
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
明治時代に art という言葉の訳語として「芸術」と「技術」ということばが考え出されたとのことです。
過去においては絵画や彫刻などの芸術は装飾を作る技術とはっきり分ける事ができない物だったわけですが、明治の日本ではやはり art に含まれる二つの概念が分かれつつある段階であったのでしょう。
工芸とは craft の訳語であったようです。
19世紀にウィリアムモリスなどは arts and craft という運動を提唱しました。これは機械による大量生産で廃れてしまいそうな手仕事による生産の良さを再評価して、職人の手による「技術・芸術」を日常生活の場に活かそう、美しい物を使って生きよう、という試みであるとまとめる事ができるでしょう。
しかし今日、伝統工芸というのは技術的に高水準で非常に高価な物だけが生き残っているのも事実です。というのは安価な実用目的の手工業量産品はどうしても機械生産に値段的に負けてしまうからでしょう。
工芸=伝統工芸であると考えて良いと思います。
実用的な物は採算を考えた商品としてではなくて、自家用とか家庭内のような場に生き残っているのだと思われます。
そこで手芸と工芸という言葉を考えてみますと、どちらも使う物を美しく作るための技術・芸術ではありますが工芸の方は「(専門的な職人による)工業」手芸の方には「(家庭内で・自分やる)手作り」というような概念が強調されているように思います。
なお現代工芸の展覧会などに行くとよくあるのですが、使用を考えていない、工芸の技術を応用して作った観賞用の品もありますね。
また日本刀などは現代では使用してはいけないとされている類の品物ですが、発達した技術を保存するため、また歴史や文化を背負った美術品に近いものとして鑑賞目的につくられ、技術保存のための補助などもされています。刀鍛冶の人に伺ったのですが、刀は江戸時代にはすでに戦争の勝敗を決する主力兵器とは目されなくなっていて実際に使用も出来る美術品のようなものとして研究開発されていたという事です。武士のスーパーカーのような物でしょうか。
なお著作権の考えかたでは自動車のようなデザインには著作権が無いとされています。ですのでデザインをコピーされないようにするためには意匠登録をしないとならないのです。
しかし工芸品の場合は著作権を生じる場合があるとされていて、やはり芸術としての側面を持つ場合があると考えられているようです。
http://chosakuken.bunka.go.jp/naruhodo/answer.as …
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この回答への補足
ご回答いただいた
「そこで手芸と工芸という言葉を考えてみますと、どちらも使う物を美しく作るための技術・芸術ではありますが工芸の方は「(専門的な職人による)工業」手芸の方には「(家庭内で・自分やる)手作り」というような概念が強調されているように思います。」
に納得しました。
なお、「実用を考えない工芸作品」を否定しているのではありません。私も染色を趣味にしていますが、染色方法を考えるのが楽しみで実用を考えていません。
No.2
- 回答日時:
数千万の着物でも着る人は着ます
観賞用では有りません
そういう意味では芸術作品ではなく実用品です
庶民の感覚だと高価=芸術だと思っているでしょうがそうでは有りません
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