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記憶喪失ってどこまで忘れるものですか?
自分の名前?
母国語?
感情?
思い出?

また、本格的な記憶喪失って
どのくらいの人がなったことがあるのでしょうか?

A 回答 (1件)

こんばんは。


私の父が、交通事故で記憶喪失になりました。

記憶喪失と言っても、私の父のように物理的衝撃を受けてなる場合と、精神的ショックを受けてなる場合があるようです。精神的な方は、解りかねますので悪しからず。

父はスーパーカブ。渋滞中の車の左を抜けて青信号直進。そこに右折車が突っ込んできてはね飛ばされました。
脳挫傷で耳から血を流し、運ばれた病院の医師は、家族の私たちに「助かる見込みはない」と言い切りました。その理由の一つとして、瞳孔にライトを当て「ほら、まったく反応しないでしょう」と私たちに見せました。確かに反応しませんでした。
実はその病院、ヤブで有名でした。それでもどうしようもないのならと半ばあきらめていましたが、夜中に、医者の置き忘れていったライトで父の瞳孔を照らすと、かすかに反応するのです。「ひょっとすると」と脳外科のしっかりした病院に移すことにしました。
移すには色々ありましたが、それはさておき、正解でした。
移した病院で、意識不明が45日間続きました。
たまたま目覚めるとき、私が付き添っていました。
ふと見ると、薄目を開けています。「おい」「おい、父さん」と呼びかけると、徐々に目を開きました。
わたしは、「おい、誰か解るか?」と問いました。
すると「どこかで見たことのある人やねー」。
わたしは、「あたりまえや。あんたの息子やないか」と言いましたが、やがてこの言葉の訳が分かりました。

父の記憶は、10年から15年間無くなっていました。
私はその頃30半ばでしたから、20歳頃の私は、痩せてスマートだったのです。
医師に聞きましたが、人間の記憶は、新しい記憶は脳の表層に、古い記憶ほど深部に残されると言います。
事故で頭を強打した結果、表層の記憶から順に破壊されたのです。
新しい記憶をなくした結果、古い記憶がつい昨日のことのように思い出したようでした。
面白いと思ったのは、どうやら脳には引き出しがあるようです。
10年から15年と言いましたが、分野によって違うのです。
例えば仕事関係は、15年は確実になくなっていました。
しかし、人の名前は別で、特に死んだ人の名前は、10年以降の人も覚えていました。
頭を打ったおかげで、覚える方にも障害が出ました。
その日食べたものを覚えていられないのです。
なぜか食の好みも変わり、食べたこともなかった「味噌せんべい」が好きになりました。
毎日同じことを言いました。「美味い。こんなうまいもの、初めて食べた」。なんとまあ、幸せな父だと思ったものです。
ところが、食べ物は記憶に残りませんが、風景は残ったようです。和歌山のみなべ梅林に連れていったのですが、「一目100万本」と言われる梅林を見て、死ぬまで「梅林は美しかったなー」と言っていました。
父の記憶喪失は、脳の不思議を私に教えてくれました。

父の場合、名前や言葉など忘れませんでした。ただ、経験したことを忘れたものですから、物事の判断力が無くなり、本人もそれが不安となり、いつも母を頼りにするようになりました。
母にとっては、幸せだったかもしれませんね。

その父もなくなって、10年以上が過ぎました。
私はと言うと、最近お酒を飲むと、記憶が飛ぶようになりました。
朝起きて、いくら考えても、夕べ何があったか思い出せないのです。
記憶喪失にはどうやら、
外傷性
精神性
酒毒性
があるようですね。
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