
尺八というのは
1.息を吹き込むスピードによって音の質が大きく変わる→音の質を維持したまま音量を変えられない
2.基本、音の立ち上がりにラグがあり、またその際擦れるような独特な雑音が漏れる→細かい旋律を奏でられないなど小回りが利かない
3.音は多くの倍音を含み、それゆえ他の楽器が生む倍音の響きを吸収してしまう →他の楽器の持ち味を壊す
このような性質から、旋律を奏でるのに不向きだと思われます。
しかしながら、明治以降、三曲をはじめ合奏において笛といえば必ずといっていいほど尺八が使われます。
同じ笛なら竜笛や篠笛、神楽笛などのほうが、小回りが利き、音も透き通っていて、琴や三味線と合わせるにしても繊細なもの同士でよいと思うのですが。
また、尺八にとっても、間を表現するのに向いていて、また雑音の多い構造であるのに、他の楽器に遠慮するために尺八独特の間や味を殺した演奏をするのが「よい演奏者」とされる現状は良くないのではないでしょうか。
個人的に、特に三曲において、江戸期のように胡弓の復活を望みます。
尺八は独奏でしか活きない楽器だと思う。あの有名な春の海についても、篠笛や胡弓のほうが合っていた、と思います。
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
短めに・・・
>小さい音を絞って出す→汽笛のようなかすれた濁った音でしょう音色の透明感を維持したまま音量を調節することができない
どうして絞った音が汽笛のようなかすれた音なんでしょうか。
トッププレイヤーの演奏は決してそうではないと思いますが。確かに低い音域と倍音の構成は違いますので低音域と同じ音色のままでということは難しいですが。
>倍音の迫力に気おされてしまうということです。
倍音の問題というより、音量の問題ですね。絃のはじきとか、押し手とかのニュアンスを消してしまうことがあるという意味で言えば確かにそういう演奏になりがちですね。
>琵琶や尺八はその反対で偶然的な要素が多く、その証拠に室内音楽としては演奏されません。つまり三曲は邦楽の中でも安定性が求められるのであり、尺八はそれに適応しないのです。
尺八の音楽は偶然性を求めていません。コントロールしにくい部分はありますが、それをコントロールするのが稽古です。
>虚弱でなくて力強さが抜けないからこそ三曲に不向きです。
三曲においてはやはりもっと軽みのある演奏というのは求められると思います。
>今日23時30分から三橋貴風さんの演奏がテレビでやっており、古典、現代と聴きましたが、野太かったですよ。すばらしい演奏でしたがね(特に鶴の巣篭もり独奏)。
野太いというのは音色の話か、音量の話かにもよりますが、そういうこともできるし、違うこともできます。
>宗教音楽としての本曲(古典本曲といって区別します)は尺八のサウンド重視で、今日の三曲の器用に旋律を奏でるようなものではありません。
最近の海童道(またはそれもどき)や中村明一さんの本曲ばかり聞いていませんか?
海童道は確かに昭和の天才で古典本曲を一代でアレンジして素晴らしい演奏技術で人前に出しています。
横山勝也氏ほかそれに続く多くのプロもそれをやっています。
ただいわゆる古典本曲と呼ばれるもので雑音の類のむら息を使うものはそれほど多くありません。
むしろ戒められています。
音の吹込みなどで入る場合はありますが、それはあなたが指摘した音の立ち上がりの部分です。(それもあまりやりすぎるのはたいてい下品です)
40年くらい古典本曲の世界に身を置いて各派の勉強をして、聞いていますのでこれは間違いないです。
尺八のサウンドというものをどうも雑音を含んだ吹込みの音にあるような印象をもっておられるかなと思いました。
それから違う話ですが三曲では確かに尺八はいらない・・というのは同意する部分もあります。
尺八が入ってぶち壊している演奏は多く目にします。
どのように三曲で尺八が役割を果たすか(本当に必要ないのではないか)はいつも頭にもっています。
私のレベルの尺八では、本当のことを言えばよい絃方の演奏であれば、ないほうがまし、と言えます。
三曲音楽の中で尺八に無神経な人が多いことも認めます。
偶然性っていうのは抽象性といいますか、楽譜で指示できる範囲の音に対して、弾き手の按配で左右される抽象的な要素のことです。間と余韻に味を見出すような音楽はこの要素の多い傾向にあると思っています。
尺八でなるべく透き通った音を出すことがよい演奏だとのことですが、僕が問題提起したいことの半分はまさにそれです。構造的に雑音が生まれやすく、また音量の大きい楽器をなぜわざわざ苦労して透き通ったように演奏しなければならないのでしょうか。そこに無理があるように感じます。文脈的にも、持続音の押して押しての音楽というよりは、押して引いて溜めての余韻の音楽だったのではないでしょうか。
尺八が尺八らしくあってそれが合わさることで全体に貢献できるなら合奏も賛同できますが、今の合奏では尺八らしさを抑えることがよいことのようにされている気がして、持ち味を生かす日本性から外れているように思うのです(ただこの尺八らしさというのが、僕の勝手な先入観だったかもしれません)。
本曲についての知識や尺八の合奏についての経緯など、自分にはまだ不勉強なところがあるようですので、もっと調べて見ようかと思います。色々勉強になりました。どうもありがとうございました。

No.2
- 回答日時:
あまり議論をしてはいけないのでしょうが・・・再び
>運指によって音が変わるというのがよくわかりませんが・・・
孔をすべてOPENにした音と、半分ふさいだメリの音では、音程はともかく音色も音量も変わってしまうということです。
>私が言いたかったのは尺八はある程度以上の風圧を超えなければ透き通った音が出ないということです
このあたり、フルート、リコーダー等笛類は同じですね。
>これでは琴によくあるようなあの細かい、くすぐる様なトレモロができません。
もとより尺八ではトレモロはできません。
>篠笛や胡弓なら琴ほどではないですがもっと小さな音で奏でることができるはずです
小さな音が出したいということですか?
小さい音を絞って出すのはむしろ尺八の得意とするところでしょう。
三曲合奏で尺八が糸の細かいニュアンスを消してしまうということを言われていますか?
>これからの三曲の作曲の表現の幅を思うと細かい音色を奏でられる楽器にしたほうがいいと思います
これは三曲ではなく邦楽の合奏という意味ですね。
>音の響きというのは和音のことではないです。音を鳴らした後の微妙な余韻や、音の繊細な変化が倍音の波に埋もれてしまうということです。
倍音に埋もれてしまうというくだりがよくわかりません。倍音に埋もれるようなことは物理的にありえません。
音が大きいので消してしまうということでしょうか。
>尺八に安定性が無い代わりに面白さがあるというのは分かりますが、そういう本来は不向きなはずの楽器が合奏の主流にあるということが理解できないのです。
安定性をもとめるなら、邦楽、特に三曲の世界はどれも不向きなものばかりです。三弦しかり、胡弓しかり。
>尺八のルーツを辿れば虚無僧尺八の内省的で野太く孤独な音楽に突き当たります。一方で合奏の楽器というのは、周りの楽器に遠慮し協調して、目立ちすぎぬよう繊細でやや虚弱であることを求められるはず。
どうしてそういう発想になるのかわかりません。
山口五郎さんや青木鈴慕さんの演奏が虚弱に聞こえますか?繊細に聞こえませんか?もちろん絃を生かすということは十分意識しますが、それは虚弱とは別問題です。
尺八が野太くというのも誤解が多いようです。
>元はといえば、明治のはじめに特権を失った虚無僧たちが尺八を合奏の楽器として無理やり文脈付けたという、あまり正当とはいえない始まりだったと私は思っています。
これは歴史的には全く違います。虚無僧のいた幕末時代でも絃と合奏する尺八は多く、町の稽古場もありました。
尺八=迫力というのは、最近のむら息だらけのこけおどしの本曲がまかり通っているからだと思います。
本来はもっと普通の音をきっちりと鳴らすものです。むら息などの雑音は効果音程度です。
本曲でむら息など雑音を使うものなどほんのわずかです。
したがってほかの楽器と同じレベルだと思いますよ。
ちなみに篠笛や胡弓も大好きですので、別に尺八だけがいいといっているわけではありません。
>このあたり、フルート、リコーダー等笛類は同じですね。
尺八は特にそうです
>小さい音を絞って出すのはむしろ尺八の得意とするところでしょう。
汽笛のようなかすれた濁った音でしょう
音色の透明感を維持したまま音量を調節することができないのが欠点なのです
>倍音に埋もれるようなことは物理的にありえません。
倍音の迫力に気おされてしまうということです。水墨画なんかでぶっとい筆で一筆でびっとやったのを竹に見せるのがあるでしょう。
あれを繊細で神経質な線と色彩の芸術である浮世絵にやるようなものです。
>安定性をもとめるなら、邦楽、特に三曲の世界はどれも不向きなものばかりです。三弦しかり、胡弓しかり。
和楽器はどれも西洋楽器に比べれば機械されていないですが、だからって全てがそうではない。偶然的な要素が多い楽器とそうでない楽器というのがあり、分かりやすい指標が室内音楽として発展しているかどうかです。
琴や三味線、胡弓なんかは独奏室内楽器として発展していることを考えれば分かるように、人間が制御しやすいものです。
琵琶や尺八はその反対で偶然的な要素が多く、その証拠に室内音楽としては演奏されません。つまり三曲は邦楽の中でも安定性が求められるのであり、尺八はそれに適応しないのです。
>山口五郎さんや青木鈴慕さんの演奏が虚弱に聞こえますか?繊細に聞こえませんか?
虚弱でなくて力強さが抜けないからこそ三曲に不向きです。繊細さはあるでしょう。しかしその繊細さは琴や三味線とは異質なものです。
>尺八が野太くというのも誤解が多いようです。
今日23時30分から三橋貴風さんの演奏がテレビでやっており、古典、現代と聴きましたが、野太かったですよ。すばらしい演奏でしたがね(特に鶴の巣篭もり独奏)。
>虚無僧のいた幕末時代でも絃と合奏する尺八は多く、町の稽古場もありました。
初耳です。庶民にも吹かれていたということは聞いたことがありますが。
>本曲でむら息など雑音を使うものなどほんのわずかです。
それは今伝わっている本曲が琴古流が明治になって付け加えたものだからです。宗教音楽としての本曲(古典本曲といって区別します)は尺八のサウンド重視で、今日の三曲の器用に旋律を奏でるようなものではありません。

No.1
- 回答日時:
>1.息を吹き込むスピードによって音の質が大きく変わる→音の質を維持したまま音量を変えられない
これはよくわかりませんが・・・フルート類と変わらないと思います。
むしろメリカリなど運指によって(音によって)音量、音色が変わってしまうというのはデメリットになるかもしれません。(それを味という言い方もありますが)
>2.基本、音の立ち上がりにラグがあり、またその際擦れるような独特な雑音が漏れる→細かい旋律を奏でられないなど小回りが利かない
よほどむら息を混ぜるようなひとならともかく普通の三曲の演奏ではあまり感じません。
立ち上がりが遅いのは早いパッセージでは不利かもしれませんが、三曲くらいでは問題にならないでしょう。ゆっくりした所は邦楽では各楽器のずれを楽しむ部分もあります。
>3.音は多くの倍音を含み、それゆえ他の楽器が生む倍音の響きを吸収してしまう →他の楽器の持ち味を壊す
これは何のことか意味がわかりません。倍音が吸収とは、一般的には和音として鳴るということを言いますが三曲の楽器構成では和声的な響きは琴、三絃ではあまり期待できません。
尺八はむしろ声と同じようにメロディを情緒的に歌わせるには篠笛などの他の楽器より表現の幅がある分、有利です。
胡弓も同じようなところがあるかもしれません。
三曲の尺八の意義はやはり連続音で琴、三絃の音をつなぐところでしょう。
篠笛という選択肢はあるかもしれません。竜笛、神楽笛なども今の三曲合奏とは全く別に効果音的に使えばおもしろいかもしれません。
>他の楽器に遠慮するために尺八独特の間や味を殺した演奏をするのが「よい演奏者」とされる現状は良くないのではないでしょうか。
遠慮はしませんが、バランスは考えます。
全体の中でどう聞こえるかを考えることがよい演奏者だと思います。(他の楽器でもそうですが)
琴古流などでは、三曲の中にこっそり、本曲で培った手を入れています。
楽譜通りでは味わえない所ですが、決して尺八が生きないものでもないと思います。
胡弓が尺八にとってかわられてしまったのはやはり、音の安定性と、音量の問題だと思います。
(ステージ音楽化した三曲合奏ではやはりある程度の音量も求められるので)
私は胡弓の三曲合奏はあればあれでおもしろいので、もっと復活してほしいと思っています。
(もっと評価されてよい楽器と思います)
春の海については篠笛でやるという方法はあるかもしれませんが、普通の篠笛だと音域が・・・それだったらフルートでやってもいいですよね。春の海の胡弓はあまりイメージできません。(バイオリンとやっているんだからイメージできなくもないですがちょっと苦しいような)
尺八は独奏に向く楽器というのはそう思いますが、合奏できない楽器でもないと思いますよ。
フルートのような音の安定性を求めるなら無理ですが、表現の幅は広いと思いますので、やりかたによってはおもしろい合奏ができると思います。
この回答への補足
ありがとうございます
運指によって音が変わるというのがよくわかりませんが・・・
私が言いたかったのは尺八はある程度以上の風圧を超えなければ透き通った音が出ないということです
息を送り込む量を少しずつ増やしていくとすると、はじめのうちは音にならない耳障りな音があってそのあと急に音が鳴るようになるという感じです
これでは琴によくあるようなあの細かい、くすぐる様なトレモロができません。
篠笛や胡弓なら琴ほどではないですがもっと小さな音で奏でることができるはずです
ラグに関しては確かに従来の三曲ではさして問題にならないのかもしれませんが、それはそういう作曲がされているからであり、これからの三曲の作曲の表現の幅を思うと細かい音色を奏でられる楽器にしたほうがいいと思います
音の響きというのは和音のことではないです。音を鳴らした後の微妙な余韻や、音の繊細な変化が倍音の波に埋もれてしまうということです。
尺八に安定性が無い代わりに面白さがあるというのは分かりますが、そういう本来は不向きなはずの楽器が合奏の主流にあるということが理解できないのです。
尺八のルーツを辿れば虚無僧尺八の内省的で野太く孤独な音楽に突き当たります。一方で合奏の楽器というのは、周りの楽器に遠慮し協調して、目立ちすぎぬよう繊細でやや虚弱であることを求められるはず。
そういう役割に何故尺八を割り当てることが当たり前になっているのか理解ができません。
元はといえば、明治のはじめに特権を失った虚無僧たちが尺八を合奏の楽器として無理やり文脈付けたという、あまり正当とはいえない始まりだったと私は思っています。本来の尺八が虎だとすれば、合奏に用いられる尺八は猫のふりをした虎であり、必死に音の迫力を抑えて雑音の少ない綺麗な音を制御して奏でようとしている様は、滑稽であると同時に哀れであります。私は魅力を感じません。
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