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標記の問いに詳しくお答え下さい。

A 回答 (5件)

 「真性乱数」ってのは,本来は「乱数」のことでしょう.乱数は数学の概念です.ある既知の分布に従っていて,毎回生成される度にその値は過去の値とは独立である.



 一方、「物理乱数」は物理現象を観測して生成する数列であって,従って物理の概念です.そして,これが乱数なのかどうかは,以下に論じる通り,証明不可能です.
 たとえばサイコロを振るとか,コインを投げるとか,トランプをよく切り混ぜてから配る,というのだって昔からある「物理乱数」の一種と言えましょうが,実はstomachman,コインを投げて10回連続でオモテを出す技を習得したことがあります(今はもう出来ませんけど).トリックはなく,単にいつも同じタイミングでコインを投げ,キャッチする,というだけのことで,ロボット技術を使えば作れるでしょう.こんなのは乱数になっていないことが明らかです.
 立方体の箱を水で満たし,そこに比重1の球を入れて振り回す.そして,球の動きが止まるのを待ってから,球の座標を正確に測る,という方法で物理乱数を生成する方法が(かつて)あった,と聞いた事があります.この方法はどうでしょうか.コインよりはましとは言いながら,疑う余地はまだいろいろありますから,得られた数列が乱数になっているかどうかを調べてみるしかなさそうです.
 しかし,ある与えられた数列が乱数かどうかを調べようというのは無理なんです.なぜなら,「ある既知の分布に従っていて,生成される度にその値は毎回過去の値とは独立である」ことを証明しようとしたら,有限長の数列じゃ最初から話になりません.無限に長い数列を無限個集めて,それらの統計的性質を調べなくてはならない.実行不可能です.
 有限長の数列で出来る事は,種々さまざまな統計的性質を調べて「乱数になっていない」という証拠を探すことです.証拠が出たら即座にアウトですが,いくら調べてもその証拠が出ないからと言って,乱数になっていると宣言する訳には行きません.だって,調べたのは過去のデータだけで,しかも高々有限通りの統計的性質を見たなんですから.

 かくて,現代において「物理乱数」と言えば,熱雑音だの宇宙線だの放射性原子核の崩壊だの,もっぱら「量子力学が正しいと仮定すると,乱数になっている」と言えるものを利用して数列を生成することを指している.結果が乱数になっているかどうかではなくて,(仮定が正しければ)原理的に乱数になる筈,という論法です.
 ところが,数学は物理とは本来無縁であり,従って前提となる「量子力学が正しい」を(数学で言う「証明」の意味において)証明するのは不可能です.でも,非常に多くの観察・実験をしてもいまだに「量子力学は誤っている」という証拠が出ないので,「量子力学が正しいっぽい」とは言えるし,「正しいっぽさ」がものすごく高い.将来「実は正しくありませんでした.てへ」になるおそれなどほとんどない.
 だから,ま,これを乱数だと思って利用している.そういうものが「物理乱数」ですね.

この回答への補足

不確定性原理が物理乱数の乱数性の必要条件の全体または連言肢の一つになっていますのでしょうか。若し、そういう事になっていますのでしたら、その理屈を詳しくお教え下さいますでしょうか。

補足日時:2011/11/16 17:11
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この回答へのお礼

懇切ご丁寧な御回答、誠に有難う御座いました。

お礼日時:2011/11/16 13:45

企業サイトというのは、

http://rd.kek.jp/slides/20060512new/KEKTalk06051 …
のことですね? その pdf の言いたいことは、何となく分かるのですが、
記述には混乱が見られます。そもそも、機器を作って真性乱数を生成したと主張
しちゃってるじゃないですか。機器から生成されたものは、程度の良悪とは関係なく
「物理乱数」の一種です。物理乱数は必ずしもランダムとは限らないからダメで、
我社は真性乱数の生成器を開発した…という話にしてしまっていますが、
既存の物理乱数の多くはランダムさが足りないが、我社の物理乱数は真性乱数である
…と言わなければ、正しくありません。
pdf で紹介されている製品の乱数がどうであるかは知りませんが、物理学では、
真性乱数(というか普通は単に「乱数」と呼ぶ)が存在すると信じられているようです。
量子論の確率的解釈などは、その代表だし、熱雑音やブラウン運動は、身近ですね。
おそらくどんな物理現象から乱数を採取しても、取り出すときの操作由来の規則性が
混入して、完全な「真性」乱数にはならないだろうとは思いますが、原理的には、
自然界に乱数は存在して、それを高精度(高乱度?)で取り出すような機器は作り得る
と考える訳です。真実かどうかはともかく、普通、そのように信じられていると思います。
一方、数学においては、乱数という概念を定義することすらしません。
分布関数によって記述されるナニカが確率変数であるとし、そのナニカが何者であるか
はスルーします。乱数という語は、確率変数を情緒的に表現する言葉と考えます。
乱数がどのような性質を持つかは、数学で記述できますが、乱数を生成することは、
数学ではできないのです。数学的手法で生成された乱数もどきの数列は、
決して乱数ではない「疑似乱数」です。その対語として「真性乱数」を考えるならば、
物理乱数(の中で上等のもの)がそれにあたるだろう…という話をしたつもりでした。
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この回答へのお礼

誠に有難う御座いました。

お礼日時:2011/11/16 17:08

>ANo.2 の alice_44 様との御意見の違いは、如何お考えでしょうか。


あくまでも,回答者どうしの意見のやり取りに準じること,並びに,当該回答が利用規約に抵触する判断される可能性が非常に高い為,申し訳ありませんが,避けさせていただきます.

あくまでも,ご質問者様からの補足質問ということですので,批判等の類ではないことをご了承くださいますようお願いします.

>>何かしらの理論計算に基づき“予測可能な乱数”が“物理乱数”であり,
>>計算では“予測不可能な規則性が全く無い乱数”が“真性乱数”です.

しかしながら,この2行目の『真性乱数』に関する記述において,“計算”という言葉が,非常に曖昧過ぎました.
以下のように,訂正致します.
『真性乱数』とは『過去から未来に於ける全ての時系列の中に生きる人類(人類以外の知的生命体,或いは真理を含む)によっても,如何なる理論を確立することも不可能であり,かつ,全くの法則性も無い,予測不可能な乱数』と変更させていただきます.
以上,訂正させていただく機会を与えて頂き感謝します.
これ以上は,申し訳ありませんが,他の回答者様との関連した補足やお礼には,一切回答致し兼ねます.
どうかご理解下さい.
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この回答へのお礼

懇切ご丁寧な御回答、誠に有難う御座いました。

お礼日時:2011/11/16 13:41

違い? 違わないんじゃないの?


物理現象によって生成した乱数は、採取元を適切に選べば、
原理的に予測不能な「真性乱数」たりえると考えられている。
数学的な手法によって(計算機など使って)生成したものが、
疑似乱数でしかありえないのとは、全く異なる。

この回答への補足

QNo.362993  の「真性乱数と物理乱数」 への ANo.1中にリンクされている1つ目のリンク先の企業は違うと主張しているようですが、間違っているのでしょうか。なお、その企業には連絡が付きません。(メールが届きません。)

補足日時:2011/11/15 20:16
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この回答へのお礼

誠に有難う御座いました。

お礼日時:2011/11/16 17:24

何かしらの理論計算に基づき“予測可能な乱数”が“物理乱数”であり,


計算では“予測不可能な規則性が全く無い乱数”が“真性乱数”です.
この相違関係しか無いです.
これ以上,詳しくとは記述しようがないです.

この回答への補足

ANo.2 の alice_44 様との御意見の違いは、如何お考えでしょうか。

補足日時:2011/11/15 20:21
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この回答へのお礼

誠に有難う御座いました。

お礼日時:2011/11/16 13:43

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