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蒸気圧降下の理由についてなんですが
不揮発性の物質が溶け込んでいるとき
表面を占める溶媒分子が少なくなるため溶媒分子が気体になる量が減るっていう理由を聞いたのですが納得できません
気体になる量が減るなら同じように気体から液体に戻る量も同じように減ってしまうのではないんでしょうか?
またギブスの自由エネルギーの変化が理由というのも調べて来たら出てきたのですがこのギブスの自由エネルギーの変化を調べてみましたが全然分かりませんでした。これについても説明できるのなら高校の化学で分かりやすく教えて頂けないでしょうか?
よろしくお願いします

A 回答 (4件)

> っていう理由を聞いたのですが納得できません



はい。私も納得できません。

「表面を占める溶媒分子が少なくなるため溶媒分子が気体になる量が減る」っていう話は、蒸気圧降下の理解を深めるためというよりも、記憶を助けるためにされる話だと私は考えています。納得できなくても全く問題ないです。

> ギブスの自由エネルギーの変化が理由

はい。こちらが正解です。

ギブスの自由エネルギーよりも化学ポテンシャルの方が説明しやすいので、以下では化学ポテンシャルに基づいた説明を試みます。

化学ポテンシャルとは、おおざっぱに言えば、分子(やイオンや原子)の感じる居心地の悪さを数値で表したものです(より正確な定義は#2さんの回答にあります)。化学ポテンシャルが高いほど居心地が悪く、化学ポテンシャルが低いほど居心地が良いです。分子(やイオンや原子)は、居心地の良い所を求めて、化学ポテンシャルが高い場所から化学ポテンシャルが低い場所へ移動します。

例えば、液体中の化学ポテンシャルよりも気体中の化学ポテンシャルの方が低ければ、分子は液体から気体へ移動します。つまり液体の蒸発が起こります。逆に、気体中の化学ポテンシャルよりも液体中の化学ポテンシャルの方が低ければ、分子は気体から液体へ移動します。つまり気体の凝縮が起こります。液体中の化学ポテンシャルと気体中の化学ポテンシャルが等しければ、正味の分子の移動は起こりません。これが気液平衡です。

化学ポテンシャルは、ふつうは分子(やイオンや原子)の数密度が大きい場所ほど高くなります。例えば、溶液中で、溶質濃度が濃い場所と薄い場所がもしあったなら、溶質分子は、濃い場所(化学ポテンシャルが高い場所)から薄い場所(化学ポテンシャルが低い場所)に移動します。溶質の移動によって、濃かった場所の化学ポテンシャルは低くなり、薄かった場所の化学ポテンシャルは高くなります。溶液の濃度が均一になれば、溶液の化学ポテンシャルも場所によらず一定になるので、溶質の正味の移動はなくなります。また、溶質濃度が高い場所では、溶媒の数密度は少ないので、溶媒分子は溶質濃度が薄い場所から濃い場所に移動します。この例から、同じ溶液中でも溶媒の化学ポテンシャル(溶媒分子の感じる居心地の悪さ)と溶質の化学ポテンシャル(溶質分子の感じる居心地の悪さ)は違うことが分かります。溶質濃度が高いほど溶質の化学ポテンシャルは高く、溶媒の化学ポテンシャルは低くなります[法則1]。

気体でも同様で、温度が均一ならば、分子は数密度が大きい所から数密度が小さい所に移動します。つまり圧力が高い所から低い所に移ります。もし、数密度が大きい所のほうが数密度が小さい所よりも化学ポテンシャルが低かったとしたら、圧力の低い所から高い所に分子が流れるという、おかしなことが起こります。この例から、気体の圧力が低いほど気体の化学ポテンシャルは低くなることが分かります[法則2]。

液体の方が圧倒的に数密度が高いにもかかわらず、気体と液体の化学ポテンシャルが等しくなりうるのは、液体中では分子間に引力が働くためです。この引力が、液体の化学ポテンシャルを引き下げるので、気液平衡が可能になります。

以上をふまえて、蒸気圧降下の理由について考えてみます。

始めに、純溶媒が気液平衡にあったとします。このとき、液体中の純溶媒の化学ポテンシャルと気体中の化学ポテンシャルは等しいです。この液体に不揮発性の物質を溶かすと、法則1より、溶媒の化学ポテンシャルが純溶媒の化学ポテンシャルよりも低くなります。液体の化学ポテンシャルが低くなったので、気体中から液体中へ溶媒分子の移動が起こって、気体分子の数密度が減ります。気体分子の数密度が減れば、法則2より、気体の化学ポテンシャルも低くなります。気体の化学ポテンシャルが溶液中の溶媒の化学ポテンシャルと同じになるまで低くなったら、それ以上の正味の分子の移動は起こらなくなって気液平衡になります。この新たな気液平衡状態では、気体分子の数密度が始めより減っていますので、気液平衡にある気体の圧力、すなわち蒸気圧が減少したことになります。

> 分かりやすく教えて頂けないでしょうか?

上の説明は、分かりやすさよりも正確さを優先していますので、分かりにくいかもです。
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> 表面を占める溶媒分子が少なくなるため


表面積の違う入れ物では、どうなるの?という疑問がわきます。

> 気体になる量が減るなら同じように気体から液体に戻る量も同じように減ってしまうのではないんでしょうか?
そう思います。気体->液体と液体->気体の量が釣り合って、平衡状態ですから、たぶん。

自由エネルギーの説明はできませんが、次のようなイメージはどうでしょうか。

溶媒同士の結合が強ければ、溶質は溶けずに分離しそうです。
溶媒と溶質の結合の方が強くて溶媒は気体になり難くなった。
結果、気体になる数が減り、蒸気圧が下がる。
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>表面を占める溶媒分子が少なくなるため溶媒分子が気体になる量が


>減るっていう理由を聞いたのですが納得できません

その説明についてのご意見は、そうでしょうね。
液相の成分iのモル分率をxi,気相の成分iの分圧をPiとするときRaoultの法則
Pi=P_0xi(P_0は純成分iの蒸気圧)
即ち、完全溶液の各成分の蒸気圧はそのモル分率に比例する、という法則は液相と気相の成分iの化学ポテンシャルが等しい、ということに由来しています。化学ポテンシャルはGibbsの自由エネルギーを温度、圧力一定のもとにモル数で微分したものです。Raoultの法則は、当面はとりあえずそういうものだ、と思うしかないでしょうね。
これらについて早分かりの方法はなくて、結局ある程度は熱力学を勉強して、エントロピー、エンタルピーなどの道具立てを一応理解しないとわからないです。若干の偏微分とか完全微分の理解も必要でしょう。高校生だからできない、とは言いませんがかなり手間暇かけて勉強しなければならないでしょう。
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>気体から液体に戻る量も同じように減ってしまう


なるほど、蓋だと考えるのですね。
でも実際には蓋は気化しないが、蓋の上にも気体分子は凝縮するので、凝縮は妨害されません。

ギブスの自由エネルギーの方は高校ではムリでしょう。
念のため分かり易いサイトを引いておきます。↓
http://homepage2.nifty.com/eman/thermo/contents. …
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