私は東京都内の某私立音大を管楽器で卒業しています。
先日、アマチュアとして声楽をやっている人(素人)と
呼吸法の話になり、「?」なことが出てきたのでこちらに書き込みます。
専門家からの意見をお待ちしております。
管楽器のブレス(息継ぎ)では、
基本的には(循環呼吸などの例外的な場合をのぞいて)
口から息を吸います。口から吐きます。
そのとき鼻から息がもれることはありません。
#当たり前ですが鼻から息がもれていれば、
#息の圧力が一定にならず、安定しません。
ところがその方は、
声楽では「鼻からも息を吸う」「余った息は鼻から出す」
「歌っている途中でも鼻から息がもれているかもしれない」
「息を吸ってわずかに時間をあけて、圧力を高めてから歌い始める」
と話すのです。
私が大学時代に勉強してきた管楽器のことや、
副科で履修した声楽実習の内容から考えれば、
・鼻からブレスする
→風邪をひいていたらどうするんだ?と思いますし、
体調で奏法を変えるわけがない。
・余った息を鼻からだす
→口から出す方が効率がよく、雑音もでないと思う
・息を流し込んでいる(この場合は声が出ている)状態で
鼻から息がもれる
→息の流れが安定せず、声が不安定になるのでは?
・息を吸ってわずかに時間をあけて、圧力を高めてから歌い始める
→ブレス後に不必要な時間をあけるのは、音楽の流れが乱れると思う。
息の圧力を高めるには、一秒以下の短い時間しかかからないと思う。
というのは奏法上、問題があるように感じるのですが、
実際はどうなのでしょうか?
音楽大学で声楽を専攻なさっていた方、
その他専門家の皆様からの意見をお待ちしております。
よろしくお願いいたします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
2.3は解決したようなので1.4を中心に。
・鼻からブレスする
かつて一線の声楽家に習った時そう教わりましたし、今その重要性は良く分り、人にもそう教えています。
声楽家はほとんどそう言いますし、発声の専門書でもほぼそう書かれています。むしろ「なるべく鼻だけで」という人も居ます。
理由は口だけで息を吸うと吐く時も同じ流れになりやすいからです。
口腔の奥を脱力して自然に呼吸するとそうなります(両方で)。
ちなみに2の方と同じく、息が余るという感覚は常にありません。必要じゃない量の息は吸うなと教わりました。
それから鼻から息は漏れません。もれると言うより鼻の方に「流れる」という感覚です。
発声で「息がもれる」と言うのは往々にして良くない表現です(しかしこれは言葉の表現の問題ですね)。
・「息を吸ってわずかに時間をあけて、圧力を高めてから歌い始める」
この感覚も分らないではありません。しかしちょっと理解しにくい表現と言う気もします。圧力とは腹圧のことでしょうか?
lc-aさんのおっしゃるアインザッツの重要性は私もオケで演奏(vln)することもあるので良く理解出来ます。
アインザッツとブレスは同じようでもあり、違うようでもあり、という気がします。
バイオリニストが弓を構える事がありますよね。
連続したフレーズでダウンとアップの合間にいちいち弓を止めてたら、おっしゃる通り音楽の流れが乱れると思う。
しかし音を出す前に事前に構えておく場合も実際ありますよね、そしてそのあとアインザッツも意識する。
きっとそういう意味ではないでしょうか?
1の方のおっしゃる通り、曲のテンポ等によってブレスのタイミングや長さはいろいろ変わってくるかと思います。
合唱の経験はありませんがアカペラコーラスをした事あるので想像はつきますが、話に聞くと合唱とソロではかなり教え方が違うようですよ。
実際ポップスではブレスをかなり意識して鋭く音も立ててします。コーラスではもちろんタイミングもぴしッと合わせます。
声楽家に教えられた事で面白いと思ったのは『ブレスはするな(音をたてるな)、話すように歌え』です。
もちろんブレスの重要性をさんざん説かれたあとの話です。
この回答への補足
>口だけで息を吸うと吐く時も同じ流れになりやすいからです。
鼻かブレスをすると喉の奥が脱力するというのはわかるのですが、
↑同じ流れになるのがまずいということなのでしょうか?
また、管楽器ではトレーニングによって喉を脱力し、
口からのブレスするように教えますが、声楽では
「喉を脱力するために」ブレスの方法が管楽器と違うというのは
非常に興味深く感じました。そういうものなのですね。
>圧力とは腹圧のことでしょうか?
曖昧な表現かもしれませんが、腹筋や背筋、
横隔膜などの状態によって作り出される、息の圧力 のことです。
>話に聞くと合唱とソロではかなり教え方が違うようですよ。
このへんが管楽器奏者が理解しにくいところなんでしょうね。
・レベル別に呼吸法が変わる(奏法が奏者の水準によって変わる)
・ソロプレイヤーと合唱では、奏法が異なる
というのは、管楽器ではあり得ないことですから。
>『ブレスはするな(音をたてるな)、話すように歌え』
そうなんです、私もこれをいわれたことがあって「?」となりました。
著名な声楽家のセンセイのレッスンだったのですが、
レチタティーボで言われたのではなく、アリアの入りでコレを言われました。
(いわゆるイタリア歌曲のレッスンです)
たくさんの方からの熱いコメントを拝見して、
音楽といえども、文化の違いがあることを再認識しています。
ありがとうございます。
No.6
- 回答日時:
No3です。
再び失礼します。この質問の経過が面白くて、見ています。
私の回答に対する補足読みました。
「鼻から息をすう」練習についてですが、これは私が大学へ通っていた当時
友人のレッスン内容で耳にしたことです。
私の先生はこのような方法を使うことはありませんでしたが、
何でも息を深く吸う感覚を覚える為の方法だそうで、
ウォーミングアップに使っていたようです。
実際に歌うときの呼吸方法としては使用していなかったようです。
思い出しましたのでコメントさせていただきました
この回答への補足
コメントありがとうございます。
自分も音大にいっていた人間だけによく思うのですが・・・
プロの人や音大生が当たり前に使っている、「正しい奏法」
というのは、アマチュアにとっては意外と
ブラックボックス化されていると思います。
たくさんの本があったり、たくさんの先生がいたりしますが、
本当の意味で、「今現在の」奏法を教えてくれる先生は
少ないのではないのでしょうか。
#管楽器の奏法は時代によって変わっていっています。
#でも数十年前の常識を今の常識としてレッスンする先生が
#多いことも事実です。
一流の先生に師事してはじめて気づくことというのが、
たくさんあったように思います。(私の師匠はNHK交響楽団首席です)
それだけにこの呼吸法に関する話というのは、
私にとっては、とても興味深い内容です。
>何でも息を深く吸う感覚を覚える為の方法だそうで、
>ウォーミングアップに使っていたようです。
↑となると、大変納得出来ます。
ウォーミングアップとして、喉の奥を開く練習として
(開くというのは、言葉が悪いですね。リラックスという意味です)
鼻から息を吸うというのは納得出来ます。
プロの声楽家の方、
現役音大生(国立・武蔵野・東京音大・芸大・洗足あたりの)の方、
読んでいたらコメントいただけると幸いです。(笑)
No.5
- 回答日時:
■体調が悪い場合の時の発声について
オペラの場合には演目によって、ソプラノとかテノールの聞かせ所があります。
その聞かせ所の音程が出せるか出せないかが体調のいい/悪いに影響されると聞いたことがあります。
特に、歌の場合は自分の出る最高音は体調により微妙に変わってしまいます。
自分が聞いたのは、体調が悪い時には、例えばオーケストラ全体の音を半音下げて演奏すると言う事です。 最高音が例え半音であっても低くなるかならないかで歌を歌う人への負担は全然違ってくるのでいざと言う時には大きな解決策になると思います。
発声の仕方自体を普通の発声と変える事はないと思います。
というか、正しい発声方法は決まっているので、風邪用の発声というのは聞いた事がありません。
鼻の中に塩水を入れて洗うと言う話は聞いた事があります。
後は、発生練習の中で声の調子を整えて行く事でしょうか。
決められた発声練習を行なう事により、声の調子をベストの状態に近づける事は可能だと思います。
この回答への補足
コメントありがとうございます。
>特に、歌の場合は自分の出る最高音は体調により微妙に変わってしまいます。
管楽器もまったくこういうことがないとはいえませんが、
やはり楽器に比べて歌というのは、「生もの」だなということを
痛感いたします。
逆に当日にトランスしなさいと言われてしまうオケが
かわいそうに感じました。(笑)
自分がそっち側の人間だけになおさらです。(^-^;
合奏楽器なのかソロ楽器なのかという特性があるように
声楽というのは、ここまでくると合奏楽器というより
ソロ楽器的な要素を強く感じます。
ただ、合唱などの場合は調子が悪いことを理由に
当日になってキーを変えることはしないでしょうから、
あくまでもオペラの話なのだと思いますが。
No.4
- 回答日時:
ベルカント唱法を習っているので自分の感じたことを話して見ます。
但し、理論的な事は何も習っていません。
■そのとき鼻から息がもれることはありません。
自分の感じでは、鼻から出る息は歌の響きを作っている大事な要素になっていると思います。
歌の場合は、人の体全体が声を響かせる楽器になっていて、特に高音を響かせるのが鼻の奥のあたりになるように思います。
その為、高音になればなるほど鼻から息が出るようになると思います。
■風邪をひいていたらどうするんだ
風邪をひいたら、歌は歌えないと思います。
自分は、歌のレッスンは休みにします。
プロの声楽家は、風邪をひかないように体調を整えるのが大事な仕事なのではないでしょうか?
(ずっと先の公演のスケジュールが決まっていているのですから)
■息を吸ってわずかに時間をあけて、圧力を高めてから歌い始める
自分の場合は、「いきなり声にしちゃダメ」と言われた事と同じ事だと思います。
息の出始めは声にしないで少し遅れてから声にします。
先生が説明の為に、歌ってくれたのですが、わずかに時間が空いた方が確かにいいと感じました。
これは、不必要な時間をあけているのでは無く、最低限の響きが補償されるまでは声にしてはいけないと言う事ではないでしょうか。
音楽の流れを考えるならば、その時間も考慮して流れを作って行くのではないでしょうか。自分の感じでは、息の流れの上に歌を乗せて行くような感じがあります。
この回答への補足
コメントありがとうございます。
発音する音や音域によって、やはり鼻から息がもれることは
あるのですね。また圧力を高めることがこれほど
一般的な奏法だということに驚かされました。
#管楽器では息の流れをとめて圧力を高めるのは
#あまり上手じゃない中学生がやるくらいです。
>風邪をひいたら、歌は歌えないと思います。
私の場合は、音大時代に40度熱を出しても
「体調管理が出来ていないのはプロ意識の欠落」ということで、
ステージにあがりましたので、「歌は歌えない」「演奏は出来ない」と
言い切れません。といいますか、プロとかセミプロという立場や
音大生のようにギャラをもらって演奏する立場の人は、
それでは許されないという認識をもっていると思います。
本番に向けて体調管理を行い、風邪をひかないようにするのは
確かにこれも演奏家としての実力だと思うのですが、
それでも人間ですから完璧ではなく、何らかの事情で風邪を
ひいてしまうことがあると思います。
そんなときに、「演奏は出来ない」と断れないのが現状では
ないかと思うのです。
それで、風邪をひいたときを想定してその場合は
どのようにブレスをとり、どのような奏法で演奏するかが
気になりました。今現在、皆様からよせられているコメントを読むと
鼻からブレスを行うのは一般的なことのようなので、
やはり風邪をひいたときは、「奏法を変えて」というのが
一般的な見解なんでしょうか?
No.2
- 回答日時:
こんにちは私の思い当たる事で書きましたので、
間違っているかもしれませんが参考になればと思います。
「鼻からブレスをする」これは練習時に使いますね
深く息を吸うことが目的で感覚を覚えるために使用したと思います
「余った息を鼻からだす」演奏中の場合、息は余りません
次のブレスまでに必ず使い切ります
でないと適切な表現ができずに、“省エネ”と言われてしまいます
「息を流し込んでいる(この場合は声が出ている)状態で
鼻から息がもれる」これはすみませんがよく分からないです
「息を吸ってわずかに時間をあけて、圧力を高めてから歌い始める」
>ブレス後に不必要な時間をあけるのは、音楽の流れが乱れると思う。
>息の圧力を高めるには、一秒以下の短い時間しかかからないと思う。
これは私も同意見です。わずかに時間をあけてというのはどんな感じでしょうか?
体や心の動きが止まっていなければ大丈夫なのでは。
その動きが止まってしまえば、質問者さんの言われるとおり
音楽の流れが乱れるに当たると思います。
いかがでしょうか?
この回答への補足
コメントありがとうございます。
>深く息を吸うことが目的で感覚を覚えるために使用したと思います
つまり中学校や高校の頃、部活動などで練習を行う際には
使っていた方法ということでしょうか?
そうなるとプロの声楽家は使わない方法なのですか?
>次のブレスまでに必ず使い切ります
これは管楽器の奏法でも↑の通りです。
大変納得出来ました。
#特殊な場合、休符のときに息を出すこともありますが
#一つのパッセージで息を使い切るようにします。
>わずかに時間をあけてというのはどんな感じでしょうか?
おそらく声を出す準備を整えることが出来ない学生相手に
(準備というのは腹筋や背筋、横隔膜、のどの状態など)
準備をさせるために、ブレス後に数秒のインターバルを
あけてから声をだすような指導だと思うのですが、
それ以前に音楽の流れ(特に感じているテンポ)が
乱れるように感じます。
管楽器では中学生などに指導を行う場合でも、
「音を出す準備」のために間をあけなさい という
指導ではなく、自然な息の流れをつかって演奏することや、
短時間に演奏に必要な肉体条件(筋肉、のどの状態、唇の状態など)を
作ることが出来るように指導を行います。
それだけに今回の「時間をあける」というのは
とても不自然に感じました。
皆様からのコメントお待ちしております。
No.1
- 回答日時:
声楽家ではないので自信無しとしておきます、すいません。
1、声楽では「鼻からも息を吸う」
小中学校で歌を教えるときにも口と鼻の両方から息を吸うように教えてい
ると思います。教師によってこの指導をしない人もいるかもしれませんが。
口を開けて息を吸うとき、意識的に喉の奥の上をふさいで鼻からの息を止
めなければ自然に鼻からも息がある程度入ってきますから、この方が自然
なのです。口だけよりも沢山息がすえますし。
2、「余った息は鼻から出す」
これも、口を開けて息を出すとき意識的に鼻から出る息を止めなければあ
る程度鼻からも出ますが、この方が自然です。
3、「歌っている途中でも鼻から息がもれているかもしれない」
これは、言葉の発音と関わります。例えば「なにぬねの」と発音するとき
鼻から息が出ないように発音すると、変な言葉に聞こえます。「まみむ
めも」でも、鼻から息が漏れないように発音するのは困難です。
鼻からもある程度息が漏れている方が自然です。
また、鼻の空気の流れを止めると声の響きがなくなってきます。
4、「息を吸ってわずかに時間をあけて、圧力を高めてから歌い始める」
これは、曲のテンポと曲の出だしの強さによってブレスと声を出すタイミ
ングがいろいろ変わってくるかと思います。
参考になりましたでしょうか。
この回答への補足
コメントありがとうございます。
>小中学校で歌を教えるときにも
>口と鼻の両方から息を吸うように教えていると思います。
鼻からも息を吸うというのは、その方が
中学校時代にお世話になったセンセイの教えらしいです。
↑で納得しました。ただ気になるのは、このセンセイというのは
音楽大学の出身者ではなくて、教育大系の大学の出身者で
いわゆる「プロ」の指導者にレッスンを受けてきた方ではありません。
管楽器のレッスンで考えれば、中学生・高校生だから
呼吸法を変えてレッスンを行うことはまずあり得ないのですが、
声楽(または合唱)の世界では、呼吸法はレベル別に
違うということなのでしょうか?
気になっているのは、オペラハウスなどで活躍するプロの声楽家や
職業として歌を歌っている人が「鼻から息を吸っているか」ということです。
ご存じのことがありましたら、お教えください。
2、「余った息は鼻から出す」
3、「歌っている途中でも鼻から息がもれているかもしれない」
これについては大変納得出来るコメントでした。
ありがとうございました。
>4、「息を吸ってわずかに時間をあけて、圧力を高めてから歌い始める」>これは、曲のテンポと曲の出だしの強さによって
>ブレスと声を出すタイミングがいろいろ変わってくるかと思います。
管楽器的にいうとブレスのタイミングは4/4の場合で、
1拍目から入る場合は、前の小節の4拍目に、
曲のテンポで吸います。
オーケストラなどの場合は、この吸うタイミングが
アインザッツとなり、正確なタイミングで入れるようになります。
>曲のテンポと曲の出だしの強さ
によって、吸った後の処理が(すぐに声をだすか、時間をあけるか)
変わるということは合唱などで他者とあわせる場合、
バラバラになる可能性があると思うのですが、
いかがでしょうか?
(指揮者をみてあわせる というのだけでは、オケの場合不十分です)
(↑プロオケではこれだけでタイミングをあわせているわけでは
決してありません)
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