A 回答 (9件)
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No.9
- 回答日時:
眼が必要無い環境で眼を持つことはエネルギーのコストがかかるからだと考えられていますが,それだけではないかもしれないという話もあります。
洞窟に住む魚の話ですが,そのような魚は顎が他の魚より発達している傾向にあるようです。その魚のhh(ヘッジホッグ)遺伝子の活性が高まると目の形成が抑制されるそうです。そしてこのhh遺伝子は顎の形成促進にも関わっていることがわかり,顎の発達という方向に自然選択が働いた結果,眼を消失させる方向に働いた可能性もあるようです。
詳しくは,岩波書店の「行動・生態の進化」などを読まれるといいかと思います。
ちなみに,獲得形質は遺伝しないので,眼を使う機会が無いので眼が退化し,それが子供に遺伝して・・・ということはありません。
No.8
- 回答日時:
No.5のJagar39です。
「退化した」ということは、深海魚が深海に生息域を移動していったのは、生物が「目」というものを持ってから、ということになりますよね。
深海は暗黒、高水圧というだけでなく低温、低酸素環境でもありますし、何よりエサが少ない(他に生物が極端に少ないから当然ですが)ので、そこで生存するためには視覚や耐水圧といった形質だけでなく、かなり複雑な進化を果たさないと適応できないでしょう。
多くの深海魚が発光をします。
発光はチョウチンアンコウが有名ですが、これはエサとなる生物を誘引するためです。ですが、深海魚の発光の多くはもっとシンプルに「エサを照らすため」なのだそうです。ま、深海魚のエサの多くは生きた生物とは限らず、浅海の生物の死骸や排泄物が深海まで降ってきたモノですから、「誘引」という発光の使い方がマイナーなものであることは理解できます。
「照らす」用途、ということは、深海魚は決して視覚を捨てているわけではない、ということですよね。
ただ、このような用途では対象の輪郭や焦点にはあまりシビアではなく、光点を的確に捉えることができればOKというわけです。光点の認識だけならプランクトンでもそのような細胞を持っているモノがいますが、補食や他の同種個体とのコミュニケーションにも使用するとなれば、空間認識能力はかなり良くないと降りでしょうし。
しかも遠くまで見る必要はあまりありません。なぜなら深海はエサも少なく低酸素環境ですから、どう転んでも活発な遊泳は不可能だから。
というわけで、「不用器官の退化」というよりは、「一度進化した目が、深海への用途に特化して一度得た機能を捨てながら進化した」という捉え方の方がしっくりきます。
比較的浅い200-1000mほどの深度にいる深海魚(深海魚の定義は一応200m以下の層に生息する魚類、ということです)は、僅かな自然光を利用するため、かなり大きな眼球や管状の目を持っているモノもいるそうです。これも進化した目、でしょう。
結局、開いているニッチ(生態的地位)を求めて他の生物が支配していない深海に生息域を移動していった魚が、徐々に深海に適応した形質を身に付けながらさらに深海に進出していった、という物語が想像できますね。
浅海に住む深海魚には、エサは浅層に獲りに行くなど、深海と浅海を行き来するものも多いそうです。最初に深海にニッチを求めて進出していった深海魚もそうだったのでしょう。だとすれば、目は完全な他の浅海に生息する魚類と同等のものを持っていないと、生存上不利な気がします。深海への進出が進むに連れて目は不要、というか深海への生存に特化した目に"退化"していったのでしょうけど。
視力が弱くて浅海では他種との生存競争に不利だった種が、浅海生物の死骸や排泄物が積もる深海にニッチを求めて進出していった、という物語も浮かびます。
耐水圧や低酸素への適応形質というのは、深海に進出しながら徐々に獲得していったのでしょう。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E6%B5%B7% …
No.7
- 回答日時:
深海魚の目が本当に退化したのでしょうか。
もし、仮に深海魚は目が見えないと仮定すると、
1つの可能性として
他の目の見える生物から逃げた結果かもしれません。
光の届く場所では不利ですが、光の届かない場所では有利でも不利でもないのですから、目が見えなくなったら光の届かないところに逃げればいいんです。
結果、逃げてきた生物達が定住?して今の深海生物になったのではないでしょうか。
まあ、仮に深海魚の目が見えないとした場合のことですが。
No.6
- 回答日時:
素人の想像ですが、現在の深海魚は視覚に対応している脳の部分が別の働きをしている可能性があるのではないかと思います。
深海魚に限らず限られた脳細胞数で生きていくためには役に立たない部分を温存すればどうしても生きにくくなると思います。もともと深海魚の祖先は余り視覚を使うのが得意でなかったかもしれないと思います。逆に水圧が高くても生きていけるような能力の方は優れていたのではないでしょうか。No.5
- 回答日時:
質問者さんがどのような本を何冊くらい読んで、このような疑問を持ったのかによって回答の仕方が異なるのですが、とりあえず「獲得形質」という言葉に一抹の不安を抱きながらも、回答してみます。
別に「不要なモノは淘汰される」のではありません。生存上不利になる形質は淘汰される運命にありますが、不要でも不利にならなければ淘汰圧は受けないでしょう。
暗闇で目があれば不利、というわけではないでしょう。どんな暗闇でも光量がゼロ、ということはまずありませんから、目の性能が向上する、という方向の進化も可能性としてないわけではありません。
ただ、極端に感度の良い目を使うためには、かなり莫大なランニングコストがかかりそうですから、その方向への進化は却って生存上不利になったのかも知れません。
進化論で「退化」という言葉は別に死語ではありません。
現代の進化論の基盤となっている集団遺伝学では、適応的であろうがなかろうが遺伝子の変異を「進化」と言っているだけです。解剖学的には紛れもなく「退化」という言葉は生きています。なので「目が退化する方向に進化した」という言い方をします。
暗闇では目はほとんど使えませんから、視力に関する遺伝子に変異が起きて視力が"退化"しても、それは生存上不利な形質にはなりません。完全な目を持っている個体も視力に問題がある個体も、どちらも同じように見えないわけですから、どちらにとっても有利でも不利でもないわけです。
このような状態では、「目を退化させる方向の突然変異」が起きても、それは淘汰圧を受けません。ですからその個体が他の形質で適応的であれば、生き延びて子孫を増やすことになります。
つまり陸上では「不利な突然変異」となる変異が暗闇の環境下では「有利でも不利でもない突然変異」になるわけです。
ところで突然変異というのは、そのほとんどがネガティブなものです。突然変異のほとんどは有利でも不利でもない、というのが中立説ですが、ここでは詳細は省略します。
目を構成する遺伝子が仮に10あったとして、そのうちの1つが突然変異によって機能しなくなったとします。陸上生物であればこれは「適応的でない変異」として自然淘汰されるでしょうが、深海では別に不利ではありませんから淘汰も選抜もされません。従ってこの遺伝子は生き残って子孫を増やします。
しばらく経って、また別の1つが突然変異によって機能しなくなったとします。これでこの個体は2つの遺伝子が機能しなくなったわけですが、やはり淘汰には関係ありません。
こうやっていつの日か、10個の遺伝子の内9個くらいは機能しなくなり、目としては完全に退化した状態、になるわけです。
もちろん目の機能が向上する変異も、陸上生物と同じ確率で起きているはずなのですが、この遺伝子も有利でも不利でもないので淘汰も選抜もされません。
で、「有利な変異」と「不利な変異」では、「不利な変異」の方が確率的に圧倒的に起きやすいのです。
なので確率的にはほとんど確実に「使わない器官は退化する」ことになるわけです。
「不要である」というだけで淘汰を受けることはありません。「不利である」モノだけが淘汰されるのです。
まあそもそも進化の過程を「淘汰」で説明すること自体が少し古い考え方です。進化の原動力は自然淘汰すなわち「淘汰」ではなく、自然選択すなわち「選択」の方ですから。
ま、有利な形質を持った個体を「選択」するのと、不利な形質を持った個体を「淘汰」するのは、少なくとも人為選択である育種では結果的に同じ行為ですが、自然の中では少し違います。
不利な形質を持った個体も「淘汰」されるわけではなく(よほど決定的な不利な変異を起こした個体はともかく)、ちゃんと生き延びて子孫を残します。それは自然界を見ても一目瞭然です。
ただ、「有利な形質」を持った個体と「不利な形質」を持った個体では、その有利さに応じた分だけ前者が「有利」なため、子孫を数多く残せるわけです。それが十分な世代を重ねると有利な形質がその集団の中で支配的に増えているわけです。「淘汰」はあくまで結果に過ぎません。
育種の場合は、「選択」と「淘汰」を同時に意図してやっているので、最初に「自然淘汰」という言葉が違和感なく定着したのだと思いますが、自然界での「淘汰」はあくまで「選択」の結果です。
不利な形質を持った個体でも、他に有利な形質を持った個体がいなければ淘汰されませんし、有利な形質を持った個体でも、他にもっと有利な形質を持った個体がいれば結果的に「淘汰」されてしまいます。
余談のようでしたが、つまり先ほどの言葉を正しく言い換えると、
「有利な形質を持つモノだけが選択されるのです」
となるわけです。
つまり不要なモノ(有利でも不利でもない形質)を持つ個体は、選択されませんが、その個体群の中で目だけが異なるのであれば、その個体群に選択されるべき有利な形質を持つ個体はいないことになりますから、どの個体にも(不要なモノを持つ個体にも)選択圧はかかりません。選択がなければ、その結果である淘汰もないことになります。
要するに、「不要なモノを持っているだけで淘汰を受けることはない」ということです。
ま、目が退化することによって目の維持に消費されていたコストを他に回すことができるわけですから、有利な形質を持つ個体が出現しやすくなるかも知れませんけど。
さて、ここまで「獲得形質」という言葉は出てきませんでしたが・・
説明、必要でしょうか?
No.4
- 回答日時:
こんにちは。
「目のある魚」は「生存競争」によって淘汰されます。
視覚を必要としない暗闇の世界で目は不要です。
今現在、進化論では「退化」という言葉は死語となっています。環境に適応して生き延びるためには、いらないものは排除する必要があります。ならば、それは目が退化したのではなく、「目を使わない魚に進化した」と解釈されなければなりません。従いまして、目のない魚が環境において適応放散するならば、目のある魚は生存競争によって淘汰される、ということになります。
No.3
- 回答日時:
明るいところなら目が見えないと生存に不利なので淘汰されますが、目があっても役に立たない暗い所なら目が見えないことは不利になりません。
また、遺伝子は一定の確率で変異します。したがって生存に有利でも不利でも無い変異は時間とともに蓄積されます。その結果目を構成する遺伝子が失われたと考えられます。
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