
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
#1です。回答をお読み頂き、ありがとうございます。
>その後,自分でも調べたのですが,小脳が平衡感覚の中枢であり,そこで,変換された筋肉への指令を中脳が制御しているという理解で正しいでしょうかね!?
これは逆様だと考えて下さい。
中脳の処理した感覚情報を小脳が運動命令に使っています。
まず、平衡感覚は小脳の「重要な機能の一つ」ではありますが、一般的には小脳といいますのは「運動補正と運動学習の中枢」です。
姿勢反射や眼球運動など、中脳にも色々な運動出力はあります。ですが、中脳の主な働きといいますならば、それは運動命令ではなく「運動に係わる感覚情報の処理」です。
小脳は大脳皮質から下された運動命令に対し、「現在の状況」と「過去の学習結果」に対応した補正命令を算出します。これにより、我々の身体は木目の細かい正確な運動をスムースに行うことができます。
小脳がこのような作業を行うためには、身体内外からの様々な感覚情報がリアルタイムで処理されなければなりません。そして、この感覚情報の多くは中脳を通して入力されています。ですから、小脳は中脳から入力された感覚情報を基に「平衡感覚と一致する答えを算出し」、それを「実際の姿勢制御(運動補正)」に使っているということになります。
>もし,可能でしたらパーキンソン病での姿勢反射ができないということももう少し詳しく教えていただけると嬉しいです。
パーキンソン病にはあまり詳しくないのですが、「姿勢反射」といいますのは身体の体勢を整えるためのものであり、中脳以外にも脊髄や延髄などに幾つもの機能があります。調べ直しましたら、このうちパーキンソン病の症状として現れるのは「立ち直り反射」というものだそうです。この立ち直り反射といいますのは赤ちゃんのときから現れるものであり、「視覚」、及び筋肉や関節といった「内臓感覚の乱れ」に対して発生します。
パーキンソン病の原因は「中脳・黒質DA含有核」から「線条体」へ投射されるDA(ドーパミン)の分泌が不足することによります。「線条体」からの出力は大脳皮質・運動野に上行しており、この「黒質・線条体路」といいますのは機能的には「大脳基底核群」に分類され、小脳と同様に運動機能を補正する役割を担っています。
我々の脳内で大脳皮質の運動命令を補正するこの「小脳」と「大脳基底核」は、一次運動野から脊髄運動核に連絡される「皮質脊髄路(皮質錐体路)」の途中に位置します。
ここでは小脳と大脳基底核は
「別々の並列回路」
「一次運動野へ信号を返却するループ回路」
という念入りな構造になっています。
つまり、一次運動野からの命令は小脳と大脳基底核の両方を同時に通過し、そこを出たあと、今度は各運動神経に送られるだけではなく、細かい補正情報としてもう一度一次運動野に送り返されています。この「並列・ループ回路(皮質錐体外路)」により、運動命令は細かく協調されています。
中脳からは、この運動補正に係わる感覚情報が入力されています。そして、中脳・黒質からのDA(ドーパミン)の投射は姿勢制御を行うための「立ち直り反射」を正しく発生させる役割を担っているということになります。
ここで#2さんが回答して下さいました「フィードフォワード制御」に就いて幾つかの補足させて頂きます。
この「立ち直り反射」といいますのは姿勢制御においては「フィードバック制御」に当たります。これに対しまして、中脳には結果に対して反応するフィードバックではなく、事前に正しい姿勢を予測する「フィードフォワード制御」という機能があります。
このフィードフォワードが、
「パーキンソン病によって阻害されるかどうか」
「大脳基底核だけではなく、小脳にも連絡されているのか」
この二つにはちょっと調べが付きませんでした。
ですが、小脳がこれに対して「平衡感覚との答え合わせ」を行いませんと、それを運動姿勢のフィードフォワード予測として用いることはできないはずですから、少なくとも中脳のフィードフォワード情報は小脳でも利用されていると考えて差し支えないと思います。このため、小脳は中脳からのフィードフォワード情報を使うことによってどのくらいの姿勢ならば大丈夫だといった予測を行うことができます。そして、思わずそれ以上になってしまいますと、今度は「立ち直り反射」が発生し、「おっとっと!」となります。
小脳といいますのは自らが学習・保持する「過去の学習結果(熟練運動記憶)」と答え合わせをすることによって細かい運動の補正を行っています。従いまして、フィードフォワード制御を用いるならば、必ずやその答え合わせのための学習結果が必要となります。ですが、フィードバック制御による立ち直りといいますのは誰にでも発生する「生得的な反射」ですから、これには学習を行う必要はないです。赤ちゃんでもできます。
従いまして、「中脳の情報」と「小脳の平衡感覚」、この二つに答え合わせが成されることによって行われる姿勢制御は「学習行動(熟練運動)」であるのに対しまして、中脳のフィードバック制御による「立ち直り反射」といいますのは、これは読んで字の通り「本能行動(無条件反射)」ということになります。
再びご回答いただきありがとうございます。
大変詳しく解説して頂き感謝しております。
助かりました。
今までずっと曖昧だったことがすっきりしました。
本当にありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
脳については脳足りん(正確には大脳足りん)でよく知りませんが…。
姿勢制御については,中脳と小脳がご質問のように並列で記載されていることが多いのが現実と思います。しかし,中脳の姿勢制御は,フィードバック制御が中心の反射によるもので先天的なものと思います。一方小脳の姿勢制御は,フィードフォワード制御による随意運動中の姿勢制御で当然学習が必要です。むろんその結果はフィードバックされることと思いますが…
私は,運動神経のない人は小脳のフィードフォワード制御が上手く働かない人の事だと何十年もそのような理解をしています。間違っているかも知れませんが,お調べになる際の参考になりましたなら…
No.1
- 回答日時:
こんにちは。
前庭小脳が損傷すると「平衡障害」が発生する。
パーキンソン病になると「姿勢反射」が阻害される。
このような傷害事例から、
「前庭小脳は平衡制御を司る中枢である」
「中脳線条体路は姿勢反射を司る連絡路である」
と考えられています。
前庭小脳に障害が発生しますと細かい運動制御ができなくなり、「酔歩」や「震え」といった症状が現れます。パーキンソン病では「姿勢反射」が起こせませんので、いざというときに身体を立て直すことができません。
中脳が司っているのは「姿勢反射」です。ですが、身体全体の運動や姿勢といいますのは、これは中脳・小脳を合わせた運動機能によってコントロールされるものです。
「平衡感覚」といいますのは半規管や視覚、聴覚などといった感覚器官の情報を基に作られるものです。小脳が行っていますのは、この平衡感覚を運動命令に変換するという作業です。ですから、前庭小脳が損傷しますと平衡感覚を用いた運動ができなくなってしまいます。
回答どうもありがとうございます。
大変参考になりました。
その後,自分でも調べたのですが,小脳が平衡感覚の中枢であり,
そこで,変換された筋肉への指令を中脳が制御しているという理解で正しいでしょうかね!?
もし,可能でしたらパーキンソン病での姿勢反射ができないということももう少し詳しく教えていただけると嬉しいです。
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