
民法第46条に次のようにあります。
第四十六条 法人の設立の登記において登記すべき事項は、次のとおりとする。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在場所
四 設立の許可の年月日
五 存立時期を定めたときは、その時期
六 資産の総額
七 出資の方法を定めたときは、その方法
八 理事の氏名及び住所
2 前項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、その他の事務所の所在地においては三週間以内に、変更の登記をしなければならない。この場合において、それぞれ登記前にあっては、その変更をもって第三者に対抗することができない。
この末尾の「登記前にあっては、その変更をもって第三者に対抗することができない。」の部分の意味が分からないのですが、これは次の(1)の意味でしょうか。そうでないなら、どんな意味でしょうか。
(1)
変更後に登記をした内容だけが、法律上は、変更内容であるとされる。したがって、もし、A氏が変更しただけで登記をしなかった場合で、かつB氏が変更したとして登記をした場合は、法律上は、B氏が登記した内容だけが変更内容であるとされる。またもし、A氏が変更しただけで登記をしなかった場合で、かつB氏が変更はなされていないと主張した場合は、法律上は、変更はなされていないとされる。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ANo.1の方に補充します。
民法46条は,民法改正のため本年12月1日までに廃止されることから,同趣旨の規定である会社法908条1項により説明します。
民法46条1項や会社法908条1項は,民法177条等と同じく公示の原則の規定です。
すなわち,「実体的な法律関係の変動が実際になされても」,その公示たる登記をしなければ,第三者との関係では効力がないということです。
実際になされていない法律関係の変動が登記によって第三者に対する効力を生じる(公信主義)というものではありません。
ところで,民法における財産の二重譲渡の場合と異なり,社団法人や会社法においては「A氏が変更しただけで登記をしなかった場合で、かつB氏が変更したとして登記をした場合」といった事例はほとんど生じません。
つまり,会社法で登記すべき事例は,911条3項に列記されていますが,たとえば「商号」(同項2号)は定款記載事項(会社法27条2号)であるため,その変更は株主総会の特別決議を要し(会社法466条,309条2項11号),や取締役の氏名(取締役の任免)は株主総会決議事項(会社法329条1項・339条1項)であるように,実体関係の変動が二重に起こりうるというものはほとんどありません。
社団法人においても登記事項は理事会決議事項とされているでしょうから,理事会で決議されていない事項を二重に登記することは無意味なはずです。
そこで,実体法的に実在する(つまり,社団法人内部・会社内部・当事者間においては実在する)法律関係について,登記がなければ第三者との関係では実質的に無効であるし,逆に登記があれば,原則として第三者に対抗できる(例外は会社法354条等)ことになります。
【会社法】
http://law.e-gov.go.jp/announce/H17HO086.html
No.1
- 回答日時:
理解の方向性がちょっと違っているように思われます。
「変更を第三者に対抗できない」というのは、変更についての登記をしていない場合は、変更のことを知らない人に対して、「変更した」ということを主張できない、ということです。
法人の登記というのは、誰でも役所に行けば見ることのできる公的な書類です。したがって、こういった公開された登記の内容を見て、その内容を信じた人を保護するという目的で、「第三者に対抗できない」としているのです。たとえば理事の氏名について、もう退任した人が理事としてそのまま登記に残っていたとして、その登記をみてその人がまだ理事だと信じて行動した人に対して、法人は「その人はもう退任して理事ではありません」とは主張できない、ということです。
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