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とある本に「人間は気力が漲ると眼が輝いたり、肌がツヤツヤしたり、見た目が美しくなることが医学的に証明されている」というような内容が載っていました。こうしたことに医学的な根拠はあるのでしょうか?ネットで調べても見つからなかったので此方で質問させて頂きました。もし知ってる方がいたら、宜しく御願いします。

A 回答 (1件)

こんにちは。



>こうしたことに医学的な根拠はあるのでしょうか?

少なくとも、この本の場合は全くないと考えて良いと思います。
それが医学的に証明されているということでありますならば、何か理由が書かれていなければなりません。通常、学術的な書籍であるならば、その客観的根拠として学説の要約や出展の所在などが必要に応じて明らかにされているはずです。最後のページに一覧表という場合もあります。
もちろん、一般解説書でしたら全てがこの規則に従わなければ出版できないということはないです。
ですが、そもそもこのようなことは
「医学的に証明されるべき性質の内容ではありません」
です。
ですから、にも拘わらずこの本はちゃんとした理由も示さずに投げっ放しなのですから、はっきり言って信用できないです。これでは宗教団体が信者の介入で「これは科学的に証明されています」、などと触れ回るのと本質的に違いはありません。

人は心身が健康であれば覇気として映り、不健康であったり悩み事を抱えていたりしますならば美しさが翳ります。これは何時の時代でも当たり前のことですから、改めて確認する必要はないですよね。
では、現在では、我々の身体反応といいますのは、
「何故このような二種類の結果に分かれるのか」
といったことまでが生理学的に説明されています。

「精神的な刺激」といいますのは我々の脳内の「大脳辺縁系」というところに「情動反応」を発生させます。この情動反応は運動・自律といった末梢神経系を介して我々の身体広域に伝えられ、神経伝達物質は上向して中枢系や知覚系の覚醒状態を亢進させます。
「情動反応―視床下部―自律神経系」
「情動反応―視床下部―ホルモン分泌」
「情動反応―即座核―運動神経系」
「情動反応―神経伝達物質―中枢神経系」
「情動反応―副腎髄質―末梢神経系」
精神的な影響が身体に表出される経路といいますのはほとんどがこの何れかであり、全ての出発点は大脳辺縁系の情動反応です。
この結果、我々の身体には、
「生理状態」
「意識や気分」
「ホルモンの分泌」
などといった様々な変化が現れるわけですが、このように大脳辺縁系に発生した情動反応によって身体に表出される反応や行動をひと纏めにして「情動性身体反応」といいます。
これが「二種類」に分かれるのは、
情動反応といいますのは、
「報酬反応(快情動)」
「嫌悪反応(不快情動)」
このどちらかに判定を下すからです。
この結果が末梢神経を介して身体の生理状態を変化させるため、
我々の心身といいますのは、
「やる気・幸福状態」と
「不安・ストレス状態」
この何れかにすっぱりと分かれることになります。
現在、生理学的に解明されているのはここまでです。では、この結果に対して「美しい・美しくない」といいますのは、これは後天的価値観に基づく「外的評価」に当たりますので、この先は医学で論ずるべき性質の問題ではありません。
従いまして、その本がこのような科学的事実を客観的に扱っているとしますならば、それが医学的に証明されたなどといった無責任な説明は通常書かない、というのが果たして一般常識ということになると思います。

とは言いましても、やはり美しさを保つには健康が何より、これは間違いありませんよね。
目の輝きや表情、あるいは言葉遣い、このようなものは「情動行動」として自然に外に現れるものですから、やる気のあるひとというのは一目で分かります。これに対しまして、血色の良さや肌荒れの原因といいますのは「情動性自律反応」と関係します。下手をしますと「抜け毛」なんてのは精神的な「自律系失調」です。
女性は恋をすると美しくなるといいます。これはホルモン分泌など関係するかも知れませんが、髪形を変えたり新しい洋服を買ったりなど、ルンルン気分といいますのは幸福感による接近行動を実現させ、笑顔も増えます。それが健康状態であるかどうかは断言できませんが、失恋をするよりは遥かに快調なのではないかと思います。
このような女性は誰から見ても生き生きしています。ですが、これを続けているからといって、それ以上美しくなるかどうかは保証の限りではないです。
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