片が全て検出できるのでしょうか?
例えばdATPを標識した場合でも、もし1本鎖DNAが全くTを含まない配列だった場合、dATPは使われないため標識されないんじゃないかなぁ、なんて思ったのですが…
それは極端だとしても、プライマーの隣りの塩基がTではなかった場合、dATPが使われるのは2個め以降になってしまい、一番小さい断片は検出できないのではないかと疑問になってしまいました。
ご存知の方、ぜひ回答して下さるとうれしいです。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
もう10年以上ラジオアイソトープ標識のシークエンスはしてませんので、うろ覚えです。
>例えばdATPを標識した場合でも、もし1本鎖DNAが全くTを含まない配列だった場合、dATPは使われないため標識
>されないんじゃないかなぁ、なんて思ったのですが…
その通りです。もしTを全く含まない配列があったら、全く標識されません。
>それは極端だとしても、プライマーの隣りの塩基がTではなかった場合、dATPが使われるのは2個め以降になってし
>まい、一番小さい断片は検出できないのではないかと疑問になってしまいました。
プライマーというものがシークエンスのためには必要です。で、 ものはシークエンス用のヴェクターに入っています。
ヴェクターの共通プライマーを最初は使いますが、プライマー近辺の配列は解っているので、そもそもそんな短いもの
を検出する必要がないのです。プライマーウォーキングするときも、知っている既知のシークエンスのぎりぎり端にプラ
イマーを設計することはありません。
どのくらいの長さのものを検出するかは電気泳動の時間で決まります。普通の条件だと、確か見え始めるのは数十く
らいからじゃなかったかな・・・、もう少し短かかったかな? 500くらいまでなんとかよんでましたね。
あ、ありがとうございます!!(>_<)
確かにプライマーが作れるんだったら、そんな短いのを読めなくてもOKですよね…!
教科書に説明はないし、ネットでかなり調べても出てこなかったのでほんとに助かりました。
すごく分かりやすかったです。ありがとうございました!
No.4
- 回答日時:
>プライマーの隣りの塩基がTではなかった場合、dATPが使われるのは2個め以降になってしまい
原理的にはそうなります。しかし、当時はPCR普及以前のことで、シークエンスは読みたい配列をプラスミドにクローニングして、M13 primerなどを使ってマルチクローニングサイトの外側から反応させるのが一般的でした。実際には、伸長開始直後のプラスミド由来の配列に標識が入りますので、必ずしも目的の配列が一塩基目から検出できないということではありませんでした。長い配列を、配列内部のprimerで読み進むときも、既知の配列と十分なオーバーラップを取りますので、最初の数塩基が読めなくても目的は達します。
このように、標識dNTPが伸長反応で取り込まれることによる標識を内部標識(internal labelling)と言いますが、別法としてプライマーの末端を放射性リン酸化して標識する、末端標識(end-labelling)もあります。これなら原理的にプライマーの次の一塩基目から検出できます。内部標識より、よっぽど面倒くさいのでめったにやることではなかったですが。
>1本鎖DNA、プライマーとともに加えるdNTP(ddNTPではないです)のうちどれかひとつを放射性同位体で標識する、
ふつうはdCTPに標識したものを使います。比活性を調整するためにcold(非標識)のdCTPと混合する場合もあります。放射性dNTPは安全性の上でも経済的にも多量に使うわけに行かないので、反応時の濃度を薄めにせざるをえません。dCTPはほかのdNTPより低い濃度でもポリメラーゼの基質となりえるので、標識dCTPを使うのがいいのです。
おぉぉ、そうなんですか…!
プライマー近辺は読めなくても問題ないように、色々と考えられてるんですね。
末端標識は面倒くさいんですね(笑)確かに内部標識なら、ラベルされたものを入れるだけだから楽そうですね~(笑)
dCTPのこともすごく参考になりました!回答ありがとうございました☆
No.1
- 回答日時:
サンガー法は4種類をddNTPごとに4回行います
例えばTATGCTACとすると
ddATPを入れた時
A
ATA
ATACGA
ATACGATG
と4つの断片が生じます
次にddTTP
AT
ATACGAT
ATACGATG
と3つの断片が生じます
ddCTP ddGTPそれぞれに行い電気泳動をおこなれば
A
AT
ATA
ATAC
ATACG
ATACGA
ATACGAT
ATACGATG
と大きさ順に並ぶはずです
これによって塩基配列が決定されます
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