No.1ベストアンサー
- 回答日時:
《ピアノの問題から》
ピアノと言う楽器を、オーケストラの他の楽器同様の役割を待たせて、作られた曲が、稀有な例外作品を除いて過去に無いからです。
【稀有な例外】(通常含まれない音源が常連楽器と同じ役割を担っている。)
●サンサーンス:交響曲第三番ハ短調 作品78「オルガン付き」
●ベートーヴェン:交響曲第九番ニ短調作品125「合唱付き」(終曲部分) http://www.youtube.com/watch?v=ohvGHr1NdZw
●マーラー:交響曲第八番変ホ長調「一千人の交響曲」 http://www.youtube.com/watch?v=-Wi1j-rpcEw
稀有な例外に似てるのに違う?
【ピアノ協奏曲】(ピアノはオーケストラの一員ではなく、オーケストラと対等な立場なゲスト)
●チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23 http://www.youtube.com/watch?v=gmNaw3GnGyQ
●ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18 http://www.youtube.com/watch?v=xRl0z7WwU0E
●グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調作品16 http://www.youtube.com/watch?v=OlI0l85qAtU
●ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11 http://www.youtube.com/watch?v=Izal0upa69c&featu …
などなど、一員とゲストの違いを解って頂けたでしょうか?解ってください!
《各楽器の台数は楽団の規模によってまちまちなのでしょうか?》
アバウトに言うと、YES!○!正解!です。アバウトな言い方ですが、
▲老舗の「NHK交響楽団:100名強」 http://www.nhkso.or.jp/about/overview.html
と
▲歴史浅い「オーケストラ・アンサンブル金沢」 http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/profil …
では、楽団員の人数で二倍以上の差が有ります。
昔から編成の規模に関係なく、多くの楽団が演奏してきた曲として挙げれば、
●セレナーデ 第13番 ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」 (弦楽五重奏くらいから、大オーケストラまで、録音の数は星降る如く!)
●ヴィヴァルディー:合奏協奏曲集「四季」 (上記ほどではないが、編成のバリエーションは多い)
などが、その典型でしょう。
しかし、作曲家の意図するメッセージ性に於いて、音量の効果や多楽器が幾重にも重なり合う華やかさやダイナミズムを要求する曲の場合は、どうしても大編成を必要としますので、小規模の楽団では、扱えない曲が出てきます。では、大編成の楽団がこじんまりとした曲を扱えないかと言えば、楽員を減らして楽譜に合わせます。
斯様に、自由でもあり!自由でもなし!
モーツァルトなどの生きた18世紀の半ば迄は、パトロンが宮廷や教会のため、大きなホールで演奏する曲はあまり作曲されませんでした。しかし、後半になると、特権階級の為の音楽から大衆の為の音楽に変り、多数の客が聴けるホールが建ち始めます。演奏空間が広くなった事で、楽器の性能が上がり、楽団員の人数も増え始めます。19世紀中は、その流れが持続し、楽器の種類・編成・音量が大きくなるに連れて、作られる作品もそのメリットを生かすものになって行きました。20世紀の初頭には略現在の大編成楽団規模になっていました。そして、20世紀の後半に入って、LPレコードと言う、それまでとは比較にならない高音質の再生が出来るに至って、編成の規模とそれを生かす作曲はピークを迎えます。しかし、デジタル録音になった頃から、一部のオーケストラに作曲家が生きた時代の編成や演奏法に戻そうと言う原点回帰思想のピリオド奏法が見直され、現在も徐々に取り入れる楽団が増えつつあります。
今は、同じ曲を扱うにしても編成規模によって演奏哲学まで違っている場合がありますので、様々な視点から疑問を持ち、調べると、単に楽団の自己都合だけではない理屈が見えたりして面白いと思いますよ。
例を挙げての大変詳しい説明を有難うございました。まずはお礼を申し上げます。
究極の弦楽器であるピアノなのに,交響曲にはやはり基本的にピアノは入らないのですね。時代的なものもあったのでしょうね。移動にも不便ですし。
当然,協奏曲には登場しますが,交響曲とは範疇が異なりますから当然でしょう。また,協奏曲での「一員と対等」という表現は良くわかりますよ。むしろ対等というよりは主役だと私は思っています。ゲスト=主役ですからね。
編成は楽団の都合で色々に変化するものなのですね。クラシックはもうちょっと厳格な決めがあるのかと思っていましたが,そうでもないのですね。
他の方にも有益なコメントを頂きましたので,この続きとして返信しますので,宜しければご覧下さい。丁寧な解説有難うございました。
No.2
- 回答日時:
詳しくは先の方が回答していますので
ピアノの問題だけを簡単に。
端的に言いますと
ピアノという楽器はオーケストラのほぼすべての音階を同時に鳴らすことができるので
オーケストラと同等のような扱いを受けているのですね。
ピアノは10本の指で同時にいくつもの音をそれこそ上から下まで鳴らせますよね。
でも、他の楽器では(楽器によって若干異なりますが)基本1音ないし2音ずつですから。
ご回答有難うございました。
実は私はジャズ好きでもあります。クラシックとジャズの楽器の選択も楽団の編成を比べると,意外と似ている点があって面白いと思っています。
確かにピアノ1台でオーケストラに匹敵する楽器ですよね。その意味もあってか,ジャズのトリオ演奏は一部例外を除いては,必ずピアノが入ります。
「他の楽器では基本1~2音」というのは,確かに弦楽器以外はそうですよね。ジャズでは勿論ドラムは同時に幾つも音が出せますし,ハーモニカ以外にも特殊ですが和音が出せる吹奏楽器というのもあります。
私はジャンルを問わずよくコンサートに行くのですが,生の音を聴ける点でクラシックは一番好きですね。ジャズは狭いところならいいですが,大ホールではマイクとスピーカーが必要となるのでCDでも間に合います。しかし,クラシックは生でないと絶対にダメですね。オーディオ好きでもあるので,家には安くはないオーディオがありますが,やっぱり「再生音」でしかありませんね。
No.3
- 回答日時:
基本、音楽というものの楽器の構成に制約等はありません。
それは勿論クラシックにおいてもです。クラシックの一般的な管弦楽構成も、制約ではなく慣習といった方が正しいと思います。あるいは、クラシックがいくら芸術と呼ばれようと、ビジネスである以上コストや手間は無視出来ません。なので、あまりに変則的な楽器構成(特定のパートをやたら多くしたり、ゲスト楽器を取り入れたりとか)にすると、それだけ演奏者を用意するのは大変で、長い目で見てもその曲は演奏されにくくなります。作曲家もそれを避けて必然的に「定番の楽団構成の範囲内で作曲される」事が多かったとも言えますね。
管弦楽の基本構成は、その名の通り管楽器と弦楽器です。打楽器や鍵盤楽器は、曲に応じて入ったり無かったりすると考えていいと思います。ただ、同じ鍵盤でもチェレスタやビブラフォン・シロフォンは使用頻度が高く、常駐団員(主に打楽器奏者)が担当する事が多いです。
ピアノは管弦楽においてそれ程は頻度が高くないので、基本的に常駐団員はいません。プロのピアニストは元々多いので、ゲストとして用意し易いというのもあると思います。
管弦楽にピアノが入る曲で最もポピュラーなのは「ピアノ協奏曲」(オケ+主役のピアノ)と呼ばれる形式。
勿論、大編成の管弦楽曲等、チェレスタやハープ等と同様に音楽効果的な役割として使われる場合もあります。よく知られたところだと「スターウォーズのテーマ」なんかはSF宇宙映画を思わせる華やかさと色彩感、中低音部の重厚感を出すのにピアノが非常に効果的に使われている管弦楽曲の例だと思います。
各楽器の台数は、楽譜で指定されている事が多いです。でも各楽団の抱えている奏者数は各楽団によってまちまちなので、小編成の管弦楽曲だと必要なだけ配置すればいいだけですが、足りない場合はそれにあわせて楽器構成を多少アレンジしたりして演奏されます。
参考URL:http://www.scribd.com/doc/10551017/John-Williams …
丁寧なコメント有難うございます。
ここでもジャズとの対比で恐縮ですが,ジャズは勝手きままな自由な音楽のようによく言われますが,実はかなりの制約や決まりごとがあります。一方,クラシックにも結構曖昧なところがあるようで,制約と曖昧さという点でも似ているのですね。自己表現であると同時に,飯の種であるという意見にも同感です。
以前テレビで海外の楽団の運営と楽団員のルポを観ましたが,結構生活は大変そうで,アル中の人が多かったり,家庭不和が多かったりするのだと報じられていました。どの世界でも舞台の表と裏とはそういうものなのでしょうね。
テレビの「のだめカンタービレ」の影響で,子供や若い人もクラシックに興味を持つ人が増えたようで嬉しい次第です。海外の有名フィルは高額ですが,国内楽団なら質のよい楽団でも数千円で聴けますが,ヨーロッパのようにもっと気軽に聴ける環境が広がるといいですね。
CDやMP3の音しか聴いたことのない子供達には是非とも一度は生のクラシックを聴いてもらいたいものです。
No.4
- 回答日時:
すでにお求めの回答は出そろっているかもしれませんが、ご参考にしていただければ幸いです。
>>ピアノが入っていないように思うのですが,どうしてなんでしょうか?
― これはまったく個人的な考えですが、だいたい作曲家が最初に曲づくりに使用する楽器がピアノだと思われるので、オーケストラで演奏するような曲を楽譜に書き起こす際は、そのピアノの音を他の楽器に置き換えて書いていると思うので、それをあえてまたピアノで演奏させることはない(だったら他の楽器で演奏させたい)、ということではないでしょうか。ステージの「スペース」的な問題もあるかもしれませんね。
>>それとも曲によっては入るのでしょうか。
― このような作品で有名なのは、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」と、ショスタコーヴィチの交響曲第5番ですね。近代、現代の曲では比較的「打楽器」の一つとしてピアノが使用されているケースが多いです。
>>また,各楽器の台数は楽団の規模によってまちまちなのでしょうか?
― 「楽団」の種類としては、十数名の弦楽器だけ(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)の「アンサンブル」から、さらに少人数の木管、金管、打楽器が加わった「室内管弦楽団」と、これら各パートにさらに人数が加わって、百数十人規模の「交響楽団」ならびに「管弦楽団」になるでしょうか。
各楽器の「台数」ですが、その曲を演奏するのに必要な楽器数がだいたい決まっていて、それによって変化します。
ハイドンやモーツァルトの曲であれば、百数十人の「交響楽団」や「管弦楽団」でなくても、少人数の「室内管弦楽団」で十分演奏可能です。これもだんだんあとの時代になってくると、弦楽器奏者を「3弦から4弦に」とか、木管、金管奏者を「倍管」(2倍)にするといった楽器編成の曲も書かれるようになります。
(ラヴェル、ワーグナー、マーラー、ブルックナー、R・シュトラウスの作品など)
この回答への補足
さて,実は編成について疑問に思ったのにはきっかけがありました。私はクラシックは年に数度は聴きに行きます。またロシア系の曲が好きなので,ムラビンスキー時代のレニングラードフィル(残念ながらレコードとCDだけですが)の演奏が好きで,先日来日したサンクトペテルブルクの公演も聴きに行きましたが,ちょっと期待外れでした。尤も,楽団メンバーも指揮者も違うので当然なのですが。
先月末にはモスクワ放送交響楽団でチャイコフスキーの交響曲5番を聴きに行きました。生では上記フィル以外にも大好きな新日フィルなどの公演で,同5番と6番を何度か聴いていますが,今回のモスクワ放送楽団の奏でる音は非常に重厚で迫力もあり,何度か聴いた5番の中では一番感動しました。
今回はコントラバスが10台,バイオリンは恐らくは30台前後を配して,総勢80人ほどの舞台で,その音の厚みと迫力たるやこれまでにないもので感動しました。それが質問のきっかけでした。
楽団の構成によって同じ曲でも印象は全く異なるのだなぁと改めて思いました。指揮者(奏者)の解釈次第で別の曲になる点もジャズと同じですね。LPやCDは2~3百枚所有していますが,いつも聴くのはそれこそ2~30枚です。違う演奏の同じ曲のCDを良く買いますが,やはり聴くのはどれか1枚ですね。
私は作品(楽器の音も含め)を聴くことだけが目的なので,ジャズでもクラシックでも時代背景や音楽的な知識は殆どありません。よって,クラシックでもジャズでも手持ちのよく聴くCDですら曲名もメンバーも覚えていないことも珍しくない無知派で,ジャケットのデザインで区別しています(笑)。ですから今回のような初歩的な質問をする羽目になります(笑)。
そんな私ですから,芸術性が云々とかは全く関係なく,良い悪いでもなく,気に入ったかどうか,単に好きか嫌いかで演奏を判断する聴き方です。
正直申しますと,私の場合,よい演奏であればあるほどウトウトと眠くなります。非常に心地よい響きに包まれ,天にも昇る気持ちとでも言うのでしょうか。会場を見回すとウトウトしている人って結構多いですよね。
みなさま有難うございました。大変参考になりました。どんどん生演奏を聴きに行きましょう♪もし機会がありましたら,クラシックオンリーの方も「良い」ジャズを聴いてみて下さい。
書き込み有難うございました。お礼欄の字数制限のせいで,回答への補足欄に当方のコメントを書きましたのでご覧下さい。
コメントを頂いた皆様のお陰で楽しいひと時を過ごせました。改めてお礼を申し上げます。
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