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いろんな種類のゼラチンがあるようですが、分子式もそれぞれ違うのでしょうか??

A 回答 (2件)

#1さん,ゼラチンにはジスルフィド結合はありません.そもそも一次構造自体にシステインがありません.ケラチンとかとは全然違います.三重らせん形成の本体は水素結合です.またそのような形を取りやすいのは,主にプロリン残基のせいです.ゼラチンとコラーゲンの関係についても,「成分」というような書き方は不適切でしょう.



以下,別に業界関係者でもなんでもありませんが,すこしまじめに詳し目に書きます.

工業的に作られているゼラチンは,牛の骨,豚の皮,かつては牛の皮,最近では魚の鱗あたりが主原料です.これらに含まれているコラーゲンを部分加水分解と熱変性で,お湯(あるいは水)に溶けるようにしたものがゼラチンです.

コラーゲンとひとくちにいっても,種が違えば,アミノ酸組成は少し違います.牛と豚はそれほど違いませんが,魚とほ乳類はけっこう違います.魚はほ乳類に比べれば,魚同士でも種間の差は大きいといえるでしょう.コラーゲン自体が違いますから,ゼラチンになっても,このレベルで分子式も違ってくるということです.

さらに同じ牛の骨から作るにしても,変性程度や分解程度の異なる,さまざまなタンパク質 (というか,ポリマー) の混ざりものとしてしか取り出すことができません.一般的には,分子量で100万を越えるような巨大会合分子から数千程度のペプチド断片にいたるまで,幅広い分布を持つことになります.主成分は,コラーゲンの構造単位である基本鎖の構造をほぼ保った分子量10万弱の成分に加え,このダイマー,トリマーです.この部分の違いは,製造条件だけでなく,原料動物の加齢程度も効いたりします.年を取った個体のコラーゲンは,分子間の化学的な架橋が (これはポストシンセティックに,純粋な化学反応として発生する) 増えてくるため,どうしても高分子量成分が増えたりしがちです.

また,抽出効率を上げるために,骨等の原料は一定の前処理がなされますが,この過程に石灰水を用いるアルカリ法と,無機酸を用いる酸法があります.この2大手法においては,主鎖に対する分解効果も違いますが,グルタミンやアルギニンといった残基のω-アミド部分が加水分解程度にも違いが出ます.アルカリ法ではほぼ完全に加水分解されてしまうのに対し,酸法ではかなりの部分がアミドのまま残ります.これらも分子式の違いになります.一般的には,豚皮からの製造には酸法が,牛骨あるいは牛皮からの製造にはアルカリ法が多く使われます.

さらに,ゼラチンは,製造後に特殊な化学処理を加えたものも工業的に生産されています.これらはその処理によっても別分子になっているといえますので,分子式レベルでは当然に違うものになります.
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ゼラチンの成分はコラーゲンです。


コラーゲンは三本のペプチド鎖が一方方向に回転しながらジスルフィド結合で堅く結ばれています。
髪の毛や爪などの成分のケラチンとよく似ています。
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