No.5ベストアンサー
- 回答日時:
カトリック信者です。
No.4さんのご回答を受けて、回答します。本日教会で神父様にも確認しましたので、わかる範囲でお答えします。
1.確かに、キリスト教には、修験道のように「滝に打たれる」とか、
禅寺での坐禅
http://www.mitene.or.jp/~katumin/eiheiji/sonota/ …(永平寺の例)
や比叡山廷暦寺の「千日回峰」行
のように厳しい修行は見当たらないようです。
昔は、むちうちの刑などもあり、日本の修道院の老齢の修道士によると、食堂の中央の石だたみのフロアの上で、「特別の修行」(何らかの罰ゲーム?)が行われた形跡もあるようですが、はるか昔のようです。
2.キリスト教では、特別の修行をやらなくても、よく「祈り」、正しく社会生活を送ることこそが「修行」と考えられているのではないかと思われます。
即ち、人里離れた山奥に仙人のように隠遁して神仏と向かい合う、といった特別な「修行」よりも、人々の集う「世の中」で、如何に上手に共同生活が送れるかの方に重点が置かれており、その共同生活の体験こそが修行と考えている、との神父様のコメントでした。
現に、カトリックの場合、聖職者を目指す神学校や、聖職者が集う修道院での団体生活を通じ、「共同生活をしっかり送れる能力」を鍛えることが最も重視されるということです。
人々と如何に上手に交流出来、司牧・宣教活動が出来るかが、聖職者の一番のミッションであり、「修行」の目的もそこにあるとの神父様のお言葉でした。
3.キリスト教で「修行」と言えば、まず思い浮かぶのは「修道院」の生活だと思います。
最も厳しい修道院といわれる厳律シトー会(トラピスト会)では、「祈り」と「労働」(バターなどの乳製品製造など)が重視され、今は多少緩和されたとはいえ、やはり世間との交流は制限し、「神との静かな対話」が生活の中心のようです。↓
http://www3.ocn.ne.jp/~trappist/monac.html
4.カトリックの場合は、「修行」というのとはちょっと違うかもしれませんが、「黙想」の集いも各所で行われており、自由参加ですが、日常の喧騒を離れて神に向かい、自分の心を見つめ直すいい機会だと思います。
又、カトリックでも、「坐禅」や「内観」が取り入れられています。
勿論全教会で行っている訳ではありませんが、「坐禅」や「内観」に通じている神父もおられますし、専門の道場もあります。↓
秋川神冥窟 http://www.ny-networking.com/Recovery/essay07.html
内観瞑想センター http://www.com-unity.co.jp/naikan/taiken.htm
又、坐禅を通じての禅宗との交流もあります。↓
http://www.hanazono.ac.jp/zenbukkyo/touzai
5.カトリックで広く行われている一般的な「修行」の行事と言えば、何と言っても、No.4さんが挙げられた「四旬節」(英語で「レント」)ではないでしょうか?
これは、「キリストが伝道活動を始める前に、40日間荒野で修行をし、悪魔の誘惑を退けた故事」に因み、イエス・キリストが十字架上で亡くなる前の40日間、なるべく生活を慎み、過食も控え、品行方正に過ごすように求められているものです。
四旬節の初日である「灰の水曜日」(2012年は2月22日)と「聖金曜日」(2012年は4月6日)の2回は、食事を控えめにすること(これを「大斎」という)と肉を食べない(これを「小斎」という)習慣があり、大斎は18歳以上60歳未満の健康な信徒、小斎は14歳以上の信徒が守る義務があります。(参考→ http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/memo/lent.htm)
私は、今年、この内の「聖金曜日」に、親類の法事が入ってしまい、肉食モリモリの中華料理屋で食事をすることになりました。そこで困ってしまい、少し前、次の質問をこのサイトでいたしました。
カトリックで肉食禁止の日の言い訳の仕方
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7362287.html
今日、神父様にも相談した処、いや、それは社会生活を円滑に送ることを優先した方がよい、その日に守れなくても、自分なりに、日を変え、品を変え、ささやかな神の前での「犠牲」を払えばよい、と言われ、心が軽くなりました。
No.4さんご回答の末尾にある通り、新訳聖書マタイ伝六章16-18には、さあこれから断食をするぞ!とか祈るぞ!などとこれ見よがしに行うのではなく、誰にも気が付かれないように行うことが推奨されておりますので、やはり「形式」よりも、心の内の「実質」が伴えばよい、との解釈のようです。
最近は、一部の在俗修道院では、一人だけ、或いは数人の小所帯で、一般の住宅地のような所に住み、自給自足で、思い思いの犠牲(例えば酒を飲まない、肉を食べないなど)を払いながら、祈りと黙想と労働の日々を送っている所もあるようです。
6.ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、代表著書『プロテスタンティズムの精神と資本主義の精神』の中で、アメリカ独立後、イギリスから渡米した清教徒たちの「禁欲精神」が、単なる「禁欲のための禁欲」ではなく、私欲を超えた商売への精進に導き、資本主義を勃興させる起爆剤になったと述べています。人生の一時期の「修行」ではなく、一生を通じた禁欲精神(尤も、今のカトリックには、「禁欲」を前面に出す人は少数派ですが)や、労働や社会生活の中での人的交流などこそを「修行」と考える由縁がそこにあると思います。
以上、大変長文になり、申し訳ありません。
最後までお読みいただき、大変有難うございました。
丁寧な回答ありがとうございます。
仏教の場合は修行で悟りを開き仏になるという目標がありますが、
キリスト教の場合は修行しても、まさか自分が創造神やキリストになれるわけでもなく
ゴールを設定しにくいのが影響してるのかな?と考えました。
No.4
- 回答日時:
私はプロテスタントですので、カソリックの行事についてはあまり詳しくありませんが、現在のアメリカでもごく当たり前に行われているものとして、レントがあります。
これは、復活祭の前四十日間にわたって、自分の一番好きなことを断念する修行で、娘のお友達などは、”甘い物断ち”をしていたため、復活祭直前の娘の誕生日にケーキが食べられなくて、やりにくかったのを覚えています。
キリストが伝道活動を始める前に、四十日間荒野で修行をし、悪魔の誘惑を退けた故事からレントが始まったようです。
カソリック教徒の方がもっと詳しくご存知だと思います。
他には、私の友人たちでも、復活祭の前に、断食をして、一日に何度か敬虔な祈りを捧げることがあるようです。これは全く個人的なもので、教会に強制されるものではありません。
なお、聖書では、マタイ伝六章16-18で、キリストは”断食をするときには、ひっそりと、誰にも言わずに、神に祈りなさい”といっており、華々しく宣伝することを戒めています。
回答ありがとうございます。
これは日本でも願掛けして○○断ちとか
ありますね。
イエスが荒野で修行した話は有名ですが、実際は瞑想と断食くらいで
ハードに肉体を酷使した修行はしてないぽいですね。
No.3
- 回答日時:
日本的な宗教での肉体的修行は、明るいイメージがありますが、
キリスト教では、暗い陰湿なイメージが強く、個人主義的な苦行の
イメージが強いように思います。
修行というよりは苦行ですね。
昔は鞭打ちなど、自分の部屋で罪の数だけ鞭打ったりしたようですが、
今はしていないと思います。
敷き布団なしで板の上に寝たり、断食をしたり、徹夜で祈ったりしますが、
基本的に、自分の内的な弱さとエゴとの闘いが目的のはずです。
しかしそこにも落とし穴があって、自己満足だけで終わることが多いです。
No.1
- 回答日時:
回答ありがとうございます m(_ _)m
そういえばドストエフスキーの小説で「鞭身派」や「去勢派」なんてのが
あったのを思い出しました。
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