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最近三菱東京UFJ銀行のCMをよく見かけます。有名男性タレントを起用し、カードローンの案内を広告しています。それは、銀行自らがカードローンを積極的に拡販していこうとする決意の表れであると見えます。審査期間が短いことや店頭に出向かなくてもできることを積極的にアピールした内容です。

しかし、邦銀トップ銀行が、なぜ今小口のカードローンのセールスなのか、分かりません。
「アコム」というグループ企業が傘下にあるのに、銀行本体が敢えて着手する意図は何でしょうか。
利息制限法が定められてから、消費者金融会社は、皆過払い返還請求に耐え切れず、主力金融機関の傘下に入り経営の建て直しを図るしかありませんでした。アコムもそうするしかなかったと思います。

消費者金融の顧客は、銀行顧客に比べて回収リスクが高いのが一般的ですから、当然貸出金利を高く設定せざるを得ません。しかし、利息制限法の制約から高い金利が適用できない昨今では、カードローンは、とてもペイできる事業とは思えません。

三菱東京UFJ銀行とアコムの住み分け、MUFGのリテール戦略が見えません。
銀行本体が、カードローンのような小口債権市場(貸し方も好ましいとは思えない⇒貸越が利息を生み、更に利息が利息を生むような形態)にどっぷりと浸かっていこうとする意図が読めません。

ご教示いだだければ幸いです。

A 回答 (3件)

No.2です。



お礼に書かれていた事に回答しようと調べていたら、以下のようなものがありました。参考にしてください。
http://www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/2992.pdf


> あと、ノンバンクはリスクの高い人と低い人をどうやって差別化していたのでしょう。
> 個人は職業と年収、個信情報程度しか判断のしようがないと思うのです。
他には勤務先、勤続年数、居住形態、居住年数、家族構成、連絡先の電話番号の種類等ですね。こういった項目からスコアリングしていくのですが、ノンバンクには銀行と違ってこれまで個人向けに無担保ローンを貸して来たたくさんのデータがあります。これら過去の実績を基に的確なスコアリングモデルを構築しているというわけです。

どうも、ノンバンクには審査・回収ノウハウがあるとは思われていないようですが、逆に言うと銀行には個人の無担保ローンに対しては審査・回収ノウハウが全くないということです。


> 現に三菱東京UFJ銀行のカードローンは、貸出枠テーブル毎に金利設定をしています。
>10万円~50万円迄14.6%、500万円は4.6%。高年収の人でも、
> 貸出枠50万円であれば4.6%を適用するのでしょうか。
> それとも年収に応じて、顧客の意思とは無関係に最大貸出枠まで設定して
> しまうのでしょうか。
個人の信用は年収だけで決まるものではありません(この考え方が銀行的ですよね)、色々な情報から信用ランクを決定してそれに応じた限度額を設定しています。規約にも限度額は勝ってに決めると書いてありますし、オンライン入会申込の項目に希望限度額なんかありませんでしたから。

> 銀行では普通しないような手荒で激しい回収もできると考えて
> のことではないでしょうか。
なんだか、20年前のサラ金をイメージしているような発言ですが、現在の貸金業法下では、手荒で激しい督促行為はできません。
午後9時~午前8時の電話や訪問は禁じられているし、執拗な電話もだめ、保証人でない親類にコンタクトするのもダメ、理由なく職場に電話するのもダメなんですよ。
ノンバンクは今までの経験により、より効率的な督促、相手に合わせた回収を行なっているだけです。
これも、言い方を変えると、銀行に回収ノウハウが無いだけなんですけどね。


> あの三菱が、バブル期にも踊らなかったあの三菱が、
> そういう舵を切ったことが私には信じがたいのです。
金融庁も積極的に参加を呼びかけているのですがら、三菱であっても参加しないわけが無いということです。
http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/city/03d2. …
上記の「III -6-3 消費者向け貸付けを行う際の留意事項」参照
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この回答へのお礼

改めてご回答いただきましてありがとうございます。非常に丁寧な解説に感謝致します。

お陰様で、大分分かってきました。
ノンバンクには、従前から審査・回収の知見があり蓄積データから個人債務者に対して強みがあるのですね。私には、ノンバンクと言えば絶対借りてはならない、恐ろしい金融機関のイメージしかありませんでした。20年前の見方、確かにその通りでした。

そうしますと、三菱東京UFJ銀行は、アコムを手に入れたことは損ではなく、コスト(給料)の高い行員は使わず、広告宣伝で顧客を勧誘し、手間を掛けずにアコムのスコアリング審査に基づき短時間に決裁して貸し出し、手っ取り早く利鞘を稼ぐこと。そして、口座すら無い、顧客の顔も見ないで融資するのですから、当然不良債権も発生することを想定し、そこをコストの低いアコムの実働部隊の回収スキルに委ねようということですね。将来的に、不良資産が想定外となり、MUFGの重荷となれば、清算処理を検討するという図式でしょうか。

法人に本格需要がまだまだ乏しい状態ですから、この過渡期の戦術としては仕方がないのでしょうね。しかし、カードローン契約を機に、その個人債務者の口座が家計メイン口座に育つかもしれませんし、やはり決済機能を持つ銀行というのはいろんな商売を考えることができて面白いですね。

お礼日時:2013/05/18 00:48

企業の戦略がどうなのかを知るには、IR情報を見ればある程度はわかりますよね。


三菱UFJフィナンシャルグループのIRプレゼンテーション資料に現れるキーワードは「グローバル」と「コンシューマー」です。

コンシューマーについては、ちょっと古いですが2007年に事業戦略説明会があり、その時の資料が以下のものです。
http://www.mufg.jp/ir/presentation/backnumber/pd …
内容は、三菱UFJニコスのクレジットカード事業を中心としたものになっていますが、消費者金融事業についても書かれていて三菱東京UFJ銀行とアコムで「新商品投入(予定)」なんて書かれていますね。これは銀行のお客さま「4000万人」がターゲットとなっています。

以下は、No.1の回答のお礼に書かれていることについて、ちょっと書かせてもらいます。

> 法人向けの貸出減少を個人向けの貸出でカバーするのは大変そうですね。
貸出金額ベースではカバーは大変かもしれませんが、収益ベースではそう大変なことではありません。
当然理解されていると思いますが、企業向けの融資と個人向けの融資だは金利がまったく違います。おおよそ5倍~10倍の差があり、個人向けはそれだけ利鞘が大きいということです。しかもターゲットは4000万人ですから。

> 審査能力の無さ、回収ノウハウの無さを金利でカバーしてきたのではないでしょうか。
違います。
これも貸金業では当然の事ですが、リスクの高い人には金利を高く、リスクの低い人には金利を安くしています。そこまでのリスク分析ができていると言うことです。
過払い利息については、確かにグレーではあったけど出資法上認められていた金利(上限29.2%)だったからその金利で貸せる人にも貸していたわけです。
それを突然、その金利で借りる事に同意した人に対して返還しろというのですからノンバンクにとってはまさかの事態でしょう。

一方、銀行はそんなリスク分析なんかできるノウハウは無いので、100%間違いないと思う人にしか貸すことができないのです。

これは余談ですが、同じグループのジャックスは過払い利息の返還がほとんどありません。これは、平成9年以降利息制限法の金利以下で貸していたためです。ジャックスと言う会社は無理に事業を拡大しようとせずに、地道な会社でバブル期も他の信販会社が不動産投資で失敗していたのに、ジャックスは本業一筋で被害がありませんでした。
過払い利息につていは、別にジャックスの方がアコムより審査・回収のノウハウがあったというわけではなく、単に会社としての戦略が異なっていたというだけです。

アコムの現状についてもアコムのIR情報を見てもらえばわかるはずですが、過払い利息の返還も一息つき、総量規制と金利引下げの影響で融資残高は減っていますが営業収益は既に黒字化しています。
今後も、融資を伸ばすことは難しいのですが、代わりに主力となるのが保証業務であり。3年後にはローン残高に保証残高が追いつく想定をしているようです(詳細は以下参照)。
http://pdf.irpocket.com/C8572/qzIz/ynIi/exg2.pdf

いずれにしろ、コンシューマーファイナンスをやっていくには銀行としてはブランド力はあっても全くノウハウがありません(審査も回収も)、従ってノウハウのあるグループのノンバンクに頼らざるを得ないのです。
つまり、銀行のブランド力とノンバンクのノウハウで事業を伸ばして行こうと言うことです。

また、余談ですが貸金業法の改正は失敗だったという意見が少なくありません。
それは市場に流出するお金が減り消費の低下を招いたとか、法外な闇金に行かざるを得ず新たな多重債務者を産んだとか色々です。
例えばこんな記事もあります。
http://diamond.jp/articles/-/28375

これを受けて、自民党のマニフェストには上限金利と総量規制の見直しが書かれています。
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/j_file2012.pdf
上記の52ページの182項参照
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この回答へのお礼

ご丁寧に解説いただきありがとうございました。

法人に1億円を短プラ(1.475%)で貸した場合、年間利鞘は1,475千円。一方、個人向けカードローン金利は、三菱東京UFJ銀行の場合4.6%~14.6%でしたから、仮に最低の4.6%として逆算して、32百万円程の貸出額で同等の利鞘を稼げる訳ですね。最高の14.6%であれば、10百万円程。50万円口の顧客を20人勧誘させればいいのですね。これなら、貸出ボリュームはカバーできなくとも、利鞘は確かにカバーできそうな感じがします。ターゲットの4,000万人の内どれ位ヒットするかは、疑問ですが。

あと、ノンバンクはリスクの高い人と低い人をどうやって差別化していたのでしょう。法人ならば、決算書のスコアリングで格付をして、過去倒産確率から導き出した金利設定を行うのでしょうが、個人は職業と年収、個信情報程度しか判断のしようがないと思うのです。とても木目細かく金利選別しているとは思えないのです。現に三菱東京UFJ銀行のカードローンは、貸出枠テーブル毎に金利設定をしています。10万円~50万円迄14.6%、500万円は4.6%。高年収の人でも、貸出枠50万円であれば4.6%を適用するのでしょうか。それとも年収に応じて、顧客の意思とは無関係に最大貸出枠まで設定してしまうのでしょうか。

それから、ノンバンクの回収ノウハウについてです。同じ金融業として、それほど回収手法に差があるのでしょうか。一頃話題になった商工ファンドのように、債務者に臓器を売らせて、それをもって回収するような反社会的な回収手法なのでしょうか。そこまでしないまでも、銀行から債権をノンバンクに移すことで、銀行では普通しないような手荒で激しい回収もできると考えてのことではないでしょうか。

穿った見方で恐縮なのですが、”ノウハウのあるノンバンクに頼らざるを得ない”のではなく、銀行のブランドを捨て、敷居を低くし広く満遍なく貸し込み利鞘を確保しよう、また延滞債権はグループノンバンクに売却し、銀行の名前ではできない少々荒っぽい回収をさせようということなのかなと私には思えるのです。あの三菱が、バブル期にも踊らなかったあの三菱が、そういう舵を切ったことが私には信じがたいのです。

お礼日時:2013/05/15 23:06

まず、銀行の企業向けの融資の額は最近になってようやく下げ止まりになってきましたが、10年以上ずっと減り続けています。


ということは、銀行にすれば別の収入源がなければ収益は減り続けていくことになります。

もうひとつの理由が改正貸金業法の影響。
改正貸金業法の対象はノンバンクのみ。つまり、総量規制も銀行にはまったく影響ありません。

上記2つの理由から、銀行にとってはリテール向けにローンを展開するチャンスとなったわけです。

もっとも顕著な例は新生銀行で、レイクを子会社化ではなく吸収してしまい、レイクのやっていた事業をそのまま新生銀行としてやっています。

銀行がリテール向けにローンを展開するのには、ひとつ問題がありました。
それは、リテールに対する審査ノウハウや回収ノウハウが無いことです。
幸いに三菱東京UFJ銀行はグループ会社にアコムがいます。
アコムはリテールに対する審査ノウハウ、回収ノウハウを十分に持っています。
というわけで、三菱東京UFJ銀行のローンはアコムが保証会社となっています。

これで、三菱東京UFJ銀行は回収のリスクがなくなり、アコムは自社の貸付の落ち込みによる収益の悪化を保証業務で少しでも挽回できることになり、一挙両得というわけです。

同様にみずほ銀行には信販会社のオリコがついています。
また、三井住友銀行にはSMBCコンシューマーファイナンス株式会社(元プロミス)がいます。

各銀行は、消費者金融や信販会社を傘下に収めたからこそできる戦略だと思います。
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この回答へのお礼

非常に丁寧なご回答ありがとうございました。

一つ思うことですが、企業向けの貸出ロットと個人向けの貸出ロットには大差があります。稟議一本で簡単に1億円貸出していたものを1個人にはせいぜい5百万円が限度。そうなると20人の相応の所得のある個人の方を探す必要がありますね。法人向けの貸出減少を個人向けの貸出でカバーするのは大変そうですね。

あと、消費者金融会社(レイク、アコム、プロミス等)は、本当に審査能力や回収ノウハウに長けた存在だったのでしょうか。審査能力の無さ、回収ノウハウの無さを金利でカバーしてきたのではないでしょうか。その金利の制限を受けて、また過去の利息収入の返還請求までされて、彼らは立ち行かなくなって已む無く銀行の傘下に入らざるを得なかったのではないでしょうか。

アコムが保証会社となって、いざとなればアコムが代位弁済してくれるから、三菱東京UFJ銀行はノーリスクと言っても、アコムの運転資金(代位弁済財源)は同行が融資しているのですから、優良保証とはなり得ず金融庁検査では分類されてしまうと思います。グループ全体でみれば、結局同じかと思うのです。

お礼日時:2013/05/13 22:49

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