A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
タイトルと支配領地の名の相関関係は中世半ばまではよく見られました。
中世イングランドを例にとって言えば、
東北部のノーサンバーランド伯や中部のウォリック伯、南部のアーランデル伯、デヴォン伯などはタイトルと
実際の領地が一致していた例ですが、これらは決して例外ではありません。これらの大家族はウィリアムと
ともに渡ってきたノルマン貴族家の主だったものですが、爵位名と領土名の隔離が普通となるのは
中世の最後期です。
リチャード三世のもとで公爵位を得たアーランデル伯のタイトルは
ノーフォーク公でしたが、アーランデル家は東部とはこのころ関係はありませんでした。また
1483年にリチャードを倒してヘンリー七世として即位したヘンリー・チューダーはスタンリー卿をダービー伯
にしましたが、スタンリー家はダービー州には一片の土地も所有していません。爵位名と領土名の隔離イングランドでは15世紀後半から顕著になった現象といえます。(ただしコーンウォール公爵、ヨーク公爵、ケント公爵、グロースター公爵など王室メンバーにリザーブされたタイトルはまた別の歴史があります)
蛇足ですが
貴族としての歴史を中世半ば以前に遡る家はいまだにタイトルと領地(居住地)が一致している例がままあります。
前述のノーサンバーランド伯家とデヴォン伯家はそれぞれ公爵家、侯爵家としていまだにノーサンバーランド州とデヴォン州に居住しています。
No.2
- 回答日時:
プリンス・オブ・ウェールズは国家を代表する特別なもの(ウェールズの王と同じ意味をもつ)なので例外のうちですが、基本的に爵位と領土は最初から別の物です。
(あとイギリス王室はかつてケンブリッジに)
つまり○○という土地をもっていた人に、初めて爵位を授与したのが、○○公という貴族であったと考えてください。
で、それが世襲されていくわけですが、経済状態によってその代の人は土地を手放したり、あるいは土地を拡張したり、さらには別の土地を手に入れたりするわけです。それで増減がある。○○貴族であっても、名前の由来になった○○という土地をもってないことはざらです。
またあるいは、××という土地が戦闘などの記念地で、その名前で××爵位を与えられるという場合には、最初から所有地との結びつきはありません。
土地は、私有財産で、爵位も同じく、財産権の一部と理解できます。貴族は相続の過程で、一子にすべてをやる場合もあれば、分割相続される場合もある。爵位はこの子、館はあの子みたいな。さらに近代になると資本主義経済の発達により、農地収入など土地から得られる収入が、邸宅や領地の維持費などを含めて出費を下回るようになったので、土地そのものを売約することもありました。
結局のところ、最初から土地と爵位は、別々の財産です。多くの貴族は、爵位の由来になった由緒ある土地を手放したがらなかったわけですが、だからといって不分離というわけではなく、もともと違うものです。
No.1
- 回答日時:
今でもドイツ国内にスウェーデンの貴族が保有する「マイナウ島」と言う小島が内陸部にあります。
調べればもっと出てきますよ。
今でもヨーロッパの貴族はそれなりに領土を持っているのです。
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