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最近、芸術とは何かを調べていくうちに
想像界・象徴界・現実界 /シニフィエ・シニフィアン
これらの言葉に当たったのですが、いまいち意味がわかりません。

私たちが毎日寝て食べて法律を守り毎日を繰り返す「現実」とは別に、芸術作品を見ると何か目に見えない感情とか魂とか真理の世界から降りてきたように感じる事がありますが、これが「想像界」でしょうか?
心理学用語だという事はわかってますが芸術だとこれらの言葉は
何に当て嵌まるのでしょうか?

「血」というキーワードで
赤い、舐めると苦いなどの物理的説明がシニフィエで
そこから連想する、殺人、残酷、情念などがシニフィアンで在ってますか?

A 回答 (8件)

象徴界・想像界・現実界と並べ、左から右方向にシニフィエ性よりもシニフィアン性が高くなっていくとして、相対的に見るのがよいです。

人間言語で設けた制度的な様態から、本能的な様態へ移る、とも言えます。
その制度的な様態を芸術は揺り動かしますが、そのときにある様態を表現するのに、想像界という精神分析用語をアナロジックに流用しているのです。


私たちが毎日寝て食べて法律を守り毎日を繰り返す「現実」をこの場合には意味していません。


言語学から見ると:
血という言葉のシニフィアンは、その文字や、そのチという音です。
所記は、動物の体内を流れる赤い、舐めると苦い液体、というような一般的な意味です

一般に即さない精神分析はこれを変形して:
シニフィエを壊乱し、一方、(いまや想像的となった)シニフィアンとしては、主体に固有の(「現実」からの制約のない)飛翔想像的な風景やそれに伴う主体側の反応、つまり:殺人、残酷、情念、を充てています。

芸術にはこの飛翔想像的な側面が重要だという意識が、精神分析用語を用いる芸術関連業界人にはあります。
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芸術とはなにかということにからめて…



回答者の皆様が回答されている意味内容はこのような概念でしょうか。最近よく耳にするアハ体験で説明してみます。

上下二つの画面の違うところを見つけなさいというクイズ、はじめはまったく同じ画像に見えていたものが、あるとき明らかに異なっている箇所に気づくことがあります。

はじめから違っていたのにも関わらず 気づくのはずいぶん後になってからで、はじめからなぜ気がつかないのかなんて不思議に思います。

人は現実の世界を丸ごとそのまま認識していません。
このときの(完全には認識されていない部分を含めて<未分節>の)現実の世界を「現実界」というのに対して、一人ひとりがその感受性の感度にしたがって感受している世界像のことを「想像界」ということ。

想像界は人によっても違いますし現実の世界と同値ではありません。

さて象徴界の説明をしてみます。

人間のような音声言語を持たない動物が知覚する世界像(想像界)と人間のそれとは言語の有無によって絶対的に分離されます。
動物は、匂い、温度、色、音、触感、経験の記憶などにより世界を知覚していると考えられます。
このときの「匂い」「温度」「色」「触感」「記憶」など世界を知覚(分節)するための記号(判断材料または価値基準)を「象徴界」といってよいのではないでしょうか。

すると動物は、匂い、色、音など(象徴界)を道具建てにして、<未分節>の現実世界(現実界)を分節(価値判断)し、その世界像(想像界)を形作っているといえます。

人間は、さらに「言語」を道具立てにして世界(現実界)を知覚(分節)し、その世界像(想像界)を一人ひとりが形作ります。

「言語」記号が取り扱うのは「意味」そのものです。
そのため、「言語」は最後に加わった記号(ツール、道具といってもいいと思います)でありながら、匂いや温度や色や音や触感など他のすべての記号が表出する生物的(物理的)価値世界そのものの「意味」を記号化または象徴化できる唯一の記号です。

「言葉」だけがものごとの「意味」を指し示す(象徴する)ことが出来る記号です。

さて、意味について考えて見ます。

最初のアハ体験の例で見たとおり、はじめの段階では二つの画像はまったく同じものとして認識されていました。ところがある時を境に二つの画像は違っていると認識されます。

はじめから二つの画像は違っていたのに、人間の認識する世界像は同じ人間であっても時間によっても異なる世界像を認識することがあるという現象が起こっているわけです。

あるいは世界(想像界)は人間の感受性の移り変わりによって変化するということがいえるのではないでしょうか。

芸術に絡めていえば、新たな美意識の発現のその現場では何が起こっているのか、ということに深く関わってくることのように思われます。

芸術家の持つ世界像(想像界)のその場所で、価値や意味が移り変わることにより、世界像(想像界)そのものも少しずつずれていき、新しい世界像(想像界)や価値世界を創造したり発見したりしているといいていいのではないでしょうか。

芸術とは何かということでちょっと書きなぐってみました。

シニフィアンとシニフィエも同様に新たな「意味」「価値」の創出の現場に深く関わる言葉として使われているように思われます。
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肝心なのは、それらの語句を、著者がどう使っているか。


ラカンやソシュールは芸術の理解自体にはまったく不必要であり、
芸術においてそれらの通念があるのではなく、本の著者が、それらを使って特別に訴えたい主張があるわけだから、
このような掲示板で、ラカンやソシュールの語の用法を定理か何かのように求めようとしても、
お読みの本の著者がそれらをどのような意味で使っているのかはわからない。

2の方の述べているとおり、
ご質問の語句は、政治社会変革的な野心に満ちた精神分析家が用いた用語と、記号学の基礎的な用語です。
精神分析批評といって、作品をとおして画家の無意識を暴いてみたり、作家自身も気づかないような作品の分析・意味付けをおこなう場合があります。
また、画布にかかれた表象を記号として、記号にされたものの内実が何であるかを分析する場合もあります。
研究者や批評家がそうしたやりかたを流儀にしているとき、精神分析用語や記号学用語を概念の道具として使い、主張に説得力を持たせようというものです。
または、これらの用語の概念をてがかりに、作品分析の独自の着想を展開するというものです。

想像界は、人が自我を持つ前段階にあり、母子関係ついで父の介入をとおして、得られる世界の「像」のありよう。
象徴界は、言語・表象によって世界を「代替」する構築のありよう。
現実界は、像としても、言語や表象でもっても、触れられない、現実という何物かのありよう。

絵画の画面、色でも構成でも線でも筆致でもよいですが、なんらか認められるものから、
画家のマザコン、ファザコン、精神病あるいはプロパガンダなどを読み解く、というそぶりになるでしょうかね。
語句の、まったく著者の恣意的な用い方であり、「概念装置」として使われた、外から移植された語であることをよく理解して、
ラカンの用語について本当に知りたいと思うなら、ご自分で図書館に足を運び、お調べにならなくてはなりません。
また、
芸術作品を論じてシニフィアン、シニフィエを援用するということでは、
たとえばサイ・トゥオンブリのようないたずら書きめいた筆の痕跡と白い画布が、
目に痕跡として見える何かとなっている、その、何か がシニフィアンであり、
ではトゥオンブリは画布に何を描き留めたのか、その、何を がシニフィエの部分となるでしょうかね。

ともかく、芸術についての良い書物はたくさんありますから、自分の心にストンとくる書物から勉強することを勧めます。
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こんにちは。



> 「血」というキーワードで
> 赤い、舐めると苦いなどの物理的説明がシニフィエで
> そこから連想する、殺人、残酷、情念などがシニフィアンで在ってますか?

まちがっています。
この部分を拝見して、筒井康隆の『文学部只野教授』の「猫問題」を思い出してしまいました。

こういうまちがいかたをしてしまうのは、ソシュールの思想全体から、例のあの葉っぱのようなモデルだけをとりだして、葉っぱの上の部分を「シニフィアン」、下の部分を「シニフィエ」といった理解をしているからかと思います。

すでにこれに関しては、先の方の回答や、リンク先のwikipediaを参照されればよいと思うのですが、ご質問の「血」をシニフィアン/シニフィエに分離することは、ほとんど意味がないように思います。

わたしたちの日常では「血」という文字を見ても、たとえ「t∫i」という音声を聞くだけであっても、そこにはかならずシニフィエがくっついてきているのですから。
わたしたちの日常で、純粋なシニフィアンというのは、あまりお目にかかることはありません。

ですが、

Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch

ということばは、わたしたちの多くにとって(実はスペリングがむずかしすぎて、かえって有名な英単語なんですが)、これはシニフィエから分離した純粋なシニフィアンと言えます。

新しいことばを学ぶとき、というのは、たいていまずシニフィアンを学んで、そこからシニフィエを理解していきます。そういうふうに考えれば、この「シニフィアン/シニフィエ」ということばも、「現実界・象徴界・想像界」などということばも、最初は純粋なシニフィアンとしてわたしたちの前に現れてきた、ともいえるでしょう。

質問者さんがどうして「芸術とはなにか」を調べていて、こうした単語に行き当たったのかはよくわからないのですが、こうした単語を図式的に理解しても、あまり芸術に対する理解は深まっていかないかなあ、というような気がします。

わたしはラカンはまだちゃんと読んだことがなくて、いくつかの概説書を読んだことがあるだけですが、心理学の分野ではともかく、やはり現代思想にとって、きわめて重要な思想家であることはまちがいないと思います。ただ、ラカンの思想がどんなものか少しでも理解できるようになるためには、もうちょっと知識の蓄積が必要かな、と思います。

まず入門書として、岩波から出ているキャサリン・ベルジーの『ポスト構造主義』をおすすめします。この本、「これ一冊でわかる」シリーズの一冊なんですが、これ一冊などでは全然わからない(笑)、それでも、これをガイドに、たぶん、ですが、バルトくらいまでなら、なんとか読めるようになるのではないかと思います。ソシュールから始まって、ポスト構造主義の流れに沿って、ラカンも含めてわかりやすく概説されています。少なくとも「知恵蔵」の用語解説よりは(ここ、笑うところです)、理解が深まるのではないでしょうか。
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簡単ですよ、芸術というのは表出してますからそれが現実、象徴、想像の概念が現れてきていて、評論=シニフィエとシニフィアン


という話だと思います。
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ANo.1です。



推敲中に送信を押してしまい
ちょっと説明が足りない部分やわかりにくい部分があるようなので
補足します。

> 上記の例で言えば「犬」が「現実界」に属しますが
> 犬というのは我々の認識に過ぎませんね。
上記の例で言えば「犬」が「現実界」に属しますが
「犬」を見て犬だと認識した途端に「想像界」に属してしまいます。
果たして「現実界の犬」と「想像界の犬」は同じでしょうか?
(と書くつもりでありました。)

私たちの思考は言語でなされる以上「言語に縛られ」ます。
即ち「言語の範囲内でしか思考は出来ない」のではないでしょうか?
同様に我々が何かを見て認識・理解するというのも
「言語に縛られる」「言語の範囲内でしか理解は出来ない」のではないでしょうか?
記号論はそういう大疑問を発生させました。

例えばコチラのサイト(http://plaza.rakuten.co.jp/ksyuumei/diary/200711 …
こんなことが書いてあったので引用します。

++++++++++++++++++++++++++++

「適者生存」ということを語るとき、(中略)「適者」の概念が
もしも「生き残ったもの」というものであれば
「適者が生き残る」という「適者生存」の法則はトートロジー(同語反復)になる。

  「適者」が生き残る(「適者」=「生き残ったもの」を代入)
       ↓
  「生き残ったもの」が生き残る
       ↓
  観察の対象が「生き残ったもの」 ならば それは「生き残ったもの」である

+++++++++++++++++++++++++++++

例えば・・・よく「美の本質とは何でしょう?」みたいな質問が
この哲学カテゴリーでは頻出しますが
これって回答できると思いますか?って話だと思います。
(何か、哲学って、難しくて最近嫌いです・・・)

> 芸術作品を見ると何か目に見えない感情とか魂とか真理の世界から
> 降りてきたように感じる事がありますが
この「魂」とか「真理の世界」という言葉や概念は
非常に「曲者だ」と思って頂けたでしょうか?

芸術においては非常に大事な問題だと私は思います。
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精神分析家ジャック・ラカンの用語ですね。


これらは心理学用語ではありません。
想像界/象徴界/現実界は精神分析用語,それもラカン独自の用語です。
またシニフィエ/シニフィアンは本来,言語学の用語です。

ラカンがもてあそぶ!諸概念を十全に理解するには
フロイトの精神分析やソシュールの構造言語学についての理解を必要としますので,
このような場所で解説するのは相当無理があります。
ただ質問者さんの理解が間違っていることは断言していいと思います。

近代言語学の祖ソシュールによって導入され
ラカンも愛用するシニフィエ/シニフィアンの概念は,
もう一組のものに比べれば理解しやすいはずです。
シニフィエ(signifie,最後のeにアクサンテギュ)/シニフィアン(signifiant)は
フランス語の「意味する」(signifier)という動詞の過去分詞/現在分詞であり,
それぞれ「意味されるもの」と「意味するもの」を表わしています。
よって,ざっくり言ってしまうと,
シニフィエは「記号の意味」,シニフィアンは「記号そのもの」ということです。

言語学は本来,音声言語を研究対象とするものですから,
たとえば日本語で「血」を表わす言語記号は
「動物の体内を流れ酸素や栄養を運ぶ赤い液体」という意味(記号内容=所記=シニフィエ)と
/t∫i/という音声(記号表現=能記=シニフィアン)が「恣意的に」結びついたものと説明されます。
これを拡大解釈して,「血」や「blood」といった文字や
諸外国の国旗に用いられる「赤色」のような象徴表現をシニフィアンに含めることもあります。
これらのシニフィエは共通です。

とここまで書いて,確認のためにウィキペディアを見たら
正確でわかりやすい解説がありました。
参考になさってください。

■ウィキペディア日本語版/シニフィアンとシニフィエ
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%BD%E8%A8%98

ラカン独自の概念である想像界/象徴界/現実界については
ややこし過ぎて私には説明し切れません。
下記にコンパクトな解説がありますので,
理解の突破口になさってください。

■みんなの知恵蔵/想像界
 http://chiezou.jp/word/%E6%83%B3%E5%83%8F%E7%95%8C

ウェブ上にはラカンに関する数多の解説がありますが,
それらは往々にして誤解をはらんでいます。
そもそも誤解されるような書き方しかできないのが悪いわけですが。

まあ,かつて僚友と見なされた文化人類学者クロード・レヴィ=ストロースをして
「ラカンはワカラン」と言わしめ(ここ,笑うところです),
理論物理学者のアラン・ソーカルやジャン・ブリクモンにインチキ数学乱用を指摘されたラカンです。
半可通が真似して振り回すのはケガのもとです。
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専門的に勉強した者ではございませんので


つっこんだ解説はできませんが
●想像界・象徴界・現実界
これは精神分析家のジャック・ラカンが唱えた「三界」というヤツですね。
ざっくりいうと
想像界・・・これはイメージの世界。頭の中の世界。
現実界・・・これはリアルの世界。モノの世界。
      イメージの世界と対立する現実の世界だと考えて下さい。
象徴界・・・これはシンボルの世界。主に言葉の世界です。

●シニフィエ・シニフィアン
これは哲学者で言語学者のフェルディナン・ド・ソシュールが唱えた
後の記号論のベースとなる概念です。
シニフィエ・・・記号内容。たとえば「犬」という記号(文字)を見て
        あなたの頭の中に浮かぶ概念・イメージを指します。
シニフィアン・・記号表現。
        例えば「犬」なら犬という記号(文字)そもののこと。
        ならびに「いぬ」という音声(読み)。

シニフィエというのは、ニア・イコール「想像界」です。
シニフィアンというのは、ニア・イコール「象徴界」です。
上記の例で言えば「犬」が「現実界」に属しますが
犬というのは我々の認識に過ぎませんね。
犬というシニフィアンがなかったらどうなるでしょう?
動物、と呼びますか?
でも、犬といっても柴犬もいれば、シベリアンハスキーもいます。
柴犬とシベリアンハスキーは違います。
でも、柴犬とシベリアンハスキー、それぞれのシニフィアンがなかったらどうなるでしょう?
さらに、柴犬といっても、我が家の「シロ」と隣の「タロウ」は違います。
でも、今なら柴犬を見た子供は全ての柴犬に対して
「ソフトバンクのお父さん」と呼ぶかも知れません。
でも、我々が犬を「犬」と呼んだり「柴犬」と呼んだり「ソフトバンクのお父さん」と呼ぶのは
私たちが犬とよぶ対象の本体にとってはどうでもイイ話、というか
犬は犬とするのは人間たちの勝手なルールで、犬には関係ないことです。
しかも犬を「犬」と呼ぶのは日本人であって、アメリカ人は「dog」と呼ぶし。
英語を知らない日本人の子供に「dog」と言っても何のことだか分かりませんし。
この辺りのネタで芸術につながるのはコレが有名ですね。
http://imagecache2.allposters.com/images/pic/tel …
http://www21.ocn.ne.jp/~curio/economic/magritte. …

私たちの頭の中(想像界)というのは
学習して言語(象徴界)によって構築・形成されていきます。
ですから、散々頭の中で考えても、現実そのもの(現実界)を
あるがままに捉えることは出来ないんじゃないの?
という論理が展開されたわけです。
じゃあ、今までの哲学は何だったの?みたいな騒ぎが起こったわけです。
そして、哲学はデコンストラクション(脱構築)へと向かうわけです。
http://www.ne.jp/asahi/ymgs/hon/column_folder/co …
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