プロが教えるわが家の防犯対策術!

韓国旅行に行ってきました。

2万円分(1万x2)のトラベラーズチェックを銀行で韓国WONに両替したところ
手数料、金利、小切手郵送料などの経費がかかりました。
下記の通りです。

T/Cの方が現金よりも有利なレートと言われていますが、
手数料の割合が高いと思うので、現金のほうが有利な気がします。

日本円の現金を韓国WONに両替した場合と比べて
本当にT/Cは有利でしょうか?

できたら、現金ではどれくらいの費用負担になりますか?
%でも分かると良いのですが。

IBK BANK 
手数料      5,000 WON
金利9日分    308  WON

合計           5,308 WON 
両替にかかった費用の割合 2.1% 


KB BANK
手数料     10,000 WON
金利9日分     163 WON
小切手郵便料   1.500 WON

合計          10.663 WON 
両替にかかった費用の割合 3.9%

A 回答 (1件)

 韓国で韓国ウォンに両替される場合、資金を日本円建てトラベラーズチェック(以下TC)で持ち込むことにレート・手数料面でのメリットはありません。

日本円現金から両替すれば十分です。

 両替のレートがどのように決まるかから説明いたします。銀行はその日の気分で適当に両替のレートを決めているのではなく、外国為替市場における銀行間レートを参照しながら売りレート・買いレートを決定しています。
 銀行間レートとは外国為替市場において文字通り金融機関間の取引に使われるレートで、新聞やテレビが「今日の東京外国為替市場、終値は1ドル=97円10銭でした」と報じているレートは断りのない限りこの「銀行間レート」です。一般の顧客はこのレートでの取引きはできず、売るにしても買うにしても必ずいくらかの手数料を支払います。
 銀行間レートは常時変動しているので、取引きの都度銀行レートを参照するのでは窓口での処理が煩雑になります。そこで各銀行は「銀行間レート」に代えて「公示仲値」というものを定め、一日を通してそのレートを取引きの基準に用います(*1)。公示仲値は各金融機関が独自に定めますので必ずしも横一線ではありませんが、金融機関間の差は0.1%か大きくても0.2%といった程度です。また世界の為替市場の銀行間レートは連動しており、日本の金融機関と韓国の金融機関で公示仲値が大きく食い違うこともありません。
 実際の両替レートや送金レートは、公示仲値に一定のマージンを上乗せすることで機械的に計算されます。マージンの名目は為替手数料や外貨現金取扱手数料、TC取扱手数料、処理期間分金利、郵送料などさまざまですが、とにかくその合計が少ない方が有利な両替法であることは自明です。上乗せ分合計は両替する国や銀行によって異なり、それが最終的な両替レートの違いに反映されます。例えば「韓国ウォンへの両替は日本でなく韓国で行った方が有利」というのは、公示仲値の違いに起因するのでなく手数料の違いに起因するということです。

 実際に韓国でのレートを見てみましょう。参考ページ[1-3]は韓国・IBK銀行[1]のレート表で、[2]が送金レート(Remit)、[3]が現金両替レート(Cash)、[4]がTCレート(T/C)です。例えば11月14日の17:37の数字は以下の通りです。
 送金レート: 100円→1429.66ウォン 1457.08ウォン→100円
 現金両替レート: 100円→1418.12ウォン 1468.62ウォン→100円
 TCレート: 100円→1429.66ウォン 1460.69ウォン→100円
表には"Buying", "Selling"とあり、日本円→韓国ウォンの両替がどちらに該当するのか一瞬戸惑いますが、これらの主語は常に金融機関側です。つまり"Buying"とは「金融機関が日本円を買い上げるレート」ですので、日本円→韓国ウォンの両替はこの"Buying"を見ればよいわけです。
 公示仲値は記されていませんが、送金レートの"Buying", "Selling"を足して2で割れば公示仲値を推定できます。この日の数字ですと(1429.66+1457.08)÷2=1443.37ですので、これを公示仲値と考えることにします。
 現金のBuyingは100円→1418.12ウォンですので、公示仲値からは(1443.37-1418.12)÷1443.37=0.01749...で1.75%の目減りがあると分かります(*2)。一方TCは(1443.37-1429.66)÷1443.37=0.00949...で目減りは0.95%と見積もられます。確かにレート自体はTCの方がよいのですがその差は1%以下ですので、日本でTCを購入する際のTC発行手数料(1%)だけで消し飛んでしまうと分かります。おっしゃるようなTC取扱手数料、処理期間分金利、郵送料などの換金時の手数料が加わると、現金より不利になることは明らかです(*3,4)。念のため計算しますと
 現金2万円: 20,000×14.1812=283,624ウォンの手取り(*5)
 TC2万円: 20,000×14.2966-5,000-308=280,624ウォンの手取り
ということになります。さらに厳密に言えばTC2万円は発行手数料1%を払っていますので、その分を加味すると正味の2万円に対する手取りは280,624÷1.01=277,845ウォンということになります。
 TCにメリットがあるとしたら、長期滞在などで多額の資金が必要な場合くらいでしょう。申し上げるまでもなく現金は盗難や紛失に無力なので、多少レートが悪くとも安全性重視でTCにする選択はありでしょう。

 「TCの方が現金より有利なレート」には例外が多く、一般的原則とは必ずしも言えないです。一例として以下を挙げておきます。
・TCの方がレートが良いが、手数料を取られて結局不利
台湾、香港、タイ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなど
・TCの方がレートが悪い
シンガポールなど
・最初から日本で現金を用意して行った方がよい(現地のTC換金手数料が高い)
ユーロ圏

【まとめ】
 韓国ではレート自体はTCの方が現金より良いのですが、その差は1%以下なのでTC発行手数料(1%)だけで消し飛んでしまいます。よほど多額の資金でない限り、日本円現金を持ち込んで両替する方法で十分でしょう。

参考ページ
[1] http://english.ibk.co.kr/en/home.html
[2] http://english.ibk.co.kr/en/include/f_trans01.html
[3] http://english.ibk.co.kr/en/include/f_exch01.html
[4] http://english.ibk.co.kr/en/include/f_paper01.html

*1 1日に数回改定を行う金融機関もあります。
*2 私がこれまで調査した限りでは、空港内の両替所は現金売りレートと現金買いレートの差が6%程度あります。片道では3%ということになり市中支店より1%強大きめです。
*3 2005年に釜山・金海空港の釜山銀行でTCを両替した際は、レートに含まれる分以外の手数料は徴収されませんでした。
*4 韓国における日本円現金の両替では、レートに含まれる分以外の手数料を徴収されたことは過去にありません。仮にその種の手数料を徴収し始めたとしても、TCより手数料が高いとは考えにくいです。
*5 1ウォン、5ウォンの硬貨は現在流通していないため、10ウォン未満の細かい端数は計算上の話とお受け取り下さい。

参考URL:http://english.ibk.co.kr/en/home.html
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答してくださりありがとうございます。
レートの優位性は1%以下に比べて、T/Cは発行手数料、韓国側でのコストを合わせるとかなり大きいですね。
詳しく書いていただいたおかげでたいへん良く理解できました。
すっきりしました。^^

お礼日時:2008/11/16 21:43

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!