プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

せどりに興味があります。
全く初めて、のところから分かりやすく教えていただきたいです。

A 回答 (1件)

 こんにちは。


 せどりというのは古書業界の用語。本来は古書店の棚から商売になりそうなものを抜き出して、それに向いた古書店に転売するものです。最終的な客に自分が直接売るわけではありませんでした。ぱっと本の背を見て、さっと値を確認して、即座に判断する。この行為から「背取り」という字を当てるのが適切だろうとも言われますが、定説ではありません。
 そういう言葉の意味はともかく、今言うところのせどりは単なる転売です。普通の古書店でもそういう利の出る品物が出る場合もあります。店主がその方面には強くなく、しかもまとめて買った山の中にたまたま少数だけ含まれていた場合など、適当な値をつけて棚に入れてしまうことがあります(もしこれが同類のものが十、二十とまとまっていると、店主は古書業者の交換市に持ち込んでしまいます。そうすると価値が解る古書店は必ずいるので、それなりの値が付くことになります)。そういうものにぶつかる可能性が全く無いわけではありません。ですが今時の自称せどり屋が普通の古書店で、携帯電話などの画面で一々市価を確認しながら本を探し続けていたら、まず間違いなく店を追い出されます。昔のせどり屋は自分の経験と知識だけで勝負したのです。
 しかし、ブックオフに代表される古書店もどきが広まって、この状況が一変しました。店側はとにかく売れれば良いのだし、そもそも売り値の付け方も極めて機械的なもので、そのためものによっては転売に格好の本も少なからずあります。しかもインターネット・オークションやアマゾンのマーケットプレースのように手軽に売ることが出来る場も次々に整ってきました(ここで少し間を置きましょう)。


 ただ「少なからずあります」とは言うものの、それではどのようなものがこれに類するのか。これはやはりそのような知識がある程度無ければ話になりません。ブックオフで端末片手に、買い物籠にやたらに詰め込んでいる輩が時々います(私はこの1年ほどブックオフに行かなくなりましたが、多分今でもいると思います)。普通の客としては、とにかく邪魔だし、めぼしいものはなんでも手当たり次第にさらってゆくああいう奴らは腹立たしい限りです。
 個人的な怒りはさて置き、それではそのまとめ買いされた本のどの程度で転売が成立しているのか、ということですね。もちろんその転売屋の知識や商売への姿勢によってもこれは大きく異なるでしょう。端末のデータを元に単純に、自分の買値<ネット市場での売値で、買い集めるようなことをしたら遠からず不良在庫の山になります。もちろん最低の経費として自分の買値×1.3<ネット市場での売値、程度で考えたとしても、これでも行き詰まるのは確実です。
 その具体的な例が、特にアマゾンで目立つ「バカ値」の本の山です。こんな本がそんな値段で売れるわけが無い、というようなものがぞろぞろと出てきます。しかも出品数が10件以上もあるのに、最安値のものですら売れないような価格を平然とつけている場合も少なくありません。出品者の品位とは言いませんが、本の知識も、本を売ろうとする姿勢も最低で、自ら世間に己が恥を広めているようなものと私は感じます(ここで再度間を置きます)。

 では、何もやるなというのがこの回答の結論かというと、そうではありません。上記とも関わってきますが、いくつか重要なことを書いておきましょう。
 1.本は好きですか?
 必ずしも好きでなくとも構いません。ですが、このジャンルの本なら、ある程度知識があるとか、古書としての価値や人気に付いても知っている。そのような資質が無くては駄目です。それこそ普通の古書店に入って自分の得意な棚をぱっと見て、これなら売れそうだと判定できる。一つだけでも良いのでそういう得意分野がないと駄目です。結局これは「好き」に通じます。誰でも自分が好きなもののことは詳しいですね。
 私はほぼ100円棚で買い集めていた翻訳SFをかなり長い間所持していました。ですがそろそろ置き場にも困ってきたし、もうこの辺で処分するかと大方をオークションで買値の100円で出品しました。翻訳SFの大部分は発行部数が少なく、すぐ絶版になるという傾向にあります。そのため2~30年ほど前のものでもほとんどが既に新刊では手に入れられない状況でした。出品時に古書店に全く在庫が無いものもありました。
 当然古書店は100円などでは出しません。中にはものによっては平然と2000円近い値をつけている店もありました。結果は一番高くなったのが1300円くらいで、それでも大方の落札者には「安く買えて良かった」と喜んでもらったほどです(売れ残りはごく一部の大物作家の作品など、全体の15%程度。最終的に半額にしても売れなかったものは取りやめにしました)。もしかしたら落札者の中には転売屋もいたかもしれません。
 ともあれ、このジャンルなら私にもそれなりの勝負が出来ます。元々が100円で、それを殊更高く売ろうとは思わないから100円均一で売りに出しただけのことです。他の古書店の最安値の半値を付けて放置しておいても、少なくとも半数はいずれ売れたことでしょう。どういうものがそれに類するかはほぼ一目で判断できます。
 以上は何か一つはとりえが無いと駄目ですよ、という例として挙げました。

 2.売値には敏感になりましょう。
 既に触れましたが、市場に品物があふれているのに、これを売れない価格のままで出し続けるのは商売のやり方としては最低です。店を構えて棚に本を並べているのなら、そのような見直しが行き届かないのはこれは止むを得ない部分もあります(値を付け直すのに相当な手間が掛かるため)。ですがウェブのページの数字をちょっと書き換えるだけで済むインターネット販売でそういうことをし続けると、駄目な出品者という判定を下されることになります。
 そうなってしまうとほかの品物まで見てもらえる可能性が低くなって、結局自分の首を絞めることになります。売れないものは売れない理由があるわけですから、少なくとも自分で改善することが出来る値付けに関しては一層の注意をするべきでしょう。もちろん、元値がこれこれなので何があってもこれ以上は下がらない、と突っ張るのも自由ですが。
 またアマゾンでの例になります。あそこにはそこそこ珍しい本にとんでもない値を付けて出している者が少なからずいます。値付けは出品側の自由ですからこれが悪いわけではありませんが、傍から見れば「こんな値で売れると思っているんだろうか。本気かね」と、はっきり言えば嘲笑の対象ともなっています。
 そのような品でも場合によっては売れることもあります。どうしてもなるべく早くそれを手に入れたい、といった特別な理由を持った人が現れる場合もあるからです。しかしそんなことは例外だと思ってください。こんな場合、買う方も大方は「なんでこんなに高いんだ」と感じているでしょう。
 市場のどこにも品物がほかには無いとか、年に一度も市場に出ない。これくらいのものならばそれなりの値を付けてしかるべきかと思います。ただしこんな本がブックオフの棚に出ることはまず無いでしょう。

 どういうものがどれくらいの値で売れるのかとか、どういうものに人気があるのかについてはオークションの方が参考になるかと思います。このサイトを見てゆくと役に立つデータもあるかもしれません。
http://aucfan.com/search
 もう一つ。このサイトで挙げられている本に売れる可能性が高いものが多いのは言われるまでもないと思います。ただし滅多に手に入らないものが多いのも確かですが。
http://www.fukkan.com/list/rsearch
 まだ残り800文字ありますが、取り敢えずこのくらいにしておきます。 
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この回答へのお礼

大変な文章ありがとうございます。
ゆっくり読んで考えたいと思います。
お忙しい中ありがとうございます

お礼日時:2013/07/19 11:50

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