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現在オーストラリアにいます。

1週間後に帰国するのですが、オーストラリアドルで約$10000(ANZ)あります。
少しでも日本円で多く受け取れる可能性がある方法を教えてください。
(豪ドル立て、日本円立て?小切手や銀行送金など)

私はソニー銀行とイーバンクとUFJ銀行の口座があります。

よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

 ご提示の候補の中では、ソニー銀行の口座に豪ドル建てで送金するのが有利と考えられます。



1. レートが決まる仕組みと為替用語
 両替や送金のレートは銀行がその日の思いつきで決めているわけではなく、数字が決まるための仕組みがちゃんと存在します。少々長くなりますがその説明におつき合い下さい。
 レートが決まる大元は外国為替市場における金融機関間の取引きです。外国為替市場における取引きレートを「銀行間レート」と呼んでいます。新聞やテレビが「今日の東京外国為替市場、終値は1ドル=92円60銭でした」と報じているレートは通常この銀行間レートです。また銀行間レートは全世界で連動していますから、「日本とオーストラリアと、銀行間レートはどちらが有利だろう」と考えることは無意味です。
 また銀行間レートは株と同じように価格が常時変動しています。両替や送金といった為替取引をこの銀行間レートを基準に行うと処理が煩雑になります。そこで金融機関は銀行間レートに代わる数字として「公示仲値(TTM)」というレートを定め、その日の取引の基準レートに用います。公示仲値と銀行間レートは厳密には一致しませんが、両替の有利不利を考える上では同一視して差し支えありません。また公示仲値は各金融機関が独立に定めるため若干のばらつきがありますが、差異はあっても0.1%かせいぜい0.2%です。(日本の銀行とオーストラリアの銀行では、公示仲値を決めるタイミングが時差によりずれるため、それに起因する差は発生します)
 一般の顧客はこの公示仲値で取引きすることはできません。外貨を買うにしても売るにしても必ずいくらかの手数料を払います。
 外貨現金のやり取りを伴わずに銀行が顧客に外貨を売るレートを「対顧客電信売レート(TTS)」と言います。具体的には外貨建て送金、外貨預金などで適用されます。オーストラリアの銀行で日本円建てで送金する際に適用されるレートはTTSです。TTSとTTMの差(上乗せ分)のことを「為替手数料」と呼びます。
 同様に外貨現金のやり取りなしに、銀行が顧客から外貨を買うレートを「対顧客電信買いレート(TTB)」と言います。豪ドル建ての送金を日本で、日本円に転換して受取る際のレートはTTBです。また豪ドル建てトラベラーズチェック(以下TC)を日本の銀行で買い取ってもらう場合は処理期間分の金利差負担が生じるので、TTBより10~30銭ほど低いレートが適用されます。TTBとTTMの差(差し引き分)もまた「為替手数料」と呼びます。
 銀行間レートは世界で共通ですし、公示仲値もほぼ同じ値に落ち着きますが、TTSやTTBは金融機関により設定が異なります。日本の銀行における豪ドルのTTBは典型的には公示仲値マイナス2円~2円50銭です。ただしシティバンク銀行は公示仲値マイナス1円、ソニー銀行は公示仲値マイナス50銭です。

2. ANZ銀行のレートと手数料
 ANZ銀行のレートは参考ページ[1]の左側、"Foreign Exchange Rates"の個所をクリックすると出てきます。各項目を左から順に書き出すと
Bank Buys TT
Bank Buys Cheques/Travel Card
Bank Buys Notes
Bank Sells TT
Bank Sells Travellers Cheques/Travel Card
Bank Sells Notes
です。"Bank"の主語が入っているので「自分が売る意味なのか、銀行が売る意味なのか」でまごつくことはないでしょう。なお目的語は常に外貨です。TTは"Telegraphic Transfers"の略で訳せば「電信送金」で、"Bank Sells TT"が上記のTTSに当たります。トラベラーズチェックはそのままTravellers Chequesの欄を見ます。Notesが現金(紙幣)であるのは申し上げるまでもないでしょう。2010年3月29日(月)の日本円売りレート(Bank Sells)は
TT: 1 AUD→80.5700 JPY
Travellers Cheques: 1 AUD→80.2799 JPY
Notes: 1 AUD→78.6927 JPY
です。先刻ご存じかと思いますがAUDが豪ドル、JPYが日本円です。TTMについては記述がありませんが、Bank Buys TT(85.8900)とBank Sells TT(80.5700)を足して2で割ることで見当をつけられます。

 次に手数料ですが、参考ページ[1]の"ANZ Personal Banking General Fees and Charges (PDF, 120 kB)"をクリックしてダウンロードできるパンフレットで読めます。海外送金はインターネットバンキングでは手数料24 AUD、店頭とテレフォンバンキングでは32 AUDです。ただし海外送金では送金元銀行の手数料のほか、中継銀行や受取り銀行が手数料を徴収することがありその場合手数料分引かれて着金します。その額は1,000円~2,000円といったところです。またANZ銀行では外貨現金への両替には1%(最低額8 AUD)の、トラベラーズチェックの購入には1.1%(最低額13 AUD)の手数料がかかります。
 受け入れ側銀行の手数料は以下の通りです。
・ソニー銀行 被仕向送金手数料2,500円(円建て)/45 AUD(豪ドル建て)徴収[2] 為替手数料は1豪ドルあたり50銭
・イーバンク銀行 海外からの送金は受け入れ不可[3]
・三菱東京UFJ銀行 個人の口座への入金であれば被仕向送金手数料無料[4] 円建て送金を受取る場合は円為替取扱手数料0.05%(最低2,500円) 為替手数料は1豪ドルあたり2円[5]

3. 試算
 1万豪ドルを2010年3月29日のレートで送金/両替する場合、最終的な日本円での手取りがいくらになるか試算します。送金はANZ銀行の窓口から行うものとし手数料32 AUDとします。中継銀行の手数料は10 AUD(豪ドル建て送金時)/1,000円(円建て送金時)引かれるとします。
 時差に起因してANZ銀行の公示仲値と三菱東京UFJ銀行の公示仲値には差がありますが、公示仲値が異なる状態では有利不利が比較的できないため、ANZ銀行側の公示仲値を共通の値として採用します。ANZ銀行の公示仲値はBank Buys TTとBank Sells TTの平均値(1豪ドル=83円23銭)と仮定し、三菱東京UFJ銀行のTTBはそれより2円安(為替手数料分)、ソニー銀行のTTBは50銭安として計算します。

(A)円建て送金 
送金手数料 32 AUD
差し引き送金額 (10,000-32)×80.5700 円
着金額 (10,000-32)×80.5700 - 1,000 円
・三菱東京UFJ銀行で受取り 799,621 円(円為替取扱手数料2,500円を差引き)
・ソニー銀行で受取り 799,621 円(被仕向送金手数料2,500円を差引き)

(B)豪ドル建て送金
送金手数料 32 AUD
差し引き送金額 (10,000-32) AUD
着金額 (10,000-32-10) AUD
・三菱東京UFJ銀行で受取り (10,000-32-10)×(83.23-2.00) = 808,888 円
・ソニー銀行で受取り (10,000-32-10-45)×(83.23-0.50) = 820,102 円
※ソニー銀行での被仕向送金手数料 45 AUD

(C)円建てTCで持ち帰り
発行手数料 1.1%(最低13 AUD)
TCの額(日本での受取額) 10,000×(1-0.011)×80.2799 = 793,968 円
※実際には半端な額面のTCは組めないので、上記はあくまで計算上の数字

(D)豪ドル建てTCで持ち帰り
発行手数料 1.1%(最低13 AUD)
TCの額 10,000×0.989 AUD
・三菱東京UFJ銀行で換金 10,000×0.989×(83.23-2.00-0.24) = 800,991 円
※24銭は処理期間の金利負担分[6]。金利情勢により若干変動がある。
※実際には半端な額面のTCは組めないので、上記はあくまで計算上の数字

(E)日本円現金で持ち帰り
両替手数料 1.0%(最低8 AUD)
手取り額 10,000×0.99×78.6927 = 779,057 円

(F)豪ドル現金で持ち帰り
手取り額 10,000×(83.23-2.00-7.70) = 735,300 円
※三菱東京UFJ銀行で換金した場合。7円70銭は「外貨現金取扱手数料」に相当する[6]。日本では豪ドルの外貨現金取扱手数料は高いので豪ドル現金で持ち帰ることは避けたい。

 以上の検討から、豪ドル建て送金をソニー銀行で受け取る方法が最も有利と分かります。1万豪ドルとまとまった金額のため、被仕向送金手数料の45豪ドルがかかるにしても全体では為替手数料の安さ(50銭)が利いて有利になっています。
 上記以外に外国為替証拠金取引(FX)を利用する方法もありますが、手順が複雑なため為替取引に慣れていない方には不向きで、さらに1万豪ドル程度以下ではコストメリットもないためお勧めしません。

参考ページ
[1] http://www.anz.com/aus/ratefee/default.asp
[2] http://moneykit.net/visitor/fx/fx07.html
[3] http://searchfaq.ebank.co.jp/je/faq.asp?fid=30157
[4] http://www.bk.mufg.jp/tesuuryou/gaitame.html
[5] http://www.bk.mufg.jp/gdocs/kinri/list_j/kinri/k …
[6] http://www.bk.mufg.jp/gdocs/kinri/list_j/kinri/t …

この回答への補足

豪ドル$4000くらいでも、やはり豪ドル建て送金でソニー銀行受け取りが有利でしょうか?
すいません。教えてください。

補足日時:2010/03/30 12:44
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この回答へのお礼

結局銀行送金にしました。ありがとうございました。

お礼日時:2010/05/11 14:17

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