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日本には神道という宗教があり、今もそれなりに信仰を受けていると思いますが、この神道に似た形式を持つ宗教は海外にあるでしょうか?

ないのであれば、以下のうちどれに最も近いと言えるでしょうか?
①道教
②ヒンドゥー教
③ギリシャ神信仰

例えば中国人に神道はどういったものかを説明するとして、「道教に似た宗教だよ」といってよいものでしょうか?
例えばインド人に神道はどういったものかを説明するとして、「ヒンドゥー教に似た宗教だよ」といってよいものでしょうか?
例えば西洋人に神道とはどういったものかを説明するとして、「今でもギリシャ神を信仰しているようなものだよ」といってよいものでしょうか?

A 回答 (3件)

それぞれ、似ている部分と違う部分がありますので、個別に説明します。



まず神道の特徴から

神道が世界的にみて特殊であるのは「原初的精霊信仰(アミニズム)」が残っているからです。アニミズムとは、山などの斎きものなどに神を見出し、自分が使っている針や箸などに魂を見出し、はてはトイレまで何らかの意思があるとする信仰形態といえます。
 
アニミズムは文明の栄える前の原始的な生活においては世界に普遍的に存在したと言われていて、たとえばイギリスに残るフェアリー: fairyは元々日本と同様な「花の精霊」とか「木の精霊」のようなアニミズムのものでした。
 たとえばロードオブザリングと言う映画がありますが、著者のJ・J・トールキンは小泉八雲同様19世紀の終わりに「機械化・近代化が始まると古き良き民俗が消えてしまう」とフェアリーやトロール・エルフなどを題材に「人間が征服する前に人間ではないいろいろな精霊たちが存在する世界」を書いたものと言われています。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン9も父がアイルランド人なので、そういう影響を受けて日本の習俗を収集したのだと思います。

現在でも世界には多神教が残っていますが、日本の神道が持つ「アニミズム性」はほとんどありません。その点がかなり違うので、世界で説明するには「日本の神道はアニミズム」である、という一言が必要だと思います。

①道教
道教は似ている、というより「日本の神道も道教の思想的影響を受けている」といえます。たとえば茶道とか剣道などと、ある一定のスキルを習得する鍛錬を「道」と表現するのは、道教から来ています。そもそも「神道」自体が、道、ですしね。

日本の神道をアニミズムから、ある程度の宗教概念にまとめたのは道教の影響が大きいといえます。それまでなんとなく「神様」と思っていたことを「神々は天に居て人々の暮らしを観察して、善行を施せば徳を、悪行を為せば罰を与える」というような概念を与えたのが道教だといえます。日本の神道がアニミズムから脱したのは3世紀から5世紀までの日本史の空白期間であるといえるでしょう。

 また、閻魔大王や天国地獄など元々ヒンドゥー教(仏教)的なものですが、日本にくる前に中国の道教と習合し、日本では道教的な神として扱われることが多くなっています。

 さらに、道教は儒教などの発展に伴い、その思想を体系的に整理していますので、アニミズム的な部分はほとんどありません。したがって、中国人に対して「道教に似ている、影響を受けている」とはいえますが、同時に「でも土着のアニミズムも残っている」と言い添えたほうがいいでしょう。

②ヒンドゥー教
ヒンドゥー教はインド各地にある土俗的な宗教と仏教などが合わさり、さらに支配階級がヒエラルキー(階層構造)を構築する際に整理し恣意的に作り上げた宗教でもあります。恣意的に作り上げた部分については、日本の明治時代の国家神道と似ている、ともいえるでしょう。

 しかし、日本でも国家神道に属さない土俗的な習俗は多数残っているようにヒンドゥー教も各地に土俗的な習俗が多数残っており、日本人が意識するよりも多彩であるといえます。

ですので、インド人に「ヒンドゥー教に似て、いろいろな神様がいるよ」とはいえますが、同時に「アニミズムが残っていて、カーストのような社会構造とは全く無関係だ」ということも言う必要があるかもしれません。


③ギリシャ神信仰

ヨーロッパの神はギリシャ神だけではありません。北欧からイギリス・ドイツなどのゲルマン民族にはゲルマン神話があり、フランスなどの西ヨーロッパのケルト人にはドルイド教と呼ばれるものがあり、ゲルマン神話とほぼ同じです。ローマを含むイタリアは別の神話を持っていて、ローマがギリシャを征服した後は、ギリシャ神話との習合を行います。たとえば全能神ユピテルはゼウス、戦いと豊穣の神マルスはアレース、アポロはローマには無かったので輸入した、という感じです。

 ローマについては、その後ヨーロッパ各地を支配していき、土俗的な宗教を取りいれ、場合によっては破壊していきます。たとえばドルイド教の宗教指導者はケルト社会で権力があったため「信仰することは自由だが、権力を持つことは許さない」として宗教指導者は排除してしまいました。

これらの習俗的な空白地帯にのちにキリスト教が浸透していくわけですが、同じヨーロッパと言っても土俗宗教の影響が残っていて、イタリアでは母性を崇拝するマリア信仰が強く、ドイツはゲルマン的な宗教意識からプロテスタントが起こります。またアメリカでハロウィンとして有名になった祭りは元々キリスト教のものではなく、北欧神話に出てくる「闇の世界(北欧の冬は極夜で1日日が出ない夜の世界)」から発展したもので、極夜の季節と白夜の季節の変わり目である10/31におこなうのです。

このように、ヨーロッパでも習俗が違うので、単に「ギリシャ神話のような」というのは誤解を招くでしょう。それならまだ「キリスト教以前のローマのような他宗教だった」というほうが良いと思います。
 もちろん「アニミズム」も言い添えたほうがいいのですが、アニミズムについてはイギリス人や北欧人は比較的理解が早いでしょう。

また、ローマ史を良く知っている人は「ローマが征服した地域の神を、ローマのユピテルの丘に祭り、必ず神殿を作った」という事実も知っているでしょうから「ローマ時代征服民族の融合のために、ユピテルの丘に各民族の神殿を作ったように、日本も1500年ほど前の統一国家制定時代に、天皇家が『すべての豪族の神々に対して、私が代表して毎日祈るので、私の下で統一国家を作ろう』としてできた国です。」
と説明するとより理解が深まるでしょう。

逆にアメリカ人は「キリスト教しか知らない」人々なので、多神教も分からなければアニミズムも理解できないでしょう。せいぜいギリシャ神話を引き合いに出して理解してもらえるかどうか、だと思います。(それでも旧大陸の人と違って本質的な理解はできないでしょう)
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>自然と先祖を尊ぶ感情を持っている日本人なら、


>それで信者確定ですから。
拙は、無神論者、無信仰を自負して居ますが。
上記の言葉には、衝撃を受けました。
って、拙は先祖を敬いますし、自然も尊びます。
って事は、拙も信仰者なのですね。
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道教だと思います。


そもそも、神道は道教の影響を受け、それを
日本式に濾過したモノだ、という説もあります。

多神教として、共通点もありますが、道教が目指す
のは現世の利益で、富貴長寿です。

神道のそれは、自然や先祖を尊ぶ、という
だけの自然発生的な宗教です。

神社神道は、天皇の神道で、本来の神道とは少し
違い、人工的宗教になっています。





例えば西洋人に神道とはどういったものかを説明するとして、
「今でもギリシャ神を信仰しているようなものだよ」
といってよいものでしょうか?
  ↑
神道とは最も宗教的でない宗教です。

なにせ、自然と先祖を尊ぶ感情を持っている日本人
なら、それで信者確定ですから。

宗教というよりも、もっと素朴な、日本人の
宗教的感情、といったモノです。

神道の信者には、信者である、という自覚すら
不要です。

日本人のほとんどは、自然や先祖を尊ぶので
神道の信者なのです。
しかし、信者である、という自覚など無い日本人
がほとんどでしょう。
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