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自発核分裂物質の半減期を理論的に算出することは可能でしょうか?可能でしたらその理論を教えてください。

A 回答 (4件)

No.2です。


まずお断りしておきますが、私は原子核分裂の専門家ではありませんので、現代の理論の詳細については詳しくありません。その点は割り引いてお読みください。

>1. この核分裂断面積計算式を使用すると、たとえばU235なんかは、正確に核分裂断面積を求めることが出来るのでしょうか?
トラペを見る限り実験データとの整合性を求めているので少なくともオーダーは正しく計算されるものと思います。どこまで正確なのかは不明です。

>2. 自発核分裂するかしないか、目安を求める式は、P2の「液滴モデルによる安定性の限界」によって計算できるのでしょうか?この式の詳細を知りたいのですが、日本語の本はないでしょうか?
>3. 自発核分裂するかしないか、目安を求める式は、現在でもP2の「液滴モデルによる安定性の限界」に記載の液滴モデルによって、求めるしかないのでしょうか?
それはあくまで安定性の目安です。P3にあるように実際には殻効果があってそのためより小さな核(ウランなど)から自発分裂を起こします。理論は従って液滴模型と殻模型の統合を目指しています。
その式自体は一般的な原子核構造の入門的専門書にあります。専門書は理系大学生協や図書館で見られます。ネット上で詳しい説明はないですがさわりだけ概括されている物を上げておきます。http://www.metro-u.ac.jp/~suzukitr/nucl6.pdf

>4. ウラン等の金属に、電圧、温度等の外力を加えて、核分裂断面積を大きくすることは可能でしょうか?
エネルギーの桁が全く段違いなので日常的な温度変化や電圧印加などでは変化しません。原子核の形状を変形させるほどの大きな外力は放射線によってしか与えることができません。一般に断面積はエネルギーが高くなれば大きくなりますがその依存性は複雑です。

>5. 原子核の振動数は10の21乗ヘルツ程度らしいですが、この振動数はどのように測定するのでしょうか?
それは原子核の核子の固有エネルギー準位や変形のエネルギー準位のことだと思われます。光の振動数がエネルギーに比例するように、原子や原子核のエネルギーも振動数で表すことができます。その測定には通常光を利用します。光と言ってもγ線やX線と呼ばれるエネルギーの高い光です。原子核が高いエネルギー状態にあるときは、よりエネルギーの低い安定な状態に移るときに光を放出するのでそれを測定します。

この回答への補足

お返事ありがとうございます。

すいません。更に下記を教えてください。

>エネルギーの桁が全く段違いなので日常的な温度変化や電圧印加などでは変化しません。
これは実験等により確認されているのでしょうか?その実験内容を教えてください。

補足日時:2009/03/22 07:48
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No.2 です。


>>エネルギーの桁が全く段違いなので日常的な温度変化や電圧印加などでは変化しません。
>これは実験等により確認されているのでしょうか?その実験内容を教えてください。
http://wwwndc.jaea.go.jp/nds/tutorial/nds_2005_O …
のP5に核のポテンシャル障壁の図があります。この障壁を越えなければ分裂しません。変形によって障壁の高さは変化しますが、高さはウランで典型的に5MeV程度です。原子核の大きさは典型的にfm(フェムトメートル、10E-15メートル)程度ですが、その微小な領域にエネルギーを集中させるには放射線のエネルギーが必要です。例えば通常の可視光は数eV以下で、核ポテンシャル障壁の100万分の1しかありません。核融合で研究されているプラズマを生じさせるような高電磁界や高密度レーザーあるいは粒子加速器でならばそのようなエネルギーを与えることが出来ます。実際自然界に存在しない巨大原子核を合成したり、原子核の変形を研究するために粒子加速器を用いて加速、衝突させたりしてその状態を調べています。

それから補足ですが、10E21ヘルツの振動数というのはトラペのP9に核分裂の全過程という図がありますが、そこで分裂時に核が変形するときの時間スケールとして10E-21秒という数字が書かれており、その逆数だと思われます。この振動数は概ね変形のエネルギーに比例します。そのエネルギーは放出される核分裂生成物である光や中性子やα線などの粒子のエネルギーを捕獲し、エネルギースペクトルの構造を調べることで推定します。これはごく大雑把な説明で、実際にはその手続きはもっと複雑で複数の異なった種類の実験を総合し、理論モデルとの比較の上で推定されます。
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この回答へのお礼

解かりました。お詳しいご回答ありがとうございました。

お礼日時:2009/03/22 16:17

その理論は一般的な核分裂理論の一部です。

原子核は複雑系の一種でさまざまなモデルの構築と実験による検証が行われ続けています。現在主要なモデルは液滴模型と殻模型と呼ばれ、それらを用いて原子核の力学を記述する行列要素が構築されその積分として核分裂生成断面積(確率に比例する)が計算されます。以下のURLの原子核データ専門サイトの中に概要を示したトラペがあります。最後のページに核分裂生成断面積の式が示されています。これらを理解するには大学院以上の専門知識が必要です。
http://wwwndc.jaea.go.jp/index_J.html
http://wwwndc.jaea.go.jp/nds/tutorial/nds_2005_O …
「自発核分裂物質の半減期を算出する理論」の回答画像2

この回答への補足

お返事有難うございます。

>原子核の力学を記述する行列要素が構築されその積分として核分裂生成断面積(確率に比例する)が計算されます。

なんとなく解かりました。難しそうですね。更に下記を教えてください。

1.この核分裂断面積計算式を使用すると、たとえばU235なんかは、正確に核分裂断面積を求めることが出来るのでしょうか?
2.自発核分裂するかしないか、目安を求める式は、P2の「液滴モデルによる安定性の限界」によって計算できるのでしょうか?この式の詳細を知りたいのですが、日本語の本はないでしょうか?
3.自発核分裂するかしないか、目安を求める式は、現在でもP2の「液滴モデルによる安定性の限界」に記載の液滴モデルによって、求めるしかないのでしょうか?
4.ウラン等の金属に、電圧、温度等の外力を加えて、核分裂断面積を大きくすることは可能でしょうか?
5.原子核の振動数は10の21乗ヘルツ程度らしいですが、この振動数はどのように測定するのでしょうか?

補足日時:2009/03/21 08:10
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 私の資料の中にそのような計算式がありますので、参考にしてください。

ただし数式をそのまま表記する方法が分かりませんので、分数式は例えば5分の2と文字で表し、乗数も例えばマイナス2乗でしたら、ー2乗と表記しますのでご理解ください。

 半減期は放射能の強さ(dN/dt)がもとの値の1/2になるまでの時間をいう。時間tのときの原子数Nとし、その壊変定数をβとすれば

 -dt分のdN=βN すなわち N=Noeのーβt乗

 Noはt=0のときのNの値である。そこで半減期をT1/2とすれば、

 2分のNo=Noenoの-βt1/2

これより次の関係が成立する。

 T1/2=β分の1 2.303log2=β分の0.693 1

 ということらしいです。正直私はなにがなにやらまったく理解不能です(^_^;)  とはいえ少しでもお役に立てれば幸いです。

この回答への補足

お返事ありがとうございます。

しかしお尋ねしていることと少し回答が違います。

補足日時:2009/03/20 19:55
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